家電の知識

待機電力とは?電気代はどれくらい?今日からできる節電方法を解説

待機電力という言葉は聞いたことがあっても、「どの家電がどれくらい消費しているの?」「簡単に電気代を下げる工夫はあるの?」と疑問に思っている方は多いのではないでしょうか。

本記事では、待機電力の基本と発生する仕組みを整理したうえで、家庭で取り入れやすい削減方法を紹介します。電源ボタン・主電源・電源プラグの使い分けや注意点もあわせて解説しますので、ご家庭での節電を見直すきっかけにしてみてください。

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くらひろ編集部
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待機電力とは?

待機電力とは、家電の電源ボタンをオフにしていても、コンセントにつながっているだけで消費される電力のことです。

ここでは、待機電力がどんな場面で発生するのか、なぜ電源ボタンをオフにしてもゼロにならないのかを順番に解説します。

待機電力とはコンセントにつないでいるだけで発生する電力

家電は、使っていない間も完全に動作が止まっているとは限りません。たとえば、テレビはリモコンの「電源オン」の操作を受け取る必要がありますし、時刻表示がある機器は内部で時計を動かし続ける必要があります。電話機なら着信に備えて待ち受けていなければなりません。

このように、使っていない家電が消費する微量な電力のことを「待機電力」といいます。電源ボタンをオフにしていても、電源プラグがコンセントにつながっている限り、「すぐ使える状態」に保ったり、機能を維持したりするために、少しずつ電力が消費され続けます。

待機電力による電力消費量は、家電1台あたりで見ると大きいものではありません。しかし、家の中の家電すべての待機電力を合計すると、毎月の電気代に影響が出てきてしまいます。

待機電力がゼロにならない仕組み

前述のように、リモコンの待ち受けや時刻表示などの機能がある家電は、待機電力をイメージしやすいと思います。しかし、これらの機能がない家電については、「電源ボタンをオフにしたのに本当に電気を使うの?」と疑問に思うかもしれません。

多くの家電で待機電力がゼロにならないのは、コンセントにつながれた状態では、機器内部の“待機回路”が動き続けているためです。電源ボタンではこの待機回路まで完全に切れないことが多く、家電をすぐに使える状態を保つために通電が続きます。

そのため、電源プラグをコンセントから抜かない限り、待機電力が発生するケースがあります。なお、家電によっては主電源をオフにすることで、待機回路まで止められる場合もあります。

待機電力

待機電力にかかる電気代は家庭全体の約5%

家庭で使う電気のうち、待機電力が占める割合は約5%とされています[1]

1世帯あたりの年間消費電力量4,432kWhのうち、待機電力による消費電力量は228kWhと推計されています。2026年3月時点の電気料金目安単価31円/kWh[2]で計算すると、1世帯あたりの待機電力による年間の電気代は7,000円程度と試算できます。

228kWh/年×31円/kWh=7,068円/年

もちろん、実際の電気代は、契約している電気料金プランや家電の数・種類、使い方によって前後します。しかし、使っていないつもりの家電にかかっている電気代が、年間では数千円単位になっているという可能性は十分に考えられます。

電気代を抑えたい場合は、待機電力も一度見直してみましょう。

待機電力が大きい家電

家電によっては、待機電力が発生しにくい家電もあります。たとえば、ドライヤーや電気ケトル、アイロンなどは、使っていない間に機能を保つ必要がないため、待機電力が小さくなりやすい家電です。

一方で、待機電力が大きくなりやすいのは、「すぐ使える状態」を保つ必要がある家電です。代表的なものを挙げると次のとおりです。

それぞれの特徴を見ていきましょう。

ガス給湯器

ガス給湯器

ガス給湯器は、家庭内でも待機電力が大きくなりやすい機器のひとつです。いつでもお湯が沸かせるよう、電源ボタンがオフの状態でも内部の制御装置が動いています。

また、液晶表示や凍結防止などの機能を保つため、基本的に24時間通電しているケースが多いです。安全面にも関わるため、原則として主電源や電源プラグは挿したまま使うのが前提になります。

テレビ

テレビ

テレビは、見ていない時間が長くても待機電力が積み重なりやすい家電です。リモコン操作の待ち受けや番組情報の取得などのため、電源ボタンがオフでも待機状態が続いていることがあります。

視聴頻度が少ない場合は、機器の主電源があるなら主電源を切る、またはスイッチ付きの節電タップでまとめてオフにするなど、無理のない範囲で管理することが節電につながります。

なお、録画機器やインターネット機能と連携している場合は、節電タップで通電を止めたり、電源プラグを抜いたりすると、予約録画や更新に影響が出ることもあるため注意しましょう。

エアコン

エアコン

エアコンは、使っていない季節でも待機電力が発生することがあります。内部基板、冷媒管理などの機能は常に待機しており、室温を測るセンサーが常に稼働している機種もあります。このようにして通電状態が維持されていると、待機電力が消費されます。

長期間まったく使わない場合は、電源プラグをコンセントから抜いたり、ブレーカーをオフにしたりすると節電につながる場合があります。ただし、機種によっては長期間の通電停止を推奨しないものもあります。

また、長期間エアコンの通電を停止していた場合、通電してからすぐに運転すると内部に負荷がかかる可能性があるため、通電後しばらく時間をおいてから使用するよう案内されている機種もあります。

