【お掃除スペシャリスト監修】カルキ汚れ(水垢)の掃除方法を解説!
カルキ汚れは、ポイントを押さえることで簡単に落とせます。この記事では、場所ごとのカルキ汚れの落とし方や、カルキ汚れを掃除する際の注意点を解説します。
監修者
- 佐倉 玖弥(さくら くみ)
- お掃除スペシャリスト
暮らしライターとして、Webメディアで記事を執筆。日々のお掃除を「楽してキレイにしたい!」を叶えるコツをご紹介。すぐに実践できる、リアルで役立つ情報をお届けしています。

目次
カルキ汚れとは?
水回りに残る白い跡や固くなった汚れは、「カルキ汚れ」や「水垢」と呼ばれています。ここでは、カルキ汚れの発生原因や特徴、水垢との違いについて解説します。
水道水の成分が固まった白い汚れ
一般的に、「カルキ汚れ」と呼ばれている白い汚れは、水道水に含まれる天然のミネラル成分が固まったものです。水回りに水道水が付着し、水分が蒸発すると、ミネラル成分だけが残り、固まって白い汚れとなります。
本来のカルキとは、過去に水道水の消毒に使用されていた「次亜塩素酸カルシウム」のことを指し、このカルキによる汚れを「カルキ汚れ」と呼びます。しかし、現在の水道水にはカルキはほとんど使用されておらず、水回りにできる白い汚れは、正確にはカルキ由来ではありません。
現在の水道水でできる白い汚れは、「水垢」と呼ばれています。ただし、昔からの習慣で、今でもこの白い汚れを「カルキ汚れ」と呼ぶ場合があります。そのため本記事では、次亜塩素酸カルシウム以外のミネラル分による白い汚れも含め、「カルキ汚れ」として説明します。

軽度な汚れはメラミンスポンジで落とせる
汚れが付いてから時間が経っていない、軽度なカルキ汚れはメラミンスポンジで軽く磨けば落とせます。
ただし、便器の内側や鏡などにメラミンスポンジを使用すると、コーティングが削り取られたり、細かな傷が付いたりする可能性があるので注意しましょう。
頑固な汚れはクエン酸が効果的
カルキ汚れ(水垢)は、アルカリ性の性質を持っています。アルカリ性の汚れを落とすときは、反対の性質を持つ酸性のアイテムを使うと効果的です。酸がアルカリを中和してくれるため、こびりついた汚れを落としやすくします。
酸性のお掃除アイテムには、クエン酸か、砂糖が入っていないお酢を使用しましょう。どちらも手軽に購入でき、日常の掃除に取り入れやすいところが魅力です。
【場所別】頑固なカルキ汚れ(水垢)の落とし方
汚れが付いてから時間が経った、頑固なカルキ汚れ(水垢)は、クエン酸で落とすのが効果的です。通常、クエン酸は粉末を水に溶いて使いますが、すでに水に溶かされている手軽なスプレータイプもドラッグストアなどで購入できます。クエン酸がないときは、砂糖が入っていないお酢でも代用可能です。
ただし、クエン酸やお酢は、塩素系漂白剤と混ぜると有毒ガスが発生するので、絶対に同時に使用しないでください。詳しくは、後述の「▼クエン酸と塩素系漂白剤は混ぜると危険」で解説しています。
ここでは、カルキ汚れが溜まりやすい場所別に、効果的な落とし方をご紹介します。
- ▼鏡・蛇口・シンク:クエン酸を染み込ませてこする
- ▼浴槽:クエン酸水と重曹を併用する
- ▼トイレ:クエン酸水を吹きかける
- ▼加湿器・シャワーヘッド:分解してクエン酸水に浸け置き
- ▼ポット:沸騰させた水にクエン酸を入れて放置する
鏡・蛇口・シンク:クエン酸を染み込ませてこする
鏡、蛇口、シンクのカルキ汚れ(水垢)を落とすときは、クエン酸をしっかりと汚れに染み込ませるのがポイントです。石鹸カスが混じった水垢にもクエン酸が効果的です。
クエン酸スプレー、クエン酸(粉末)、お酢の使用方法は以下のとおりです。吹きかける際は、スプレーボトルで作ると簡単です。
- 市販のクエン酸スプレーの場合:そのまま使う
- クエン酸(粉末)の場合:水200mLに対し、クエン酸小さじ1を混ぜる
- お酢の場合(砂糖が入っていないもの):水100mLに対してお酢100mLをまぜる
なお、クエン酸水を作る場合は、作った日から2週間程度を目安に使い切りましょう。時間が経つと雑菌が繁殖するおそれがあるため、作り置きは避け、必要なときに都度作るよう心がけてください。
【クエン酸を使った掃除手順】

