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【お掃除スペシャリスト監修】IHコンロの掃除方法!頑固な焦げの落とし方も

IHクッキングヒーター(IHコンロ)は掃除のしやすさが魅力の一つですが、「毎回使うたびに掃除するのは難しい」という方も多いのではないでしょうか。とくにIHクッキングヒーターを使い始めたばかりの人は、正しい掃除方法がわからず放置してしまうケースが多いようです。

そこで本記事では、IHクッキングヒーターの汚れの原因や効果的な掃除方法、きれいな状態を保つコツを紹介します。適切なアイテムと正しい手順で、汚れをしっかり落として清潔なコンロを取り戻しましょう。

監修者

佐倉 玖弥(さくら くみ)
お掃除スペシャリスト

暮らしライターとして、Webメディアで記事を執筆。日々のお掃除を「楽してキレイにしたい!」を叶えるコツをご紹介。すぐに実践できる、リアルで役立つ情報をお届けしています。

佐倉 玖弥(さくら くみ) プロフィール写真

IHコンロが汚れる原因

IHクッキングヒーターが汚れる原因は主に以下の3つです。

調味料や油汚れ、鍋底の汚れなどは酸性のものが多いため、アルカリ性の洗剤を使うと、汚れを分解し効果的に落とせます。また、軽い油汚れであれば、中性洗剤の界面活性剤の働きで十分きれいに掃除できます。より効率的に掃除するために、まずは汚れの原因を詳しく見ていきましょう。

調味料による汚れ

こぼした調味料や吹きこぼれた煮汁がIHクッキングヒーターの汚れの原因になります。汚れを放置して加熱を繰り返すと、水分が蒸発し汚れがこびり付いてしまいます。

はねた油汚れ

揚げ物や炒め物で飛び散った油はねも汚れの原因です。放置すると、透明の油が黄色くベタベタした汚れに変化します。その状態で加熱を重ねると焦げ付いてしまうため、さっと拭くだけでは落とせず、本格的な掃除が必要になります。

鍋底の汚れの付着

鍋をきちんと洗えていなかったり、食材や調味料、煮汁などが鍋とIHクッキングヒーターの間に挟まったりすると、鍋底が汚れます。鍋底が汚れた状態で加熱し続けると、焦げ付きの原因となります。

さらに、焦げ付いた状態で使用を繰り返した場合、IHクッキングヒーターに輪じみや焦げ付きの跡が残ることも珍しくありません。跡が残るとコンロ全体がくすんで見えてしまいます。

IHコンロの掃除に必要なアイテム

IHクッキングヒーターの掃除に役立つアイテムを紹介します。ここで紹介するアイテムがあれば、トッププレート・グリル・排気口をすべて掃除できます。なお、必要に応じてゴム手袋やエプロンも準備しましょう。

IH専用クリーナー
一般的なアルカリ性洗剤では落としきれない調味料の焦げ付きや、こびり付いた油汚れに効果的です。IH専用に特化した製品であれば、ガラスより柔らかい粒子の研磨剤が配合されていたり、研磨剤未使用であったりするため、トッププレートを傷つけにくい特徴があります。
中性洗剤
簡単な汚れには、中性洗剤(ウタマロクリーナーや食器用洗剤など)が有効です。中性洗剤は軽い油汚れや調味料の飛び散りを落とす洗浄力があり、肌への刺激が少なく、毎日のお掃除に取り入れやすいアイテムです。
アルカリ性洗剤
先に説明したように、調味料や油など、IHクッキングヒーターの汚れは主に酸性です。酸性の汚れには、やはりアルカリ性洗剤が効果的です。100円ショップでも売っている重曹やセスキ炭酸ソーダも、アルカリ性洗剤に該当します。
クリームクレンザー
研磨剤入りのクリームクレンザーも効果的です。ただし、研磨剤30%以下であり、石英の研磨剤を使用していないものを選びましょう。研磨剤の含有量が多すぎると、トッププレートを傷つける可能性があります。使用後は水拭きし、洗剤を残さないようにしましょう。
ラップ・アルミホイル・スポンジ
トッププレートのお手入れには研磨剤を吸収しにくいラップやアルミホイルがおすすめのアイテムです。軽い汚れにはラップ、落ちにくい汚れにはアルミホイルを使用してください。
スポンジは研磨剤や洗剤を吸収しやすいため、トッププレートには不向きですが、凹凸の多いグリル部分に適しています。
布・キッチンペーパー
浮き出た汚れを拭き取るのに、使い古した布(布巾やタオルなど)やキッチンペーパーは便利です。布はくり返し使用できるため経済的ですし、キッチンペーパーはそのまま捨てられるので片付けの手間が軽減できます。
割りばし
IHクッキングヒーターの排気口は、非常に狭くなっています。そこで便利なのが、狭い穴にも差し込める割りばしです。割りばしに、洗剤を染み込ませたキッチンペーパーを巻きつけることで、細かいところも掃除できます。

