【2026年】啓蟄(けいちつ)とは?意味や有名な俳句、旬の食材を紹介!
この記事を読めば、啓蟄という季節を楽しみ、新しい季節を前向きに迎えるヒントが見つかるはずです。
目次
啓蟄とは?意味と読み方を簡単に解説
啓蟄とは二十四節気の一つで、「冬眠していた生き物たちが、春の暖かさに誘われて地上に出てくる時期」を意味します。啓蟄は「けいちつ」と読み、春の訪れを象徴する非常にポジティブな言葉です。
二十四節気(にじゅうしせっき)の中では、「雨水(うすい)」の次、「春分」の前に位置しており、本格的な春の幕開けを告げる節目です。子供向けに説明するなら、「春の目覚まし時計が鳴って、虫さんたちが土の中から起きてくる日」と伝えると分かりやすいでしょう。
地域差はありますが、この時期になると、多くの地域で最低気温が上がり、地中の温度も生き物が活動できるレベルまで上昇します。現代の私たちにとっても、冬の間に溜まった疲れをリセットし、新しい活動を始めるのに最適なタイミングといえます。
2026年の「啓蟄」はいつ?日付と期間は?
2026年の啓蟄は、3月5日(木)です。期間としては、3月5日(木)から3月19日(木)までの15日間を差します。
前述したとおり、二十四節気において、啓蟄は「雨水」の次、そして「春分」の前にあたります。啓蟄の始まりの日を「啓蟄日」といい、啓蟄の日付といえばこの日を指します。また、啓蟄日から次の「春分日」までの約15日間が啓蟄の期間とされます。

啓蟄の日付は毎年固定ではありません。天文学的には、太陽が「太陽黄経345度」という地点を通過する瞬間を指します。地球の公転周期は365日ちょうどではないため、年によって3月5日または3月6日と前後します。
| 年 | 啓蟄の日付 | 啓蟄の期間 |
|---|---|---|
| 2025年 | 3月5日(水) | 3月5日(水)~3月19日(水) |
| 2026年 | 3月5日(木) | 3月5日(木)~3月19日(木) |
| 2027年 | 3月6日(土) | 3月6日(土)~3月20日(土) |
| 2028年 | 3月5日(日) | 3月5日(日)~3月19日(日) |
| 2029年 | 3月5日(月) | 3月5日(月)~3月19日(月) |
なお、国立天文台が毎年発表する「暦要項」では、観測に基づいた正確な情報を知ることができます。他の二十四節気もあわせて確認できるため、詳しく知りたい方はそちらをチェックしてみるのも良いでしょう。
春の始まりを感じさせる啓蟄の時期は、衣替えや庭の手入れなどを進める良い機会でもあります。3月5日を1つの目安として、春への準備を始めてみてはいかがでしょうか?
啓蟄の意味と読み方
「啓蟄」という二文字には、春の躍動感あふれる情景が凝縮されています。漢字の構成を詳しく見ることで、この言葉が持つ意味をより深く理解できるでしょう。
まず「啓(けい)」という漢字には、「ひらく」「開放する」「導く」という意味があります。次に「蟄(ちつ)」という漢字は、虫などが土の中に隠れて冬ごもりをすることを表しています。これらを合わせると、「冬の間、土の中で静かに眠っていた生き物たちが、戸を押し広げて外に出てくる」という意味になります。
なお、ここでいう「虫」とは、昆虫だけを指すものではありません。カエルやヘビ、トカゲといった生き物全般を象徴しています。啓蟄は、単なる暦上の言葉ではなく、生命が冬の眠りから覚め、躍動し始める「季節の転換点」なのです。

啓蟄の七十二候
二十四節気をさらに約5日ごとに分けたものを「七十二候(しちじゅうにこう)」と呼びます。啓蟄の期間(約15日間)にも、日本ならではの繊細な季節の変化を表す3つの候があります。
気象や動植物のわずかな変化を捉えたこれらの言葉を知ることで、いつもの散歩道がより豊かに感じられるようになるでしょう。
初候:蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)

