マナー

【失敗しない】お悔やみ言葉の例文50:マナーや言い換え表も

大切な人を亡くした方に対して「どんな言葉をかければ良いのか分からない」と戸惑う方は多いと思います。突然の訃報を前にすると、相手の気持ちを傷つけたくない、マナーを守って適切に伝えたいという思いが強くなり、かえって言葉が出なくなることもありますよね。

この記事では、一般的によく使われるお悔やみの言葉から、関係性別の例文、メール・弔電などの送り方、マナーや避けたい言葉まで、できるだけ具体的に整理して紹介します。形式ばった決まり文句ではなく、「いま、この人にどんな言葉をかけるとよいか」を考えるための参考にしてください。

【例文】一般的なお悔やみの言葉

まずは、相手との関係にかかわらず、幅広い場面で使われる代表的なお悔やみの言葉を紹介します。

ここからは言葉ごとに使い方と例文を解説します。ここで挙げる表現は、通夜・葬儀の場や、メール・弔電などでよく用いられるものです。訃報が届いたときに自然と伝えられるようにしておくと良いでしょう。

お悔やみ申し上げます

亡くなった方やご遺族の悲しみに寄り添い、「深くお悔やみしています」という気持ちを丁寧に伝える、もっとも一般的なお悔やみの言葉です。通夜・葬儀・告別式など、亡くなって間もない時期に、対面でも弔電・手紙・メールでも広く使えます。

ただし、四十九日や一周忌といった法事では、別の表現に言い換えられることが多いです。

  1. このたびは○○様のご逝去、心よりお悔やみ申し上げます。
  2. このたびのご不幸に際し、謹んでお悔やみ申し上げます。
  3. お父様のご逝去、突然のことで大変驚いております。心よりお悔やみ申し上げます。
  4. ご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。
  5. このたびはご家族にご不幸があり、深くお悔やみ申し上げます。

ご愁傷様です

身近な人を亡くされた方に対し、「お気の毒に思っています」という同情とお見舞いの気持ちを伝える言葉です。主に通夜や葬儀の場で、ご遺族に直接声をかけるときの口頭表現として使われます。

短くても気持ちが伝わる一方で、弔電などのかしこまった文章よりは、会話や会話に近いメール・メッセージ向きの言い回しです。

  1. このたびはご愁傷様です。
  2. このたびはご愁傷様でございます。
  3. ご愁傷様です。心よりお悔やみ申し上げます。
  4. このたびはご愁傷様です。謹んでお悔やみ申し上げます。
  5. ご愁傷様です。何かお手伝いできることがあればお知らせください。

残念でなりません

故人の死を「本当に残念で、やりきれないほど悲しい」と感じている気持ちを、率直に表す言葉です。

口頭・文章どちらでも使えますが、個人的な感情が強く出るため、「お悔やみ申し上げます」などの定型句と組み合わせ、故人と近しい関係だったときや、突然の訃報への驚き・悲しみを伝えたい場面で使われることが多いです。

  1. 心からお悔やみ申し上げます。残念でなりません。
  2. ご逝去を知り、心よりお悔やみ申し上げます。非常に残念でなりません。
  3. 突然の知らせに接し、心からお悔やみ申し上げます。大変残念でなりません。
  4. ご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。深く残念でなりません。
  5. このたびのご不幸、謹んでお悔やみ申し上げます。残念でなりません。

ご冥福をお祈りいたします

亡くなった方が、あの世で安らかに、幸せに過ごせるよう願う気持ちを表す、仏教由来の言葉です。弔電や手紙、メールなどの文面でよく使われます。

一般的な仏教では広く用いられますが、浄土真宗では「冥福」「成仏」などを避ける慣習があり、またキリスト教や神道では「安らかな眠りをお祈りいたします」など宗教色の薄い表現に言い換えることが多いです。

  1. ご逝去の報に接し、心からご冥福をお祈りいたします。
  2. ご逝去の報に接し、謹んでご冥福をお祈りいたします。
  3. このたびのご不幸に際し、故人のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
  4. ご家族の皆様におかれましても、ご悲嘆のことと存じます。故人のご冥福をお祈りいたします。
  5. ご逝去の報に接し、深く哀悼の意を表しつつご冥福をお祈りいたします。

哀悼の意を表(ひょう)します

「お悔やみ申し上げます」をよりかたい表現にした言葉です。「追悼の意を表します」とほぼ同じニュアンスで、公的・ビジネスの場でも通用します。

弔電やお悔やみの手紙、会社の社告、ホームページのお知らせなど、書き言葉としてよく使われ、公式な印象を与えたいときに向いています。

  1. このたびのご逝去に際し、心より哀悼の意を表します。
  2. ご逝去の報に接し、深く哀悼の意を表します。
  3. このたびのご不幸に際し、故人への哀悼の意を表します。
  4. ご尊母様のご逝去に際し、謹んで哀悼の意を表します。
  5. ご逝去に際し、哀悼の意を表するとともに、心よりお悔やみ申し上げます。

