【お掃除スペシャリスト監修】キッチンの排水溝つまりの対処法!
この記事では、キッチンの排水口がつまる原因から、症状に応じた具体的な対処法、さらには日常的にできる予防のコツまで詳しく解説します。身近な道具を使って安全に対処する方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
監修者
- 佐倉 玖弥(さくら くみ)
- お掃除スペシャリスト
暮らしライターとして、Webメディアで記事を執筆。日々のお掃除を「楽してキレイにしたい!」を叶えるコツをご紹介。すぐに実践できる、リアルで役立つ情報をお届けしています。

キッチンの排水口がつまる原因
キッチンの排水口トラブルを解決するには、つまりの原因が何なのかを把握することが重要です。ここでは、主な症状とその原因について解説します。
異臭:油汚れ・カスの蓄積
排水口からイヤなニオイがしてくる場合は、排水口が汚れているサインです。異臭の原因は、油汚れや食材カスの蓄積です。
- 油汚れ:調理や洗い物で流れた油が、排水管内で冷えて固まる
- 食材カス:排水口やゴミ受けをすり抜けた微細な食材のカスが冷えた油に付着する
これらの汚れが溜まると雑菌が繁殖し、不快なニオイを発するようになります。異臭を感じたら、まずは排水口の掃除をしましょう。具体的な掃除方法は、後述の「▼【軽度】異臭がする・水の流れが悪い:お湯で油汚れを流す」で解説しています。
水の流れが悪い(ゴポゴポ音):油や食材カスの固着、固形物の落下
水を流したときにゴポゴポと音がして流れが悪いのは、汚れの固着や固形物の落下が原因です。通常、排水管の中には空気がありますが、汚れで狭くなると管内に水が満たされてしまい、空気がスムーズに抜けなくなります。ゴポゴポ音は、一旦押し下げられた空気が水の中を上がってくる音です。
- 汚れの固着:排水管内に付着した油や食材カス、洗剤カスなどに、細菌やカビなどの微生物が繁殖してぬめりが発生。このぬめりに、さらに汚れが付着して分厚い層になる。
- 固形物:スポンジのかけら・つまようじなどが排水管につまり、そこに汚れが付着する。
水で溶けない固形物は取り除くことで、流れの悪さを解消できます。固形物の詰まりに心当たりがなく、油や食材カスの固着が原因と考えられる場合の対処法は、後述の「▼【軽度】異臭がする・水の流れが悪い:お湯で油汚れを流す」を確認してください。
水の逆流、水漏れ:汚れが層になって固着、固形物の落下
排水口から水が逆流してきたり、水漏れが発生したりしている場合は、排水管に付着した汚れや落下した固形物でせき止められた汚れが、完全に排水管をふさいでしまった可能性があります。
逆流が起こる仕組み
- 排水管内に蓄積した油・食材カス・微生物、落下した固形物により排水管が完全につまる
- 水が流れずに押し戻される
- 排水口から水が溢れる
水漏れが起こる仕組み
- 排水管内に蓄積した油・食材カス・微生物、落下した固形物により排水管が完全につまる
- 行き場を失った水が排水管内部の水圧を高める
- 水圧に耐えられなくなった排水管や部品が、壊れたり緩んだりすることで水が漏れ出す
逆流や水漏れはそのままにしていると、シンクを使用できなくなるだけでなく、健康被害のリスクや床の腐食、階下への水漏れなどにつながる可能性もあります。逆流、水漏れが発生した際は、すぐに専門業者に清掃や修理を依頼しましょう。
キッチンの排水口つまりの対処法
排水口のつまりを解消するには、つまりの症状に応じた対処が必要です。ここでは、症状別に効果的な対処法を紹介します。
【軽度】異臭がする・水の流れが悪い:お湯で油汚れを流す
イヤなニオイがする、または水の流れが少し悪いと感じる程度の排水口の軽度なつまりには、お湯を使った掃除が効果的です。