3月5日から3月9日頃を「蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)」と呼びます。
文字通り、冬の間ずっと土の中で静かに過ごしていた虫たちが、春の光に誘われて地上へと這い出してくる時期です。この頃には、南から暖かい風が吹き込む「春一番」が観測される地域もあり、春めいた雰囲気がやっていきます。
ただし、この時期は慣用的に「三寒四温(さんかんしおん)」と表現されることもあり、暖かい日と寒い日が交互にやってきやすいのも特徴です。生き物たちが動き出す一方で、人間にとっては体調を崩しやすい時期でもあります。
外出時には脱ぎ着しやすい上着を用意するなど、気温の変化に合わせた調整を心がけましょう。
次候:桃始笑(ももはじめてわらう)

3月10日から3月14日頃は「桃始笑(ももはじめてわらう)」と呼ばれます。
「笑」という漢字が使われていますが、「笑ふ(わらふ)」は古語で「花の蕾(つぼみ)がほころぶ」「果実が熟してさける」という意味を持っています。桃の蕾がふっくらと膨らみ、今にも咲き出しそうな、あるいは可愛らしく咲き始めた様子を、笑顔に例えた非常に情緒豊かな表現です。
桃の花は、古くから邪気を払う力があると信じられてきました。現代の暮らしにおいても、この時期に桃の枝を一輪挿しに飾るだけで、部屋の印象がパッと明るくなります。
お花屋さんで見かけた桃の枝をインテリアに取り入れ、視覚から春の訪れを楽しんでみてください。ふとした瞬間に目に入るピンク色の花は、家事や仕事の合間に心を和ませてくれるはずです。
末候:菜虫化蝶(なむしちょうとなる)

啓蟄の締めくくりとなる3月15日から3月19日頃を「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」といいます。
「菜虫」とは、菜っ葉を食べる青虫(モンシロチョウの幼虫など)のことです。厳しい冬をサナギの状態でじっと耐え忍んできた虫たちが、ついに羽化して美しい蝶へと姿を変え、ひらひらと舞い始める時期を指しています。
青虫が蝶になる劇的な変化は、春の力強さの象徴です。菜の花の黄色と蝶の白が織りなすコントラストは、日本の春を代表する原風景といえるでしょう。
この時期になったら、少し足を伸ばして公園や河川敷を散歩してみるのがおすすめです。足元に咲く小さな花や、空を舞う蝶を見つけることで、本格的な春の到来を全身で感じることができるでしょう。
啓蟄に味わいたい旬の食べもの
啓蟄の時期に食べる旬の食材には、独特の「苦味」を持つものが多いのが特徴です。
春の山菜は香りや苦味が食欲を刺激する・季節感が楽しむことができます。「春の皿には苦味を盛れ」ということわざがあるように、この時期ならではの味覚を楽しんでいきましょう。
山菜・たけのこ:春ならではの山の味覚

啓蟄の時期には、ふきのとう、タラの芽、わらびといった山菜や、早掘りのたけのこが店頭に並び始めます。これらの山菜が持つ爽やかな苦味と香りは、まさに春の息吹そのものです。
山菜は鮮度が命ですので、手に入れたらなるべく早く調理しましょう。わらびはアク抜き、ふきのとうは下茹でなど、山菜の種類によって、アク抜き・下処理が必要です。忙しい方におすすめなのが「山菜のオイル漬け」や「ふき味噌」です。少しの量でも春の香りが広がり、ご飯のお供やお酒の肴として重宝します。
また、たけのこを茹でる時間がないときは、水煮のたけのこを使って「たけのこご飯」を作るだけでも、食卓に季節感が加わります。旬の植物が持つ生命力を取り入れて、心身ともにリフレッシュしましょう。
はまぐり:春にぴったりの高タンパク食材

早春のこの季節におすすめなのが、はまぐりです。旬を迎えたはまぐりは身が厚く、旨味が凝縮されており、お吸い物や酒蒸しにすると上品な香りと味わいが広がります。
はまぐりは高タンパク・低脂肪で、鉄分や亜鉛などのミネラルも豊富であり、健康志向の方や美容を意識する方にも最適な食材です。啓蟄の頃、スーパーの鮮魚コーナーで「旬」のラベルを探し、日本の海の恵みを食卓に取り入れてみましょう。
さより:春を告げる旬の魚