【関係性別】お悔やみの言葉の例文

同じ「お悔やみの言葉」でも、相手と故人との関係性によって、選ぶ言葉や伝え方は少しずつ変わります。ここでは、故人との関係ごとに、すぐに使える例文をまとめました。

以下の関係性別に例文を紹介します。

親を亡くした人へのお悔やみ

親との別れは、年齢にかかわらず大きな喪失体験です。相手の悲しみを思いやりつつ、体調や今後を気遣う言葉を添えると、受け取る側の心が少し和らぎます。

  1. このたびはご両親のご急逝を知り、心よりお悔やみ申し上げます。
  2. ご家族の皆様のお悲しみを思うと、言葉もございません。どうかご無理なさいませんように。
  3. ご母堂様/ご尊父様のご逝去、誠に残念でなりません。心よりお悔やみ申し上げるとともに、故人のご冥福をお祈りいたします。
  4. ご両親を大切にされてきたことを思いますと、深いご心痛のほどお察し申し上げます。心よりお悔やみ申し上げます。
  5. 大切な方を失われてお辛いと思います。どうかお一人で抱え込まず、ご自愛くださいませ。
  6. ご両親のご訃報に接し、ただ驚いております。心よりお悔やみ申し上げます。
  7. これまで支えてこられた日々を思うと、そのご心痛はいかばかりかとお察し申し上げます。どうかお体を大切になさってください。
  8. ご尊父様/ご母堂様の在りし日のお姿を思い出し、胸が締めつけられる思いです。心よりご冥福をお祈りいたします。
  9. 突然のお別れとなり、お悲しみはいかほどかと存じます。何かお力になれることがあれば、ご遠慮なくお知らせください。
  10. ご両親のご逝去に際し、深い哀悼の意を表します。どうか少しでも心穏やかに過ごせる時間がありますようお祈りいたします。

配偶者を亡くした人へのお悔やみ

配偶者との別れは、その後の心や生活のあり方が大きく変わる出来事です。相手の孤独や不安に寄り添う表現を心がけると良いでしょう。

  1. このたびはご配偶者様のご逝去、深くお悔やみ申し上げます。
  2. 長年添い遂げられたお相手とのお別れは、どれほどお辛いことでしょうか。心よりお慰め申し上げます。
  3. ご家族の皆様も含め、この悲しみの時を少しでも穏やかに過ごされますようお祈りいたします。
  4. 突然のご不幸に接し、誠に残念でなりません。どうぞ無理なさらずご自愛ください。
  5. これまで、お子様やご家族のためにご尽力されてこられたことと存じます。どうかお体を大切にお過ごしください。
  6. ご主人様/奥様のご逝去を知り、胸が締めつけられる思いです。心より哀悼の意を表します。
  7. 連れ添ってこられた数々のご苦楽を思うと、お別れの悲しみはいかばかりかと拝察いたします。どうかお疲れが出ませんように。
  8. ご配偶者様の在りし日のお人柄を偲び、静かに手を合わせております。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
  9. これからの暮らしを思うと、不安なお気持ちもおありかと存じます。些細なことでもお手伝いできることがあればお知らせください。
  10. このたびのご訃報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。どうか周囲の支えを頼りにしながら、お心を休める時間をお持ちください。

子どもを亡くした人へのお悔やみ

子どもを亡くすことは、言葉では表しがたい深い悲しみです。どんな言葉も足りないと感じられる場面だからこそ、無理に励ましすぎず、そっと寄り添うような表現を選ぶと伝わりやすくなります。

  1. このたびのご不幸、誠に痛ましく、心よりお悔やみ申し上げます。
  2. お子様のご逝去を知り、言葉になりません。どうか、ご自身のお体もご労りください。
  3. ご家族の皆様の無念さを思うと、胸がつぶれそうです。どうかお心を休める時間をお持ちください。
  4. 大変おつらい日々をお過ごしのことと存じます。どうかご無理なさらず、お体をおいといくださいませ。
  5. お子様を愛し見守られていた日々を思うと、ご家族の深いご喪失に心を痛めます。安らぎが訪れますように。

