
エアコン除湿の電気代を解説!冷房・除湿機との料金比較や節約法も
本記事では、エアコンの除湿機能に焦点を当て、機能の種類別の電気代目安や冷房機能・除湿機との比較、さらに日常生活で役立つ節約術について詳しく解説します。
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エアコンの除湿機能(ドライ)の電気代は1時間あたり約5~17円
除湿機能には、「弱冷房除湿」「再熱除湿」などの種類があり、どちらがエアコンに搭載されているかによって電気代が異なります。前者は一般的なモデルに搭載されていることが多く、後者はハイエンドモデルに多く搭載されています。両者は、室内の水分を取り除く仕組みが異なるため、消費電力、つまり電気代も異なってきます。
さらに、エアコンの除湿機能の消費電力は、室内外の温度や湿度などの条件により大きく変動します。そのため、メーカーの公式サイトには、除湿機能使用時の具体的な消費電力は記載されていないことがほとんどです。
そこで、ここでは東京電力株式会社(現:東京電力ホールディングス株式会社)が2002年に実施した試験結果[1]をもとに、2025年現在の1時間あたりの電気代の目安を試算しました。
エアコンの機能 | 1時間あたりの電気代目安 |
---|---|
冷房 | 12.4円 |
再熱除湿 | 16.8円 |
弱冷房除湿 | 5.3円 |
※2002年の試験結果(試験条件:室内・室外温度24℃、湿度80%)をもとに、「▼電気代計算の考え方」に示す方法で試算した電気代の目安額です。
試算の結果、1時間あたりの電気代の目安額は、冷房機能が12.4円、再熱除湿機能が16.8円、弱冷房除湿が5.3円と求められました。エアコンの性能や環境条件、設定温度等によっても異なりますが、電気代は一般的に、弱冷房除湿・冷房・再熱除湿の順に高くなる傾向にあります。
弱冷房除湿と再熱除湿の特徴の違いについては、「▼エアコンの除湿機能は主に3種類」、冷房機能との違いについては、「▼エアコンの冷房機能や除湿機との使い方・電気代の違い」で詳しく解説します。
電気代計算の考え方
- 2002年当時のエアコン機種における試験結果[1]より、各機能の1時間あたりの消費電力量を逆算(冷房:0.481kW、再熱除湿0.652kW、弱冷房除湿0.179kW)。
- 環境省の省エネ製品買替ナビゲーション「しんきゅうさん」[2]より、2002年モデルと2025年モデルの年間消費電力量を次の条件で比較。
【使用条件】居住地域:東京都、暖房:使わない、冷房:使う(設定温度24℃、平均使用時間18時間/日、住居形態:木造一戸建て・南向き)
【比較機種】2002年:冷房能力2.8kW(三菱電機・型番その他)、2025年:冷房能力2.8kW(冷房・再熱除湿:三菱電機MSZ-X2825、弱冷房除湿:三菱電機MSZ-GE2825) - 年間消費電力量の比較結果を省エネ性能の向上率(冷房・再熱除湿:0.83、弱冷房除湿:0.96)と見なし、(1)で求めた消費電力量に反映(冷房:0.399kW、再熱除湿:0.541kW、弱冷房除湿:0.172kW)。
- (3)で求めた消費電力量から1時間あたりの電気代の目安を計算。
電気代の計算
- 電気代(円)=消費電力(kW)×使用時間(h)×電気料金の目安単価(円/kWh)
- 電気料金の目安単価は、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が定める電気料金目安単価(2025年5月現在)の「31円/kWh(税込)」[3]を使用。
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エアコンの除湿機能は主に3種類
エアコンに搭載されている除湿機能は、主に「弱冷房除湿」「再熱除湿」「ハイブリッド除湿」の3種類に分類されます。種類ごとに除湿の方法や仕組みが異なり、電気代にも違いが生じるため、自宅のモデルがどの除湿機能を搭載しているかを知っておくことは重要です。
温度や湿度などの条件が同じの場合、通常、再熱除湿は他の種類よりも電気代がかかり、弱冷房除湿やハイブリッド除湿の方が料金を抑えられる傾向にあります。
以下では、それぞれの除湿機能について詳しく解説します。
弱冷房除湿:湿度を下げるが室温も下がる
エアコンが室内の空気を取り込み、冷却して空気中の水分を凝縮させることで、屋外に排水するのが弱冷房除湿です。この仕組みは通常の冷房機能と同じもので、冷却された空気はそのまま室内に戻るため、湿度を下げるだけでなく、室温も下がるのが特徴です。
