【お掃除スペシャリスト監修】冷蔵庫の掃除方法は?きれいに保つコツも解説
この記事では、冷蔵庫が汚れる原因や掃除の準備・方法、そしてきれいに保つためのコツを詳しく解説します。冷蔵庫を清潔に保つことで、食材の衛生と鮮度が保たれ、家族の健康を守ることにもつながります。この記事を参考に、ぜひきれいな冷蔵庫を維持してください。
監修者
- 佐倉 玖弥(さくら くみ)
- お掃除スペシャリスト
暮らしライターとして、Webメディアで記事を執筆。日々のお掃除を「楽してキレイにしたい!」を叶えるコツをご紹介。すぐに実践できる、リアルで役立つ情報をお届けしています。

冷蔵庫が汚れる原因
冷蔵庫が汚れる原因を理解すれば、掃除を効率よく進められます。以下に主な汚れの原因を紹介します。
- ▼食材由来の汚れ:乾燥や冷えによって冷蔵庫内にこびりつく
- ▼手アカ・ホコリ:食品の出し入れ時に付着する
- ▼カビ・雑菌:食材のカスや湿気が原因で繁殖する
- ▼油煙:キッチンで発生したものが冷蔵庫の表面に付着する
食材由来の汚れ:乾燥や冷えによって冷蔵庫内にこびりつく
冷蔵庫内の汚れの中でとくに多いのが、食材からの液だれ、野菜くず、調理済み食品の付着汚れです。例えば、「肉・魚のドリップ」「野菜についた砂や泥」「鍋や食器に付着した調味料や油」などです。
これらの汚れを放置していると、乾燥や冷気によって冷蔵庫内にこびりつき、取れにくい汚れになります。また、使わないまま放置された食材にカビが発生し、他の食材にまで広がるおそれがあります。
手アカ・ホコリ:食品の出し入れ時に付着する
扉の開閉や食品の出し入れの際に、手アカやホコリが付着することがあります。
これらの汚れは扉や冷蔵庫の表面だけでなく、庫内にも付着する可能性があります。冷蔵庫には食材など口に入れるものが保管されているため、開け閉めや出し入れの際には手を清潔に保つことを意識することが重要です。
カビ・雑菌:食材のカスや湿気が原因で繁殖する
冷蔵庫内は食品や調味料の影響で湿度が高くなりやすく、カビや雑菌が繁殖しやすい環境です。カビが発生し他の食品に付着すると、食品の傷みが早まり、食中毒などの健康被害につながるリスクがあります。
定期的な掃除と湿気対策を行うことで、カビや雑菌の繁殖リスクを大幅に減らすことができます。
油煙:キッチンで発生したものが冷蔵庫の表面に付着する
冷蔵庫はキッチンに配置されるため、調理時に発生する油煙が冷蔵庫の表面に付着することがあります。
油煙は加熱調理によって発生する油の混じった煙のことで、冷蔵庫の表面をベタつかせ、ホコリが付着しやすい状態を作ります。冷蔵庫の表面を掃除する機会は少ないかもしれませんが、定期的に拭き掃除を行うことが大切です。
冷蔵庫掃除の準備と注意点
掃除を始める前に、必要な道具を準備し注意点を確認しておきましょう。
準備:掃除に必要な道具と使用NGの道具
冷蔵庫の掃除では、汚れを効率よく落とし、材質や構造を傷つけない道具選びや、作業をスムーズに進めるための準備がポイントです。冷蔵庫の掃除や準備に適したものと使用を避けたいものは以下のとおりです。
| ◎掃除や準備に適したもの | △使用を避けたいもの |
|---|---|
|
|
ガラス用洗剤や塩素系漂白剤、研磨スポンジ、ベンジン、アルコール、熱湯などは、冷蔵庫の表面を変色させたり、プラスチック部品を劣化させたりする可能性があります。また、粉せっけんや研磨剤などは、冷蔵庫の素材を傷つけるため、使用を避けましょう。
注意点:食品の一時保存用にクーラーボックスを用意する
冷蔵庫の掃除を安全に行うためには、冷蔵庫のプラグ(コンセント)を抜いて電源を切る必要があります。その際、冷蔵庫内に保管されている食品は、クーラーボックスや保冷バッグを用意して、その中に一時保管します。
