医師監修:寝るときの冷房の温度は何度が最適?おすすめの設定を解説
熱くて寝苦しいと感じてしまう夏の夜。「快適に眠れる冷房の設定は何度?」「快適に起きられる冷房の設定方法はある?」のように、冷房に関する悩みを解決したい方は多いのではないでしょうか。
睡眠の質を向上するには、快適な室温の部屋を作る必要があります。そのため、夏の暑い夜への対策として、最適な冷房の使い方を知ることが大切です。
今回は、寝苦しい夏の夜を解消する、おすすめの冷房の設定方法を解説します。入眠がスムーズになり、寝起きもスッキリするので、ぜひお試しください。
監修者
- 井上 信明(いのうえ のぶあき)
- 医師/公衆衛生学修士(MPH)
日本の医学部を卒業後、アメリカとオーストラリアで医師として7年半勤務。
目次 [CLOSE]
寝るときにおすすめの冷房の温度設定は25~28℃
睡眠時の温度・湿度 | |
---|---|
温度 | 25~28℃ |
湿度 | 50~60% |
夏場の就寝時のエアコンは、室温が25~28℃になるよう設定するのがおすすめです。ここでのポイントは「エアコンの設定温度」ではなく、「室温」にあります。
エアコンの設定温度が必ずしも室温になるとは限りません。設定温度が室温になると思って温度設定を低くすると、寒くて眠れないということもあり得ます。室温が25~28℃になるようにエアコンを設定しましょう。
快眠のためには室温とともに、湿度の調整も大切です。とくに夏の雨の日は湿度が高く、より寝苦しくなることがあります。そんなときは、エアコンの除湿機能を活用しましょう。寝室の湿度が50~60%になるように除湿機能を使うと、体のジメジメした感じが解消され、眠りにつきやすい環境をつくれます。
ただし、エアコンをつけっぱなしにすると電気代が気になる方も多いでしょう。その際には、タイマーを3時間程度に設定することをおすすめします。重要なのは「床についた際に快適な室温であること」です。
冷房の温度設定で気を付けるポイント
寝る前に冷房を使うことは、快適な睡眠を促すのに役立ちます。しかし、使い方を間違えると体を冷やしすぎてしまい、体調を崩すリスクが生じます。ここからは、エアコンを利用する際のポイントについてご紹介します。
風が体に直接当たらないよう注意する
風が直接体に当たると、その部分だけが過剰に冷やされ、体温調節がうまくいかなくなります。この状態が長時間続くと、体調を崩すことがあるので気をつけましょう。
おすすめは、エアコンの風向きと風量の調整です。多くのエアコンには風向きを調整する機能が備わっています。風が直接体に当たらないように、上方向や横方向に設定するか、スイング機能を使って風を送るようにしましょう。なおかつ、寝る前に風量を下げることで、体が過剰に冷やされるのを防げます。
寝る時間より前にエアコンをつけておく
エアコンは、睡眠前に適切な温度に設定して稼働させておくことがおすすめです。
エアコンが部屋全体の温度を下げるためには、15~30分程度の時間が必要です。あらかじめエアコンをつけておけば、室温が25℃~28℃に保たれた状態で眠れます。快適な環境で早く眠りにつければ、質の良い睡眠を得られるでしょう。
扇風機・サーキュレーターを活用する
エアコンだけで部屋全体を冷やそうとすると、部屋の一部にしか冷風が行き渡らない可能性があります。解決方法としては、扇風機やサーキュレーターの併用が効果的です。
扇風機は、エアコンの風の向きを変えて、冷風を体に当てたい際に役立ちます。ただし、前述したとおり冷風を直接体に当て続けると体調を崩す原因になるため、扇風機をつけたままの就寝は避けましょう。扇風機で涼みながら就寝したい場合はタイマーを設定し、長時間冷風が体に当たらないように配置や首振りなどの工夫が必要です。
一方、サーキュレーターは、空気を効率的に循環させる機器です。部屋の低いところに溜まりやすい冷たい空気を上向きに送ることで、エアコンの冷風を部屋全体に効率的に循環できます。
