仕事・キャリア

【例文50選】仕事の目標が思いつかない人へ!設定のコツと職種別の例文を紹介

「仕事の目標を提出してください」。そう言われても、何を書けばいいのか全く思いつかない…と頭を抱えていませんか?とくに、日々の業務がルーティン化していると、具体的な目標を立てるのは難しいものですよね。「デキない社員だと思われたらどうしよう」という焦りや不安を感じる方も少なくないでしょう。

この記事では、職種別に今すぐ使える豊富な例文はもちろん、なぜ目標が思いつかないのかという根本原因の解説から、あなた自身が心から納得できる目標を見つけるための具体的な方法まで、順を追って丁寧に解説します。

具体的で自分に合った目標を設定することができれば、単に目標シートを埋められるだけではなく、仕事へのモチベーションを高め、自身のキャリアを前向きに捉え直すきっかけが掴めるはずです。ぜひ、最後までお読みください。

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なぜ仕事の目標が思いつかない?考えられる5つの原因

具体的な目標設定の方法を知る前に、まずは「なぜ目標が思いつかないのか」という根本的な原因を探ってみましょう。原因が分かれば、おのずと解決策も見えてきます。

あなたも当てはまるものがないか、チェックしながら読み進めてみてください。

原因1:仕事がルーティン化していて変化を感じにくい

毎日同じ業務の繰り返しで、特別な成果や改善点が見当たらない…。事務職や工場での作業など、日々の業務が定型化している職場で働く方に多い悩みです。こうした環境では、日々の業務をミスなくこなすことが最優先となり、新たな目標を見つけ出すのが難しくなりがちです。

しかし、どんなルーティンワークの中にも、改善の種は隠れています。例えば、「あの書類を探すのにいつも時間がかかる」「この作業、もっと効率的にできないかな?」といった、ほんの些細な「不便」や「疑問」が、立派な目標設定の入り口になるのです。

「現状維持」から一歩踏み出し、業務の中に隠された改善点や効率化のヒントを探す視点を持つことが、目標を見つけるための第一歩となります。まずは「1日に5分、業務時間を短縮する」といった小さな目標から始めてみましょう。

原因2:会社の目標が壮大すぎて自分事に落とし込めない

「全社売上120%達成」「業界シェアNo.1の獲得」といった会社全体の目標は、規模が大きすぎて、自分の日々の業務とどう繋がっているのかイメージしにくいものです。会社の目標と自分の仕事との間に距離を感じてしまうと、それを自分事に落とし込んで個人の目標を設定するのは困難になります。

このような場合は、まず自分の所属するチームや部署の目標に注目してみましょう。そして、「チームの目標達成のために、自分はどんな役割を担えるだろうか?」と考えてみるのがおすすめです。

例えば、チームの目標が「顧客満足度の10%向上」であれば、自分は「問い合わせへの返信スピードを平均1時間早める」といった具体的な行動目標に落とし込むことができます。上司にチーム内での自分の役割を改めて確認してみるのも、有効な手段の一つです。

原因3:過去に目標未達で嫌な思いをした経験がある

「高い目標を掲げたのに、結局達成できずに気まずい思いをした」「目標達成率が低いことで、上司から厳しいフィードバックを受けた」…。過去のこうしたネガティブな経験は、目標設定に対する無意識のブレーキとなってしまいます。「また失敗したらどうしよう」という恐怖心が、新たな挑戦への意欲を削いでしまうのです。

目標は、自分を追い詰めるためのものではなく、成長を促すための道しるべです。もし過去の失敗がトラウマになっているなら、まずは「絶対に達成できる」と思えるくらいまでハードルを下げてみましょう。

例えば、「1か月で1kg痩せる」ではなく「毎日10分ウォーキングする」のように、結果目標ではなく行動目標を設定するのも効果的です。小さな成功体験を一つひとつ積み重ねていくことで、目標達成への自信を取り戻し、ポジティブなサイクルを生み出すことができます。

原因4:自分のキャリアプランが明確になっていない

「3年後、5年後、自分はどんな風に働いていたいか?」この問いに、あなたはすぐに答えられますか?