湿度を下げることを主目的とする機能のため、「蒸し暑くて湿度を下げたい」というときには、少ない消費電力で湿度を下げられる弱冷房除湿が最適です。
一方、梅雨時や雨の夜など「暑くはないが湿度を下げたい」というときには、弱冷房除湿に設定していると肌寒く感じることがあります。
また、通常の冷房機能でも湿度は下がります。そのため、真夏など「非常に蒸し暑くて湿度も室温も下げたい」というときには、冷房機能を使うことで室温を大きく下げつつ、湿度も下げることができます。詳しくは「▼エアコンの冷房機能との違い」でも解説します。
再熱除湿:湿度を下げて室温は変えない
室内の空気から水分を取り除いた後、その空気を温め直して部屋に戻すのが再熱除湿です。湿度を下げながらも、室温を変えずに快適な空間を維持するのに適しています。
弱冷房除湿と比較すると、梅雨時や雨の夜などのように「暑くはないが湿度を下げたい」という場面でも、室温を変えずに湿度だけを下げ、快適に過ごすことができます。
ただし、除湿のために一度冷却した空気を温め直してから部屋に戻すため、他の除湿機能よりも電気代がかかります。
ハイブリッド除湿:湿度を下げて室温はほとんど変えない
ハイブリッド除湿では、室内の空気から水分を取り除く際に、温度が下がった空気を室内の空気と混ぜ合わせることで、吹き出す空気の温度を調整します。
再熱除湿のように冷却した空気を温め直すわけではないため、電気代は抑えつつ、室温を大きく変動させることなく除湿できます。
エアコンの冷房機能や除湿機との使い方・電気代の違い
エアコンの除湿機能と冷房機能、除湿機には、それぞれ異なる特徴・目的があります。エアコンの除湿機能や除湿機は湿度を効率良く下げることに特化しており、冷房機能は温度を下げることが主な目的です。
電気代は、再熱除湿が最も高く、次いで冷房機能、弱冷房除湿・ハイブリッド除湿、最後に除湿機の順に安くなる傾向です。ただし、使用環境や機種によっても電気代は大きく変わります。
ここでは、エアコンの除湿機能と冷房機能および除湿機の具体的な違いを解説します。
エアコンの冷房機能との違い
エアコンの冷房機能と除湿機能は目的が異なります。冷房機能は室内の温度を下げることが主な目的であり、除湿機能は湿度を下げることが主な目的です。
冷房機能は、室温を下げる過程で湿度も下がりますが、室温を設定温度に近づけることを主目的としているため、湿度を下げることが主目的の場合には不向きです。
一方、除湿機能も、湿度を下げることで体感温度が下がることはありますが、室温自体を下げるのには適していません。また、弱冷房除湿では室温が多少下がりますが、再熱除湿やハイブリッド除湿では室温はほとんど下がりません。
部屋の暑さや不快感の原因が湿度なのか室温なのかを判断し、原因にあわせて冷房と除湿を使い分けることで快適に過ごせます。
目安として、梅雨時や雨の夜など「室温よりも湿度を下げたい」というときには除湿機能、真夏のように「室温を下げたい」「室温も湿度も下げたい」というときには冷房機能がおすすめです。
除湿機との違い
エアコンの除湿機能と除湿機の違いは主に、除湿の仕組みと電気代です。
除湿機には、コンプレッサー式、デシカント式、ハイブリッド式の3つの方式があります。
コンプレッサー式は、エアコンの弱冷房除湿と同様の仕組みを持ち、空気を冷却して発生した結露により水分を取り除く方式です。
デシカント式は、乾燥剤(デシカント)が空気中の水分を吸着し、それをヒーターで温めてから冷やすことで水分を排出する方式です。部屋を暖めつつ除湿するため、冬場の除湿に適しています。
ハイブリッド式は、上記2方式の機能を備えています。部屋の温度や湿度に応じてそれぞれの運転比率を自動で調整しながら効率的に除湿を行います。
また、一般的に、除湿能力はエアコンの除湿機能の方が高いものの、電気代は除湿機の方が安い傾向にあります。また、除湿機は空気をあまり冷やさないため冷却効果は小さいですが、設置場所を選ばず使いやすい点がメリットです。
除湿の電気代を抑える節約方法
エアコンを効率的に使用することで、除湿機能を利用しても電気代を抑えることが可能です。
ここでは、具体的な節電方法を紹介します。
エアコンの室内機のフィルターを掃除する
エアコンは室内の空気を吸い込むため、使用しているうちにフィルターはホコリやカビなどで汚れていきます。その結果、空気の通りが悪くなり、出力が強まるため、無駄な電気代がかかることになります。
