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【お掃除スペシャリスト監修】お風呂の天井の掃除方法は?道具や予防策を解説

お風呂の天井の掃除って、意外と見落としがちですよね。毎日使う浴室ですが、天井の汚れは、あまり目を向けることがなく気づきにくいため、ついつい後回しにしてしまうこともあると思います。

そこで本記事では、お風呂の天井掃除の必要性や具体的な方法、さらには汚れを防ぐ予防策まで詳しく解説します。なかなか目の届きにくい天井掃除も日々の掃除に取り入れて、清潔で快適な浴室を目指しましょう。

監修者

佐倉 玖弥(さくら くみ)
お掃除スペシャリスト

暮らしライターとして、Webメディアで記事を執筆。日々のお掃除を「楽してキレイにしたい!」を叶えるコツをご紹介。すぐに実践できる、リアルで役立つ情報をお届けしています。

佐倉 玖弥(さくら くみ) プロフィール写真

お風呂の天井掃除が必要な理由

お風呂の天井は一見きれいに見えても、実は汚れが潜んでいることがあります。

毎日の入浴で発生する湯気や湿気が天井に溜まりやすく、これが汚れの原因となるのです。石鹸カスや皮脂汚れが直接天井に付着することは少ないものの、湿った状態が長く続くと汚れが蓄積され、カビが繁殖する条件を整えてしまいます。

とくに、天井は目の届きにくい場所であるため、汚れに気づきにくく、掃除が後回しになりがちです。定期的に掃除を行わないと、見えない汚れが蓄積し、浴室全体の衛生環境に影響を及ぼすこともあります。清潔な浴室を保つためには、天井の掃除を習慣化することが必要不可欠です。

お風呂の天井掃除が必要な理由

お風呂の天井が汚れる原因

お風呂の天井が汚れる理由はさまざまですが、主に以下の2つが原因であることが多いです。

湿気とカビ

浴室は、カビが繁殖しやすい条件が揃っています。

カビが繁殖しやすい条件[1]

温度 20〜35℃前後
湿度 70%以上
栄養分 石鹸カスや皮脂汚れ

入浴中に天井を見ることは少ないため、気づかぬ間にカビが広がっている可能性があります。天井に付着したカビは胞子を放出し、壁や床、さらには洗面用具に落下するため、二次汚染が起こりやすいです。

なお、カビの除去には、バスタブクレンジングなどのアルカリ性洗剤や、カビキラー・ハイターなどの塩素系漂白剤が効果的です。具体的な掃除方法は、後述の「▼お風呂の天井掃除の具体的な手順」で解説します。

皮脂汚れや石鹸カス、湯アカ、水アカ

シャンプーやボディーソープの泡は、意外と広範囲に飛び散るものです。とくに、立った状態で洗った場合、泡が天井まで届き、石鹸カスや湯アカになります。また、湯船や蛇口周りと比べると少ないものの、髪や体を洗い流す際の水しぶきが天井まで届き、水アカ汚れが発生することもあります。

これらの汚れは、軽いものであればウタマロクリーナーやマジックリンなどの中性洗剤で落とすことができます。しかし、頑固な皮脂汚れや湯アカはアルカリ性洗剤、石鹸カスや水アカには、酸性洗剤やクエン酸などが必要です。

お風呂の天井掃除の準備と注意点

お風呂の天井掃除を行う際には、適切な準備と安全対策を行うことが大切です。必要な道具を揃え、汚れの種類に応じた洗剤を選び、安全に作業するための注意点を確認しましょう。

必要な道具の一覧

掃除を始める前に以下の道具を準備してください。

お風呂の天井掃除に必要な道具

  • 浴室用洗剤(汚れに応じて中性・アルカリ性・酸性を使い分け)
  • カビ取り剤(塩素系漂白剤など)
  • フロアワイパー(柄付きで天井まで届くもの)
  • ドライシートまたはキッチンペーパー
  • ゴム手袋
  • マスク
  • ゴーグル
  • 汚れてもよい服装