将来のなりたい姿やキャリアの方向性が定まっていないと、そこから逆算して「今、何をすべきか」という具体的な目標を立てることはできません。目の前の業務をこなすことで精一杯になり、長期的な視点での目標設定が難しくなってしまうのです。

もしキャリアプランが明確でないなら、一度立ち止まって簡単な自己分析をしてみるのがおすすめです。「仕事でやりがいを感じるのはどんな時か?」「どんなスキルを身につけたいか?」「プライベートで大切にしたい価値観は何か?」などを紙に書き出してみましょう。

自分の興味関心や強み、価値観が見えてくると、自然とキャリアの方向性も定まり、今取り組むべき目標がクリアになります。

原因5:そもそも目標設定の正しいやり方を知らない

実は、目標設定は生まれ持ったセンスではなく、後から身につけられる「スキル」です。多くの場合、「目標が思いつかない」のではなく、「目標の立て方を知らない」だけなのです。やみくもに頭を悩ませても、良い目標は浮かんできません。

幸いなことに、効果的な目標設定には「SMARTの法則」をはじめとする、確立されたフレームワークが存在します。こうした型(フレームワーク)を知ることで、誰でも具体的で達成可能な、質の高い目標を設定できるようになります。

詳しくは「▼目標を具体化する「SMARTの法則」とは?」で解説しますので、正しいやり方を学び、目標設定への苦手意識を克服しましょう。

目標へと到達していくイメージ図

【職種別】仕事の目標設定に役立つ例文50選

仕事の目標を設定するポイントは、「定性目標(どうありたいかという状態)」と「定量目標:具体的な数値目標」をセットで考えることです。この2つをセットで考えることで、具体的で意味のある目標を立てることができます。

ここでは、すぐに使える職種別の目標の例文を50本ご紹介します。定性目標と定量目標のセットでご紹介しますので、自分の状況に合わせてアレンジして活用してみてください。

【新人・若手向け】成長意欲をアピールする目標例文(10選)

新人・若手の場合、まずは基本的な業務を確実に習得し、主体的に学ぶ姿勢を示すことが重要です。

  1. 定性目標:どうありたいか
    担当業務を一人で完遂できるようになる。
    定量目標:具体的な数値目標
    ○○の業務について、○月までに上司のチェックなしで完了できるようにする。
  2. 定性目標:どうありたいか
    報連相を徹底し、信頼される存在になる。
    定量目標:具体的な数値目標
    業務の進捗報告を毎日夕方に必ず行い、指示の抜け漏れをゼロにする。
  3. 定性目標:どうありたいか
    議事録作成のスキルを向上させる。
    定量目標:具体的な数値目標
    議事録作成時間を平均○分短縮し、会議終了後1時間以内に共有を完了する。
  4. 定性目標:どうありたいか
    業界知識を深め、業務に活かす。
    定量目標:具体的な数値目標
    毎朝、業界ニュースを3記事チェックし、週1回のチームミーティングで情報を共有する。
  5. 定性目標:どうありたいか
    電話応対の質を高める。
    定量目標:具体的な数値目標
    電話応対マニュアルを完全に習得し、○月までに取次のミスをゼロにする。
  6. 定性目標:どうありたいか
    先輩の仕事の進め方を学ぶ。
    定量目標:具体的な数値目標
    ○○さんをロールモデルとし、週に1つは仕事の進め方を真似て実践する。
  7. 定性目標:どうありたいか
    積極的に質問し、疑問点を早期に解消する。
    定量目標:具体的な数値目標
    分からないことは放置せず、1日3回以上は先輩や上司に質問する。
  8. 定性目標:どうありたいか
    資格取得を通じて専門性を高める。
    定量目標:具体的な数値目標
    ○○の資格取得を目指し、○月までにテキストを読了し、模擬試験で8割正解する。
  9. 定性目標:どうありたいか
    PCスキルを向上させ、作業効率を上げる。
    定量目標:具体的な数値目標
    Excelのショートカットキーを新たに20個覚え、データ入力時間を10%短縮する。
  10. 定性目標:どうありたいか
    社内の人脈を広げる。
    定量目標:具体的な数値目標
    ○月までに、他部署のメンバー○名とランチに行き、顔と名前を覚える。

