
【例文あり】お歳暮のお礼状の書き方は?相手別に気持ちが伝わる一言も紹介
年末の嬉しい贈り物、お歳暮。感謝の気持ちで心が温かくなる一方で、「きちんとお礼を伝えたいけど、どんなお礼状を書けばいいんだろう…」と、ペンが止まってしまうことはありませんか?特に、目上の方やビジネスの取引先へは、マナー違反にならないか不安に感じる方も多いでしょう。
この記事では、お礼状の基本マナーから、相手に合わせた具体的な例文、そして「気持ちが伝わる一言」まで、網羅的に解説します。失礼のないお礼状を送って、感謝の気持ちをしっかりと伝えましょう。
目次
お歳暮のお礼状で最も大切な3つのこと
お歳暮をいただいたら、まずはお礼状で感謝を伝えましょう。書き方には様々なマナーがありますが、何よりも大切なのは、感謝の気持ちをできるだけ早く、誠実に伝えることです。その心構えとして、とくに重要な3つのポイントをご紹介します。
- 感謝の気持ちを伝える
- いただいた品物への感謝はもちろん、日頃お世話になっていることへの感謝も伝えましょう。
- 無事に品物が届いたことを報告する
- お礼状は、送り主へ「確かに受け取りました」と知らせる大切な報告の役割も担います。
- できるだけ早く出す
- 相手を安心させるためにも、品物が届いたらすぐに準備するのがマナーです。
ここからは、これら3つのポイントを押さえた、心が伝わるお礼状の書き方を分かりやすく解説していきます。基本さえ押さえれば、決して難しいものではありません。
【基本マナー】お歳暮のお礼状、いつまでにどうやって出す?
お歳暮のお礼状は、タイミングと方法が重要です。社会人として知っておきたい基本マナーを押さえて、相手に失礼のないようにしましょう。
まず、お礼状を出すタイミングですが、品物を受け取ってから3日以内が理想です。遅くとも1週間以内には相手に届くように手配しましょう。万が一遅れてしまった場合は、まず電話で一報を入れるのが丁寧な対応です。
次に、お礼状を出す方法です。最も丁寧なのは「封書」や「はがき」を手書きで送る方法です。しかし、現代では相手との関係性によってメールで済ませることも増えています。それぞれの使い分けは以下の通りです。
- 封書・はがき
- 上司や恩師、重要な取引先など、特に敬意を示したい相手におすすめです。
- メール
- 親しい同僚や友人、すぐに到着報告をしたい場合に適しています。ただし、あくまで略式であることは覚えておきましょう。
お礼状の基本構成と使える時候の挨拶
いざ書こうとすると、何から書き始めれば良いか迷ってしまいますよね。しかし、お礼状には基本的な「型」があります。この構成に沿って書けば、誰でも簡単に体裁の整った文章を作成できます。
お礼状の基本構成(6ステップ)
- 頭語:手紙の最初に入れる挨拶。「拝啓」が一般的です。
- 時候の挨拶:季節感を表す言葉。お歳暮の時期(12月)に合った挨拶を選びます。
- お礼の言葉:お歳暮をいただいたことへの感謝と、品物への感想を具体的に述べます。
- 相手を気遣う言葉:相手の健康や活躍を願う言葉、相手の家族への気遣いなどを加えます。
- 結びの挨拶:今後の変わらぬお付き合いをお願いする言葉などで締めくくります。
- 結語:手紙の最後に入れる挨拶。頭語とセットで使用し、頭語が「拝啓」なら結語は「敬具」が一般的です。
【12月に使える時候の挨拶 例文】
- 寒さ厳しき折、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
- めっきり寒くなりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
- 師走の候、〇〇様におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。(ビジネス向け)
【相手別】そのまま使えるお歳暮のお礼状の書き方と例文
ここからは、実際にどのような文章を書けばよいのか、送る相手別に具体的な例文をご紹介します。
