くらしの知恵

【図解】雷の仕組みをわかりやすく解説!発生原理・種類・安全対策は?

天気が崩れたと思ったらピカッと光り、ゴロゴロと大きな音を響かせる雷。日常でよく見かける現象ですが、どのような条件で発生するのか、どういう仕組みで地上へ落ちてくるのか、知らない人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、雷の正体や発生の流れ、光と音のズレが起きる理由、いざというときの身の守り方をお伝えします。最後まで読めば、お子さんの「どうして?」にすっきりと答えられるはずです。

雷の正体とは?どうして光るの?

雷とは、雲のなかや雲と地面の間で、蓄積した電気が瞬間的に流れ出す現象です。気象庁は雷を「プラスとマイナスに帯電した大量の電気が大気中で分かれ、放電する現象」と説明しています。[1]

放電とは、抱えきれなくなった電気が別の場所へ一気に移動する動きをいいます。冬場にドアノブへ手を伸ばした瞬間「パチッ」と感じる静電気も放電です。雷は、静電気で感じるあの小さな電気の移動がけた違いに大きくなったものと考えてください。

雷の「光」の正体

雷が光る理由は、空気のなかで放電が起き、その通った跡がものすごく熱くなるからです。電気が走った部分の空気は、およそ3万℃にまで熱くなります。

高温になった空気には、光を放つ性質があります。例えば、流れ星が通った跡は、細長い光の筋のように見えます。これも、非常に高温となった流れ星の本体(小惑星の破片など)の周りの空気が熱せられて、光を帯びるためです。同様に、雷の通った跡の空気も瞬間的に超高温になるため、空がパッと明るくなったように感じられます。

雷が発生する仕組み【メカニズム】

雷は突然起こるように見えて、実は空の上で少しずつ落雷までの準備が進んでいます。ここでは、雷雲ができてから稲妻が光るまで、雷が発生する仕組みを以下の3STEPに分けて解説します。

積乱雲(雷雲)ができる

雷のもとになる雲は「積乱雲(せきらんうん)」です。夏空に現れる「入道雲」のことで、「雷雲(かみなりぐも)」としても知られています。もくもくと大きく縦に発達するのが特徴です。

空気には、温まると軽くなって上へ、冷えると重くなって下へ溜まる性質があります。地面が太陽に温められると、その上の空気も温まり、勢いよく上昇していきます。この上向きの空気の流れを「上昇気流」といいます。

上空へ行くほど気温が低くなるため、空気が上昇すると、空気中に含まれる水蒸気が冷やされて小さな水滴に変わります。冷たい飲み物の入ったコップの表面に水滴がつくのと同じイメージです。

こうしてできた無数の水滴の集まりが雲です。夏は上昇気流がとくに強く、水滴(や氷の粒)が次々と押し上げられて積み重なり、やがて大きな積乱雲へと成長します。

雲の中で電気が分かれる(電荷分離)

同じ雲の中でも、上部と下部では温度が異なります。上昇気流で運ばれた水滴がさらに高い高度へ達すると、冷やされて氷の粒(氷晶)や、あられ状の粒へと変化します。積乱雲の内部ではこれらの粒が激しく動き回るため、粒同士がくっついたり、ぶつかったりする現象が何度も起こります。

この「ぶつかり合い」がきっかけになって、氷の粒は電気を帯びます。ポイントは、粒の大きさ(重さ)の違いです。

大きく重い粒:
ぶつかり合いの結果、マイナス(-)の電気を帯びやすく、重さで雲の下の方へ落ちていく
小さく軽い粒:
プラス(+)の電気を帯びたまま、上昇気流に乗って雲の上の方へ運ばれる

こうして雲の中では、上部にプラス、下部にマイナスが集まり、電気が上下に分かれていきます。このように、雲の中でプラスとマイナスの電気が分かれて偏る現象を「電荷分離(でんかぶんり)」といいます。

電気が限界まで溜まると放電が起こる(稲妻が落ちる)

氷晶やあられ状の粒の衝突で電荷分離が進むと、雲の中のプラスとマイナスの偏りが大きくなり、雲の中や雲と地面の間の「電位差(電気が流れたがる強さの差)」が大きくなります。電位差が限界まで大きくなると、普段は電気を通しにくい空気にも電気の通り道ができ、電気が一気に流れ出す放電が起こります。