【事務職向け】業務改善につながる目標例文(10選)

事務職では、日々の業務の中に隠れた「ムダ」を見つけ、効率化やコスト削減に繋げることが評価のポイントです。

  1. 定性目標:どうありたいか
    ファイリング業務を効率化する。
    定量目標:具体的な数値目標
    共有フォルダの整理ルールを作成・周知し、書類検索時間を平均3分短縮する。
  2. 定性目標:どうありたいか
    備品管理を最適化し、コストを削減する。
    定量目標:具体的な数値目標
    備品在庫リストを作成し、発注方法を見直すことで、消耗品コストを前期比5%削減する。
  3. 定性目標:どうありたいか
    問い合わせ対応の負担を軽減する。
    定量目標:具体的な数値目標
    よくある質問(FAQ)とその回答集を作成し、社内からの問い合わせ件数を10%削減する。
  4. 定性目標:どうありたいか
    データ入力の精度を向上させる。
    定量目標:具体的な数値目標
    データ入力時のダブルチェックを徹底し、入力ミスをゼロにする。
  5. 定性目標:どうありたいか
    業務マニュアルを整備し、属人化を防ぐ。
    定量目標:具体的な数値目標
    担当している○○業務のマニュアルを作成・更新し、誰でも対応できる状態にする。
  6. 定性目標:どうありたいか
    ペーパーレス化を推進する。
    定量目標:具体的な数値目標
    ○○に関する申請書類を電子化し、紙の使用量を月間500枚削減する。
  7. 定性目標:どうありたいか
    会議運営を効率化する。
    定量目標:具体的な数値目標
    会議のアジェンダを事前共有することを徹底し、定例会議の時間を15分短縮する。
  8. 定性目標:どうありたいか
    郵便物の仕分け・配布を迅速化する。
    定量目標:具体的な数値目標
    郵便物の配布ルールを見直し、各部署への配布完了時間を午前中に統一する。
  9. 定性目標:どうありたいか
    スケジュール管理を徹底する。
    定量目標:具体的な数値目標
    部署メンバーのスケジュールを共有カレンダーで一元管理し、調整業務を効率化する。
  10. 定性目標:どうありたいか
    来客応対の質を向上させる。
    定量目標:具体的な数値目標
    来客応対マニュアルを見直し、全部署で均質なサービスを提供できるようにする。

【営業職向け】成果とプロセスを両立させる目標例文(10選)