寝るときにおすすめの冷房の設定方法
冷房の設定をする際に、「オフタイマーを設定すべきなのか」「つけっぱなしで寝ても良いのか」などを気にする方も多いでしょう。ここからは、快適な睡眠をキープできる冷房の設定方法を解説していきます。
オフタイマーを2~3時間で設定する
オフタイマーを2~3時間に設定することで、就寝時に快適に過ごせる上に、電気代の節約にもつながります。また、部屋が冷えすぎることによる、体調不良を防ぐこともできます。
しかし、冷房がオフになった後、暑苦しさで目覚めてしまう可能性もあるでしょう。冷房が切れた後もできるだけ涼しい部屋を保ちたい場合には、扇風機やサーキュレーターをつけておくことで、部屋の冷気を一定時間キープできます。
エアコンをつけっぱなしにするよりも、扇風機やサーキュレーターをつけっぱなしにする方が電気代は安いため、電気代を節約しつつ涼しい部屋をキープしたいときにおすすめです。
朝までつけっぱなしにする
オフタイマーを設定せずに、朝まで冷房をつけっぱなしにすることで、一定温度の涼しい部屋で眠ることができます。また、目を覚ましたときに、涼しい部屋で起床できることもメリットです。寝ている間に室温が上がって、起きたときに「汗だらけ…」ということも防げます。
ただし、エアコンの電気代が上がってしまう点に注意が必要です。毎晩つけっぱなしにするより、1週間に2~3回など、冷房をつけっぱなしにする日を決めておくと、節約できます。
冷房をつけっぱなしにして眠るときは、体温の低下に気を付け、薄着で寝ないようにしましょう。夏とはいえ、冷気に体を当てすぎると体調不良につながるため、掛け布団をしっかり被って眠るようにしてください。
掛け布団を被って眠る際に寝苦しいと感じる場合は、「寝床内気候(布団の中の温度と湿度)」が適切でない可能性があります。寝具やパジャマの汗の吸い取りが不十分だと寝床内気候が悪くなるため、寝苦しいときは寝具やパジャマの素材を確認してみましょう。
「おやすみモード」を設定する
エアコンによっては、「おやすみモード(※モデルにより名称が異なる場合があります)」という機能が備わっています。おやすみモードは、体温の変化を読み取り、設定温度を調整してくれる機能です。
睡眠中に寒さを感じた場合、自動で設定温度を上げてくれるので、より快適な部屋をキープしやすくなります。そのほか、設定温度を上げてくれる影響で、少し電気代の節約ができるのも嬉しいポイントです。
寝るときに冷房をつけるメリット
就寝時に冷房を活用することで、夜の寝苦しさを解消し、睡眠の質を向上することができます。さらに、夜中に目が覚めにくくなるため、しっかりと体の疲れを取ることにも役立つでしょう。それぞれのメリットについて解説します。
寝苦しさを解消できる
夏の熱帯夜は暑さで寝苦しく、寝つくのに時間がかかることも少なくありません。これは、睡眠と深い関係があると言われている、深部体温が下がらないことで眠気が訪れにくくなることが原因だと考えられます。
人間は眠る際、体の内側から熱を逃がすために皮膚から放熱をします。これによって深部体温を低下させるのですが、部屋が暑すぎたり湿度が高すぎたりすると放熱を妨げてしまいます。そのため、夏の熱帯夜は寝つきにくくなるわけです。
適切な温度設定の冷房は、睡眠への導入をスムーズにしてくれます。早めに就寝できれば、睡眠時間を長くとれることになるので、体の疲れを取ることにもつながるでしょう。
睡眠の質が良くなり夜中に目が覚めにくくなる
暑い季節における睡眠の問題は、深夜でも気温が高いことです。そのため、寝ている途中で暑さにより目が覚めてしまうことがあります。
冷房を適切に設定し使用すれば、就寝中も快適な室温を保てます。暑苦しさで目が覚めることもありません。
