屋内のエアコン
省エネ・節電

エアコン冷房を1か月つけっぱなしにしたら電気代は?節電方法も解説

エアコンの使用時間が長くなると、電気代が気になる方もいるのではないでしょうか。とくに、在宅勤務をしている方は、快適に仕事をするために、日中エアコンをつけっぱなしにする方も多いと思います。

そこで今回は、エアコンの冷房を1か月つけっぱなしにしたときの電気代や就寝中につけっぱなしにしたときの電気代を紹介します。冷房をつけっぱなしにするメリットやデメリット、電気代の節約方法も解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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エアコンの冷房を1か月つけっぱなしにしたら電気代はいくら?

エアコンの冷房を1か月間つけっぱなしにしたときにかかる電気代と、夜間のみ冷房を1か月つけっぱなしにしたときの電気代を計算していきます。

エアコンの冷房にかかる電気代の計算式は以下のとおりです。

電気代(円)=消費電力(kW)✕使用時間(h)✕電気料金単価(円/kWh)

なお、電気料金単価は、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が定める電気料金目安単価(2025年5月現在)の「31円/kWh(税込)」を基準に計算します[1]

冷房を1か月つけっぱなしにしたときの電気代:8,000円程度

8畳タイプのエアコンの冷房を1か月つけっぱなしにしたときの電気代は、8,000円程度が目安です。

エアコンは、設定した室温にするために最初はフルパワーで稼働し、設定温度に達したら最小限の出力で運転して室温を維持する仕組みです。また、夏に冷房を使用すると、暑い日中は消費電力が増え、気温が落ち着く夜間は消費電力が減る傾向にあります。

そのため、今回は以下のように使用条件を想定して、電気代の目安を計算していきます。

1日目の消費電力

  • エアコンをつけた時刻:18:00
  • つけ始めた最初の30分間(18:00〜18:30):最大消費電力
  • 夜間(18:30〜翌8:00):最小消費電力

2日目以降の消費電力

  • 昼間(8:00〜18:00):標準消費電力
  • 夜間(18:00〜翌8:00):最小消費電力

今回参考にした8畳タイプのエアコンの消費電力は、最大出力時に1,050W、通常出力時に710W、最小出力時では125W程度です(※)。

上記の条件を計算式に当てはめると、エアコンの冷房の電気代は以下のように計算できます。

1日目の電気代

  • つけ始めた最初の30分間(18:00〜18:30)の電気代:最大消費電力
    1.050(kW)✕0.5(時間)✕31(円/kWh)=約16.3円
  • 夜間(18:30〜翌8:00):最小消費電力
    0.125(kW)✕13.5(時間)✕31(円/kWh)=約52.3円
  • 1日目の電気代の合計:
    16.3(円)+52.3(円)=約68.6円

2日目以降の電気代

  • 昼間(8:00〜18:00)の電気代:標準消費電力
    0.710(kW)✕10(時間)✕31(円/kWh)=約220.1円
  • 夜間(18:00〜翌8:00):最小消費電力
    0.125(kW)✕14(時間)✕31(円/kWh)=約54.3円
  • 2日目以降の電気代の合計(1日あたり):
    220.1(円)+54.3(円)=約274.4円

上記をもとにすると、1か月の電気代の目安は以下のように計算できます。

エアコンの冷房を1か月つけっぱなしにしたときの電気代の目安

68.6(円)+274.4(円)×29(日)=約8,000円

以上より、冷房を1か月つけっぱなしにしたときの電気代は、目安として約8,000円と求められます。

なお、同様の考え方で計算した、エアコンの暖房を1か月つけっぱなしにしたときの電気代は約9,500円で、冷房よりも1,500円高くなります。これは、冬より夏の方が外気温とエアコンの設定温度の差が大きいことが要因です。

