
【例文あり】ビジネス向け新年の挨拶メールの書き方・マナー
この記事では、新年の挨拶メールの書き方やマナー、実際に使える例文を紹介します。新しい1年を気持ち良くスタートするために、丁寧で失礼のない新年の挨拶メールの書き方を身につけましょう。
新年の挨拶メールの基本マナー
新年の挨拶は、旧年中にお世話になった相手に感謝の気持ちを表すために大切なコミュニケーションです。まずは、新年の挨拶メールの基本マナーについて押さえましょう。ポイントは以下の3点です。
なお、就活や転職の内定先に対して、自分からメールを送るのは控えた方がいいとされていますが、内定先からメールをもらった場合は返信するのがマナーです。内定先への返信例は、後述の「▼【内定先向け】新年の挨拶メールの返信例」で紹介しています。
送信日:松の内まで
新年の挨拶メールは、松の内までに送信しましょう。松の内とは、正月にお迎えした「歳神様」が帰るまでの期間のことで、地域ごとに差があります。
関東や東北、九州地方などは1月7日まで、関西地方は1月15日までを松の内と考えることが多いです。ただし、地域の慣例がある場合はそちらに従いましょう。
地域 | 松の内 |
---|---|
東北・関東・九州 | 1月7日まで |
関西 | 1月15日まで |
なお、新年の挨拶メールは年賀状とは異なり、三が日(1月1日~1月3日)に送る必要はありません。
また、松の内を過ぎてしまった場合は、新年の挨拶ではなく「寒中見舞い」としてメールを送信するのがマナーです。
件名:内容と社名を記載
メールの件名には、以下のように内容と社名を記載しましょう。
- 新年のご挨拶 株式会社〇〇
- 新年のご挨拶を申し上げます【株式会社〇〇××部●●(自分の氏名)】
- 【ご挨拶】本年もよろしくお願い申し上げます|●●(自分の氏名)
- 【〇〇様(相手の氏名)】新年のご挨拶|●●(自分の氏名)
新年の挨拶メールは、数日にわたって行き交います。内容がすぐに分かるように、シンプルな件名にするよう心がけましょう。
賀詞(文頭の挨拶):相手ごとに使い分ける
文頭の挨拶である賀詞(がし)は、相手ごとに使い分けることが大切です。賀詞には、「寿」「謹賀新年」などの文字形式、「謹んで初春のお慶びを申し上げます」といった文章形式の2種類あり、メールでは文章形式が適しています。
賀詞の例については、以下を参考にしてください。
挨拶対象 | 賀詞 |
---|---|
上司・取引先 | 「謹賀新年」 「謹賀新春」 「恭賀新年」 「恭賀新春」 「慶賀光春」 「敬頌新禧」 |
同僚・部下 | 「寿」「福」「賀」「春」「禧」 「賀正」「賀春」「迎春」「慶春」「寿春」 「初春」「頌春」「新春」 |
誰にでもOK | 「謹んで新年のお慶びを申し上げます」 「謹んで新春のお慶びを申し上げます」 「謹んで新春のご祝詞を申し上げます」 「明けましておめでとうございます」 「新年おめでとうございます」 |
文字形式の賀詞は漢字で表され、1文字・2文字・4文字の3種類があります。1文字や2文字の賀詞はカジュアルなシーンや部下に、4文字の賀詞はビジネスシーンや目上の人に対して使用するのが一般的です。
新年の挨拶メールの基本構成
新年の挨拶メールは、以下の要素で構成されます。メールを書くときは各要素を抑えているか確認しましょう。
- 件名
- 宛名
- 挨拶・名乗り
- 昨年の感謝
- 本文
- 結び
- 署名
会社名は、(株)(有)などと略さずに「株式会社」「有限会社」と記載しましょう。
また、相手の会社名と個人名を両方記載するときは、「御中」と「様」を併記しないように注意してください。「御中」は法人・部署宛てに使い、「様」は個人宛てに使います。両方を併記すると敬称が重複してしまうため、宛先に応じてどちらか一方を選びましょう。
【相手別】新年の挨拶メールの例文
ここでは、相手別に新年の挨拶メールの例文を紹介します。実際に新年の挨拶メールを送る際の参考にしてください。
【取引先向け】新年の挨拶メール例
ビジネスメールとして最も基本となる形式です。感謝の気持ちを伝えつつ、丁寧な言葉遣いで新年の挨拶をしましょう。
新年のご挨拶【株式会社〇〇 ●●(自分の氏名)】
本文:
▲▲株式会社
△△様
明けましておめでとうございます。
株式会社〇〇の●●でございます。
旧年中は格別のご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。
△△様のご支援のおかげで、昨年は実り多き1年となりました。
本年も、△△様のご期待に沿えるよう、社員一同努めてまいります。
変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
貴社のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。
-----
署名
【上司向け】新年の挨拶メール例
日頃お世話になっている上司への新年の挨拶は、感謝と今後の意欲を伝える大切な機会です。ここでは、日頃の感謝を伝えられる例文を紹介します。
新年のご挨拶 ●●(自分の氏名)
本文:
○○部長
明けましておめでとうございます。
●●です。
昨年は大変お世話になり、誠にありがとうございました。
○○部長よりご指導をいただいたおかげで、多くのことを学び、成長することができました。
心より感謝いたします。
気持ちを新たに、より責任感を持って業務に精進してまいりますので、
変わらぬご指導・ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
-----
署名
【同僚・部下向け】新年の挨拶メール例
