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【自分でできる】簡単エアコン掃除の方法!必要な道具も紹介

季節の変わり目になると、夏・冬に活躍したエアコンの掃除が頭をよぎるのではないでしょうか。また、エアコン使用中にニオイが気になり、「掃除しないと」と思い出す方も少なくないでしょう。

この記事では、エアコン掃除を自分でやる方法を解説します。エアコン掃除が必要な理由や、掃除の際に気を付けたいポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

エアコン掃除が必要な理由

エアコン掃除は、快適で安全な室内環境を保つために欠かせないメンテナンスです。ここでは、なぜエアコンの掃除が必要なのか、主な理由について詳しく解説します。

電気代が高くなるのを防ぐ

エアコンに装着されているフィルターが目詰まりを起こすと、空気の吸い込み効率が悪くなり、消費電力量が大きくなってしまいます。そのため、定期的にフィルターを掃除してエアコンの運転効率を保つことで、電気代を抑えることができます。

「くらひろ by TEPCO」が独自に実施したアンケート調査では、「自宅のエアコンフィルターの掃除頻度」を尋ねたところ、「2か月に1回」よりも少ない回答をした人が85.6%を占めました。しかし、経済産業省は月に1~2回のフィルター掃除を推奨している[1]ため、多くの家庭で推奨頻度を下回っていることが分かります。

自宅のエアコンフィルターの掃除頻度

「くらしに関するアンケート」の調査概要

  • 調査主体:くらひろ by TEPCO(東京電力エナジーパートナー株式会社)
  • 調査期間:2025年3月7日~3月9日
  • サンプル数:714(エアコン所有者のみ)

経済産業省によると、2.2kWのエアコンで「フィルターが目詰まりしているエアコン」と「フィルター掃除をしたエアコン」を比較すると、フィルター掃除をしたエアコンの方が年間で約990円電気代が安くなります[1]。電気代を抑えるためにも、月に1、2回程度のフィルター掃除がおすすめです。

カビの発生を抑える

冷房や除湿機能を使うと、空気を冷やす過程でエアコン内部に水分が発生します。この水分と、空気中から吸い込んだホコリがフィルターや熱交換器に付着することが、エアコン内部のカビの原因です。

エアコン内部やフィルターにカビが発生すると、部屋にカビの胞子が拡がる原因になります。

こうしたトラブルを防ぐためには、フィルターや吹き出し口をこまめに掃除することが大切です。定期的な手入れを行うことで、カビの発生や飛散を抑え、室内の空気をクリーンな状態に保つことができます。

エアコン掃除をする女性の写真

イヤなニオイを解消する

久しぶりにエアコンを使ったとき、「何だか臭う…」と思ったことはありませんか?そのニオイの原因は、「カビ」や「雑菌」、「生活臭」です。

エアコンから酸っぱいニオイやカビ臭いニオイがする場合は、フィルターや吹き出し口にカビが発生している可能性が高いです。このようなニオイは不快なうえ、健康に悪影響を及ぼすこともあります。

エアコンを定期的に掃除することで、ニオイの原因となるカビや汚れを取り除き、部屋の空気を快適な状態に保つことができます。

エアコン掃除の範囲と必要な道具

エアコン掃除を行う前は、どの部分を掃除するのか、どのような道具が必要なのかを把握しておくことが大切です。また、自分で掃除するのはNGな部分もあるので、十分に注意して掃除をしましょう。

基本のエアコン掃除箇所

自分で掃除ができるエアコンの掃除箇所は、以下の部分です。

  • フィルター
  • 本体カバー
  • ルーバー(風向板)
  • 吹き出し口

これらの箇所はホコリやカビが溜まりやすく、放置するとエアコンの効率の低下や悪臭の原因になるので、定期的な掃除を心がけましょう。

自分で掃除するのはNGなエアコン掃除箇所

エアコンの熱交換器(フィン)や送風ファン、室外機の内部などの清掃は、専門的な知識と技術が必要なため、一般の方が掃除をするのは非常に危険です。これらの部分は精密な構造になっており、誤って部品が破損したり、電気系統に触れて感電したりするリスクがあります。