お悔やみの言葉の送り方

お悔やみの言葉は、「どんな言葉を選ぶか」と同じくらい、「どのような手段で、いつ伝えるか」も大切です。ここでは、代表的な送り方と、それぞれのポイントをまとめます。

口頭

通夜や葬儀の場では、ご遺族と直接顔を合わせてお悔やみを伝えることが多くなります。このときは、多くの参列者が順番に挨拶するため、一人ひとりの言葉が長くなりすぎないように意識し、簡潔にまとめることが大切です。

とくに、初めて会うご遺族に声をかける場合は、いきなりお悔やみの言葉を述べるのではなく、「故人の○○会社でお世話になっておりました、△△と申します」のように、最初に自分と故人との関係性を一言添えると、相手も状況を理解しやすく、落ち着いて話を受け止めやすくなります。

弔電

弔電は、葬儀や告別式の場で読み上げられるお悔やみの電報で、どうしても直接参列できないときに気持ちを伝える手段として広く利用されています。

葬儀に出席できない場合には、弔電で弔意を届けるのが一般的なマナーと考えられており、現在は電話やインターネットからも申し込みが可能です。葬儀が始まる3時間前までには式場に届くよう、余裕を持って手配しておくと安心です。

文章を作る際は、冒頭でお悔やみの言葉を述べ、中盤で故人の人柄やお世話になったことへの感謝などを簡潔に記し、最後にご遺族の体調や今後を気遣う一文で締めくくると、全体として読みやすく、心のこもった文面になります。

メール

近年は、訃報そのものがメールで届くケースも増えており、その場合はメールでお悔やみを返しても失礼にはあたりません。ある程度親しい友人や会社の同僚、日頃からやり取りのある取引先であれば、メールでお悔やみを伝える方法も自然です。

訃報がメールで届いたときは、同じ手段で返信することで、相手の忙しい状況を妨げにくくなります。文面では、たとえ親しい間柄でも敬語や尊敬語を基本とし、くだけすぎない言葉遣いを心がけると、相手への敬意が伝わります。

また、件名には「お悔やみ申し上げます」や「○○様ご逝去のお知らせへのご返信」など、ひと目で内容が分かる表現を入れておくと、相手もメールの重要性をすぐに理解しやすくなります。

LINE(メッセージアプリ)

LINEなどのメッセージアプリは、今では日常的な連絡手段として定着しており、訃報の共有やお悔やみの連絡に使われることも珍しくありません。とくに、もともとLINEでやり取りしている親しい相手や、LINEで訃報を受け取った場合には、そのままLINEでお悔やみのメッセージを送るのも自然な流れといえます。

ただし、伝統的なマナーという観点では、正式なお悔やみは対面や電話、弔電や手紙などが基本とされています。面識のないご遺族や、目上の方、礼儀を重んじる方に対しては、LINEだけで済ませるのではなく、電話や書面など、より丁寧な方法を選んだうえで、補足的にLINEを使う程度にとどめると安心です。

メッセージアプリ

お悔やみを伝える際のポイント・マナー

お悔やみの言葉は、内容そのものがデリケートです。相手の心に寄り添うためにも、基本的なマナーや言葉遣いを押さえておくと安心です。

ここでは、次のポイントごとに注意点を解説します。

敬語・言葉遣いに注意

お悔やみの場では、「亡くなった」「死んだ」といったストレートな言い方は避けるのが一般的です。代わりに、「ご逝去」「お亡くなりになる」「ご逝去されました」など、故人やご遺族を敬う表現に言い換えることで、相手の気持ちに配慮した丁寧な言葉になります。

親しい相手であっても、このような場面では敬語を用いた落ち着いた言い回しを心がけると、相手を大切に思う気持ちが伝わりやすくなります。

また、お悔やみの文面で故人に触れるときは、普段の呼び方ではなく、より丁寧な敬称を使うのが通例です。主な敬称は以下のとおりです。

  • (受取人の)実父:ご尊父様・お父様・お父上(様)
  • 配偶者のお父様:ご岳父(がくふ)様
  • 実母:ご母堂(ぼどう)様・お母様・お母上(様)
  • 配偶者のお母様:ご外母(がいぼ)様・ご岳母(がくぼ)様・ご丈母(じょうぼ)様
  • 祖父母:ご祖父様・お祖父(じい)様・ご祖母様・お祖母(ばあ)様
  • :ご主人様
  • :ご令室様・奥様
  • 息子:ご令息様・ご子息様
  • :ご令嬢様・ご息女様
  • 兄・義兄:ご令兄(れいけい)様・お兄様・兄上様
  • 弟・義弟:ご令弟(れいてい)様・弟様
  • 姉・義姉:ご令姉(れいし)様・お姉様・姉上様
  • 妹・義妹:ご令妹(れいまい)様・妹様