IHコンロのトッププレートの掃除方法

ここからはいよいよ、IHクッキングヒーターの具体的な掃除方法を説明します。まずは、トッププレートをきれいにする方法を見ていきましょう。手袋とエプロンを付けておくと、手や服を汚さず安心です。

IHコンロのトッププレートの掃除方法

IHコンロのトッププレートの掃除方法

  1. 汚れにクリームクレンザーかアルカリ性洗剤を垂らす
    調理後の日常的な掃除などの軽い汚れは、中性洗剤を含ませた布で拭き取る。頑固な汚れや焦げ付きには、クリームクレンザーやアルカリ性洗剤を汚れに塗布する。
  2. ラップかアルミホイルで汚れをこする
    丸めたラップで円を描くようにしてトッププレートの汚れをこする。ラップは柔らかく、傷をつけずに汚れを取り除ける。汚れが落ちにくい場合はアルミホイルを使用する。強くゴシゴシこするのではなく優しくこするのがポイント。
  3. 洗剤の色が変わったら布で拭き取る
    洗剤の泡が茶色になったら、乾いた布やキッチンペーパーで拭き取り、汚れの落ち具合を確認する。汚れや焦げ付きが残る場合は、1~2を繰り返して落とす。
  4. 水拭きする
    汚れが落ちたらトッププレート全体を水拭きして洗剤を取り除く。洗剤が落とせたら水分を残さないように乾拭きし、水アカやシミを防ぐ。

なお、IHクッキングヒーターのトッププレートは、使用後に水拭きや中性洗剤で軽く汚れを拭き取る習慣をつけることで、きれいな状態を維持しやすいです。

ホームセンターや100円ショップなどでも売っている使い捨てのシートを使えば、油汚れのついた布巾を洗う手間も軽減できるため、うまく活用するのもおすすめです。

IHコンロ

IHコンロのグリル掃除方法

次に、グリルの掃除方法を紹介します。IHクッキングヒーターのグリルの掃除は、スポンジが汚れたり、焦げつきがなかなか取れなかったりと大変な作業です。

この際も、手袋やエプロンを付けると安心でしょう。

IHコンロのグリル掃除方法

IHコンロのグリル掃除方法

  1. 受け皿を取り出す
    グリルの受け皿を取り出してシンクに置く。扉や網など外せるパーツがあれば一緒に外す。キッチンペーパーで取れる汚れは先に拭き取る。
    大まかな汚れを取ったら、外したパーツをぬるま湯に数分浸けて汚れを浮かす。
  2. 取り出したパーツをアルカリ性洗剤で洗う
    汚れが浮いてきたら洗剤を染み込ませたスポンジで受け皿やパーツを洗う。簡単な汚れには中性洗剤、頑固な汚れにはアルカリ性洗剤を使用する。汚れを落としたら水でしっかりすすぐ。
  3. 扉と網、受け皿を乾いた布で拭く
    すすいだ受け皿やパーツを乾いた布で拭く。水分が残っていると加熱時に焦げ付きの原因になる。サビや変色にもつながるため、完全に乾かす。
  4. グリル内部の汚れを拭き取る
    グリル内部の油や食材カスも忘れずに掃除する。基本的には中性洗剤で、どうしても落ちない汚れのみ弱アルカリ性の洗剤で拭きとる。アルカリ度の高い洗剤(キッチンハイターなど)は避ける。
    汚れを拭き取った後は、洗剤が残らないようにしっかり水拭きをする。最後に乾かした扉や網、受け皿などのパーツを元に戻して掃除を終える。

IHコンロのグリル

IHコンロの排気口の掃除方法

最後に、排気口の掃除方法を説明します。IHクッキングヒーターの排気口部分は、グリル使用時の熱や煙を逃がす通り道です。そのため、油や食材カス、ほこりが入り込みやすい構造になっており、汚れを放置するとニオイや故障の原因にもなります。