積乱雲では、雲の下部にマイナスの電気が溜まりやすく、その影響で地面にはプラスの電気が引き寄せられて溜まります。プラスとマイナスは引き合うため、電気の通り道ができると、雲と地面の間で電流が一気に流れます。これが「落雷」で、強い光(稲妻)や大きな音(雷鳴)を伴います。

なお、電気が地面ではなく、雲の中や他の雲との間で流れることもあります。これを「雲放電」といい、光は見えても地上への直接の影響は比較的小さいです。

放電

雷の光と音にタイムラグが生まれる理由

空がピカッと光ってから雷鳴が届くまでに時間差を感じることがありますよね。この時間差は、光と音の進む速さの違いから生じます。音よりも光の方が早く進むため、同じタイミングで発生していても私たちに届くまでに時間差が生まれます。

雷の光:秒速30万kmで進む

雷の光は、稲妻が通った空気が一瞬で何万℃という高温になり、その部分が強く光ることで生まれます。光の速さは秒速約30万キロメートルと非常に速く、稲妻が走った瞬間に、私たちの目にも光が届きます。

​雷の音:秒速340mで進む

雷の「ゴロゴロ」という雷鳴は、放電の熱で空気が急に温められ、一気に膨らむことで発生します。膨張が衝撃波となって空気を揺らし、大きな音として耳に届きます。​

音の速さは秒速およそ340メートルで、光速の約88万分の1です。そのため、「ピカッ」と光ってから少し時間がたって「ゴロゴロ」と聞こえる現象が起きます。

雷の距離を測る豆知識

稲妻が見えてから雷鳴が聞こえるまでの秒数を数えると、雷が落ちた場所までのおおよその距離がわかります。光ってから音が届くまで3秒でおよそ1kmが目安です。

光と音の差が3秒未満のときは1km以内の近い距離で雷が発生しているということになります。安全な場所への避難や安全対策をしてください。対策については後述の「▼雷から身を守る安全対策と避難場所」で解説しています。

【一覧】雷の種類

雷は、発生する場所やきっかけによっていくつかのタイプに分けられます。ここでは主な分類を見ていきましょう。

場所で分類:対地雷・雲内雷・雲間雷

放電がどこで起きるかによって、雷は3つに区分されます。

場所で分類:対地雷・雲内雷・雲間雷

対地雷(たいちらい):
雲と地面の間で起きる放電で、一般的に「落雷」と呼ばれる。電流やエネルギーが大きく、光も音も強烈な、危険度が高い雷。
雲内雷(うんないらい):
一つの雲の内部で起こる放電。雲の上部と下部で電気がやり取りされるだけで、地面までは届かない。
雲間雷(うんかんらい):
複数の雲の間で起こる放電。雲同士の電位差が大きくなったときに発生し、地面には届かない。

原因で分類:熱雷・界雷・渦雷など

積乱雲が発達するきっかけによっても、雷を分類できます。

原因で分類:熱雷・界雷・渦雷など

熱雷(ねつらい):
強い日差しで地面が温まり、上昇気流で積乱雲が発達して起こる雷。夏の午後〜夕方の夕立と一緒に鳴る雷の多くが熱雷。
界雷(かいらい):
暖気と寒気の境目(前線)付近で発生した積乱雲から起こる雷。春や秋など季節の変わり目に多い。
渦雷(うずらい):
強い低気圧や台風に伴う雷。渦を巻く気流で上昇気流が強まり、積乱雲が急発達して発生する。
冬季雷(とうきらい):
主に冬の日本海側で起こる珍しい雷。シベリアからの冷たい空気と、対馬暖流で温められた海との温度差で発達し、夏の雷より強力になることがある。
火山雷(かざんらい):
火山の噴火に伴って起こる雷。噴煙中の火山灰・噴石がぶつかることで電気が溜まり発生する。

雷が来る前に見られるサイン

雷が来る前には以下のような前兆が現れることがあります。これらのサインが出たときは、安全な場所へ移動しましょう。

真っ黒な雲(積乱雲)が近づく

真っ黒な雲が広がり、空が急に暗くなったら、雷や雨を降らす積乱雲が発達しはじめたサインです。積乱雲が黒っぽく見えるのは、雲が厚く重なって太陽の光をさえぎるからです。黒い雲が近づいてきたと思った安全な室内や車の中に移動してください。

​急に冷たい風が吹く

ひんやりとした風が突然吹き始めたら、近くで積乱雲が発生しているかもしれません。積乱雲が近くにあると雷雨が降る可能性があるため、急に冷たい風を感じたら「そろそろ雷が来るかもしれない」と考え、避難できるようにしておきましょう。