汚れ別の効果的な洗剤

汚れの種類 適切な洗剤の種類
カビ
(酸性の汚れ)
中性洗剤、アルカリ性洗剤、塩素系漂白剤
皮脂汚れ
(酸性の汚れ)
中性洗剤、アルカリ性洗剤、重曹、セスキ炭酸ソーダ
湯アカ
(酸性の汚れ)
中性洗剤、アルカリ性洗剤、重曹、セスキ炭酸ソーダ
石鹸カス
(アルカリ性の汚れ)
中性洗剤、酸性洗剤、クエン酸
水アカ
(アルカリ性の汚れ)
中性洗剤、酸性洗剤、クエン酸

なお、塩素系洗剤と酸性洗剤を混ぜると有毒な塩素ガスが発生するおそれがあるので、単独で使用してください。また、たとえ一度洗い流したとしても、成分が残っていると反応する可能性があるため、続けて使用するのもNGです。

安全に掃除するためのポイント

お風呂の天井掃除は高い場所での作業になるため、安全性を確保することが重要です。主に以下の3点に注意して、掃除しましょう。

  1. 洗剤の使い方
    天井に直接スプレーせず、シートやペーパーに染み込ませて使用することで、液だれを防ぎます。
  2. 換気の徹底
    掃除中は窓や換気扇を開け、空気の流れを確保します。塩素系洗剤を使用する場合はとくに注意が必要です。
  3. 安定した足場の確保
    必要に応じて滑り止めのついた踏み台を使用し、転倒を防ぎます。

お風呂の天井掃除の具体的な手順

ここでは、お風呂の天井掃除の手順を分かりやすく解説します。軽い汚れであれば「▼基本的な掃除方法」できれいになります。長期間放置した頑固な汚れや、こびりついたカビなどは「▼カビや頑固な汚れへの対処法」を、試してみてください。

基本的な掃除方法

軽く汚れている状態のお風呂の天井は、以下の手順で掃除します。

基本的な掃除方法

お風呂の天井の基本的な掃除方法

  1. 換気を確保する
    浴室の窓やドアを開け、換気扇を回して空気の流れを作る。
  2. 天井の水滴を拭き取る
    フロアワイパーにドライシートを取り付けて、天井の水滴を拭き取る。
  3. 洗剤を塗布し、10~20分放置する
    ドライシートに汚れの種類に応じた洗剤を染み込ませ、天井全体に塗布する。まんべんなく塗布したら、放置して汚れに洗剤を浸透させる。
  4. 洗剤を洗い流す
    低圧のシャワーを使用して洗剤を丁寧に洗い流す。
    ※洗い流した水が自分にかからないように注意する。
  5. 乾燥させる
    乾いた布やシートで水気を拭き取り、換気を行って天井をしっかり乾燥させる。

この方法で定期的に掃除することで、きれいな天井を維持できます。

カビや頑固な汚れへの対処法

お風呂の天井にカビや頑固な汚れがある場合は、以下の方法で徹底的に対処しましょう。

カビや頑固な汚れへの対処法

カビや頑固な汚れへの対処法

  1. カビ取り剤を使用
    塩素系漂白剤などの専用カビ取り剤を使用する。直接スプレーするのではなく、ドライシートやキッチンペーパーに染み込ませて天井に塗布する。
  2. 放置時間を守る
    10~30分程度放置する(製品の取扱説明書に記載された放置時間)。
    ※放置時間が短すぎると汚れが落ちきらず、長すぎると天井を傷める恐れがある。
  3. 拭き取り作業を丁寧に
    低圧のシャワーを使用して洗剤を丁寧に洗い流すか、洗剤が残らないように、きれいな布でしっかり拭き取る。
    ※洗い流した水が自分にかからないように注意する。洗剤が残ると再び汚れやカビが発生する原因となる。
  4. 仕上げに乾燥
    天井を乾燥させるため、換気扇を回し続けるか窓を開けて通気を良くする。
    ※乾燥が不十分だとカビの再発を招くことがある。

