季節の行事

こどもの日の食べ物は?行事食の意味や由来、レシピを解説

5月5日の「こどもの日」は、子どもの健やかな成長を家族でお祝いする大切な行事です。しかし「なぜ柏餅を食べるの?」「こどもの日にぴったりの献立はあるの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、行事食に込められた深い意味や由来、お祝いメニューのアイデアをわかりやすく紹介します。伝統を大切にしながら、家族の思い出に残る素敵な一日を演出するヒントを見つけましょう。

こどもの日の食べ物にはどんな意味がある?

5月5日の「こどもの日」に特定の食べ物を用意することには、大切な意味があります。なぜなら、子どもを病気や災いから守り、心身ともに健やかに成長してほしいという願いが込められているためです。

もともとこの日は、古代中国に始まる「端午の節句(たんごのせっく)」という行事の日でした。これが奈良時代に日本に伝わり、平安時代には貴族の間で宮中行事として行われるようになりました。その後、江戸時代には男の子の誕生と成長を祝う祭礼へと変化しました。現代では「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」という趣旨の祝日となっています[1]

伝統的な行事食を食べることで、子どもは自分たちが大切にされていることを実感できます。歴史や由来を知ることは、行事を単なるイベントではなく、家族の絆を深める特別な時間に変えてくれるでしょう。

こどもの日の定番!行事食の由来と地域差

こどもの日の食べ物として代表的なものは、柏餅(かしわもち)とちまきです。これらは単なるお菓子ではなく、それぞれに子どもの将来を願う深い理由が込められています。

面白いことに、日本国内でも地域によって「どちらを食べるか」という文化に大きな違いがあります。基本的には、東日本は柏餅、西日本はちまきを食べる傾向が強いのが特徴です。

この文化の境界線は、岐阜県の関ヶ原付近にあるという説が一般的にいわれています。地域の風習を知ることで、日本の豊かな食文化への理解もより一層深まることでしょう。

【東日本】柏餅(かしわもち)を食べる理由

東日本を中心に親しまれている柏餅には、子孫繁栄の願いが込められています。柏の葉は、新しい芽が出るまで古い葉が落ちないという特徴があり、この性質を「「家系が絶えない」という縁起の良さに結びつけたといわれています。

柏餅が普及したのは、江戸時代の江戸(現在の東京)が発祥といわれています。中身の餡(あん)は、「つぶあん」、「こしあん」、そして西京味噌を使った「みそあん」の3種類が一般的です。五月人形を飾る風習とともに、武家社会の影響を強く受けた江戸文化の中で、行事食として定着しました。

柏餅

【西日本】ちまきを食べる理由

西日本で定番のちまきは、邪気を払うための厄除けとしての意味を持ちます。

ちまきの由来は、古代中国の故事にあります。楚の国の詩人である屈原(くつげん)は、陰謀によって国を追われ、旧暦5月5日に川へ身を投じたといわれています。その悲報を知った人々は、屈原の遺体が魚に荒らされないよう、もち米を葉で包んだ供え物を川へ投げ入れて弔いました。こうした風習が、ちまきの原型とされています。

一方で、後の時代には「供え物が悪龍に奪われないよう、龍が嫌う楝樹(れんじゅ)の葉でもち米を包み、邪気を祓う五色の糸で巻いた」という別の説も生まれました。

この文化は奈良時代に日本へ伝わり、当時の都が置かれていた関西地方から各地へと広まっていきました。現在でも、ちまきは西日本を中心に親しまれており、東日本では新潟・山形などの一部地域にとどまります。


関西のちまきは細長い円錐形で、甘いお餅が入っているのが一般的です。一方、九州・沖縄ではおこわを包んだ中華風のちまき、新潟・山形などの東日本ではおにぎりのような三角形のちまきもあり、各地でバリエーション見られます。

ちまき

こどもの日に食べたい縁起の良い食材

こどもの日のお祝い膳には、お菓子だけでなくメイン料理にも縁起の良い食材を取り入れましょう。例えば、順調なキャリアを願う「出世魚」や、力強く成長する「たけのこ」などが代表的です。献立選びに迷ったら、以下に紹介する食材を意識して選んでみてください。

出世を願う「ブリ・カツオ」

お祝いのメインディッシュには、ブリやカツオなどの魚料理がおすすめです。ブリは成長するにつれて呼び名が変わる「出世魚(しゅっせうお)」の代表格で、「立身出世」の願いを込めて食べられる定番の魚です。

一方、カツオは「勝男(かつお)」という漢字を当てはめることができることから、勝負強さや元気さを願う縁起物として親しまれています。

お刺身はもちろん、照り焼きや竜田揚げなど、伝統を大切にしつつ子どもが食べやすい調理法で楽しみましょう。

すくすく育つ「たけのこ」

旬の食材である「たけのこ」も、こどもの日の代表的な縁起物の一つです。たけのこは成長が非常に早く、真っ直ぐに天に向かって伸びる性質を持っています。この特徴から「子どもがすくすくと、真っ直ぐに育つように」という願いが込められています。また、大地にしっかりと根を張る姿は、健康でたくましい成長の象徴でもあります。

たけのこご飯や煮物、あるいは天ぷらなど、春の香りと共に楽しめるレシピは豊富にあります。季節の恵みを感じながら、子どもの健康を家族全員で祈る一皿として取り入れてみてください。

