【掃除専門家監修】重曹の使い方一覧!掃除・料理・生活で役立つ知識を紹介
この記事では、重曹の基本的な性質から掃除・料理・生活での使い方、注意点までを分かりやすく解説します。初めて重曹を使う方でも、すぐに実践できる内容をまとめています。
監修者
- 佐倉 玖弥(さくら くみ)
- お掃除スペシャリスト(クリンネスト1級)
暮らしライターとして、Webメディアで記事を執筆。日々のお掃除を「楽してキレイにしたい!」を叶えるコツをご紹介。すぐに実践できる、リアルで役立つ情報をお届けしています。

重曹ってどんなもの?どんな効果がある?
重曹は自然由来の成分でできた身近なアイテムで、掃除や料理などさまざまな用途に使えます。まずは基本的な特徴と働きを理解しておきましょう。
重曹とは「炭酸水素ナトリウム」のこと
重曹は、炭酸水素ナトリウムという弱アルカリ性の物質です。自然界にも存在する成分で、安全性が高く、掃除や料理など幅広い用途に使われています。
合成洗剤とは異なり、環境への負担が比較的少ないため「ナチュラルクリーニング」の代表としても知られています。家庭では粉のまま使ったり、水に溶かして重曹水として使ったり、用途に応じて使い分けることが可能です。
酸性の汚れの除去・研磨作用がある
重曹は弱アルカリ性で、油汚れや皮脂汚れなどの酸性の汚れを中和して落とすのが特徴です。そのため、キッチン周りの油はねや手垢汚れなど、酸性汚れの掃除に向いています。
また、重曹の粒子は非常に細かく、軽い研磨作用があるため、焦げ付きやこびりつきの掃除にも活用できます。ただし、強くこすると傷が付く場合があるため、目立たない場所で試してから使うことや、大理石などの傷つきやすい素材には使用しないことが大切です。
クエン酸との組み合わせがおすすめ
重曹とクエン酸を使い分けると、アルカリ性と酸性の働きによって掃除の幅が広がります。重曹は弱アルカリ性、クエン酸は酸性のため、以下の汚れに効果的です。
- 重曹:油汚れ・皮脂汚れ・手垢汚れ
- クエン酸:水垢・石鹸カス
汚れの種類にあわせて使い分けることで、効果的に掃除ができるでしょう。
【掃除編】重曹の使い方4選
重曹の用途として最も一般的なのは、掃除でしょう。しかし、どの部分の汚れにどう活用するのか知らない方も多いのではないでしょうか。ここでは、重曹が使用できる場所と掃除方法を解説します。
電子レンジの油汚れ
電子レンジの庫内にこびりついた油汚れは、重曹で掃除できます。耐熱容器に入れた重曹水を加熱し、扉を閉めたまま20分ほど置いておくだけで、こびりついた汚れを簡単に拭き取れるようになります。
手順
- 耐熱容器に200mLの水と重曹大さじ1を入れて混ぜる
- 1の重曹水を電子レンジで5分加熱し、扉を閉めたまま20分間置いておく
- キッチンペーパーや布巾に、耐熱容器内の重曹水を含ませて汚れを拭き取り、汚れが落ちたら水拭き・乾拭きをする
※上記手順で汚れが取れないときは、歯ブラシに歯磨き粉をつけてやさしくこする
換気扇フィルターの油汚れ
換気扇フィルターも重曹を使用して汚れを落とせます。掃除方法には、フィルターが入るサイズのゴミ袋やバケツで浸け置きする方法と、重曹スプレーを使用する方法があります。より手軽に掃除をしたい方は、重曹スプレーを使用するのがおすすめです。
なお、使用できる洗剤は換気扇の機種によって異なるので、掃除の前に製品の取扱説明書を必ず確認するようにしましょう。
手順(浸け置きする方法)