営業職では、売上などの結果目標だけでなく、そこに至るまでの行動(プロセス)にも目を向けることが、継続的な成果に繋がります。

  1. 定性目標:どうありたいか
    新規顧客を開拓し、売上基盤を拡大する。
    定量目標:具体的な数値目標
    新規顧客へのアプローチ件数を月間○件に設定し、○件の新規契約を獲得する。
  2. 定性目標:どうありたいか
    既存顧客との関係を深化させる。
    定量目標:具体的な数値目標
    既存顧客へのフォローアップ面談を四半期ごとに実施し、アップセル・クロスセルを○件創出する。
  3. 定性目標:どうありたいか
    提案の質を高め、受注率を向上させる。
    定量目標:具体的な数値目標
    顧客への提案前に必ず上司とのロープレを実施し、受注率を前期比5%向上させる。
  4. 定性目標:どうありたいか
    顧客管理を徹底し、機会損失を防ぐ。
    定量目標:具体的な数値目標
    顧客管理システム(CRM)への情報入力を徹底し、対応漏れをゼロにする。
  5. 定性目標:どうありたいか
    担当エリアの市場理解を深める。
    定量目標:具体的な数値目標
    担当エリアの競合調査を行い、レポートを月1回チームに共有する。
  6. 定性目標:どうありたいか
    休眠顧客の掘り起こしを行う。
    定量目標:具体的な数値目標
    過去1年間取引のない顧客リストに対し、DM送付と電話フォローを実施し、○件の商談を創出する。
  7. 定性目標:どうありたいか
    顧客満足度を高め、紹介に繋げる。
    定量目標:具体的な数値目標
    契約後の顧客アンケートを実施し、「満足」評価を90%以上獲得する。
  8. 定性目標:どうありたいか
    自身の営業スタイルを確立する。
    定量目標:具体的な数値目標
    トップセールスの営業手法を研究し、自分の強みを活かしたトークスクリプトを作成する。
  9. 定性目標:どうありたいか
    チームの売上目標達成に貢献する。
    定量目標:具体的な数値目標
    自身の担当目標達成に加え、若手メンバーの商談に月2回同行し、育成をサポートする。
  10. 定性目標:どうありたいか
    移動時間や隙間時間を有効活用する。
    定量目標:具体的な数値目標
    ○○の学習アプリを活用し、移動中にインプットを行い、商品知識テストで満点を取る。

【接客・販売職向け】顧客満足度を高める目標例文(10選)

接客や販売職では、数値化しにくい接客の質を、アンケートやリピート率などの指標を用いて可視化することが目標設定の鍵です。

  1. 定性目標:どうありたいか
    顧客満足度を高め、店舗のファンを増やす。
    定量目標:具体的な数値目標
    お客様アンケートで5段階評価のうち平均4.5以上を獲得する。
  2. 定性目標:どうありたいか
    再来店に繋がる接客を心がける。
    定量目標:具体的な数値目標
    会員カードの利用率を前月比5%向上させる。
  3. 定性目標:どうありたいか
    お客様から感謝される接客を実現する。
    定量目標:具体的な数値目標
    お客様からの「ありがとう」の言葉が書かれたサンクスカードを月間10枚獲得する。
  4. 定性目標:どうありたいか
    商品知識を深め、的確な提案ができるようになる。
    定量目標:具体的な数値目標
    新商品の勉強会に必ず参加し、商品知識テストで90点以上を取る。
  5. 定性目標:どうありたいか
    セットでの購入(クロスセル)を促進する。
    定量目標:具体的な数値目標
    お客様一人あたりの平均購入点数を1.5点にする。
  6. 定性目標:どうありたいか
    レジ業務のスピードと正確性を向上させる。
    定量目標:具体的な数値目標
    レジの待ち時間をピーク時でも平均3分以内に収める。
  7. 定性目標:どうありたいか
    VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)スキルを磨く。
    定量目標:具体的な数値目標
    店内のディスプレイを変更し、特定商品の売上を前週比10%アップさせる。
  8. 定性目標:どうありたいか
    クレーム対応スキルを向上させる。
    定量目標:具体的な数値目標
    クレーム対応の研修に参加し、初期対応の成功率を100%にする。
  9. 定性目標:どうありたいか
    スタッフ間の連携を強化する。
    定量目標:具体的な数値目標
    1日1回、スタッフ間で情報共有ミーティングを行い、お客様への伝達ミスをゼロにする。
  10. 定性目標:どうありたいか
    店舗のSNS発信を担当する。
    定量目標:具体的な数値目標
    Instagramのフォロワー数を3か月で20%増加させる。

【管理職向け】チームの成果を最大化する目標例文(10選)

