
【写真解説】雲の種類は全部で10種!見分け方や珍しい雲を紹介
この記事では、雲の種類や見分け方、雲につく漢字の意味などについて解説します。雲を上手に撮影する方法も紹介しますので、気になる雲を見つけたら、ぜひトライしてみてください。
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【全10種】雲の種類とその特徴
雲の種類は全部で10種あり、専門用語では「十種雲形」といいます。空の高い位置に現れるものから順に一覧にすると、以下のとおりです。
- ▼巻雲(すじ雲)
- ▼巻積雲(うろこ雲、いわし雲)
- ▼巻層雲(うす雲)
- ▼高積雲(ひつじ雲)
- ▼高層雲(おぼろ雲)
- ▼乱層雲(雨雲)
- ▼層積雲(うね雲、曇り雲)
- ▼層雲(きり雲)
- ▼積雲(わた雲)
- ▼積乱雲(入道雲、かみなり雲)
なお、これら10種類の雲は、発生する位置により「上層雲」「中層雲」「低層雲」の3つに分けられます。上層雲は高度5,000~13,000m、中層雲は2,000~7,000m、低層雲は2,000m以下に発生する雲を指します。
ここからは、それぞれの特徴について解説します。
巻雲(すじ雲)
巻雲(けんうん)は上層雲の一つで、空の最も高い位置に現れます。別名は「すじ雲」で、筆やハケでサッと描いたようなすじ状の見た目から名付けられました。
春や秋に多く見られ、空気の澄んだ日はとくに美しいと人気です。ただし、まっすぐに伸びている場合は、その後に雨が降るかもしれません。逆に、乱れて広がっている状態であれば、その後は晴れる可能性が高いです。
巻積雲(うろこ雲、いわし雲)
巻積雲(けんせきうん)は上層雲の一つで、夏から秋にかけてよく現れます。別名は「うろこ雲」または「いわし雲」で、小さな雲の塊が密集している状態がうろこをイメージさせることから名付けられました。
後述する「▼高積雲(ひつじ雲)」とよく似ており、見分けにくいかもしれません。巻積雲の方が高積雲よりも上層にあるため、小さい方が高積雲といえます。人差し指を空にかざしてみて雲の塊1個分が隠れるなら、巻積雲と判断してよいでしょう。
巻積雲は空気の流れの影響を受けやすく、厚く広がると、天気が崩れる前兆です。
巻層雲(うす雲)
巻層雲(けんそううん)は上層雲の一つで、太陽の光を通すという特性を持ちます。別名は「うす雲」で、空全体に薄く広がっている状況から名付けられました。
太陽や月の周囲に「かさ」を作る雲として知られており、太陽や月が丸い光の環で囲まれているように見えます。ただし、「太陽がかさをかぶると雨が降る」ということわざが示すとおり、巻層雲は低気圧や前線が近づいている場合に現れやすく、天気が崩れる前兆といえます。
高積雲(ひつじ雲)
高積雲(こうせきうん)は中層雲の一つで、小さな塊状の雲が集まって構成されています。別名は「ひつじ雲」で、モコモコとした見た目と群れのように集まっている様子から名付けられました。
先述した巻積雲(うろこ雲)と似ていますが、高積雲のほうが地上に近いところに発生するため、大きく見えます。朝方や夕方は雲の隙間から光が射し込み、幻想的な雰囲気を楽しめるでしょう。
なお、雲の塊が大きいと雨、小さいと晴れる可能性が高いといわれています。
高層雲(おぼろ雲)
高層雲(こうそううん)は空全体を覆うモヤモヤとした雲で、その様子から別名「おぼろ雲」とも呼ばれています。名前に「高層」と付いていますが、分類上は中層雲の一つです。
光を通しにくく、太陽や月の位置は雲越しにぼんやりと分かる程度です。成長して分厚くなると雨が降りやすいので、雨具を準備しておくと良いでしょう。
乱層雲(雨雲)
乱層雲(らんそううん)は中層雲の一つで、濃灰色のどんよりとした雲です。その分厚さから太陽光が遮られ、地上は日中でも暗くなります。
温暖前線や低気圧などの湿った空気によって発生し、黒いちぎれ雲を伴うケースもあります。一般的には「雨雲」として有名で、静かな雨を長時間にわたって降らせ続けます。
層積雲(うね雲、曇り雲)
層積雲(そうせきうん)は下層雲の一つで、地上の風などの影響を受けてさまざまな形に姿を変えながら流れていきます。別名は「うね雲」で、集まった雲が畑の畝(うね)をイメージさせることから名付けられました。