とくに、生鮮食品や冷凍食品は、温まると品質が劣化するため、適切な温度での保管が重要です。短時間の掃除でも、クーラーボックスなどを使ってできるだけ温度をキープしましょう。
【場所別】冷蔵庫の掃除方法
冷蔵庫を清潔に保つためには、場所ごとに適した掃除方法を理解し、定期的に手入れを行うことが重要です。
冷蔵庫内外の各パーツは取り外して掃除できますが、取り外しの際には必ず取扱説明書を確認し、安全に作業を進めるようにしましょう。

ここでは、冷蔵庫の場所別の掃除方法を詳しく解説します。
トレイ・ドア棚・ケースの掃除手順
手順
- パーツを取り外す
- 水洗いをする
- しっかり拭き上げる
- 汚れがひどいときは中性洗剤を薄めて洗う
冷蔵庫内のトレイやスライドトレー、ドア棚、そして野菜室や冷凍室のケースは、3か月に1回を目安に掃除をするのがおすすめです。
汚れがひどい場合は、台所用中性洗剤を水に薄めて掃除しましょう。洗ったパーツは樹脂製のものが多く、部品が変形するおそれがあるため、食器洗い乾燥機の使用は避けてください。
製氷機の掃除手順
手順
- 給水タンク・浄水フィルターを掃除する
- 貯氷ケースを掃除する
- 製氷機本体を掃除する
- 動作をチェックする
製氷機の給水タンクや浄水フィルターは、週1~2回の頻度で掃除します。これにより、水アカやフィルターの目詰まり、氷へのニオイ移りを予防し、衛生的な状態をキープできます。
掃除頻度は使用する水の種類で異なり、水道水は週1回程度、浄水器の水やミネラルウォーターは週2回が推奨されます。水道水には殺菌効果のある塩素が含まれていますが、浄水器の水やミネラルウォーターは塩素殺菌されておらず雑菌が繁殖しやすいため、水道水よりも高頻度で掃除する必要があります[1]。
貯氷ケースは3か月に1回、柔らかいスポンジを使って掃除し、製氷機本体は取り外せる場合、年に1〜2回柔らかい布で丁寧に掃除します。
庫内の掃除手順
手順
- 全体を拭き掃除する
- 汚れがひどいときは中性洗剤を薄めて拭く
- ドアパッキンを丁寧に拭く
- 潤滑油は拭かないように注意する
冷蔵庫内は、汚れやカビが発生しやすい場所です。3か月に1回、ぬるま湯で水拭きを行い、汚れがひどい場合は台所用中性洗剤を薄めて使用します。
とくに、ドアパッキンの汚れは劣化につながり冷気漏れの原因となるため、湿らせた布で拭いたあと、水分を残さないよう乾拭きすることが大切です。また、冷蔵室のドアの回転支点部分や引き出しレールの潤滑油は拭き取らないように注意してください。
ドアパッキンの劣化でドアがきちんと閉まらない、あるいは潤滑油の拭き取りでドアの開閉がしづらくなる、といった不具合は、修理によって解決できる可能性があります。
ドアの外側・上部の掃除手順
手順
- 全体を水拭きする
- 乾拭きで仕上げる
- 汚れがひどいときは中性洗剤を薄めて拭く
- ガラス素材部分は割れないように注意して拭く
冷蔵庫のドア部分や上部は、ホコリや手アカが溜まりやすい場所です。冷蔵庫内同様、3か月に1回を目安に、ぬるま湯で水拭きして汚れを取り、乾拭きで仕上げましょう。
汚れがひどい場合は、薄めた中性洗剤で汚れを落とし、その後乾拭きしてください。ガラス素材が使用されている機種では、表面やフチに衝撃を与えないよう注意しながら掃除しましょう。
冷蔵庫周辺の掃除手順
手順
- コンセント周りのホコリを掃除する
- 冷蔵庫裏や周囲のホコリを掃除機で吸う
- 床に落ちた汚れやホコリを掃除する
- コードの汚れを拭き取る
冷蔵庫周辺の掃除は、年に1回を目安に行いましょう。冷蔵庫の裏側やコンセント周辺はホコリが溜まりやすく、放置すると放熱を妨げて電気代のムダや故障の原因になることがあります。さらに、コンセントにホコリが溜まると火災や感電のリスクもあるため注意が必要です。
まずは、掃除機やはたきを使って、コンセント周りや冷蔵庫の裏などに溜まったホコリを取り除きます。続いて、床に落ちた汚れやホコリをきれいに掃除しましょう。