管理職の立場では、自身の成果だけでなく、部下の育成や働きやすい環境づくりを通じて、チーム全体の生産性を高める視点が求められます。

  1. 定性目標:どうありたいか
    部下の成長を支援し、次世代リーダーを育成する。
    定量目標:具体的な数値目標
    部下との1on1面談を月1回必ず実施し、部下の目標達成率を80%以上にする。
  2. 定性目標:どうありたいか
    チームの生産性を向上させる。
    定量目標:具体的な数値目標
    チーム内の業務分担を見直し、全体の残業時間を前期比10%削減する。
  3. 定性目標:どうありたいか
    心理的安全性の高いチームを作る。
    定量目標:具体的な数値目標
    チームミーティングで全員が最低1回は発言する機会を作り、離職率を○%低下させる。
  4. 定性目標:どうありたいか
    チームの目標達成を牽引する。
    定量目標:具体的な数値目標
    チームのKPI(重要業績評価指標)達成率を、常に100%以上に維持する。
  5. 定性目標:どうありたいか
    DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する。
    定量目標:具体的な数値目標
    新しい業務管理ツールを導入し、チームの報告業務にかかる時間を20%削減する。
  6. 定性目標:どうありたいか
    部下のスキルアップを促進する。
    定量目標:具体的な数値目標
    チーム内で月1回の勉強会を企画・実施し、メンバーの資格取得を2名支援する。
  7. 定性目標:どうありたいか
    採用活動に貢献する。
    定量目標:具体的な数値目標
    採用面接の担当として、○名の優秀な人材獲得に貢献する。
  8. 定性目標:どうありたいか
    採用面接の担当として、○名の優秀な人材獲得に貢献する。
    定量目標:具体的な数値目標
    部下の評価フィードバック面談において、具体的な改善行動を3つ以上合意する。
  9. 定性目標:どうありたいか
    部署間の連携を強化する。
    定量目標:具体的な数値目標
    関連部署との定例会議を主催し、プロジェクトの遅延をゼロにする。
  10. 定性目標:どうありたいか
    関連部署との定例会議を主催し、プロジェクトの遅延をゼロにする。
    定量目標:具体的な数値目標
    チームメンバー全員がコンプライアンス研修を受講し、理解度テストで満点を取る。

目標を具体化する「SMARTの法則」とは?

たくさんの例文を見ても、いざ自分の目標となると、どう具体化すれば良いか迷ってしまうかもしれません。

そんなとき、目標設定に役立つのが、「SMARTの法則」というフレームワークです。このフレームワークにおける5つの要素を意識することで、誰が見ても明確で、評価しやすい目標を作ることができます。

SMARTの法則

【S】Specific(具体的で分かりやすいか)
  • OK:経費申請業務の時間を短縮する。
  • NG:頑張る。
【M】Measurable(測定可能か、数値で示せるか)
  • OK:経費申請にかかる時間を月間30分短縮する。
  • NG:経費申請業務を早くやる。
【A】Achievable(達成可能か)
  • OK:月間30分の短縮を目指す。
  • NG:経費申請業務をゼロにする。
【R】Relevant(会社の目標や自分の役割と関連しているか)
  • OK:自分の役割に関連する資格の取得を目指す。
  • NG:自分の役割とは無関係な資格の取得を目指す。
【T】Time-bound(期限が明確か)
  • OK:今期中(○月○日まで)に達成する。
  • NG:いつか達成する。

SMARTの法則を使った目標の作り方

  1. 【S】Specific:何をしたいかを具体的にする。
    例:「資料作成のスキルを上げたい」
  2. 【M】Measurable:それを測れる数値にする。
    例:「資料作成にかかる時間を、平均3時間から2時間に短縮する」
  3. 【A】Achievable:その数値が現実的に達成可能か考える。
    例:「いきなり1時間は難しいから、まずは30分短縮の2時間半を目指そう」
  4. 【R】Relevant:会社の目標と関連しているか確認する。
    例:「業務効率化はチームの目標でもあるから、関連しているな」
  5. 【T】Time-bound:いつまでに達成するか期限を決める。
    例:「次の評価面談がある9月末までに達成しよう」

完成した目標

「資料作成のプロセスを見直し、作成時間を平均30分短縮することを9月末までに達成する。」

このように、SMARTの法則に当てはめて考えるだけで、漠然とした願望が、具体的で説得力のある目標に変わります。

目標完成のイメージ

「理想の暮らし」から逆算する仕事の目標設定

仕事の目標というと、どうしても「会社のため」「評価のため」と考えがちです。しかし、視点を180度変えてみませんか?

