こたつアイキャッチ
省エネ・節電

【こたつvsエアコン】電気代が安いのはどちら?暖房器具の電気代を徹底比較

冬の寒さが厳しくなると、暖房器具の電気代が気になりますよね。例えば、こたつとエアコンだと、どちらの電気代が安いのか気になる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、こたつとエアコンの電気代を比較し、それぞれのメリットやデメリット、節約方法についてもご紹介します。暖かさを保ちながら、家計に優しい冬の過ごし方を考えてみましょう。

記事編集

くらひろ編集部
東京電力エナジーパートナー株式会社

「くらひろ by TEPCO」は、東京電力エナジーパートナーが運営するWebメディアです。でんきやガスのことはもちろん、あなたの毎日に役立つ知識から、くらしを広げるアイデアまで、“知りたい”に答える多彩な記事をお届けします。

くらひろ by TEPCO

エアコンよりこたつの電気代の方が安い!

こたつとエアコンを比較すると、電気代はこたつの方が安くなります。こたつの方が電気代が安いのは、部屋全体を暖めるエアコンに対し、こたつは体とこたつ内という狭い範囲だけを効率良く暖めるからです。

ここからは、こたつのヒーターの種類や、エアコンとこたつの電気代の差を解説します。

こたつのヒーターは3種類ある

こたつは、テーブルの下に設置されているヒーターによって3種類に分類できます。それぞれの違いは以下のとおりです。

石英管ヒーター
暖め方:輻射熱(遠赤外線)
特徴:体の芯からじんわり暖まる。
フラットカーボンヒーター
暖め方:面全体で発熱
特徴:ムラなく、広範囲を暖められる。
ハロゲンヒーター
暖め方:近~中赤外線放射
特徴:高出力で立ち上がりが早く、すぐに暖かくなる。

電気代を計算!こたつvsエアコン

先述したとおり、こたつとエアコンでは、こたつの方が電気代は安くなります。ここでは、より具体的な電気代の違いを解説します。

電気代の計算方法は以下のとおりです。

電気代(円)=消費電力(kW)×使用時間(h)×電気料金の目安単価(円/kWh)

電気料金は2025年9月時点での目安単価、31円/kWh(税込)を基準として計算します[1]

今回は、1~2人での使用を想定し、正方形タイプの「やぐらこたつ」(天板サイズ:各辺75〜80cm)と、8畳の部屋に設置したエアコン(8畳用)を暖房として使用したときの電気代を比較します。

暖房器具 電気代の目安(1時間)
石英管こたつ(弱/強)※1 約2.5円/約5.0円
フラットカーボンこたつ(弱/強)※2 約1.6円/約3.4円
ハロゲンこたつ(弱/強)※3 約2.2円/約5.6円
エアコン(8畳用)※4 標準出力:約19.7円
最小/最大出力:約4.0円/約40.0円
  • ※1 山善GKR-75HE4-NB(U字形石英管ヒーター)を参照
  • ※2 山善GKF-MDN802H(フラットカーボンヒーター)を参照
  • ※3 山善GMK-HDN802H(U字形ハロゲンヒーター)を参照
  • ※4 ダイキンAN255AES-W(8畳タイプ)の暖房時消費電力を参照

エアコン

こたつとエアコンの電気代を他の暖房器具と比較!

ここからは、こたつとエアコンの電気代を、他の主要な暖房器具と比較してみましょう。

以下の表を見ると、こたつはエアコン以外の暖房器具と比較しても電気代が安い部類であることが分かります。また、エアコンと他の暖房器具を比較すると、エアコンも比較的電気代が安い暖房器具だといえます。

電気代を節約したい場合は、状況によって使用する暖房器具を使い分けるのがおすすめです。全員が同じ部屋にいるときはエアコン、食事や団らんなどで座って過ごす時間が長いときはこたつ、一人でゆっくりするときは電気毛布などが適しています。

暖房器具
消費電力の目安
電気代の目安※1
(1時間あたり)
電気代の目安※1
(1日8時間使用時)
こたつ(石英管ヒーター)
80~160W※2
2.5~5.0円 19.8~39.7円
エアコン(8畳タイプ)
635W
(130W~1,290W)※3
19.7円
(4.0~40.0円)
157.5円
(32.2~319.9円)
電気ブランケット
55~75W※4
1.7~2.3円 13.6~18.6円
ホットカーペット(1畳)
120~165W※5
3.7~5.1円 29.8~40.9円
カーボンヒーター
350~900W※6
10.9~27.9円 86.8~223.2円
赤外線ストーブ
330~1,150W※7
10.2~35.7円 81.8~285.2円
セラミックファンヒーター
640~1,150W※8
19.8~35.6円 158.7~285.2円
パネルヒーター
500~1,200W※9
15.5~37.2円 124.0~297.6円
オイルヒーター
500~1,200W※10
15.5~37.2円 124.0~297.6円
ハロゲンヒーター
(800~1,200W)※11
24.8~37.2円 198.4~297.6円
  • ※1 公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会の電気代の目安単価より、1kWhあたり31円[1]として計算
  • ※2 山善 GKR-75HE4-NB(U字形石英管ヒーター)を参照
  • ※3 ダイキンAN255AES-W(8畳タイプ)を参照
  • ※4 パナソニック DC-H5を参照
  • ※5 パナソニック DC-1NKB1(1畳相当)を参照
  • ※6 コロナ DH-C925(N)を参照
  • ※7 コロナ DH-1225Rを参照
  • ※8 パナソニック DS-FAN1200を参照
  • ※9 デロンギ HXJ60L12を参照
  • ※10 アイリスオーヤマ IWH2-1208D-Wを参照
  • ※11 テクノス PH-1212を参照

こたつを使うメリットは?

