掃除・洗濯

【お掃除スペシャリスト監修】お風呂の排水溝の掃除方法は?清潔に保つコツも

「お風呂の排水口ってすぐ汚れるし、掃除が面倒……」そんな風に感じている方も多いのではないでしょうか。

毎日使う場所だからこそ、キレイに保ちたいけれど、何から手をつければいいかわからない。そんな悩みを解決するために、本記事では排水口掃除の重要性や汚れの原因、そして具体的な対策を解説します。

この記事を読めば、汚れの原因と、それに対する効果的な掃除方法を理解できます。

監修者

佐倉 玖弥(さくら くみ)
お掃除スペシャリスト

暮らしライターとして、Webメディアで記事を執筆。日々のお掃除を「楽してキレイにしたい!」を叶えるコツをご紹介。すぐに実践できる、リアルで役立つ情報をお届けしています。

佐倉 玖弥(さくら くみ) プロフィール写真

お風呂の排水口掃除が必要な理由【放置するとどうなる?】

お風呂の排水口は、髪の毛や皮脂、石鹸カスなどの汚れが溜まりやすい場所です。これらの汚れを放置すると、雑菌が繁殖し、悪臭を発生させます。また、汚れやゴミが蓄積すると、排水口が詰まって水がスムーズに流れなくなり、汚水の逆流が起こることもあります。

この状態を放置すると、浴室全体の衛生環境が悪化するだけでなく、掃除がさらに困難になり、排水口や配水管の修理が必要になる場合もあります。排水口掃除は定期的に行い、汚れを早めに取り除くことで、清潔で快適な浴室環境を維持できます。

お風呂の排水口が汚れる原因

排水口が汚れる原因を理解することで、掃除や予防がより効果的になります。ここでは、主な汚れの原因である以下の5つについて解説します。

髪の毛:絡まって詰まりを引き起こす

髪を洗う際に抜け落ちる髪の毛は、排水口の詰まりの主な原因です。ヘアキャッチャーを設置していても、細かい髪の毛はすり抜けてしまい、排水口の奥で絡まり、水の流れを阻害します。これを放置すると、排水が滞るだけでなく、悪臭の原因にもなりかねません。

皮脂や湯アカ:固まってヌメリの原因に

入浴中に体から出る皮脂は、お湯に溶けて排水口周辺に蓄積します。さらに、湯アカや石鹸カスなどと混ざることでカビや雑菌が繁殖し、ヌメリが発生します。このヌメリは見た目にも不快なだけでなく、衛生面でも問題があります。

皮脂汚れや湯アカは、軽いものであればウタマロクリーナーやバスマジックリンなどの中性洗剤で落とせます。中性洗剤で落ちない場合、皮脂汚れや湯アカにはアルカリ性洗剤(バスタブクレンジングなど)が必要です。

石鹸カス:汚れの塊を形成する

石鹸カスは、石鹸に含まれる成分が水中のミネラルと反応し、固形化したものです。この石鹸カスは他の汚れと絡まりやすく、排水口で頑固な汚れを形成します。これにより掃除が一層困難になり、詰まりや悪臭の原因となります。

石鹸カスは、中性洗剤または酸性洗剤やクエン酸を使って汚れを落とすのが効果的です。

ホコリ・ゴミ:排水トラップに侵入する

浴室内で発生するホコリや、浴室乾燥の洗濯物やバスタオルなどから出る繊維クズは、排水口に溜まりやすい汚れの一つです。

排水トラップに侵入したホコリやゴミは、詰まりを引き起こします。これが原因で排水がスムーズに流れなくなるだけでなく、悪臭やさらなる汚れの蓄積を招くこともあります。

カビ:悪臭や菌の温床になる

湿気が多く、暗い排水口はカビが繁殖するのに最適な環境です。一度カビが発生すると、排水口全体に広がり、目に見えない部分でもイヤなニオイを放つ原因となります。

また、カビは雑菌の繁殖を助長するため、衛生面でも大きな問題となります。排水口のカビを防ぐには、こまめな掃除だけでなく、湿気対策も重要です。

カビの予防にはアルカリ性洗剤、発生したカビの除去にはカビキラーやハイターなどの塩素系漂白剤が効果的です。

汚れがひどかったり、多忙で掃除する時間が取れなかったりするときは、プロにお任せするのもおすすめです。

お風呂の排水口の掃除方法

お風呂の排水口掃除を効率よく行うためには、正しい手順を理解し、道具を準備することが大切です。

ここでは掃除に必要なアイテムと手順を解説します。使いやすい道具を揃えて、汚れをしっかり落としましょう。

排水口掃除に必要なものリスト

  • ゴム手袋
  • スポンジ
  • 歯ブラシ
  • 中性洗剤
  • アルカリ性洗剤や塩素系漂白剤(頑固な汚れやカビ汚れがある場合に使用)
  • パイプクリーナー(水の流れが悪い場合に使用)