- 二重にしたゴミ袋か、フィルターが入るサイズのバケツを用意する
- フィルターが浸かる量のお湯(40~50℃)を溜める
- お湯1Lに対して、重曹を大さじ1の割合で入れて溶かし、フィルターを入れる
- お湯の温度を保つため、ゴミ袋は空気を抜いて口をしばり、バケツにはふたや新聞紙をかぶせる
- 軽い汚れであれば30分、ひどい汚れであれば1~2時間浸け置きする
- ブラシ、スポンジ、使わなくなった歯ブラシなどで汚れをこすり落とす
- お湯ですすぎ、完全に乾燥させる
手順(重曹スプレーを使用する方法)
- スプレーボトルに40~50℃のお湯100mLと、重曹小さじ1を入れて溶かす
- フィルターを新聞紙やビニール袋の上に置き、汚れ部分に重曹水をスプレーする
- 上から空気が入らないようにラップを貼り付け、汚れと重曹水を密着させる
- 20分~1時間程度置いておく
- ラップをはがし、ブラシ、スポンジ、使わなくなった歯ブラシなどで汚れをこすり落とす
- お湯ですすぎ、完全に乾燥させる
コンロの焦げ付き
コンロは油汚れや焦げが付きやすい場所です。五徳(バーナーの周囲にある部品)、バーナーキャップ、天板はすべて重曹で掃除できます。
五徳・バーナーキャップの掃除手順
- 五徳が入る大きさで掃除に使用できる鍋に、水1Lに対して重曹小さじ2の分量を目安に、部品が浸かる量の水と重曹を入れて沸騰させる
- 火を止めて五徳・バーナーキャップを入れ、さらに5分ほど沸騰させる
- 5分経過したら火を止め、お湯が冷めるまで置いておく
- お湯が冷めたら、スポンジで汚れをこすり落とす
- 水で洗い流し、しっかり乾かす
天板の掃除手順
- 粉末の重曹を天板にまぶして、15分ほど置く
- 水で濡らした布巾で天板の汚れをやさしく拭き取る
- 残った重曹も布巾で拭き取る
浴槽の水垢・ぬめり
浴槽の水垢やぬめりには、残り湯に重曹を入れ、一晩浸け置きする方法が効果的です。翌日にシャワーで軽く流すだけで掃除が完了します。ただし、この方法は浸け置きの時間が長いため、夜に浸け置きし、翌朝にすすぎをしましょう。
掃除手順
- 入浴後の残り湯、または40℃前後のお湯に粉末の重曹を200g程度入れてよく混ぜる
- 洗面器や浴槽のふたなど、汚れを落としたいものがあれば浴槽に入れる
- 一晩置いたら、翌朝に水を抜き、浴槽と浸したふたなどをスポンジで軽くこすって、シャワーでしっかりすすいで乾燥させる
【料理編】重曹の使い方4選
料理に重曹を取り入れることで、下ごしらえの効率が上がり、仕上がりのクオリティも向上します。料理のときは必ず「食品用」の重曹を使用してください。
野菜の臭み・アク抜き
山菜や根菜の臭み取りやアク抜きには重曹が役立ちます。とくに、ぜんまい・わらび・タケノコなどの繊維質の食材は、重曹を使うことで繊維が適度にほぐれ、おいしく仕上がります。
手順
- 鍋にたっぷりのお湯を沸かし、1Lに対し小さじ1程度食用の重曹を加える
- 沸騰したら野菜を入れ、火が通るまで茹でる
- 茹で上がったら、ふたをしてそのまま冷ます
- 冷めたら水でしっかり洗う
ベーキングパウダーの代用
重曹はベーキングパウダーの主成分ですが、性質は異なります。重曹をふくらし粉として使うと、生地は横に膨らみ、焼き色が濃く黄色っぽくなる特徴があるため、「どら焼き」や「甘食」など独特の風味を出したいお菓子に向いています。