- クエン酸水をカルキ汚れ(水垢)に吹きかける。
- キッチンペーパーを被せて、さらにクエン酸水を吹きかける。
- 上からラップで覆い、後述の「▼放置時間の目安」を参考に一定時間放置し、汚れにクエン酸を染み込ませる。
- 被せていたラップやキッチンペーパーを取り、スポンジやブラシで汚れをこする。
- しっかりと水で流し、乾いたタオルで拭き取る。
【放置時間の目安】
| 掃除場所 | 放置時間 |
|---|---|
| 鏡 | 軽い汚れ:30分 頑固な汚れ:2時間まで |
| 蛇口 | 30分~1時間 |
| シンク | 10~30分 |
浴槽:クエン酸水と重曹を併用する
皮脂が混ざったカルキ汚れが付着しやすい浴槽には、クエン酸と重曹を併用するのが効果的です。このとき、アルカリ性の重曹と酸性のクエン酸を混ぜると、中和して洗浄効果が薄れてしまうため、順番に2回洗う方法がおすすめです。
重曹を使用する場合は、水を少量ずつ加えてペースト状にしておくと、液だれしにくく扱いやすくなります。
【浴槽の掃除手順】
- 重曹に少量の水を加えてペースト状にする。
- 重曹ペーストを汚れに塗り、ラップを貼りつける。
- 30分〜2時間程放置してからラップを外し、やわらかい状態の重曹とスポンジで軽くこすり、皮脂汚れを落とす。
- しっかり水で洗い流す。
- 次に、クエン酸を使ってざらざらしたカルキ汚れを落とす(手順は「▲【クエン酸を使った掃除の手順】」を参照)。
トイレ:クエン酸水を吹きかける
メラミンスポンジが使えない、便器内のカルキ汚れ(水垢)には、クエン酸水を使用しましょう。
【トイレの掃除手順】

- スプレーボトルに水200mLとクエン酸小さじ1を入れ、よく振ってクエン酸スプレーを作る。
- 便器内の水位を下げる(紙コップで水をくみ出すか、トイレブラシで水を押し込んで排水管に流す)。
- 汚れ部分にクエン酸水を吹きかける。
- クエン酸水を吹きかけた汚れ部分にトイレットペーパーを貼り付ける。 さらに上からクエン酸を吹きかける。
- フタを閉めて30分~1時間ほど放置し、クエン酸の成分を汚れに浸透させる。
- トイレットペーパーごと、ブラシで汚れをこすり落とし、水を流してすすぐ。
トイレットペーパーの使いすぎは、詰まりの原因になる可能性があります。また、硬いブラシでこすると、便器のコーティングが削られるおそれがあるため、いずれも注意してください。
加湿器・シャワーヘッド:分解してクエン酸水に浸け置き
加湿器やシャワーヘッドのカルキ汚れ(水垢)は、パーツを分解してからクエン酸水に浸け置きします。
ただし、加湿器のパーツによってはクエン酸の使用がNGな場合や、濡れてはいけないセンサー部分がある可能性があります。掃除前にクエン酸を使った掃除をしても大丈夫かを取扱説明書で確認してください。
【加湿器・シャワーヘッドの掃除手順】