汚れ別の効果的な洗剤

汚れの種類 適切な洗剤の種類
カビ
(酸性の汚れ)
中性洗剤、アルカリ性洗剤、塩素系漂白剤
皮脂汚れ
(酸性の汚れ)
中性洗剤、アルカリ性洗剤、重曹、セスキ炭酸ソーダ
湯アカ
(酸性の汚れ)
中性洗剤、アルカリ性洗剤、重曹、セスキ炭酸ソーダ
石鹸カス
(アルカリ性の汚れ)
中性洗剤、酸性洗剤、クエン酸

なお、塩素系洗剤と酸性洗剤を混ぜると有毒な塩素ガスが発生するため、単独で使用してください。一度洗い流してから続けて使用するのもNGです。よく洗い流したつもりでも、残っていた成分に反応するおそれがあります。

【洗い場】排水口の掃除方法

洗い場の排水口は、髪の毛やゴミが溜まりやすい場所です。汚れの種類にあわせて洗剤を使い分け、スポンジや歯ブラシでこすって汚れを落としましょう。

【洗い場】排水口の掃除方法

洗い場の排水口の掃除方法

  1. ヘアキャッチャーに引っかかったゴミを取り除く
    ゴム手袋を使用し、目に見える髪の毛やゴミを手で取り除く。ヘアキャッチャーは定期的に水洗いして、詰まりを防ぐ。
  2. パーツを分解して、中性洗剤で汚れを落とす
    排水口のフタやパーツを取り外し、中性洗剤をつけたスポンジで汚れをこすり落とす。
    ※頑固な汚れは酸性もしくはアルカリ性洗剤、カビには塩素系漂白剤が効果的。
  3. カビ汚れはアルカリ性洗剤や塩素系漂白剤で落とす
    広がったカビには専用のカビ取り剤を使い、換気を確保しながら作業を進める。作業後は水でしっかり流す。きちんと汚れが落ちて、ちゃんと水が流れたら完了。
  4. 水の流れが悪いときは液体パイプクリーナーで溶かす
    排水口に液体パイプクリーナーを流し込み、15~30分程度放置する。その後、60℃程度のお湯でしっかり流し、詰まりを解消する。
    ※放置時間は商品の規定にあわせて調整する。

【湯船】排水口の掃除方法

湯船の排水口は見落としがちですが、週1回を目安に掃除をすることで清潔を保てます。

【湯船】排水口の掃除方法

湯船の排水口の掃除方法

  1. 排水栓や排水コアに引っかかったゴミを捨てる
    ゴム手袋をつけ、目に見える髪の毛やゴミを手で取り除く。
    ※手で取りにくい汚れは、歯ブラシや綿棒を使うと取りやすい。
  2. 歯ブラシで部品の汚れを落とす
    細かい部分の汚れは歯ブラシやスポンジでこすり落とす。

楽な掃除方法

忙しい日や手間をかけたくない場合には、簡単に排水口を掃除できる方法を取り入れましょう。

専用の洗浄剤・パイプクリーナーを使う

排水口専用の洗浄剤やパイプクリーナーを使えば、スポンジや歯ブラシを使って手でこすらずとも、多少の汚れは溶かして落とすことができます。

使用する際は商品に記載されている既定の放置時間を守り、汚れを溶かしたら、たくさんの水で汚れを洗い流すことが大切です。しっかりと洗い流さないと、汚れが固まったり排水口や配水管が傷んだりしてしまいます。

放置時間が長いと、うっかり流すことを忘れてしまう可能性があるため、タイマーをかけておくのがおすすめです。

重曹とクエン酸で浮かせて落とす

重曹とクエン酸を混ぜると、しゅわしゅわと発泡し、汚れを浮かせて落とす効果があります。重曹とクエン酸は、100円ショップやスーパー、ホームセンターなどで安価に購入できるため、ぜひ試してみてください。