子どもが喜ぶ!こどもの日の人気お祝いメニュー案

最近では、伝統的な意味を大切にしつつ、子どもがワクワクするようなデコレーション料理も人気です。伝統料理は大切ですが、子どもが「おいしい!」と笑顔になってくれることが一番のお祝いになります。

とくに、「こいのぼり」や「兜(かぶと)」をモチーフにした盛り付けは、視覚的にも楽しめます。ここでは、家庭で取り入れやすい、見た目も華やかなお祝いメニューを紹介します。家族で一緒に飾り付けをすれば、食事の準備そのものが楽しいイベントになるでしょう。

定番の「ちらし寿司・いなり寿司」アレンジ

こどもの日の晩ご飯として人気のメニューは、ちらし寿司やいなり寿司です。ちらし寿司は、エビ(長寿の象徴)や豆(まめ=健康に働く)など、縁起の良い具材を一度にたくさん摂れるのが魅力です。その華やかな見た目から、お祝いの席を一層明るく演出してくれます。

さらに工夫を加えるなら、スライスしたキュウリやハムをウロコに見立てて、鯉のぼり風に飾ってみましょう。いなり寿司も、海苔やチーズを使って目やヒゲを付けるだけで、簡単に可愛い鯉のぼり型に変身します。

少しのアイデアを加えるだけで、食卓がぐっと華やかになり、子どもも喜んでくれるでしょう。

鯉のぼりいなり寿司

おうちで楽しむ「鯉のぼりケーキ・スイーツ」

食後のデザートにも、こどもの日らしさを取り入れるのもいいでしょう。

一からケーキを作る時間がなくても、市販のロールケーキを活用すれば手軽にアレンジが可能です。横に倒したロールケーキの表面に生クリームを塗り、カットしたフルーツをウロコのように並べるだけです。イチゴやキウイ、バナナなど、カラフルなフルーツを使うと非常に映える仕上がりになります。

また、サンドイッチ用のパンにチョコペンで顔を描いた「鯉のぼりサンド」もおやつにぴったりです。子どもにお手伝いをしてもらいながら仕上げることで、自分で作ったという達成感もプレゼントできます。甘いお菓子を囲んで、子どもの成長を祝う穏やかなティータイムを楽しんでください。

鯉のぼりサンド

【月齢別】赤ちゃんも一緒に!初節句の離乳食アイデア

赤ちゃんの初節句(はつぜっく)は、一生に一度の特別な記念日です。まだ大人と同じ食事ができない時期でも、離乳食を工夫することで一緒にお祝い気分を味わえます。

月齢に合わせた食材を選び、色鮮やかな盛り付けを意識するのがポイントです。保存容器などを活用して、事前にペーストを用意しておくと当日の準備がスムーズになります。

なお、初めて使う食材は種類・量を控えめにし、アレルギーの有無を確認したうえで食べさせましょう。

離乳食初期(5〜6か月)
10倍粥(じゅうばいがゆ)をベースに、小松菜や人参のペーストでこいのぼりの形を描きます。白、緑、赤のコントラストが美しく、写真映えも抜群です。
離乳食中期(7〜8か月)
マッシュポテトをこいのぼりの形に整え、薄く切った野菜をウロコのようにのせます。お豆腐の白和えなども、お祝いらしい上品な一品になります。
離乳食後期(9〜11か月)
軟飯を使って小さなおにぎりを作り、薄焼き卵で包んで「兜(かぶと)」の形に仕上げます。手づかみ食べができるようになると、赤ちゃん自身もより楽しく食事ができます。

赤ちゃんが一生食べ物に困らないようにという願いを込めて、愛情たっぷりの一皿を用意しましょう。

食べ物以外も!こどもの日をより楽しむための風習

こどもの日の楽しみは、美味しい食べ物だけではありません。日本には、食事と一緒に楽しむべき伝統的な風習がいくつも伝わっています。これらの一つひとつに、子どもを災いから守り、強く育ってほしいという願いが込められています。

こどもの日の主な風習について、以下の表にまとめました。

行事内容と意味
菖蒲湯(しょうぶゆ)菖蒲の葉をお風呂に浮かべて入る。強い香りで邪気を払い、健康を願う。
鯉のぼりの掲揚庭やベランダに飾る。鯉が滝を登って龍になるように、立身出世を願う。
五月人形の飾り付け兜や鎧(よろい)を飾る。子どもの身代わりとなって病気や事故から守る。

五月人形や鯉のぼりの飾り付けは、準備する段階からこどもの日の行事への期待感を高めてくれます。行事食とあわせて楽しむことで、より深く日本の伝統文化を体験できる一日になるでしょう。ぜひ、家族でこれらの行事に取り組んでみてください。

菖蒲湯

まとめ

こどもの日に食べる食べ物には、すべて子どもの幸せを願う親の愛情が込められています。柏餅の子孫繁栄、ちまきの厄除け、そして出世魚やたけのこの成長への願い。これらの意味を理解して食卓を囲むことで、毎年の行事がより感慨深いものに変わります。

豪華な料理を用意することだけが正解ではありません。伝統を大切にしつつ、手軽なアレンジレシピや年齢に合わせた工夫を取り入れて、無理なく楽しむことが大切です。何より、家族で笑顔を共有する時間が、子どもにとって一番の心の栄養になります。

今年の5月5日は、意味の込もった美味しい料理と共に、家族の素敵な思い出を作ってくださいね。

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くらひろ編集部
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