遠くでゴロゴロと音がする

雷鳴が聞こえるということは、10km圏内のどこかで雷が発生している可能性があります。天気予報やニュースなどで情報を確認して、雷が近づいてくるようであれば避難するのが安心です。

雷から身を守る安全対策と避難場所

雷から身を守るためには、「何を避けるか」「どこへ避難するか」を知っておくことが大切です。ここでは、雷から身を守る安全対策と、避難に適した場所を紹介します。

【屋外】開けた場所、高い場所から離れる

【屋外】開けた場所、高い場所から離れる

屋外で雷に遭遇したら、姿勢を低くしながら速やかに建物や車へ向かってください。

雷は海・平野・山などを問わずに落ちてきますが、高いものがあるとそこへ向かって落ちる傾向があります。周囲に何もない広い場所では、人間が一番高い存在になり「直撃雷(ちょくげきらい)」を受けてしまいます。傘やゴルフクラブなど、長い物を頭より高く掲げることも、同じ理由で危険なため避けてください。

例えば、野球場やサッカー場、ゴルフのコース、海辺や河川敷、山の尾根や建物の屋上などは、開けていて周りに高いものが少ないので注意が必要です。

また、木の下へ避難するのもNGです。木は人より高いため安心の避難場所にみえますが、木に雷が落ちた際、そばにいる人へ電気が飛び移ることがあります。これを「側撃雷(そくげきらい)」といい、直撃雷と同様に危険です。

【屋内】窓や壁、家電、水回りから離れる

【屋内】窓や壁、家電、水回りから離れる

建物の中にいれば基本的には安全ですが、感電の可能性がゼロになるわけではありません。

落雷時、電流は電線や電話線、水道管などの金属を伝って屋内に侵入することがあります。つまり、コンセントや蛇口が「電気の入り口」になってしまうのです。家電製品や蛇口、窓、壁からは少なくとも1m以上の距離を取ってください。

また、大きな電流が家電に流れ込むと、故障や火災を招くおそれがあります。雷が近いときは、コンセントから電源プラグを抜いたりブレーカーを落としたりしておくと安心です。

避難場所:車・鉄筋コンクリートの建物

避難場所:車・鉄筋コンクリートの建物

避難場所として安全なのは、車の中と鉄筋コンクリート造りの建物です。とくに、車は車体の金属が盾のように働き、雷が当たっても電気は外側を通ってタイヤから地面へ流れるため、車内の人に直接伝わりにくいとされています。

同様に、鉄筋コンクリート造りの建物も安全性が高い避難場所です。建物の構造体に組み込まれた鉄筋が電気を通す素材なので、落雷を受けても電気は外側を通って地面へ流れ、内部にいる人は守られます。

雷についてよくある疑問 Q&A

最後に、雷にまつわる疑問をQ&A形式でまとめました。

なぜ雷は高いところに落ちやすいの?

雷はできるだけ短い距離を通って地面へ流れようとするため、高い建物や木、人など「雲に近い場所」に向かって落ちます。雷が鳴ったら高い場所から離れ、姿勢を低くして建物や車に避難してください。

避雷針の仕組みはどうなっているの?

避雷針は、自らに雷を誘導することで周囲を守る装置です。建物の屋上に設置された尖った金属棒が雷を受け止め、導線を通じて電気を安全に地中へ逃がす雷の避難経路のような仕組みになっています。

静電気と雷って同じものなの?

静電気も雷も、電気の偏りから生じる放電という点で原理は同じです。ただし、規模が大きく異なります。静電気は数千~数万ボルト、雷は数千万~数億ボルトに達するといわれています。

まとめ

雷は、冬にパチッと感じる静電気と同じ放電現象が、雲の中で大規模に起きたものです。雲の中でプラスとマイナスの電気が分かれて溜まり、限界に達した瞬間に一気に放電することで、稲妻や雷鳴が発生します。

光が先に見えてから音が遅れて聞こえるのは、光と音の進む速さが大きく違うためで、落雷が自分から遠いほど時間差も大きくなります。

空が急に暗くなったり冷たい風が吹いたり、遠くでゴロゴロと聞こえたりしたら、雷が近づいているサインかもしれません。屋外にいるときは開けた場所や高い所、木の近くを避け、早めに屋内や車など安全な場所へ移動してください。

この記事を参考に、雷の気配を感じたら迷わず避難し、安全対策を徹底しましょう。

  1. 気象庁:
    雷とは?

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