新年の挨拶は、チームの一体感を高め、気持ちよく仕事に取り組むための第一歩です。日頃の感謝を伝えつつ、本年も一緒に頑張ろうという気持ちを伝えましょう。
新年のご挨拶
本文:
〇〇さん
明けましておめでとうございます。
●●です。
昨年は、多忙な中、チームメンバーとしてご尽力いただき、大変お世話になりました。
プロジェクトを成功に導くことができたのは、〇〇さんのご協力があってこそです。
本当にありがとうございました。
今年も互いに忙しい一年ではありますが、ともに切磋琢磨しながら頑張りましょう。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
-----
署名
【喪中の相手向け】寒中見舞いのメール例
喪中の方への寒中見舞いは、相手への配慮が最も大切です。新年の挨拶を控え、体調や日常を気遣うような、穏やかで思いやりのあるメッセージを送りましょう。
寒中見舞い申し上げます(〇〇株式会社●●)
本文:
株式会社▲▲ △△様
寒中お見舞い申し上げます。
〇〇株式会社の●●です。
寒さが身にしみる時節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
年頭のご挨拶は差し控えさせていただきましたが、△△様がご無理をなさらず、
健やかにお過ごしでいらっしゃるか案じております。
昨年は大変お世話になりました。
本年も変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。
寒さ厳しい折、どうぞご自愛ください。
末筆ではございますが、〇〇様とご家族の皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。
-----
署名
【相手別】新年の挨拶メールへの返信例文
次に、相手別に新年の挨拶メールへの返信例文を紹介します。返信メールの書き方がわからなくてお困りの方は、ぜひ参考にしてください。なお、件名については、そのまま変えずに返信するのが鉄則です。
【取引先向け】新年の挨拶メールへの返信例
取引先からの挨拶メールには、スピーディーな返信を心がけましょう。丁寧な言葉遣いとともに、昨年一年間の感謝と、本年も良好な関係を築いていきたいという気持ちを伝えます。
Re: 新年のご挨拶【株式会社▲▲(相手の社名) △△(相手の氏名)】
本文:
▲▲株式会社 △△様
謹んで初春のお慶びを申し上げます。
株式会社〇〇の●●でございます。
この度は、ご丁寧な新年のご挨拶をいただき、誠にありがとうございました。
旧年中は格別のご愛顧を賜り、△△様には深く感謝いたしております。
本年もご期待に添えますよう全力を尽くしていく所存ですので、
より一層のお引き立てのほどお願い申し上げます。
-----
署名
【上司向け】新年の挨拶メールへの返信例
忙しい上司から新年早々に挨拶メールが届いた際は、感謝を伝えるとともに、本年の業務への意気込みを簡潔に表現しましょう。一年の始まりに、誠実な姿勢を示すことが重要です。
Re: 新年のご挨拶
本文:
○○部長
新春のお慶びを申し上げます。
●●(自分の氏名)です。
この度は新年のご挨拶をいただき、ありがとうございました。
本来であればこちらからご挨拶するべきところを、申し訳ございません。
旧年中は、○○部長より多大なご支援・ご指導をいただいたおかげで、
成長の1年にすることができました。
心より感謝申し上げます。
本年もさらなる飛躍を目指し、より一層業務に精進してまいる所存です。
引き続きご指導・ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
-----
署名
【同僚・部下向け】新年の挨拶メールへの返信例
お互いの幸運を祈り、気持ち良く協力できるよう、気さくで温かいメッセージを送りましょう。日頃の感謝や、新しい1年も一緒に働くことへの期待を添えると、より良い関係が築けます。
Re: 年始のご挨拶
本文:
○○さん
あけましておめでとうございます。
●●(自分の氏名)です。
新年のご挨拶をいただき、ありがとうございます。
昨年に引き続き、今年もお互いにさらに充実した一年になるよう、
切磋琢磨していきましょう。
本年もよろしくお願いいたします。
-----
署名
【内定先向け】新年の挨拶メールへの返信例
内定先からのメールには、社会人としての丁寧なマナーを示すことが重要です。感謝の気持ちを伝えるとともに、入社後の貢献に対する意欲を簡潔に示し、誠実な姿勢を伝えましょう。
なお、内定先への新年の挨拶は、基本的に企業側(人事担当者など)からメールが届いた場合にのみ返信するのがマナーなので、自分からメールを送るのは控えてください。
Re: 新年のご挨拶
本文:
株式会社○○ △△部
▲▲様
謹んで新年のお慶びを申し上げます。
貴社より内定をいただきました、●●(自分の氏名)でございます。
この度はご丁寧なご挨拶をいただき、誠にありがとうございます。
▲▲様におかれましても、幸多き一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。
本年はいよいよ入社を迎えますが、一日も早く貴社のお役に立てるよう、
精一杯努力してまいります。
引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。
-----
署名
新年の挨拶メールのよくある質問
ここからは、新年の挨拶メールに関するよくある質問について解説します。どれも社会人として知っておきたいマナーなので、しっかりと押さえましょう。
新年の挨拶メールで避けるべき表現は?