ビジネス向けから親しい間柄まで、様々なシーンを想定しました。丁寧な「封書・はがき」の文例と、現代的で便利な「メール」の文例をそれぞれ用意していますので、ご自身の状況に合わせて、ぜひご活用ください。
- ▼【ビジネス・取引先向け】丁寧さが伝わるお礼状の例文
- ▼【上司・恩師向け】敬意と感謝が伝わるお礼状の例文
- ▼【親戚・両親・義両親向け】親しみを込めた堅苦しくないお礼状の例文
- ▼【友人・知人向け】カジュアルでも心が伝わるお礼状の例文
【ビジネス・取引先向け】丁寧さが伝わるお礼状の例文
取引先など、ビジネスシーンでのお礼状は、会社の代表として送るという意識が大切です。感謝の気持ちとともに、今後の良好な関係構築につながる一文を添えるのがポイントです。
丁寧さを重視し、基本構成に沿って簡潔にまとめましょう。
【封書・はがきの場合】
拝啓
師走の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、このたびは結構なお歳暮の品をお贈りくださり、誠にありがとうございました。ご芳情のほど、重ねて御礼申し上げます。
寒さ厳しき折、皆様にはくれぐれもご自愛ください。末筆ではございますが、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
敬具
令和〇年十二月〇日
株式会社〇〇
(役職名) 〇〇 〇〇(自分の氏名)
株式会社△△
(役職名) △△ △△様(相手の氏名)
【メールの場合】
件名:お歳暮の御礼(株式会社〇〇〇〇)
株式会社△△
営業部 △△様
いつも大変お世話になっております。
株式会社〇〇の〇〇です。
本日、お心のこもったお歳暮の品を拝受いたしました。
このようなお心遣いを賜り、誠にありがとうございます。
部署の皆で分け、美味しくいただきたいと思います。
寒さ厳しき折、皆様におかれましてもどうぞご自愛ください。
今後とも変わらぬご厚情を賜りますよう、お願い申し上げます。
(署名)
【上司・恩師向け】敬意と感謝が伝わるお礼状の例文
日頃お世話になっている上司や恩師へは、敬意と感謝の気持ちがしっかりと伝わる言葉を選びましょう。単なるお礼だけでなく、日頃の指導へのお礼や、近況報告などを少し加えると、より心のこもったお礼状になります。
なお、夫の上司へ妻が代筆する場合は、夫の名前の左下に少し小さく「内」と書き添えるのが一般的です。
【封書・はがきの場合①:受け取った本人が書く文例】
拝啓
寒冷の候、〇〇様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。平素は公私にわたり、格別のご指導ご鞭撻を賜り、心より御礼申し上げます。
さて、このたびはご丁寧にお歳暮の品をお贈りくださり、誠にありがとうございました。いつもながらの温かいお心遣いに深く感謝し、家族ともども大変喜んでおります。
今後もご指導を仰ぎながら、業務に一層精励していく所存です。寒さ厳しき折、〇〇様もどうかご自愛ください。末筆ではございますが、ご家族皆様のよき新年をお祈り申し上げます。
敬具
令和〇年十二月〇日
〇〇 〇〇(氏名)
【封書・はがきの場合②:妻が代筆する文例】
拝啓
めっきり寒くなりましたが、〇〇様におかれましては、お変わりなくお過ごしのことと存じます。
さて、このたびは心のこもったお品をお贈りくださり、誠にありがとうございました。いつもながらのお心遣いに、夫婦共々大変感激しております。日頃より主人が公私にわたり大変お世話になっておりますこと、重ねて御礼申し上げます。
寒さ厳き折、ご多忙のことと存じますが、くれぐれもご無理なさらないでください。末筆ながら、〇〇様とご家族の皆様の健やかなる新年をお祈り申し上げます。
敬具
令和〇年十二月〇日
内〇〇 〇〇(夫の氏名)
【メールの場合】
件名:お歳暮の御礼
〇〇部長
お疲れ様です。
〇〇です。
本日、ご丁寧なお歳暮の品が届きました。
誠にありがとうございます。
いつも温かいお心遣いを賜り、恐縮しております。