仕事はあくまで、あなたの理想の暮らしを実現するための「手段」です。ここからは、あなた自身の「理想の暮らし」から逆算して仕事の目標を設定する方法をご提案します。自分のプライベートな幸せと仕事を結びつけることで、やらされ感のない、内側からエネルギーが湧き出るような目標が見つかるはずです。

STEP1:あなたの「理想の暮らし」を言語化してみる

まずは、「1年後、どんな毎日を送っていたら幸せですか?」という問いを自分に投げかけてみましょう。仕事のことは一旦忘れ、あなたの心が本当に望んでいることを自由に、具体的に書き出してみてください。

趣味の時間
  • 週に一度は好きなカフェでゆっくり読書する時間を作る
  • 週末はキャンプに出かけて自然を満喫したい
家族との関係
  • 平日の夜、家族全員で食卓を囲む日を増やす
  • 子供の習い事の送り迎えに余裕を持って行きたい
学びと自己投資
  • オンライン講座でWebデザインのスキルを身につける
  • 資格取得のために、毎日1時間勉強する時間を確保する
健康と美容
  • 毎朝30分のヨガを習慣にする
  • 月に一度はエステに通って自分を労わる

ポイントは、できるかどうかは考えず、とにかく「こうなったら最高!」と思える状態をワクワクしながら想像することです。このワークは、あなたが本当に大切にしたい価値観を再発見するきっかけにもなります。

STEP2:「理想の暮らし」の実現に必要な「仕事上の条件」を考える

STEP1で描いた理想の暮らしを実現するためには、仕事においてどのような条件が必要になるでしょうか。プライベートの目標と仕事を結びつけてみましょう。

理想の暮らし 仕事上の条件
平日の夜、家族全員で食卓を囲む 残業時間を月10時間削減する
週末はキャンプに出かけたい 気兼ねなく有給休暇を取得できる
資格取得のために勉強時間を確保したい 定時で退社できる日を週3日作る
月に一度はエステに通いたい 給与を月2万円アップさせる

このように、プライベートの充実という目的が明確になることで、仕事の目標が「やらなければならないこと」ではなく、「理想の自分になるために必要なこと」として、前向きに取り組めるようになります。仕事へのエンゲージメントが自然と高まるのを感じられるはずです。

STEP3:「仕事上の条件」を具体的な「仕事上の行動目標」に変換する

最後に、STEP2で明確になった「仕事上の条件」を、具体的な「行動目標」に落とし込んでいきます。これが、あなたが実際に取り組むべき仕事の目標となります。

  1. 理想の暮らし
    平日の夜、家族全員で食卓を囲む。
    仕事上の条件
    残業時間を月10時間削減する。
    仕事上の行動目標
    • 定例会議の資料作成プロセスを見直し、作成時間を30分短縮する。
    • 業務マニュアルを更新し、後輩からの質問対応時間を1日15分削減する。
  2. 理想の暮らし
    週末はキャンプに出かけたい。
    仕事上の条件
    気兼ねなく有給休暇を取得できる。
    仕事上の行動目標
    • 担当業務の属人化を防ぐため、業務引き継ぎシートを作成・共有する。
    • チームメンバーと定期的に業務進捗を共有し、協力体制を構築する。
  3. 理想の暮らし
    資格取得のために勉強時間を確保したい。
    仕事上の条件
    定時で退社できる日を週3日作る。
    仕事上の行動目標
    • 1日のタスクを始業時にリストアップし、優先順位付けを徹底する。
    • 集中力を高めるため、ポモドーロ・テクニック(25分集中+5分休憩)を導入する。
  4. 理想の暮らし
    月に一度はエステに通いたい。
    仕事上の条件
    給与を月2万円アップさせる。
    仕事上の行動目標
    • 評価項目に直結する○○のスキルを習得し、業務の幅を広げる。
    • 担当プロジェクトで成果を出し、次の評価で等級を一つ上げる。