雲の切れ間より太陽光が射し込む様子は「天使のはしご」と呼ばれ、絵画さながらの美しい風景を楽しめます。
一般的には、「曇り雲」として広く知られています。雲の隙間から青空が見えていれば、天気が崩れる心配はありませんが、雲が広がって空一面が覆われると、雨が降る確率が高いです。
層雲(きり雲)
層雲(そううん)は下層雲の一つで、地表付近に現れます。別名は「きり雲」で、文字通り霧のような雲が発生することから名付けられました。層雲と霧の違いは、層状の雲が地表との接触の有無で、地面に触れていないものが層雲です。層雲が分厚くなると、霧雨を降らせます。
層雲は地面が冷えているときに発生しやすく、低い山や建物を覆ってしまうこともあります。その様子は「雲海」と呼ばれ、絶景として話題に上る機会が多い現象の一つです。
積雲(わた雲)
積雲(せきうん)は下層雲の一つで、晴れた日の空によく浮かんでいます。雲の上部はモコモコとしていて白っぽく、下部は平らで灰色っぽいのが特徴です。別名は「わた雲」で、綿菓子のようなふわふわとした見た目から名付けられました。
夏は地面が強く熱せられて上昇気流が発生し、雄大積雲(ゆうだいせきうん)や積乱雲(せきらんうん)へと成長します。日射しが落ち着いて地表面の温度が下がる夕方や秋ごろの積雲については、横に広がって層積雲へと変化します。
積乱雲(入道雲、かみなり雲)
積乱雲(せきらんうん)は上層雲・中層雲・下層雲のいずれでもなく、地表近くから空高くまでモクモクと成長していきます。雲の内部は気流が入り乱れており、空気と水の粒の摩擦によって電気が生じている状態です。
別名は「入道雲(にゅうどうぐも)」または「かみなり雲」で、雷を伴う激しい雨を降らせる様子から名付けられました。
大気の状態が不安定なときに発生しやすく、夏の夕立やゲリラ豪雨の原因の一つです。空が暗くなったり遠くで雷鳴が聞こえたりするのは、積乱雲が近付いているサインです。この雲を見かけたら天気が急変するおそれがあるので、注意しましょう。
雲につく漢字には意味がある
「雲の名前は、どれも似ていて覚えにくい」と思う方もいるかもしれません。しかし、雲につく漢字には意味があり、名前に使われている漢字からその雲が持つ特徴を推測できます。
雲につく漢字は、「巻」「高」「積」「層」「乱」の5種類です。それぞれの意味は、以下のとおりです。
- 「巻」:高層に位置する雲
- 「高」:中層に位置する雲
- 「積」:形が定まっている塊状の雲
- 「層」:低層に位置する雲/ぼんやりと広がる雲
- 「乱」:雨を降らせる雲
以上を踏まえて、改めて雲の名前を見てみましょう。例えば、「巻層雲」は空高い位置に現れ、空全体に薄く広がる雲を意味します。また、「高積雲」は中層に現れ、小さな雲の塊が群れのように密集している状態です。
「積乱雲」は雲の塊が大きく発達し、雨を降らせます。このように、漢字が示す意味を理解しておくと、雲の特徴と併せて覚えやすいでしょう。
めったに見られない?珍しい雲をご紹介
雲の種類は10種あると説明しましたが、これとは別に雲の性質や形状からさらに細かく「種」「変種」「副変種」という分類方法で分けられます。「種」は15種、「変種」は9種、「副変種」は11種存在します。
これらのなかには、めったに見られない珍しい雲も含まれています。その一部を紹介しますので、知識として押さえておきましょう。
レンズ雲
「レンズ雲」は中央部分が厚く両端が薄い雲で、凸レンズを横から見たときの形に似ていることから名付けられました。上空で吹いている強い風が何らかの障害物にぶつかって生じ、高い山の山頂付近などで局地的に見られます。
穴あき雲
「穴あき雲」は、薄く広がった雲の一部にぽっかりと穴が開いた状態のことで、秋から冬にかけてまれに見られる現象です。雲に含まれる水蒸気の一部のみが凍って氷晶(氷の結晶)へと変化し、それが落下したために雲に穴が開いたのが、穴あき雲の正体です。
氷晶は地表に届くまでに空中で蒸発するケースがほとんどです。
スーパーセル
「スーパーセル」は巨大な積乱雲のことで、水平方向に大きく広がった形をしています。一般的な積乱雲よりもずっと大きく、雲としての寿命が長いという面もあります。
スーパーセルは危険な雲として知られており、ゲリラ豪雨や竜巻、突風などの激しい気象現象を伴います。見かけたら、できるだけ早く安全な場所や建物内に避難しましょう。