啓蟄の時期に注目したい魚がさよりです。「春を告げる魚」と呼ばれるさよりは、透き通った美しい身が特徴で、旬のこの時期に最もおいしくなります。
さよりは、お刺身で味わうと繊細な旨味が楽しめ、塩焼きや天ぷらにしても上品な風味が広がります。はまぐり同様、高タンパク・低脂肪の食材で、ビタミンやミネラルも含まれているため、健康維持や美容にもぴったりです。
食卓にも春の息吹を取り入れることで、季節を感じながら栄養バランスの良い食事を楽しめます。スーパーや鮮魚店で「春の魚」を見かけたら、ぜひ手に取ってみてください。
啓蟄の風物詩と自然のサイン
啓蟄の時期には、古くから伝わる興味深い習慣や気象現象があります。これらは、現代の私たちにとっても、季節の変わり目を感じる大切なサインとなります。
まず、啓蟄の時期に行われる行事として代表的なものが「菰(こも)はずし」です。冬の間、松の幹などに巻き付けられていた藁の帯を、啓蟄の頃に取り外します。これは、寒い季節を越えた木々を整え、春を迎えるための伝統的な作業です。

また、この時期に鳴る雷を「虫出しの雷」と呼びます。春の訪れとともに大気が不安定になり、雷が鳴ることがあります。昔の人々は、その雷の音に驚いて、土の中の虫たちが飛び出してくると考えたのです。
激しい雨や雷は少し不安になるものですが、「いよいよ虫たちが出てくる合図なんだな」と思えば、自然のサイクルの一部として前向きに捉えられるのではないでしょうか。こうした雑学を知っていると、日々の天気の変化も一つの楽しみになります。
啓蟄にまつわる俳句と時候の挨拶
啓蟄という言葉は、俳句の季語や手紙の挨拶としても非常に人気があります。ビジネスシーンや日常のコミュニケーションに季節感を添えるために、活用できる例文をご紹介します。
啓蟄を詠んだ名句
俳句の世界では、啓蟄は春の喜びや生き物の躍動感を表現する言葉として愛されてきました。
- 啓蟄の蚯蚓(みみず)の紅のすきとほる
作者:山口 青邨(やまぐち せいそん) - 啓蟄のすぐ失へる行方かな
作者:中村 汀女(なかむら ていじょ) - 犬耳を立て土を嗅ぐ啓蟄に
作者:高浜 虚子(たかはま きょし) - 香薬師(こうやくし)啓蟄を知らで居給へり
作者:水原 秋桜子(みずはら しゅうおうし) - 啓蟄のわが門や誰が靴のあと
作者:高橋 淡路女(たかはし あわじじょ) - 啓蟄を啣(くわ)へて雀とびにけり
作者:川端 茅舎(かわばた ぼうしゃ) - 啓蟄の虫におどろく縁の上
作者:臼田 亞浪(うすだ あろう) - 啓蟄の土かき消して雨となる
作者:波多野 爽波(はたの そうは) - 啓蟄の風さむけれど石は照り
作者:加藤 楸邨(かとう しゅうそん) - 啓蟄や皆手に持てる虫眼鏡
作者:長谷川 かな女(はせがわ かなじょ)
これらの俳句は、「啓蟄」という季語を通じて春の訪れと生命の目覚めの瞬間を捉えており、春の訪れを象徴的に表現しています。
時候の挨拶と例文
3月上旬から中旬にかけて送るビジネスメールや手紙には、以下のような挨拶を添えるとスマートです。
- 啓蟄の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
- 暦の上では啓蟄を迎え、日増しに春の気配が濃くなってまいりました。いかがお過ごしでしょうか。
- ひと雨ごとに暖かくなり、啓蟄の文字通り、虫たちも顔を出す季節となりました。
相手の健康を気遣いつつ、季節の移ろいを共有することで、親しみやすい雰囲気づくりにつながります。相手の状況に合わせて使い分けてみてください。
まとめ
啓蟄は二十四節気の一つで、「冬眠していた生き物たちが、春の暖かさに誘われて地上に出てくる時期」を意味する言葉です。単に「虫が出てくる」というだけでなく、暖かい春を迎える期待感や生命の躍動感を表した美しい言葉といえるでしょう。
2026年の啓蟄は3月5日(木)で、期間としては3月5日(木)~3月19日(木)までの15日間です。啓蟄には、ぜひ窓を開けて春の風を感じ、足元の小さな生命に目を向けてみてください。そして、旬の山菜を味わったり、部屋に花を飾ったりすることで、あなた自身の暮らしにも春らしさを取り入れていきましょう。
記事編集
- くらひろ編集部
- 東京電力エナジーパートナー株式会社
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