こたつは、エアコンに比べて消費電力が小さく、エコな暖房器具といえます。ここでは、こたつを使うメリットをご紹介します。

部屋が乾燥しにくい

こたつはエアコンとは異なり、部屋全体ではなくこたつの中のみを暖めます。そのため、部屋の湿度が下がりにくく、空気が乾燥しにくいというメリットがあります。

湿度が下がると喉や気管支の粘膜が乾燥し、喉を痛めたり、風邪のウイルスが体内に侵入したりしやすくなります[2]。そのほか、乾燥は静電気の発生にもつながるので、冬を快適に過ごすうえでは大きなメリットといえそうです。

部屋の空気を汚しにくい

こたつはエアコンのように送風機能がないため、部屋のホコリや花粉を巻き上げることがありません。ハウスダストアレルギーや花粉が気になる方には、適した暖房器具です。

また、運転時にストーブのような燃焼を伴わず、一酸化炭素が発生するおそれがない安全な点もメリットといえます。

燃焼時に酸素を消費するガスストーブや石油ストーブでは、定期的に換気をしていないと部屋の酸素が不足し、重い中毒症状をもたらす一酸化炭素が発生する可能性があります。

その点、こたつは運転時に燃焼を伴いません。そのため、一酸化炭素が発生する心配はなく、比較的安全な暖房器具とされています。

足元を集中的に暖められる

こたつは、熱を発するヒーターに手足を近づけて温められるので、身体が冷えやすい方におすすめの暖房器具です。

エアコンは部屋全体を暖める目的の暖房器具のため、足先や指先が温まるまでに時間がかかってしまいます。一方、こたつであれば集中的に手足を温められます。

とくに、先述したハロゲンヒータータイプのこたつなら、温まるまでの立ち上がり時間が短く、すぐに手足を温められます。手足の冷えにお悩みの方にはおすすめです。

家族でこたつに入る

こたつを使うデメリットは?

こたつには、電気代が比較的安価であることや部屋が乾燥しにくいというメリットがある一方で、いくつかデメリットもあります。

ここからは、こたつを使用する際のデメリットや注意点をご紹介します。

部屋全体を暖めることはできない

こたつが暖められるのはこたつの内部のみで、部屋全体の空気は暖められません。部屋全体を暖めたいときは、エアコンやファンヒーターなど別の暖房器具を使用する必要があります。

ただし、こたつとエアコンを併用すると、その分だけ電気代が高額になるため、電気代が気になる場合には、どちらか一方のみを稼働させるのがおすすめです。

サイズが大きく場所をとる

こたつはサイズが大きく、一定のスペースがなければ設置できません。

また、使用しない間も収納に場所を取られるため、年間を通して一定のスペースを確保する必要があります。

こたつから出づらくなる

こたつの心地よい暖かさに慣れて、こたつから出づらくなって長居してしまう点も、場合によってはデメリットです。姿勢が悪い状態で長時間過ごすと、体を痛めることもあるので注意が必要です。ストレッチなどをして体をほぐすと良いでしょう。

また、使用時間に比例して電気代も増加します。タイマーを設定することで、長時間の使用を防ぐことができます。

こたつで睡眠

こたつの電気代を抑える節約方法4選

こたつは、節電機能や他の暖房器具との併用、温度設定の工夫により電気代を抑えられます。ここでは、節電につながる4つのテクニックを紹介します。

人感センサー付きのこたつを選ぶ

人感センサー機能とは、こたつ内部の人の動きを感知して自動的に電源のオンとオフを切り替える機能です。人感センサー機能付きのこたつを選べば、つけっぱなしによる無駄な電力消費をなくして節電できます

センサーが自動で温度調節も行い、常に適切な温度を維持できるのもポイントです。

ラグやカーペット、断熱シートを併用する

こたつの下にラグやカーペットを敷くと、こたつ内部の熱が逃げにくくなります。床からの放熱をできるだけ防ぐことで、内部の温度が維持され、必要以上に電力を消費しなくなります。

また、床とラグの間に断熱シートを敷くと、床からの冷気を遮断でき、より内部の暖かさを保てます。

こたつとカーペットの併用

厚みのある大きめの掛け布団を使用する

こたつ用の掛け布団は、厚手で大きめのものがおすすめです。厚手で大きな布団は、断熱効果が高く、こたつ内部の暖かさを保ちやすくなります

また、大きめの布団をかけることで、隙間から内部の熱が逃げるのを防げます。

設定温度を「中」「弱」に変更する

必要に応じて設定温度を調整することで、電気代を大幅に抑えられます。

こたつのスイッチを入れるときは、短時間で暖めるため最初は「強」に設定し、ある程度暖まったら「中」や「弱」にするのがおすすめです。こたつは一度暖まると、低い設定温度でも十分に暖かさを保てます。

「強」のまま放置するのではなく、状況に応じて調整しましょう。

まとめ

部屋全体を暖めるエアコンよりも、体を部分的に温めるこたつの方が電気代は安く抑えられます。ただし、こたつは温められる範囲が狭いため、必要な暖房器具は生活スタイルに応じて使い分けるのが理想です。

例えば、一人暮らしではこたつ、共同生活ではエアコン、座って過ごす時間が長ければこたつ、部屋の中での移動が多ければエアコンが適しています。部屋の大きさや部屋での過ごし方に合わせて、最適な暖房器具の使い方を見つけてみてください。

  1. 公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会:
    よくある質問 Q&A
  2. 東京都保健医療局:
    健康・快適住居環境の指針

この記事の情報は公開日時点の情報です

Facebookでシェアする
LINEでシェアする

KEYWORD

#人気のキーワード