エアコンは外気温と設定温度に近づけるときに、最も電力を消費します。そのため、夏よりも外気温と設定温度の差が大きくなる冬の方が、電気代が高くなります。

※ダイキン S255ATES-W(8畳タイプ)を参照

夜間のみ冷房をつけたときの1か月の電気代:2,100円程度

8畳タイプの冷房を夜間のみつけたときの1か月の電気代は、目安として2,100円程度です。

冷房を1か月つけっぱなしにしたケースと同じエアコン(※)の使用を想定し、以下の使用条件を想定して電気代を計算しました。

1日の消費電力

  • つけ始めた最初の30分間(18:00〜18:30):最大消費電力
  • 夜間(18:30〜翌8:00):最小消費電力

上記の条件を電気代の計算式に当てはめると、電気代は以下のように計算できます。

1日の電気代

  • つけ始めた最初の30分間(18:00〜18:30)の電気代:最大消費電力
    1.050(kW)✕0.5(時間)✕31(円/kWh)=約16.3円
  • 夜間(18:30〜翌8:00)の電気代:最小消費電力
    0.125(kW)✕13.5(時間)✕31(円/kWh)=約52.3円
  • 1日の電気代の合計:
    16.3(円)+52.3(円)=約68.6円

上記をもとにすると、夜間のみ冷房をつけたときの1か月の電気代の目安は以下のとおりです。

夜間のみ冷房をつけたときの1か月の電気代の目安

68.6(円)✕30(日)=約2,100円

※ダイキン S255ATES-W(8畳タイプ)を参照

以上により、夜間のみ冷房をつけたときの1か月の電気代は、目安として2,100円程度だと分かりました。夜間は日中と比べて外気温が低いため、外気温と設定温度の差が小さく、冷房をつけたときの電気代は安くなります。

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エアコンの冷房とその他の冷房器具の電気代を比較

ここでは、エアコンの冷房、扇風機、サーキュレーターをつけっぱなしにしたときの電気代を比較します。それぞれの1時間、1日、1か月あたりの電気代は以下のとおりです。

なお、扇風機とサーキュレーターは、現在主流になっているDCモーターの機種を想定し、エアコンの電気代は先述の「冷房を1か月つけっぱなしにしたときの電気代」と同条件(※1)で計算しています。また、電気料金単価は2025年4月現在の電気料金目安単価「31円/kWh」[1]です。

冷房器具 電気代目安
(1時間あたり)
電気代目安
(1日あたり)
電気代目安
(1か月あたり)
8畳用エアコン
(※1)
22.0円
(3.9~32.6円)
274.4円 8,000円
扇風機
(※2)
0.65円 15.6円 470円
サーキュレーター
(※3)
0.65円 15.6円 470円
  • ※1:昼間(8:00〜18:00)は標準消費電力、夜間(18:00〜翌8:00)は最小消費電力で稼働するものとします
  • ※2:ダイキン S255ATES-W(8畳タイプ、標準消費電力710W、最小消費電力125W、最大消費電力1,050W)を参照
  • ※3:SHARP 扇風機 PJ-T3DS(DCモーター、風量最大、上下・左右首振り運転時、標準消費電力21W)を参照
  • ※4:SHARP サーキュレーター PK-18S02(DCモーター、風量最大、上下・左右首振り運転時、標準消費電力21W)を参照

首が上を向いたサーキュレーター

冷房をつけっぱなしにするメリット

冷房をつけっぱなしにすると電気代はかかりますが、メリットもあります。

ここでは、それぞれのメリットについて解説します。

快適な空間で過ごすことができる

エアコンをつけっぱなしにするメリットは、室内を常に最適な温度に調整でき、快適な空間で過ごせる点です。体温が上がりすぎたり、汗をかきすぎたりすることも防げます。

就寝中に冷房をつけっぱなしにすることも効果的です。部屋の温度が高いと体温がうまく下がらず、眠りにつきにくくなるでしょう。また、就寝中も室温が高いと汗をかきやすく、目が覚めてしまったり夏風邪の原因になったりすることも考えられます。就寝中も冷房をつけておくことで、就寝中の発汗量を抑えられます。

暑い日は、冷房をつけるのを我慢せず、部屋の温度を適切に保つようにしましょう。

夜間のつけっぱなしは電気代がかかりにくい

エアコンは、室温を設定温度に近づけるときに最も多くの電力を消費します。夏の夜間は、昼間よりも室温が上がりにくく、設定温度との差が小さくなるため、消費電力は少なくなります。

結果として、夜間にエアコンをつけっぱなしにしても、昼間よりも電気代が安くなりやすいです。夜間に快適な室温で眠ることができれば、熱中症や夏バテの予防など健康面でのメリットが大きくあります。夏の夜間は積極的にエアコンを使うことをおすすめします。