最後に、電源コードを布巾で水拭きします。コードには油分を含む汚れが付着していることが多いため、落ちにくい場合は薄めた中性洗剤を使い、その後に水拭きで洗剤成分をしっかり拭き取ります。
冷蔵庫をきれいに保つコツ
食品の鮮度を保ち健康的な生活を送るために、冷蔵庫を清潔に保つことは非常に重要です。汚れを防ぐための習慣や、食品の適切な保存方法を取り入れることで、掃除の負担を減らし、冷蔵庫をきれいな状態で維持できます。
また、機能性や掃除のしやすさを考慮した冷蔵庫選びや、専門業者による定期的なクリーニングも効果的です。
ここからは、冷蔵庫をきれいに保つための具体的なコツをご紹介します。
冷蔵庫の汚れを見つけたら、なるべく早く拭き取る
冷蔵庫内で調味料や食材の液だれを見つけたら、できるだけ早く拭き取る習慣をつけましょう。野菜くずのような細かいゴミは、気づいたときに、すぐに取り除くことが大切です。
汚れをそのまま放置すると、染みやニオイ、雑菌、カビの原因となります。目についた汚れはその場で取り除く意識を持つことで、冷蔵庫を清潔に保てます。
冷蔵庫の食品をこまめに整理する
冷蔵庫内の食品は、賞味期限や消費期限が近いものを前に出す「見える配置」を意識すれば、食品の無駄を減らせます。100円ショップやホームセンターなどで販売している、冷蔵庫内を整理する仕切りやかごなどの活用も効果的です。
また、食品を詰め込みすぎると空気循環が妨げられ、庫内に温度ムラが生じるおそれがあります。そのため、食品は過剰に買い込まないように注意し、庫内は7割収納を目安にするのがおすすめです。
なお、パッケージの外側や容器の底に汚れがついている場合は、拭き取ってから庫内に入れる習慣をつけましょう。
肉や魚は保存袋や真空パックで保存する
水分が出やすい肉や魚は、空気を抜きながらラップで包み、密閉度の高いジッパー付きの食品保存袋に入れるか、真空パックで保存しましょう。
汁漏れを防ぐことで、冷蔵庫内の衛生状態を保てます。さらに、外からの空気や湿気、ニオイの混入も防げるため、食品の鮮度も長く維持でき、一石二鳥です。
掃除しやすい冷蔵庫を選ぶ
冷蔵庫を選ぶ際には、お手入れや掃除のしやすさも意識してみましょう。以下のような機能がついている機種は、掃除がしやすく使い勝手が良いでしょう。
- 液だれ防止のボックスや引き出しが大きく開く
- コンプレッサーが上についている
- 脱臭機能がついている
容量や消費電力だけでなく、これらの機能を考慮して選ぶと、日常的な手入れが楽になります。
定期的に専門業者に依頼する
冷蔵庫は自分で掃除できる部分が多いのですが、放熱器や配管の裏側、ドアパッキンの内部など、手が届かない箇所もあります。そのため、1〜2年に1回程度、専門業者に冷蔵庫クリーニングを依頼するのがおすすめです。
業者によるクリーニングは、パーツの洗浄や除菌、脱臭などはもちろん、手の届かない箇所の汚れも除去できるため、冷蔵庫全体の衛生状態を大幅に向上させます。
まとめ
冷蔵庫の汚れは、ぬるま湯で水洗いするか、水拭きで落とせます。汚れが頑固な場合は、薄めた中性洗剤で汚れを落とした後、洗剤成分が残らないようにしっかりと水拭きしてから乾かします。塩素系漂白剤や研磨スポンジ(メラミンスポンジ)、アルコールなどは、冷蔵庫の材質や構造を傷つけるおそれがあるため使用を避けましょう。
冷蔵庫を清潔に維持するためには、汚れに気づいたときに拭き取る、庫内を整理整頓して食品ロスを防ぐといった習慣化が大切です。この記事を参考に、定期的に掃除を行い、衛生的な冷蔵庫を保ちましょう。
- 東京都水道局:
塩素消毒|水質に関するトピック
記事編集
- くらひろ編集部
- 東京電力エナジーパートナー株式会社
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