どうしてもきれいにならない場合は、プロに依頼するのも一つの手です。

「くらひろby TEPCO」が独自に実施したアンケートによると、約34%の人が、浴室を「自宅のなかで掃除がしにくいと感じる場所」と回答しています。これは、エアコン、換気扇に続いて3番目に多い結果です。

掃除がしにくいと感じる場所についてのアンケート結果

「くらしに関するアンケート」の調査概要

  • 調査主体:くらひろ by TEPCO(東京電力エナジーパートナー株式会社)
  • 調査期間:2025年3月7日~3月9日
  • 有効回答数:725

また、同アンケートでは、約30%の人が「浴室の掃除を専門業者に依頼したことがある」と回答しています。これは、エアコンの次に多い回答で、自分では掃除しにくい浴室を専門業者に頼る人は意外と多いことが分かります。

専門業者に依頼した掃除場所についてのアンケート結果

「くらしに関するアンケート」の調査概要

  • 調査主体:くらひろ by TEPCO(東京電力エナジーパートナー株式会社)
  • 調査期間:2025年3月7日~3月9日
  • 有効回答数:127(自宅の掃除を専門業者に依頼したことがある方のみ)

毎日使う浴室は、家の中でもとくに汚れやすい場所です。放置してしまうと、どんどん汚れが広がり頑固になっていくので、定期的に専門業者に依頼して汚れをリセットすることで、普段の掃除のやる気にもつながるかもしれません。

お風呂の天井をきれいに保つ予防策

掃除後の清潔な状態を保つためには、日々の予防策が欠かせません。以下の方法を実践して、汚れやカビの発生を防ぎましょう。

換気と湿気対策

入浴後は浴室にこもった湿気を迅速に排出することで、カビの繁殖を抑制できます。具体的には、換気扇を数時間回し続ける、窓を開けて新鮮な空気を取り入れる、といった工夫が効果的です。

また、天井や壁に付着した水滴を毎回拭き取る習慣をつけることも重要です。モップやタオルでも問題ないですが、水切りスクレーパー(水切りワイパー)を使うことで、簡単に天井の水分を除去できます。水切りスクレーパーは、100円ショップやホームセンター、ネット通販で手軽に購入できるのでおすすめです。

防カビアイテムの活用

お風呂の天井を清潔に保つためには、防カビアイテムの活用も効果的です。

週に1回程度、アルコール除菌スプレーを使って天井を拭くことで、カビの発生・繁殖を抑えられます。アルコールには除菌効果があり、カビの発生を抑えるだけでなく、見えない汚れも防げます。

また、市販の防カビ剤を設置することも簡単にできる予防策です。とくに、銀イオンタイプや吊り下げタイプの防カビ剤は、カビの繁殖を一定期間抑制する効果があるとされています。

これらのアイテムを掃除や換気と組み合わせて適切に活用することで、天井の清潔を保ちつつ、カビの悩みを軽減し、浴室全体を快適な状態に維持できます。ただし、浴室の素材や環境によっては防カビ剤が使用できなかったり、効果が限定的になったりする場合があります。自宅の風呂場で使用できるか確認してから使用するのが安心です。

まとめ

お風呂の天井は、見た目がきれいでも石鹼カスや皮脂汚れなどが潜んでいる可能性があります。浴室内は、カビが発生しやすい状況が整っているため、これらの汚れを放置しているとカビの繁殖も広がります。そのため、お風呂の天井も定期的な掃除と予防が必要です。

基本的には、柄付きのフロアワイパーに中性洗剤を染み込ませたペーパーを付け、天井を拭き、水拭きすることできれいになります。汚れの種類や程度にあわせて洗剤を使い分けてください。

定期的な掃除に加えて換気と湿気対策をしっかり行うことで、お風呂をきれいに保つことができます。今回ご紹介した方法を実践し、清潔で快適なバスタイムを楽しみましょう。

  1. 東京都保健医療局:
    健康・快適住居環境の指針

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くらひろ by TEPCOは東京電力エナジーパートナーが運営するメディアサイトです。毎日のくらしに役立つ知識から、次の一歩につながる情報まで、知りたいに答える多彩な記事を配信しています。

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