ただし、重曹単体では苦味が出やすく、縦に膨らませる力は弱めです。そのため、代用する場合の使用量はベーキングパウダーの1/2を目安にし、レモン汁やヨーグルトなどの酸性食材を少量加えるのが、ふっくらとおいしく仕上げるコツになります。

緑黄色野菜の色を鮮やかにする
野菜を茹でる際に重曹を少量加えると、クロロフィル(葉緑素)という色素がアルカリ性の作用で安定し、野菜の色が鮮やかになります。ただし、長時間茹でると野菜のビタミンが破壊されたり、食感が柔らかくなりすぎたりするため、短時間で手早く茹で、すぐに冷水に取るのがポイントです。
手順
- 沸騰したお湯に少量の食用重曹を入れる
- ブロッコリーやほうれん草などの緑黄色野菜を茹でる
- 茹で上がったら冷水に入れて色止めをする
お肉を柔らかくする
炭酸水素ナトリウムには、肉のタンパク質を軟化させ、水分を保持しやすくする効果があります。そのため、下ごしらえに重曹を使うことで、固めのお肉も食べやすくすることができます。ただし、苦みの原因になりますので、長時間の浸け込みは避け、浸け込んだ後は重曹をよく拭き取ることを忘れずに行いましょう。
手順
- 水250mLに対して重曹小さじ1を溶かす
- 肉を1に入れ、30分〜1時間ほど浸け込む
- 調理前にキッチンペーパーで水分を拭き取ってから使用する(重曹が残っていると苦味の原因になる)
【生活編】重曹の使い方3選
掃除や料理以外でも、重曹の消臭効果や中和作用を活かすことで、日常のちょっとした困りごとを解決できます。
靴や布製品の消臭
重曹は、酸性のニオイである汗のニオイに効果を発揮します。重曹を使用した消臭には「重曹スプレー」「重曹の消臭袋」「重曹を直接かける」の3パターンがあります。
重曹スプレー
- 水100mLに重曹小さじ1/2を入れて溶かし、スプレーボトルに入れる
- 靴の内側に吹きかけて、しっかり乾燥させる(靴の表面にかかってしまい、白い跡が残った場合は、固く絞った布で拭き取る)
消臭袋
- 古い靴下や通気性の良い布袋に粉末の重曹を詰め、口を縛る
- そのまま靴の中に入れて一晩置く
直接かける
- 靴やカーペットなどに、重曹を直接振りかけて半日~1日ほど放置する
- 重曹を振り落としたり、掃除機で吸い取ったりする(掃除機のフィルターが重曹で目詰まりしないように、吸引後はフィルターを掃除する)
入浴剤
重曹(炭酸水素ナトリウム)は、市販の入浴剤にも含まれている成分です。そのため、重曹単体でも入浴剤に近い効果が得られます。
手順
- 浴槽のお湯(約200L)に大さじ1〜3杯程度の重曹を入れます。
- よくかき混ぜてから入浴する
また、重曹とクエン酸を2:1の割合で混ぜ、少量の霧吹きで湿らせて型に詰めて乾かせば、シュワシュワ弾ける手作り入浴剤(バスボム)を作ることもできます。
口臭ケア
食後の口内は酸性になりやすく、口臭の原因の一つとされています。そのため、弱アルカリの重曹でうがいをすることで、口内を中和し、さっぱりと清潔に保てます。
ただし、頻繁に重曹でもうがいを行うと、口内がアルカリ性に傾く原因になるため、1日に1回程度にとどめましょう。
重曹うがい
- 200mLの水に小さじ1/2の重曹(食品用)を溶かす
- 30秒程度口に含んで吐き出す

重曹を使うときのよくある質問
重曹は便利ですが、誤った使い方をすると素材を傷めたり、健康に影響を与えたりすることもあります。正しく使うために疑問を解決しましょう。
重曹にはどんな種類がある?使い分けは?