重曹とクエン酸で浮かせて落とす方法

  1. 重曹(大さじ2)を排水口に投入する。
  2. クエン酸(大さじ1)を加える。
  3. 20〜30分放置した後、お湯で流す。

お風呂の排水口をきれいに保つコツ

排水口を清潔に保つためには、日々の小さな習慣が大切です。以下の方法を参考にして、汚れやニオイの発生を防ぎましょう。

浴室内をきれいに流してから出る

髪や体を洗ったときの泡や水しぶきなどは、意外と広範囲まで飛び散ります。お風呂から上がる前に、お風呂全体や排水口をシャワーでしっかり流すことで、壁や床に残っていた汚れを落とし、排水口に溜まりにくくすることができます。

シャンプーや石鹸の成分が残ると、ヌメリやカビの原因となるため、このひと手間が排水口だけでなく浴室全体の掃除頻度や手間を減らすポイントです。また、お湯で流すことで、浴室内の水分が蒸発しやすく多湿状況を避けられるため、カビ対策にもつながります。

お風呂上がりにヘアキャッチャーの汚れを捨てる

お風呂上がりにヘアキャッチャーに引っかかった髪の毛やホコリなどのゴミを日々捨てる習慣をつけることで、汚れが溜まりにくくなります。その結果、排水口の詰まりや悪臭の原因を未然に防げます。

この「毎日リセット」の習慣を続けるだけで、排水口の掃除が楽になり、快適な浴室環境を維持することが可能です。

パイプクリーナーを使う

排水口の詰まりを防ぐには、2週間に1回程度のペースでパイプクリーナーを使用するのが効果的です。排水口に流し込むだけで、配水管にこびりついた汚れや、奥に溜まった汚れを溶かせます。

水の流れが悪くなってから使用しても良いですが、解決するのに時間がかかったり、きれいに落としきれなかったりする可能性があります。そのため、掃除する日をあらかじめスケジュールに入れて定期的に行うことがおすすめです。

定期的に専門業者に掃除を頼む

排水管など目に見えない部分は、気づかないうちに汚れが蓄積し、頑固にこびりついてしまうことがあります。また、放置すると水が流れなくなるなどのトラブルが発生する可能性があります。

自分で落としきれない汚れは、早めに専門業者に依頼するのがおすすめです。

「くらひろby TEPCO」が独自に実施したアンケート調査によると、専門業者に掃除を依頼したことがある人のうち、約30%の人が「浴室の掃除を依頼したことがある」と回答しています。

専門業者に依頼した掃除場所に関するアンケート結果

「くらしに関するアンケート」の調査概要

  • 調査主体:くらひろ by TEPCO(東京電力エナジーパートナー株式会社)
  • 調査期間:2025年3月7日~3月9日
  • 有効回答数:127(自宅の掃除を専門業者に依頼したことがある方のみ)

長年放置した頑固な汚れをきれいにしてもらうのも良いですが、年に数回定期的にプロのメンテナンスを受けることで、きれいな状態を長くキープできます。

排水口だけでなく、蛇口部分やパッキンなどの細かなカビ汚れなどもきれいにしてくれるので、浴室全体がすっきりして、お風呂に入るのが楽しくなるかもしれませんね。

まとめ

お風呂の排水口は髪の毛や皮脂、石鹸カスなどが溜まりやすい場所で、放置すると汚水の逆流や雑菌の繁殖、さらには悪臭を招きます。

排水口が汚れていたら、ヘアキャッチャーに引っかかったゴミは捨て、各パーツの汚れはスポンジや歯ブラシでこすって落としましょう。水の流れが悪いときは、パイプクリーナーを使って配水管をきれいにすることで解決します。

また、汚れる前にヘアキャッチャーのゴミを毎日捨てる習慣や、定期的なパイプクリーナーの使用など、小さな工夫で清潔な状態を保てます。専門業者による掃除を活用すれば、頑固な汚れも解消できます。排水口の掃除を習慣化し、快適な浴室環境を維持しましょう。

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くらひろ by TEPCO
東京電力エナジーパートナー株式会社

くらひろ by TEPCOは東京電力エナジーパートナーが運営するメディアサイトです。毎日のくらしに役立つ知識から、次の一歩につながる情報まで、知りたいに答える多彩な記事を配信しています。

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