さらに、入眠時に冷房を使っていれば、より深い眠りにつくことができるため、途中で目を覚ますことも少なくなり、熱中症予防にもつながります
寝るときに冷房をつけるデメリット
就寝時のエアコン利用で注意したいのは、部屋が冷えすぎたり体に風が当たり続けたりすることで起こる体調不良と電気代です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
温度設定が適切でないと体調を崩す可能性がある
冷房は設定温度が低すぎたり、冷風が直接体に当たったままで眠ったりすると、体調を崩すリスクが発生します。また、冷房の影響で体温が下がると自律神経の乱れを起こし、体調不良を感じることもあります。
適切な温度設定をすることで、これらのリスクを抑え、体調不良になりにくい環境で安心して眠れるようになります。冷房をつける際は、快適な睡眠だけでなく健康も考えて、適切な温度設定を行うのがおすすめです。
基本的にエアコンの設定温度は室温と一致しますが、エアフィルターの詰まりが原因で、エアコンが室温を正確に検知できないことがあります。この状態だと設定した温度に到達しないこともあるので、注意が必要です。
電気代がかさんでしまう可能性がある
冷房のつけすぎは、電気代が高額になってしまう点に注意が必要です。とくに、一晩中エアコンをつけ続けると、通常よりも電気代が高くなることが予想されます。
電気代が気になる方は、タイマー機能を活用することも大切ですが、エアコンを稼働する時間を決めておくことも大切です。朝、涼しいタイミングはエアコンをつけないなど、使いすぎないためのルールを設けることとで節電効果が期待できます。
ただし、エアコンのオン/オフを頻繁に繰り返すと、かえって電気代がかかってしまうことがある点にはご注意ください。
まとめ
暑さで寝苦しい夏に快適な睡眠と体調管理を実現するためには、冷房の利用がおすすめです。しかし、温度や湿度の設定を誤ると体調を崩すリスクがありますので、適切な設定が必要です。具体的には、25~28℃の範囲で温度を設定し、湿度は50~60%に保つよう心がけましょう。
エアコンをつけるタイミングも大切です。寝る前には部屋全体を適温まで下げてください。また、タイマーを活用して、電気代を抑えましょう。エアコンを賢く活用して、より快適な睡眠ライフを送ってください。
KEYWORD
#人気のキーワード
RECOMMENDED
#この記事を読んだ人におすすめの記事
-
暖房20℃では寒い?暖かくするコツ・電気代節約術も紹介!
-
防災士監修:地震対策で備えておくべき物リストを紹介!
-
暖房の平均設定温度は22.6℃!目安の温度や電気代の節約方法も解説
-
医師監修:部屋の乾燥対策9選!寝るときに手軽にできる対策も
-
暖房は何度からつける?設定温度やすぐにできる節約術も紹介
-
服についた墨汁の落とし方!身近なアイテムで汚れをきれいに
-
夜のエアコンはつけっぱなしが正解?電気代や快適な設定を解説
-
一級建築士監修:ZEH(ゼッチ)とは?基準や種類、補助金を解説
-
医師監修:寝るときは暖房をつけるべき?快適な睡眠環境の作り方を紹介
-
暖房を1か月つけっぱなしにしたときの電気代は?節約方法も解説
-
暖房の風向設定は下向きが良い?効率的に部屋を暖める方法を解説
-
カルキ汚れ(水垢)の掃除方法は?場所別の落とし方とNG行為を解説
-
サーキュレーターと扇風機の違いは?電気代や活用方法を解説
-
換気扇はつけっぱなしでも大丈夫?メリットや電気代の節約法も解説
-
エアコンとこたつはどっちが電気代安い?メリットや節約術も解説
-
冬の洗濯物が乾かないときの対処法は?洗濯方法・干し方をそれぞれ解説
-
エアコンの暖房が臭い原因は?ホコリやカビの対処法と掃除方法
-
暖房とサーキュレーターの併用は効果的?置き方や使い方を解説!
-
羽毛布団の洗い方は?自宅で洗濯する際の注意すべきポイント
-
窓の結露対策10選!今日から使える知識を紹介