頂戴したお菓子は、家族皆で喜んでいただきます。
日頃より未熟な私をご指導いただき、心より感謝しております。
至らぬ点も多いかと存じますが、今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
時節柄、〇〇部長もどうぞご自愛ください。
(署名)
【親戚・両親・義両親向け】親しみを込めた堅苦しくないお礼状の例文
両親や義両親、親戚など、親族へのお礼状は、丁寧さを保ちつつも、温かみのある文章を心がけましょう。相手への感謝の気持ちを、マナーを守って誠実に伝えることが、良好な関係を築く上で何よりも大切です。
家族の近況や、いただいた品物に対する子どもの素直な反応などを交えると、家族の顔が見えるような、心のこもったお礼状になります。
【封書・はがきの場合】
拝啓
寒さの厳しい日が続きますが、お父様、お母様にはお変わりなくお過ごしでしょうか。
さて、このたびは〇〇(品物名)をお贈りくださり、ありがとうございました。毎年心のこもったお品をいただき、家族一同、大変喜んでおります。子どもたちも「おじいちゃん、おばあちゃんからだ!」と大はしゃぎでした。早速、夕食でおいしくいただきました。
寒さもこれからが本番です。どうぞ暖かくしてお過ごしください。また近いうちに、子どもたちを連れて顔を見に伺います。
敬具
令和〇年十二月〇日
〇〇 〇〇(氏名)
【メールの場合】
件名:ありがとう!
お父さん、お母さん
今日、お歳暮の〇〇(品物名)が届きました。
いつもありがとう!
早速、夕食にいただきました。
すごく美味しくて、子どもたちも「また食べたい!」と大喜びでした。
こちらは皆、元気に過ごしています。
寒くなってきたので、お父さんもお母さんも体に気をつけてね。
年末に帰るのを楽しみにしています。
〇〇(自分の名前)より
【友人・知人向け】カジュアルでも心が伝わるお礼状の例文
親しい友人や知人であれば、形式にこだわりすぎる必要はありません。はがきやメール、メッセージアプリなどを使い、感謝の気持ちをストレートに伝えましょう。
時候の挨拶などは省き、相手を気遣う一言を添えるのがポイントです。
【はがきの場合】
〇〇ちゃんへ
素敵な贈り物をありがとう!大好きな〇〇(品物名)で、とても嬉しかったです。家族みんなで美味しくいただきます。
寒い日が続くけど、体調に気をつけてね。また近いうちにご飯でも行きましょう!
〇〇(自分の名前)より
【メール・メッセージアプリの場合】
件名:ありがとう!
〇〇ちゃん
さっき、素敵なプレゼントが届きました!
毎年心のこもった贈り物を本当にありがとう。
△△(品物名)が大好物なこと、よく覚えていてくれたね。
すごく嬉しい!
寒くなってきたから、〇〇ちゃんも風邪ひかないように気をつけてね。
また落ち着いたら、ゆっくりお茶しようね!
お礼状に感謝を込める!気持ちがもっと伝わる一言の添え方
ここからは、テンプレートを自分らしくアレンジするための、より深くあなたの感謝を伝えるためのコツをご紹介します。ほんの一工夫で、お礼状はより心のこもった特別なものになります。
いただいた品物別に「感想」を具体的に伝えるコツと文例
「美味しくいただきました」の一言に、具体的な感想をプラスするだけで、相手に喜びがより鮮明に伝わります。品物別に、情景が目に浮かぶような表現を加えてみましょう。
【品物の種類別の文例】
- お菓子・スイーツ
-
- 「甘いものが大好きな子どもたちが、あっという間に食べてしまいました」
- 「仕事の合間に、美味しいお菓子でほっと一息ついています」
- お肉・海産物
-
- 「立派なお肉に、家族の食卓がとても華やかになりました」
- 「新鮮な海の幸を囲み、家族団らんの楽しい時間を過ごせました」
- ジュース・お酒
-
- 「珍しいジュースに子どもたちが大喜びです」
- 「夫婦水入らずで、美味しいお酒をゆっくりと楽しませていただきます」
- 洗剤・日用品
-
- 「毎日使うものなので、大変助かります。奥様のお心遣いに感謝いたします」