いずれの場合も、機種ごとに異なるため、取扱説明書の案内に従うのが安心です。

一方で、日常的に電源プラグをコンセントから抜いたり、ブレーカーを頻繁にオン/オフしたりするのは、故障やエラーの原因になるため避けたほうが安心です。

電話機

電話機

電話機は、着信に備える必要があるため、使っていないときも通電が続きます。留守番電話や子機がある機種では、子機の充電などで待機電力が発生しやすくなります。

あまり使っていないからといって、節電目的で電源プラグを抜くと着信できなくなるため、節電目的での抜き差しは慎重に判断しましょう。

BD、HDD、DVDレコーダー

BD、HDD、DVDレコーダー

BDやHDD、DVDレコーダーは、家庭内でも待機電力が大きくなりやすい家電です。録画予約やデータ更新、番組表の取得を行うため、電源ボタンをオフにしてもスタンバイ状態が続くことがあります。

使わない時間帯に節電したい場合は、録画予約の有無を確認したうえで、機器に主電源があるなら主電源をオフにすることで節電効果が出やすくなります。必要に応じて主電源の操作や節電タップを活用しましょう。

温水洗浄便座

温水洗浄便座は、便座の保温や水温調整、センサー待機などで、実際に人が使用していないときにも電力を消費し続けています。

節電したい場合は、節電モードを使う、フタを閉めて保温性を高めるなど、日常の小さな工夫で消費電力を抑えられます。便座の保温や水温の設定温度を下げたり、暑い時期には機能をオフにしたりするのも効果的です。

待機電力を削減する方法

待機電力は使っている実感がほとんどないので、どこから減らせばいいのか悩むかもしれませんが、工夫次第で無理なく減らすことができます。

ここからは、家庭で取り入れやすい待機電力の削減方法を紹介します。

こまめに電源プラグをコンセントから抜く

使っていない家電の電源プラグを抜くのは、もっとも手軽な方法です。電源プラグをコンセントに挿しているだけで待機電力が発生する事があるため、季節家電や使っていない充電器などは、使わないときに電源プラグを抜くことで節電効果があります。

ただし、モデム・ルーター、給湯器など、電源プラグを抜くと通信や安全機能に影響が出る機器もあります。対象機器は後半の「▼電源を抜いてはいけない家電と理由」で確認してください。

なお、電源プラグを抜くときは、コードを引っ張らずプラグ本体を持って抜きましょう。濡れた手で電源プラグを触らない、水回りで無理に作業しないなど、感電防止のための基本も押さえておくと安心です。コンセント周りにほこりが溜まると発熱につながることがあるため、定期的な清掃もおすすめです。

主電源をオフにする

テレビやオーディオ機器などは、電源ボタンをオフにしていても待機電力が消費される場合があります。機器に主電源スイッチが付いている場合は、主電源をオフにすることで待機電力を減らせることがあります。

ただし、機器によっては主電源をオフにすると時計表示や一部設定がリセットされることがあります。まずは取扱説明書を確認し、問題がない範囲で試しましょう。

節電タップを使う

スイッチ付きの節電タップを使うと、複数の機器の通電をまとめてオフにできます。これは「電源プラグを抜く」に近く、1台ずつコンセントを抜き差しする手間を減らせるのがメリットです。

テレビやレコーダー、ゲーム機などをまとめて節電タップに接続しておけば、スイッチを切るだけで待機電力を削減できます。

省エネモードを利用する

家電に搭載されている「省エネモード」や「オートOFF」機能を活用することで、待機時の消費電力を抑えられます。テレビやパソコン、レコーダーには、自動で電源が切れるスリープ機能や省エネ設定が用意されていることが多く、設定をオンにするだけで節電効果が期待できます。

機器ごとに設定方法は異なるため、取扱説明書や設定画面を確認し、家庭の使い方に合った機能を活用しましょう。

電源を抜いてはいけない家電と理由

待機電力を減らす方法として、電源プラグを抜くのは有効ですが、すべての家電でこの方法が適しているわけではありません。なかには、電源プラグを抜くことで通信や安全機能に影響が出る家電もあります

以下は、電源プラグを抜かないほうがよい代表的な家電と、その理由です。

家電の種類 電源プラグを抜いてはいけない理由
冷蔵庫 止めると庫内が温まり、食品の腐敗リスクがある
モデム・ルーター ネットや通信が使えなくなる
デスクトップパソコン 内部電池が消耗しやすいうえ、時刻や設定がずれて起動できなくなる可能性がある
インクジェットプリンター 自動掃除(クリーニング)ができなくなりインクがつまる可能性がある
ガス給湯器
エコキュート
電気温水器
安全装置や凍結防止機能が働かなくなる
石油温水機器 凍結防止や石油管理の機能が停止する(機種による)

電源プラグを抜くかどうかは、家電ごとの特性や役割を確認したうえで判断することが大切です。

なお、「▲エアコン」で説明したように、エアコンはオフシーズンにブレーカーを落としたり専用コンセントから抜いたりすると待機電力削減にはなります。ただし、内部制御やセンサーが働かず、再び使用したときに正常に動作しなくなる機種もあるため、取扱説明書を確認のうえ、慎重に判断しましょう。

まとめ

待機電力は目に見えにくいものの、家庭の電気代や節電に少なからず影響しています。家電の仕組みを理解し、主電源の操作や節電タップの活用など、無理のない方法を取り入れることで、日々の電力消費を抑えられます。

一方で、通信機器や給湯器のように、安全性や利便性の観点から常に通電していることが前提となる家電もあります。そのため、すべての家電で電源プラグを抜けばよいわけではありません。

身近な家電の使い方を見直しながら、生活スタイルに合った方法で節電を続けていきましょう。

  1. 東京電力パワーグリッド株式会社
    待機電力も節約できるの?待機電力の電気代は?塵も積もれば山となる待機電力の節約方法
  2. 公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会
    よくある質問

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