新年の挨拶メールでは、縁起が悪いとされる忌み言葉や重複表現に注意が必要です。今まで何気なく使ってしまっていた人は、この機会に正しい表現を覚えましょう。
忌み言葉の例
- 「去年」:「昨年」や「旧年」に言い換えて使用します。
- そのほかの忌み言葉:「去る」「失う」「絶える」「滅びる」「衰える」「枯れる」「落ちる」「閉じる」「終わる」
重複表現の例
- 「新年あけましておめでとうございます」:「新年」という言葉が「年が明ける」ことを意味するため、重複表現です。「新年おめでとうございます」または「明けましておめでとうございます」を使用しましょう。
- 「謹賀新年 あけましておめでとうございます」:「謹賀新年」は「新年を謹んでお祝い申し上げます」という意味で、「明けましておめでとうございます」と同義です。この場合は、「謹賀新年」または「明けましておめでとうございます」のどちらかのみでかまいません。
- 「2026年1月1日 元旦」:「元旦」は「1月1日の朝」という意味なので、重複表現となります。「2026年 元旦」または「2026年1月1日」と記載しましょう。
年賀はがきにメールで返しても良い?
年賀はがきが届いたら、返信は年賀はがきで送るのがマナーです。近年はメールでの挨拶も普及してきていますが、年賀はがきでの挨拶が慣習となっている会社もあります。
年賀はがきに対してメールで返信するのは失礼とされており、相手によっては気分を害してしまうかもしれません。必ず年賀はがきで対応しましょう。
なお、はがきの年賀状は、句読点を使用せずに改行や空白で読みやすくするのがマナーとされています。
新年の挨拶メールは一斉送信でも良い?
新年の挨拶メールは、一斉送信ではなく個別に送りましょう。一斉送信は便利ですが、受信側から宛先の欄に複数のアドレスが見えるため、事務的で形だけの挨拶という印象を与えてしまいます。
これはCCやBCCを使って送信した場合でも同様です。個別に送る一手間が、相手への丁寧な気持ちとして伝わります。
また、一斉送信は情報漏洩のリスクがあることや、迷惑メールに振り分けられる可能性がある点にも注意が必要です。感謝の気持ちを伝えて良好な関係を築くためにも、個別に送るよう心がけましょう。
喪中の相手への対応はどうする?
喪中の相手には新年の挨拶メールを控え、松の内が明けた1月8日から2月4日の立春までに「寒中見舞い」としてメールを送信します。
なお、寒中見舞いに記載する内容には注意が必要です。「あけましておめでとうございます」など新年を祝う言葉は避け、相手を気遣う言葉を入れましょう。
まとめ
新年の挨拶メールは、松の内までに送るのが一般的です。松の内は、多くの地域では1月7日までですが、関西では1月15日までとされているので注意が必要です。
取引先や上司など、相手との関係性に合わせたメールの書き方やマナーを身につけて、気持ち良く新年をスタートさせましょう。
記事編集
- くらひろ編集部
- 東京電力エナジーパートナー株式会社
「くらひろ by TEPCO」は、東京電力エナジーパートナーが運営するWebメディアです。でんきやガスのことはもちろん、あなたの毎日に役立つ知識から、くらしを広げるアイデアまで、“知りたい”に答える多彩な記事をお届けします。

この記事の情報は公開日時点の情報です
KEYWORD
#人気のキーワード
RECOMMENDED
#この記事を読んだ人におすすめの記事