必要なもの
- 汚れても良いタオル
- 50~60℃のお湯(排水管の変形や破損を防ぐため、必ず60℃未満にする)
手順
- 排水口カバー、ゴミ受け、椀トラップ(ゴミ受けの下にあるお椀を逆さまにしたような部品)を外す。
- 排水口にタオルを詰めて塞ぐ。タオルを引き抜けるように、タオルの端は蛇口やシンクのふちにかけておく。
- 50~60℃に温めたお湯をシンクにためる。
- タオルを一気に引き抜く。(2~4を2回繰り返すとより効果的)
お湯の温度と水圧で、排水管に付着した油汚れを効果的に流すことができます。
【中程度】水が流れない・異音がする:ラバーカップやハンガーを使用
排水口に水がほとんど流れない、ゴポゴポと大きな異音がするといった中程度のつまりには、ラバーカップ(スッポン)が効果的です。自宅にキッチン用のラバーカップがない場合は、針金ハンガーを使用する方法もあります。
ただし、じゃばらホースの排水管にラバーカップを使用すると破損のおそれがあるため、自宅の排水管の形状を事前に確認してください。

ラバーカップ(スッポン)を使ったつまり取りの方法
椀トラップの下部がじゃばらホースの場合、ラバーカップを使用すると、接続部の緩みやホースの劣化部分に負荷がかかり、破損する可能性があります。自宅の排水管がじゃばらホースの場合には、この方法を試さないようにしてください。
必要なもの
- ラバーカップ(スッポン)
手順
- 排水口カバー、ゴミ受け、椀トラップを外した排水口にシンクにラバーカップを密着させる。
- シンクにラバーカップのカップ部分が1/3浸かる程度の水をためる。
- ラバーカップを排水口にしっかりと押し当て、「ゆっくり押して、一気に引く」動作を繰り返す。
- つまりが取れると、水がゴポゴポと流れていく。

針金ハンガーを使ったつまり取りの方法
必要なもの
- 針金ハンガー
- 50~60℃のお湯
手順
- 針金のハンガーをまっすぐに伸ばし、先端を小さめの円形に曲げる。
- 排水口カバー、ゴミ受け、椀トラップを外した排水口に、ハンガーの円形部分を差し込む。ハンガーを上下左右に動かしながら、排水管の内側に付着した汚れをはがす(このとき、針金の先端で排水管を傷つけないように注意する)。
- 取り出せる汚れは、排水口から取り出し、ごみとして捨てる。
- 水を流し、つまりが解消されていることを確認する。
- つまりが解消されたら、50~60℃のお湯を一気に流し管内の汚れを流す。
【重度】水が逆流する・水漏れ:清掃・修理を専門業者に依頼
水が逆流してくる、水漏れが発生するといった重度のつまりは、自力での解決が困難な状態のため、専門業者に清掃や修理を依頼しましょう。自分では対処できない頑固なつまりの除去や、配管の破損・劣化の修理も、専門業者であればプロならではの知識と技術で、状況に応じた的確な対応をしてくれます。
「くらひろ by TEPCO」独自で行ったアンケート調査で、過去に専門業者に掃除を依頼したことがある方に対して「あなたはこれまでどこの掃除を専門業者に依頼しましたか。」と質問したところ、27.6%の方が「キッチン」の掃除を専門業者に依頼したことがあると回答しました。