なお、「くらひろ by TEPCO」が実施したアンケート調査では、「自宅のエアコンのフィルター以外の内部を一度も掃除をしたことがない」と回答した人が39.4%を占めました。フィルターを掃除したことがあっても、内部は掃除したことがないという人は多いようです。

自宅のエアコンのフィルター以外の内部を一度も掃除をしたことがない

「くらしに関するアンケート」の調査概要

  • 調査主体:くらひろ by TEPCO(東京電力エナジーパートナー株式会社)
  • 調査期間:2025年3月7日~3月9日
  • サンプル数:714(エアコン所有者のみ)

もし、エアコンから強いニオイがしたり、長期間まったく掃除をしていなかったりする場合は、自分で無理に掃除をせず、専門のクリーニング業者に依頼することを推奨します。プロによる分解洗浄であれば、見えない内部の汚れまでしっかりと落とすことができ、エアコンの性能や寿命を保つことにもつながります。

エアコン掃除に必要な道具リスト

次に、掃除に必要なアイテムです。あらかじめ何が必要か、しっかりとチェックしてから掃除を始めましょう。

用意するもの

  • マスク
  • 新聞紙
  • 掃除機
  • ゴム手袋
  • 中性洗剤
  • ブラシ(歯ブラシでもOK)

【自分でできる】エアコン掃除のやり方・手順

エアコンの掃除は、正しい手順を踏めば一人でも行うことができます。ここでは、自宅で無理なくできるエアコン掃除のやり方を、分かりやすく紹介します。

エアコン掃除のやり方・手順

STEP1:電源を抜き、養生する

エアコンを掃除するときは、安全のため最初に必ずエアコン本体の電源プラグをコンセントから抜きましょう。また、ホコリを吸い込んでしまう可能性があるので、マスクの着用を忘れないようにしてください。

加えて、掃除を始める前に、エアコンの周辺が汚れないように新聞紙などで養生し、床や壁を守りましょう。

STEP2:フィルターのホコリを掃除機で吸う

まずは、フィルター掃除から始めます。

フィルター掃除の際は、エアコンの前面にある「フロントパネル」を開けます。フロントパネルを無理に開けようとすると、破損する可能性があるので取扱説明書を確認しながら操作してください。

フロントパネルを開けたら、フィルターを外す前に掃除機でホコリを吸い取ります。こうすることで、ホコリが室内に舞ってしまうのを抑えられます。ただし、掃除機を持ち上げるのが難しい場合には、無理をする必要はありません。

おおよそのホコリが吸えたらフィルターを外し、ゆっくりと取り出します。取り出したらフィルターの表面(ホコリがついている面)全体を掃除機のノズルで吸いましょう。表面から吸い取らないとホコリが取りにくくなってしまうので注意してください。

エアコンのフィルターの写真

STEP3:フィルターを水洗いする

掃除機で吸い取りきれなかったホコリは、フィルターの「裏面」からシャワーをかけて、水の勢いで洗い流します。掃除機で吸った面とは逆の面なので注意してください。なかなか取れない場合はブラシでこすったり、中性洗剤を薄めて10分程度浸けたりすると良いでしょう。なお、中性洗剤を使用するときは、手荒れ防止のためゴム手袋をつけてから作業をしてください。

洗い終わったフィルターはしっかりと水気をきって、陰干しをしましょう。フィルターが生乾きのまま、エアコンに戻すとカビの原因になってしまうので、完全に乾ききってから取り付けてください。

STEP4:本体カバー・ルーバー・吹き出し口を拭く

最後に、本体カバー・ルーバー(風向板)・吹き出し口を、薄めた中性洗剤を染み込ませたタオルでよく拭きましょう。エアコン上部はホコリが溜まっていることも多いので、先に掃除機で吸い取っておくと室内にホコリが舞うのを抑えることができます。