- 「年末の大掃除に、早速使わせていただきます」
- 家電製品
-
- 「最新の加湿器のおかげで、この冬は快適に過ごせそうです。大切に使わせていただきます」
家族の近況報告を添えて、相手を安心させる一工夫
ご両親や親戚など、あなたの家族のことを気にかけてくれている方へは、ポジティブな近況報告を添えると大変喜ばれます。相手が安心するような、微笑ましい話題を選びましょう。
【近況報告の文例】
- 子どもの成長について
-
- 「息子の〇〇は、最近つかまり立ちができるようになり、目が離せません」
- 「娘の〇〇は、サンタさんからのプレゼントを心待ちにしている毎日です」
- 家族の出来事について
-
- 「先日、家族で近所の公園に紅葉を見に行きました。とても綺麗でした」
- 「来年は、家族で〇〇に挑戦しようと話しています」
- 自身の状況について
-
- 「新しい部署にも慣れ、元気に過ごしておりますので、ご安心ください」
このような一言があるだけで、お礼状に温かみが生まれ、相手との心の距離がぐっと縮まります。
今さらきけない、お歳暮のお礼状に関するQ&A
ここでは、お歳暮のお礼状に関して、多くの方が抱きがちな細かな疑問にお答えします。「こんな時どうすれば?」という不安を解消しましょう。
Q1. お礼状を出すのが遅れてしまったら、どうすればいい?
理想は3日以内ですが、もし遅れてしまった場合でも、必ずお礼の気持ちを伝えましょう。
まず、気づいた時点ですぐに電話で連絡を入れ、お礼と遅れたことへのお詫びを伝えます。その上で、改めてお礼状を送るとより丁寧です。1月7日の松の内を過ぎてしまう場合は、「寒中見舞い」として出すのが一般的です。
【寒中見舞いとして出す場合の文例】
寒中お見舞い申し上げます。
先日は心のこもったお歳暮の品をいただきながら、ご挨拶が遅れてしまい、大変失礼いたしました。
(中略)
寒さ厳しき折、皆様にはくれぐれもご自愛ください。
Q2. 電話やメール、LINEだけで済ませるのは失礼にあたる?
基本的には、手紙やはがきで送るのが最も丁寧な方法です。しかし、相手との関係性によっては、電話やメール、LINEなどの連絡でも問題ないケースが増えています。
- 目上の方やビジネス関係
- まずは電話で一報を入れ、後日改めてはがきなどで感謝を伝えるのが最も丁寧です。
- 親しい友人や同僚
- メールやLINEなどで、取り急ぎお礼を伝えるだけでも問題ないでしょう。
- 親戚や両親、義両親
- 関係性によりますが、電話一本でも喜んでくれることが多いです。ただし、義両親などには、電話に加えてはがきも送ると、より良い印象を与えられるでしょう。
大切なのは、相手や状況に合わせて最適な手段を選ぶ「心遣い」です。
Q3. いただいた品物より高価な「お返し」は必要?
お歳暮は、日頃の感謝の気持ちを表す贈り物なので、基本的にお返し(返礼品)は不要です。お返しをすると、かえって相手に気を遣わせてしまう可能性があります。お礼状で感謝の気持ちをしっかりと伝えれば、それで十分です。
ただし、どうしても何か贈りたいという場合は、いただいた品物の半額〜同額程度の品物を選び、「御礼」や「寒中御見舞」といった表書きで、時期をずらして(年明けなど)贈ると良いでしょう。
まとめ:お礼状は、相手との心をつなぐコミュニケーション
この記事では、お歳暮のお礼状の書き方について、基本マナーから相手別の例文、そして気持ちをより深く伝えるための工夫まで、詳しく解説してきました。
お歳暮のお礼状で大切なのは、難しく考えすぎず、まずは感謝の気持ちを伝えることです。ご紹介した構成や例文を参考に、あなた自身の言葉で感想や近況を少し添えることで、心のこもった素敵なお礼状になります。
お礼状は単なるマナーではなく、相手との心をつなぎ、良好な関係を育むための大切なコミュニケーションツールなのです。
記事編集
- くらひろ編集部
- 東京電力エナジーパートナー株式会社
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