- 調査主体:くらひろ by TEPCO(東京電力エナジーパートナー株式会社)
- 調査期間:2025年3月7日~3月9日
- 有効回答数:127(複数選択可)
逆流や水漏れを放置すると、建物の腐食や健康被害、集合住宅では階下への浸水など、さらに深刻な二次被害に発展するリスクがあるので、被害が広がる前に依頼するのがおすすめです。
キッチンの排水口を掃除する際の注意点
排水口のつまり取りを自分で行う際は、安全に作業を進めるためにいくつかの注意点があります。間違った方法でつまりを取ると、かえってつまりを悪化させたり、水漏れにつながったりする可能性があるため、以下のポイントをしっかり押さえておきましょう。
60℃以上の熱湯を使用しない
排水口の掃除に使うお湯は、必ず60℃以下にしてください。60℃以上のお湯を排水口に流すと、排水管の変形や破損のおそれがあります。
つまり取りに使用するお湯は、給湯器の温度を調整するか、やかんなどで沸かしたお湯に水を加えて温度を調整しましょう。給湯器の温度を変更した場合は、必ず元に戻してください。
排水管を自分で取り外さない
排水管を自分で分解することで、接合部が破損したり、特殊な部品を正しく再取り付けできなくなったりする場合があります。また、取り外し後に水漏れが発生するリスクもあるため、自分で排水管を取り外してはいけません。
自分でできる対処法で、排水管の汚れやつまりが解説できない場合は専門業者に清掃を依頼するようにしましょう。

キッチンの排水口つまり・異臭を予防するコツ
排水口のつまりや異臭は、日頃のちょっとした心がけで予防することができます。ここでは、習慣にしたい予防策を紹介します。
油・食材カスを排水口に流さない
油や食材カスをできるだけ排水口に流さないよう心掛けることが、つまり・異臭予防の基本です。具体的には、以下の方法を試してみてください。
- ゴミ受けに目の細かいネットを取り付ける
- 調理器具や食器に付いた油、食べカスはキッチンペーパーで拭き取ってから洗う
- 揚げ物などで油を大量に使用したときは、凝固剤で固めて家庭ごみとして捨てる
少量の油や食材カスでも、毎日流していると排水管内に蓄積してしまうので、日頃から流さないように意識しましょう。
洗い物や料理の後にお湯を流す
洗い物や料理が終わったら、排水口に50~60℃のお湯を流す習慣をつけましょう。油や洗剤カスが固着する前に、洗い流すことでつまりや異臭を予防できます。
ただし、60℃を超えるお湯を流すと排水管を傷める原因になるため、流すのは必ず60℃以下のお湯にしてください。
こまめに掃除・定期洗浄をする
こまめに排水口の掃除をすることで、汚れの蓄積やニオイのもとになる微生物の発生を未然に防ぐことができます。
排水口のつまりの多くは、汚れの蓄積が原因です。週に1〜2回は排水口カバーやゴミ受け、椀トラップを外して洗いましょう。とくに、調理で油を多く使った日や揚げ物をした日は、その日のうちに必ず掃除することをおすすめします。
また、月に1回程度はパイプ用洗浄剤を使って排水管内部も洗浄すると、より効果的につまりを予防できます。
まとめ
キッチンの排水口がつまったり、異臭がしたりするときは、まず何が原因かを突き止めて正しく対処しましょう。軽い異臭や流れの悪さであれば、50~60℃のお湯だけで解消できます。ゴポゴポと音がする場合は、ハンガーやラバーカップを使った方法を試してみてください。
ただし、水の逆流や水漏れが発生している場合は、自力での対処は難しいため、専門業者に清掃を依頼するのがおすすめです。
日頃から油や食材カスを流さないよう注意し、洗い物の後にお湯を流す習慣をつけることで、つまりや異臭を予防できます。こまめな掃除を心がけて、快適なキッチン環境を保ちましょう。
記事編集
- くらひろ編集部
- 東京電力エナジーパートナー株式会社
「くらひろ by TEPCO」は、東京電力エナジーパートナーが運営するWebメディアです。でんきやガスのことはもちろん、あなたの毎日に役立つ知識から、くらしを広げるアイデアまで、“知りたい”に答える多彩な記事をお届けします。

この記事の情報は公開日時点の情報です
KEYWORD
#人気のキーワード
RECOMMENDED
#この記事を読んだ人におすすめの記事