また、ルーバーが取り外せるタイプで、ホコリが固まってしまっている場合は、外してシャワーで水をかけてから、薄めた中性洗剤を染み込ませたブラシでホコリを落とします。最後にすすいで水気をしっかりと拭き取り、乾いてからエアコン本体に戻します。

パーツに水分が残っているとカビや悪臭の原因になるので、濡れたタオルで拭いた後は、乾いたタオルで水分を拭きとってください。

エアコンを拭く写真

【要注意】エアコン掃除で絶対にやってはいけないこと

エアコンは複雑な構造の家電製品です。そのため、誤った作業をすると、重大な事故につながる危険があります。ここでは、エアコン掃除の際にやってはいけない要注意ポイントを解説します。

フィルターは自然乾燥で完全に乾かしきる

フィルター掃除の際は、水や薄めた中性洗剤でホコリを流して落とすのが効果的です。そのとき、濡れたフィルターの水気をタオルなどで拭き取ったら、陰干しをして完全に乾かすことが大切です。

乾ききらない状態でフィルターを戻してしまうと、カビやニオイの原因になってしまいます。また、すぐ乾かそうとドライヤーなどを使うとフィルターが変形してしまう可能性もあります。必ず、完全に乾くまで自然乾燥をしてください。

掃除をやりすぎない

フィルターの奥にある熱交換器(フィン)や室外機のファンなどは、一般の方が掃除をすると危険な箇所です。自分で掃除せず、専門業者に掃除を依頼しましょう。

また、フィルターをブラシで強くこすると破損する可能性があったり、吹き出し口や本体も強い力で掃除すると割れたり、折れたりするおそれがあります。そのため、エアコン掃除の際は部品が破損しない程度の力で行いましょう。

高圧洗浄機の使用はNG

高圧洗浄機は、高い圧力をかけた勢いのある水流で汚れを洗い落とすものです。窓、玄関、外壁、浴室、車などさまざまな場所を効果的に掃除できるため人気がありますが、エアコン掃除に使用してはいけません。

エアコン清掃の専門業者は高圧洗浄機を使用することもありますが、エアコン用に水圧などが特別に調整されたものを使用しています。市販の高圧洗浄機では、エアコンの部品を傷つけたり、エアコン内部に残った水がカビの原因になったりすることもあり得ます。

また、知識不足で電子部品やファンモーターに水をかけてしまうと、漏電や故障の原因になることもあります。水漏れによる住居への被害も考えられるため、高圧洗浄機を使用したエアコン内部の掃除は自分では行わず、専門業者にお任せするのがおすすめです。

エアコンスプレーの使用はNG

市販されている「エアコンスプレー」ですが、洗浄液が内部に残ってカビの原因になることもあります。また、電子部品に洗浄液が付着すると異常発熱が起こり、発煙・発熱して出火してしまう事故も起きています[2]

経済産業省からも注意喚起[3]が出ていますので、エアコンの内部清掃は正しい知識を持った業者に依頼しましょう。

まとめ

エアコンを掃除すると、カビやホコリの発生を防止し、イヤなニオイを抑えることができます。さらに、月に1、2回のフィルター掃除で年間の電気代を約990円節約できる[1]というメリットもあります。

自分で掃除を行う場合は、フィルター、吹き出し口、本体外側などを中心に掃除をしましょう。エアコン内部のカビやニオイが気になる場合や、半年に1回の大掃除の際は、エアコンクリーニングの専門業者に依頼をすると良いでしょう。

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くらひろ編集部
東京電力エナジーパートナー株式会社

「くらひろ by TEPCO」は、東京電力エナジーパートナーが運営するWebメディアです。でんきやガスのことはもちろん、あなたの毎日に役立つ知識から、くらしを広げるアイデアまで、“知りたい”に答える多彩な記事をお届けします。

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