環境省の調査では、こまめなエアコン掃除を行うことで、冷房時で約4%、暖房時で約6%も消費電力を削減できるとされています[3]。エアコンを頻繁に使用する時期は、フィルターだけでも2週間に1回の頻度で掃除すると良いでしょう。
なお、「くらひろ by TEPCO」が独自に実施したアンケート調査では、一般の方のエアコンのフィルター掃除の頻度は、「半年に1回以上掃除する」という人が最も多かった(25.2%)一方で、14.9%の人は「一度もフィルター掃除をしたことがない」と答えています。
- 調査主体:くらひろ by TEPCO(東京電力エナジーパートナー株式会社)
- 調査期間:2025年3月7日~3月9日
- 有効回答数:714(エアコン所有者のみ)
また、フィルターで覆われたエアコン内部にもホコリは溜まりやすく、カビや悪臭の発生原因になることがあります。自分でできるフィルター掃除とあわせて、シーズン前には専門業者によるエアコンクリーニングを依頼し、徹底的に分解洗浄することをおすすめします。
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目的に応じて除湿・冷房を使い分ける
エアコンを効果的に使用するには、湿度と温度のどちらを優先して下げたいのかを明確にし、目的に応じて除湿機能と冷房機能を使い分けることが重要です。
例えば、湿度が高い梅雨時には除湿機能が適しており、不快感を解消できます。反対に、温度を下げたいときは冷房が効果的ですが、湿度を下げたいのに冷房のまま使うと、電力を無駄に消費してしまいます。
なお、最近の機種には「自動運転切替」の機能が搭載されているものもあります。冷房と除湿を自動で切り替え、適切に使い分けることが可能です。
自動運転で風量を調節する
風量を自動運転にすると、部屋の状態に合わせて最適な風量で除湿されます。これにより、短時間で効率的に除湿が行われ、無駄な消費電力を削減できます。
適切な温度設定をする
弱冷房除湿を使う際、設定温度を下げすぎると必要以上に電力を消費します。除湿に限らず、エアコン使用時は室温や体感温度に合わせて適切な温度設定を心がけることが、電気代の節約につながります。
つけっぱなしにしておく
使用環境により異なりますが、一般的にエアコンは起動時に多くの電力を消費するため、短時間の外出ではつけっぱなしにする方が省エネにつながります。
「くらひろ by TEPCO」が実施した「何分間の外出をするときにエアコンの冷房を消すか」というアンケート調査では、「2時間以上(22.4%)」という回答が最も多く、次いで多かったのは「15分未満(22.0%)」でした。短時間の外出でもエアコンを消す人と、長時間の外出でも消さない人に分かれるようです。
- 調査主体:くらひろ by TEPCO(東京電力エナジーパートナー株式会社)
- 調査期間:2025年3月7日~3月9日
- 有効回答数:714(エアコン所有者のみ)
なお、短時間の外出では、つけっぱなしにすることで電気代が抑えられるケースが多いですが、長時間にわたってエアコンを使用していると、エアコン内部に湿気が溜まり、カビや悪臭の発生原因となる可能性があるため注意が必要です。
状況に応じた使い分けとともに、定期的な掃除で稼働効率を保つことも重要です。こまめに掃除するのが難しいときや、季節の変わり目には、専門業者による徹底洗浄も試してみてくだい。
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まとめ
エアコンの除湿機能は湿度を効率的に管理し、快適な室内環境を提供しますが、使用環境や種類によって電気代がかさむ場合があります。エアコンの除湿機能の種類や冷房、除湿機との違いを正しく理解し、それぞれを効率的に活用しましょう。
さらに、フィルターの定期的な掃除、適切な温度設定、自動運転機能の活用などの節約術を実践することで、快適な室内環境と節電を同時に実現できます。本記事を参考に、湿度の高い季節でも快適に過ごす工夫をぜひ試してみてください。
- 東京電力株式会社(現:東京電力ホールディングス株式会社):
エアコンの「除湿」モードの使用状況(調査結果)[PDF] - 環境省:
省エネ製品買換ナビゲーション「しんきゅうさん」 - 公共社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会:
よくある質問 Q&A - 環境省:
家庭でできる節電アクション
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