ベール雲
「ベール雲」は、積雲や積乱雲に伴って現れる水平に薄く広がる雲です。白い布が薄く覆いかぶさっているように見えるため、ベール雲と名付けられました。
積雲や積乱雲が発達する際に生じる上昇気流が、上空の薄い空気の層を押し上げます。押し上げられた空気が気圧の変化で一気に冷やされることで、水平に薄く広がるベール雲が発生するのです。
かなとこ雲
「かなとこ雲」は、積乱雲が限界まで発達し、上部が平らに広がった状態をいいます。その様子を、金属を載せてハンマーで叩く作業台「かなとこ」にたとえたのが、名前の由来です。また、映画『天気の子』の重要なシーンで登場したことでも注目されました。
局所的に激しい気象現象をもたらす危険な雲ですが、かなとこ雲の状態まで来るとそれ以上は成長せず、ひとしきり雨を降らせた後ですぐに消えます。しかし、雲の下が危険な状態である点は変わりませんので、見かけたらすぐに安全な場所に避難してください。
フルクトゥス
「フルクトゥス」は、正式名称を「ケルビン・ヘルムホルツ不安定性の雲」といい、波のような見た目をしています。密度の異なる雲が動くと気流に乱れが生じ、一時的に発生する場合があります。
なかなか出会えない雲ですが、日本でも目撃されていますので、見かけたら記念に1枚撮影しておくと良いでしょう。
彩雲
「彩雲(さいうん)」は鮮やかな虹色の雲で、太陽のそばに巻積雲や高積雲、積雲などがあるときに見られる現象です。
彩雲は、縁起の良い雲として古くから親しまれてきました。空を見上げたときに虹色に染まる雲を見つけたら、きっと幸せな気持ちになれるでしょう。
雲を上手に撮影する方法
印象的な雲を見つけたら、思い出や記念として写真に残したいと思う方も多いと思います。しかし、空をスマートフォンで撮影するのはなかなか難しいですよね。
ここでは、雲を上手に撮影する方法をご紹介します。押さえておきたいポイントは以下2点です。
- 太陽の位置:自分の正面に雲(被写体)、後方に太陽
- カメラの設定:ピントは手動で、露出は少し下げる
雲を上手に撮影するには、太陽の光をどう活用するかがポイントです。被写体となる雲の横から太陽の光が射している、あるいは雲と反対側の場所、つまり自分の後方に太陽がある状態が、撮影に適しています。
被写体の雲と同じ方向に太陽が位置していると逆光となり、雲が白飛びしてきれいに撮影できないため、避けましょう。
また、太陽が頭の真上に来る10~14時頃も、撮影には適しません。理想のタイミングは日の出から3時間以内、もしくは日没の3時間前です。太陽が低い場所にあると雲に光が均一に当たりやすく、より生き生きとした雲の様子を撮影できるでしょう。
続いて、カメラの設定は、ピント合わせが重要です。スマホであれば、機種にもよりますが、画面上の雲をタップすると、ピントを合わせられます。
カメラのなかには、被写体に合わせて自動的にピントを調整するオートフォーカス機能が付いたものもありますが、自分で調整したほうが、肉眼で見たままに近いリアルな雲を撮影できます。
また、露出補正も重要です。露出補正とは明るさを調整する機能のことで、日中の撮影時に露出を下げる(暗くする)と、より印象的な写真の撮影ができる場合があります。
海辺やビル群といった別の被写体と一緒に雲を撮影する場合もあるでしょう。雲は撮影後に加工するのが難しいため、あらかじめ雲で明るさや色味の調整をしておきます。
写真の設定や加工が苦手な方は、HDR機能を使って撮影するのもおすすめです。HDR機能とは、明るさの異なる複数の写真を連続で自動撮影し、1枚の画像に合成してくれる機能のことです。より雲の魅力が引き立てられた、すてきな写真を撮影できるでしょう。
まとめ
雲の種類は、全部で10種あります。どの雲がどのような特徴を持つのかを知っておくと、天候の変化をある程度予測した行動が取れるようになるでしょう。
また、普段なかなか見かける機会のない珍しい雲も存在します。ふと空を見上げたときに気になる雲に出会ったら、今回紹介した方法を参考に、撮影にもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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