排気口は毎日の料理で少しずつ汚れが蓄積されます。そのため、1週間に1回程度の頻度で掃除することで、排気口をきれいに保てるでしょう。

IHコンロの排気口の掃除方法

IHコンロの排気口の掃除方法

  1. 排気口のパーツをすべて取り外し、洗剤で洗う
    排気口カバーやフィルターなど、すべてのパーツを取り外す。外したパーツはシンクに置き、洗剤を染み込ませたスポンジで洗う。排気口本体は、簡単な汚れには中性洗剤、頑固な汚れにはアルカリ性洗剤を使用して掃除する。
  2. 洗い流して元に戻す
    洗ったパーツはしっかりすすいで、乾かしてから元に戻す。
  3. 排気口の中の汚れを取る
    排気口の穴が狭い場合、割りばしを活用する。割りばしの先端にアルカリ性洗剤を染み込ませたキッチンペーパーを巻きつけ、汚れを拭き取る。汚れを落とした後、水を染み込ませたキッチンペーパーを巻いた割りばしで水拭きし、仕上げる。

IHコンロの排気口

IHコンロのひどい汚れの掃除方法

酸化した油に付着したほこりや頑固な焦げ付きなど、ひどい汚れには特別な掃除が必要です。もっとも、正しい掃除方法が分かれば、きちんと汚れを落とせるので諦める必要はありません。

ここからは、IHクッキングヒーターのひどい汚れへの掃除方法を解説します。

油汚れ:洗剤でパック

頑固な油汚れは、洗剤でパックして汚れにしっかりと洗剤を染み込ませることで落ちやすくなります。

中性洗剤と水を合わせた液を汚れにのせ、ラップで覆い15〜60分ほど放置します。置く時間は、汚れの程度に合わせてください。この際、中性洗剤と水の割合を1:2~3程度の割合で作ると、洗剤のベタつきが残りにくくなります。

汚れが浮き上がったらラップを外し、乾いた布やキッチンペーパーで拭き取ります。汚れが落ちにくい場合は、ラップやスポンジでこすり落としてから拭き取りましょう。その後、洗剤分を完全に拭き取るために、必ず水拭きで仕上げてください。

焦げ付き:中性洗剤を溶かしたお湯につけ置き

トッププレート以外のパーツの頑固な焦げ付きには、中性洗剤を溶かした40度前後のお湯に浸け置きし、汚れを浮かび上がらせて流す方法がおすすめです。手順は以下のとおりです。

  1. シンクや洗い桶に40度くらいのお湯を溜めて中性洗剤を溶かす
  2. 1に焦げ付いたパーツを浸け、30分程度放置する
  3. 汚れが浮き上がったら、スポンジに中性洗剤を含ませて洗う
  4. 水で洗剤をしっかり洗い流す

なお、お湯が熱すぎると故障や変形の原因になるので注意してください。トップコートの焦げ付きは、先に紹介した「洗剤パック」できれいに落とすことができます。

IHコンロをきれいに保つコツ

ここで、IHクッキングヒーターをきれいに保つコツをお伝えします。

長くきれいに使うには、やはり日頃のお手入れが大切です。汚れたら、なるべく早く拭き取りましょう。毎回の掃除が難しい場合は、IH用の調理マットを敷くと掃除が手軽になります。

また、IHクッキングヒーターに対応していない調理器具を使用すると、うまく加熱ができなかったり、トッププレートや調理器具が傷みやすくなったりします。IHに対応している調理器具を使用することが重要です。

IHコンロの掃除における注意点

IHクッキングヒーターの掃除は、必ず電源を切った状態で行いましょう。これにより、火傷や感電のリスクを防ぐことができます。また、トッププレートは非常に繊細な構造です。上に乗ったり体重をかけたりしないように気をつけましょう。破損や傷の原因になります。

さらに、金属たわしやヘラなど硬い道具を使用すると、トッププレートやパーツを傷つける原因になります。ラップやアルミホイル、布やスポンジなど柔らかいものを選び、優しく拭き取るようにしましょう。

こうした注意点を守ることで、IHコンロをきれいに保ち、長く使うことができます。

まとめ

IHクッキングヒーターをきれいな状態で使うには、使用後に、水拭きや中性洗剤で軽く汚れを拭き取る習慣をつけることが欠かせません。汚れは見た目を損なうだけでなく、調理効率の低下や故障の原因にもなるため、日々のお手入れと定期的な掃除を心がけましょう。

頑固な汚れには、アルカリ性洗剤やクリームクレンザーを使い、ラップやアルミホイルで優しくこする方法が効果的です。汚れが溜まりやすい排気口やグリルなど細かな部分も、定期的に掃除することをおすすめします。

この記事では、IHクッキングヒーターの汚れの原因から掃除に必要なアイテム、各部分の具体的な掃除手順やコツを詳しく解説しました。安全に配慮しながら正しい掃除方法を取り入れ、清潔な状態を維持しましょう。

記事編集

くらひろ編集部
東京電力エナジーパートナー株式会社

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