- バケツなどに約40℃のぬるま湯を準備する。ぬるま湯1Lに対し、クエン酸大さじ1を入れてよく溶かす。
- 加湿器、シャワーヘッドのパーツを分解する(無理に分解するのは避ける)。
- 分解したパーツをクエン酸水に入れ、1~2時間浸け置きする。
- 浸け置きが終わったら、残った汚れをやわらかいブラシやスポンジでこすり落としながら水でしっかりと洗い流し、パーツを完全に乾燥させてから元に戻す。
※クエン酸を使った掃除をしても大丈夫か、事前に取扱説明書で確認しましょう。
ポット:沸騰させた水にクエン酸を入れて放置
ポットの内側のカルキ汚れ(水垢)は、クエン酸を入れてしばらく放置することでカルキ汚れを分解させて落とします。
【ポットの掃除手順】

- ポットに「満水の目盛り」まで水を注ぎ、クエン酸大さじ1を入れて溶かす。
- フタをして、通常通り沸騰させる。
- スイッチが切れたら、そのまま1〜2時間放置する。
- 洗剤は付けずにスポンジでポットの中をこすり、水でしっかりすすぐ。
カルキ汚れ(水垢)の掃除の注意点
カルキ汚れ(水垢)は、誤った方法や過度な力で掃除すると、有毒ガスが発生したり素材を傷めてしまったりすることがあります。安全に掃除を行うため、正しい掃除方法を確認しておきましょう。
クエン酸と塩素系漂白剤は混ぜると危険
クエン酸やお酢と塩素系漂白剤を混ぜたり、よく洗い流さずに連続で使用したりすると、有毒ガスが発生し、人体に重大な影響を及ぼす危険があります。
塩素系漂白剤・洗剤の代表的な商品は、「ハイター」や「カビキラー」「ドメスト」などです。特有のツンとした刺激臭があり、パッケージに「まぜるな危険」と書かれているのが目印です。これらは絶対にクエン酸やお酢と混ぜないでください。

サビを防ぐため、掃除後はクエン酸をよく流す
クエン酸や重曹、お酢を使って掃除をした後は、水でしっかりと洗い流すことが重要です。
蛇口などの金属部分にこれらが残っていると、サビの原因になったり跡が残ったりします。掃除後は十分に水ですすぎ、乾いたタオルで拭き取りましょう。
コーティング箇所にはメラミンスポンジを使用しない
メラミンスポンジは、研磨作用で汚れを削り落とすため、コーティングされた浴槽や鏡、便器の内側には使用しないようにしましょう。研磨によってコーティングが剥がれ、傷がつくと、逆に汚れがつきやすくなってしまいます。
コーティング箇所には、柔らかいスポンジやブラシを使用するのが安全です。
カルキ汚れ(水垢)の予防方法
カルキ汚れ(水垢)は、一度固まってしまうと取り除くのが大変です。そのため、日頃から少しずつお手入れして、汚れが付かないようにすることが大切です。
例えば、水まわりを使った後は、乾いた布やキッチンペーパーで水気を丁寧に拭き取るだけでも効果があります。毎日のちょっとした習慣で、頑固なカルキ汚れを予防でき、いつも清潔で気持ちの良い状態を保てます。
まとめ
水道水を拭かずに放置すると、頑固なカルキ汚れ(水垢)の原因となります。しかし、正しい方法で掃除をすれば、簡単に汚れを落とすことができます。掃除するときは、クエン酸水を使用し、適切な手順で掃除を行いましょう。
また、クエン酸やお酢と塩素系漂白剤を混ぜない、掃除後はしっかり水で流すなど、安全面にも注意してください。定期的にカルキ汚れを掃除して、清潔で気持ちの良い水回りを保ちましょう。
記事編集
- くらひろ編集部
- 東京電力エナジーパートナー株式会社
「くらひろ by TEPCO」は、東京電力エナジーパートナーが運営するWebメディアです。でんきやガスのことはもちろん、あなたの毎日に役立つ知識から、くらしを広げるアイデアまで、“知りたい”に答える多彩な記事をお届けします。

この記事の情報は公開日時点の情報です
KEYWORD
#人気のキーワード
RECOMMENDED
#この記事を読んだ人におすすめの記事