重曹には「食品用」「掃除用(工業用)」「医療用」の3つがあります。家庭では主に食品用と掃除用(工業用)を使い分けて活用します。
- 食品用:料理に使用可能。衛生管理がされており、掃除にも使用可能。
- 掃除用(工業用):掃除・洗濯専用。粒子が粗く、不純物が含まれる可能性があるため、料理には使用できない。
- 医療用:病院での処方や薬局で医薬品として販売されている。不純物がほとんど含まれておらず、きめ細かい粒子が特徴。
重曹を使うときは手袋が必要?
肌が弱い人や、高濃度で重曹を使用する場合はゴム手袋をしましょう。重曹は弱アルカリ性ですが、肌の油分を分解する作用があるため、肌が弱い人が素手で長時間触れると手が荒れる原因になります。
また、重曹ペーストや高濃度の重曹水を使って掃除をする際は、ゴム手袋を着用して肌を保護することをおすすめします。
重曹を使ってはいけない場所はある?
重曹の成分や研磨作用に弱い素材には注意が必要です。
- アルミ・銅・真鍮製品:アルカリに反応して黒ずみます。鍋やサッシ、真鍮の金具などへの使用は避けましょう。
- 大理石・天然木・漆器・畳:研磨作用で傷が付き、光沢が失われます。またアルカリ成分で変色することがあります。
- コーティング加工品:液晶画面や眼鏡、車の塗装などは、研磨によってコーティングが剥がれるおそれがあります。
重曹水の濃度は高い方が効果がある?
濃度が高いほど洗浄効果があるとは言い切れません。汚れの度合いや、湯温、拭き掃除か浸け置きかなど、用途に合わせて濃度を使い分けるのがコツです。
重曹水の濃度は、日々の軽い汚れの掃除には約1%、頑固な油汚れなどの拭き掃除に使う場合は約5%を目安にしましょう。
| 濃度 | 水と重曹の割合 | 用途 |
|---|---|---|
| 1% | 水: 1L(1,000g) 重曹: 大さじ1杯弱(10~12g) |
日常的な拭き掃除、大容量のお湯での浸け置き |
| 5% | 水: 100mL(100g) 重曹: 小さじ1杯(4~5g) |
キッチン周りのベタつき掃除、部分的な汚れ用の重曹スプレー |
重曹水は、濃度が高すぎると乾いた後に重曹の白い結晶が残りやすくなります。二度拭きの手間を減らしたい場所には、1%程度の濃度で掃除をするのが最も効率的です。
重曹水・重曹ペーストは作り置きしても良い?
重曹水や重曹ペーストの作り置きはおすすめできません。時間が経つと重曹の力が弱まるだけでなく、水道水に含まれる不純物や有機物をエサにして雑菌が繁殖したり、スプレーノズルの中で結晶化して目詰まりを起こしたりすることがあります。
そのため、重曹水や重曹ペーストは、掃除のたびに必要な分だけ作るのが最も衛生的で効果的です。重曹水をスプレーにして使用する場合には、目詰まり防止のため、使い終わった後のスプレー容器に水を入れて何度かスプレーしておくことも忘れずに行いましょう。
まとめ
重曹は掃除・料理・生活習慣のあらゆるシーンで活躍します。油汚れを落とす、食材を柔らかくする、不快な臭いを消すといった重曹の効果を正しく理解すれば、家事の負担はもっと軽くなります。
まずはキッチンの簡単な油汚れや靴の消臭から、重曹を味方にして心地のいい暮らしを始めてみてはいかがでしょうか。
記事編集
- くらひろ編集部
- 東京電力エナジーパートナー株式会社
「東京電力 くらひろ by TEPCO」は、東京電力エナジーパートナーが運営するWebメディアです。でんきやガスのことはもちろん、あなたの毎日に役立つ知識から、くらしを広げるアイデアまで、“知りたい”に答える多彩な記事をお届けします。

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