このように「理想の暮らし」から設定した仕事の目標は、あなたの人生の幸福度に直結しているため、達成へのモチベーションを高く維持できます。そして何より、プライベートを充実させるための業務効率化やスキルアップは、結果的に会社の生産性向上にも貢献します。

まさに、あなたにとっても会社にとってもWin-Winの目標設定法といえるでしょう。

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それでも目標設定が難しいと感じたら試したい3つのこと

ここまで様々な方法を紹介してきましたが、それでも「やっぱり目標設定は苦手…」と感じる方もいるかもしれません。そんな時は、一人で抱え込まずに、次の3つのことを試してみてください。

信頼できる上司や先輩に相談してみる

最も手軽で効果的な方法が、身近な上司や先輩に相談することです。彼らは、あなたに期待されている役割や、会社があなたにどう成長してほしいかを一番よく理解しています。「目標設定で悩んでいるのですが…」と正直に打ち明ければ、きっとあなたの立場から客観的なアドバイスをくれるはずです。

相談する際は、「何も思いつきません」と丸投げするのではなく、「自分はこうなりたいと考えているのですが、どんな目標が良いでしょうか?」「○○という業務で成果を出したいのですが、具体的な目標設定のアイデアをいただけますか?」のように、自分なりの考えを伝えた上でアドバイスを求めると、より有意義な対話になります。

目標設定に関する本を読んでみる

目標設定やタイムマネジメントに関する書籍は、世の中に数多く存在します。体系的な知識を得ることで、これまで気づかなかった新たな視点や具体的なテクニックを発見できるかもしれません。

初心者向け
図解が多く、ストーリー仕立てで分かりやすく解説されている本
中級者向け
OKR(Objectives and Key Results)など、具体的なフレームワークを深く学べる本
上級者向け
リーダーシップや組織論の観点から目標設定を論じている本

まずは、書店や図書館で手に取りやすいものから読んでみてはいかがでしょうか。先人たちの知恵を借りることで、目標設定へのハードルがぐっと下がるはずです。

一度仕事から離れてリフレッシュする

考えが行き詰ってしまったときは、思い切って仕事から離れ、心と体をリフレッシュさせることも非常に重要です。疲れた頭では、前向きなアイデアはなかなか浮かんできません。

週末は趣味に没頭したり、自然豊かな場所へ出かけてみたりするのも良いでしょう。オンとオフを上手に切り替え、心をリセットすることで、これまで見えなかった新しい目標や、やりたいことが自然と見えてくることがあります。

まとめ

この記事では、仕事の目標が思いつかないと悩むあなたに向けて、その原因から具体的な目標の立て方、そして豊富な職種別例文まで、幅広く解説してきました。

大切なのは、目標設定を「評価のための義務」と捉えるのではなく、「自分自身の成長と、理想の暮らしを実現するためのツール」と捉え直すことです。「理想の暮らし」から逆算する独自のアプローチや、SMARTの法則を活用すれば、きっとあなたも心から納得できる目標を見つけられるはずです。

今回ご紹介した例文や考え方をヒントに、ぜひあなただけのオリジナルな目標を作成してみてください。目標設定が、あなたの仕事をより充実させ、キャリアを輝かせるための力強い一歩となることを願っています。

記事編集

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東京電力エナジーパートナー株式会社

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