冷房をつけっぱなしにするデメリット

冷房のつけっぱなしには、メリットだけでなく、いくつかのデメリットも存在します。

それぞれのデメリットについて以下で解説します。

部屋が乾燥しやすい

冷房を長時間使用すると、エアコンから乾燥した冷風が送られてくる影響で、部屋が乾燥しやすくなります。部屋が乾燥すると、のどや肌も乾燥する可能性があります。

こまめに水分補給したり、エアコンの風が直接体に当たらないようにしたりするなどの対策を行うようにしましょう。乾燥が気になる場合は、加湿器を併用して、部屋の湿度を最適に保つのもおすすめです。

エアコンへの負荷がかかる

エアコンを長時間つけっぱなしにすると、稼働時間の増加によりエアコン内部の部品に負荷がかかり、劣化が早まる可能性があります。

また、稼働時間が長くなることで、エアコンにホコリや汚れが溜まりやすくなります。エアコン内部にホコリや汚れが溜まってしまうと冷却効率も下がるため、定期的に専門業者に依頼して分解洗浄を行うと良いでしょう。

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冷房の電気代を節約する方法

冷房をつけっぱなしにすると電気代が心配になる方もいるでしょう。しかし、冷房の電気代は少しの工夫で節約できます。冷房の電気代の節約方法は以下のとおりです。

フィルター掃除で運転効率を上げる

エアコンのフィルターが汚れていると、ゴミやホコリが原因で目詰まりし、冷暖房の効率が低下します。その結果、必要以上に電力を消費してしまい、電気代の増加につながります。

さらに、フィルターが汚れたままだと、悪臭やカビが発生する可能性もあるため、定期的なフィルターの掃除を行いましょう。フィルターがきれいになり、エアコンの運転効率が上がれば電気代の節約もできます。

自動運転モードで室温が28℃になるように設定する

エアコンを自動運転モードにして、設定温度を28℃にすれば節電効果が得られます。経済産業省によれば、夏場のエアコンの設定温度を1℃に上げることで、約940円の節約になるとされています[2]

エアコンの自動運転モードを利用すると、部屋の温度に応じて風量が自動的に調整され、室温を一定に保てます。部屋の温度に合わせて自動的に消費電力を抑えられるため、おすすめです。

弱冷房除湿で運転する

体感温度には湿度が影響しており、湿度が高いと暑く、低いと寒く感じます。エアコンの弱冷房除湿機能を活用すれば、室内の湿度が低下するため、体感温度を下げられます。その結果、設定温度を高く設定しても涼しさを感じられ、節電につながります。

ただし、再熱除湿機能の場合は、冷やした空気を温める際に電力が消費され、電気代が高くなりやすいので注意しましょう。

サーキュレーターを併用する

冷房とサーキュレーターを併用して室内の空気を循環させれば、冷気が部屋全体に行き渡ります。その結果、エアコンの設定温度を上げても涼しく感じやすくなります。

また、空気が循環すれば、部屋の場所ごとの温度差が小さくなり、部屋のどこにいても涼しさを感じられます。

冷房とサーキュレーターを併用するときは、エアコンの向かい側に設置し、エアコンからの風を押し戻すのが最も効果的です。

断熱シートや厚手のカーテンを利用する

窓からの熱の出入りを防ぐために、断熱シートや厚手のカーテンを使用するのも効果的です。これらを利用すれば、外からの熱の侵入を防ぎ、室内の冷気を逃がしにくくなります。

とくに、日中の日差しによる室温の上昇を防ぐことにも効果的です。適切な室温を維持できると、エアコンの電力消費量が抑えられ、電気代の節約につながります。

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まとめ

エアコンの冷房を1か月つけっぱなしにしたときの電気代は約8,000円で、夜間のみ冷房をつけたときの電気代は約2,100円です。エアコンの電気代は、フィルターの定期的な掃除や設定温度の調整、サーキュレーターとの併用などで節約できます。

この記事で紹介した節約方法を実践して、電気代を抑えながら賢くエアコンを使用しましょう。

  1. 公益財団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会
    よくある質問
  2. 経済産業省 資源エネルギー庁
    家庭向け省エネ関連情報 無理のない省エネ節約​

この記事の情報は公開日時点の情報です

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