忌み言葉、縁起の悪い言葉を使わない

お悔やみや葬儀の場では、「忌み言葉」と呼ばれる表現を避ける習慣があります。忌み言葉とは、縁起が悪いといわれる言葉で、不幸や別れ、別れの繰り返しを連想させるような言い回しが含まれます。相手に余計な不安や不快感を与えないための配慮であり、結婚式やお祝いの席でも避けられます。

とくに注意したいのが、「重ね重ね」「度々」「しばしば」といった、同じ事柄が繰り返されるイメージを持つ表現です。良くない出来事が重なって起きる印象を与えるため、お悔やみの文章や挨拶の中では使わないのが一般的です。

日常では何気なく使う表現も多いので、文面を作ったあとに一度読み返し、重ね言葉や不吉さを連想させる言い回しが紛れ込んでいないか確認すると安心です。

避けるべき言葉については後述の「▼お悔やみを伝える際に避けるべき言動」で詳しく解説しています。

伝えるタイミングを意識

訃報を知ったときは、できるだけ早めにお悔やみの気持ちを伝えるのが一般的です。直接会える場合には、通夜や葬儀の場で伝えると良いでしょう。相手と面識があり親しい関係であれば、まず電話や口頭でお悔やみを伝え、そのうえで後日あらためて手紙や香典を送ることもあります。

遠方に住んでいたり、どうしても都合がつかなかったりする場合には、弔電や電話、メールなど、そのときに取れる方法を選びます。メッセージやメールで伝える場合は、相手が忙しい中で読むことを考え、要点を簡潔にまとめ、長くなりすぎない読みやすい文章量にとどめることが大切です。

死因を聞かない

ご遺族に対して、死因や亡くなったときの詳しい状況を尋ねるのは、一般的にマナー違反とされています。

「どうして」「何があったのですか」といった質問は、悲しみの中にいる相手の心の負担を大きくしてしまいます。また、「もっと早く病院に行っていれば」「あのときこうしていれば良かったのに」など、過去を振り返らせたり、責任を負わせたりする言葉は、ご遺族を追い詰める結果になりかねません。

とくに、子どもを亡くしたご家庭では、同年代の子どもの話題や写真の共有などが、時期によっては非常につらく感じられることがあります。葬儀や訪問の場に子どもを同伴する場合も、相手の心情やその場の雰囲気に十分配慮しながら判断することが大切です。

励ましの言葉は慎重に

お悔やみを伝える場面では、つい「元気を出して」「頑張って」「泣かないで」といった励ましの言葉をかけたくなるかもしれません。しかし、深い悲しみの中にいる人にとっては、前向きな言葉がかえって重荷になってしまうことがあります。気持ちの整理がつかない段階では、「頑張る」ことを求めるよりも、まず十分に悲しみを受け止められる時間が必要な場合が多いからです。

そのため、「おつらいなか、お気持ちを思うと言葉が見つかりません」「いまはどうか、少しでもお心が休まる時間が持てますように」など、相手の悲しみを否定せず、そっと寄り添う姿勢を示す言葉を選ぶと伝わりやすくなります。

励ましたい気持ちが強いときも、「無理をなさらないでください」「お疲れが出ませんように」といった、体や心を気遣う控えめな表現にとどめると、相手の負担を増やさずに思いやりを伝えられます。

励ましの言葉は慎重に

お悔やみを伝える際に避けるべき言動

ここでは、お悔やみの言葉でとくに避けたい表現や、注意したい言動についてまとめます。知らずに使ってしまうこともあるため、一度整理しておくと安心です。

忌み言葉:去る・消える・終わる

忌み言葉とは、不幸や死、別れなどを直接的または間接的に連想させる言葉のことです。お悔やみの文章では、忌み言葉は話し言葉においても書き言葉においても避けたほうが良いとされています。代表的なものとしては、次のような表現があります。

  • 大変なこと
  • 忙しい
  • 終わる
  • 追って
  • 続いて
  • 去る
  • 無くす
  • 苦しむ
  • 浮かばれない
  • 消える
  • 落ちる
  • 散る
  • 切る
  • 放す

これらは日常会話ではよく使う言葉ですが、お悔やみの文や弔電では、不幸が続く印象や暗いイメージを与えかねないため、別の言い回しに置き換えることが多いです。

また、宗教によって避けたほうが良いとされる言葉もあります。主な宗教と避けた方が良い言葉は以下のとおりです。

宗教 避ける・注意する言葉の例
仏教 浮かばれない、迷う
浄土真宗 冥福を祈る、成仏を願う、霊前
キリスト教 冥福、成仏、供養、往生
神道 冥福、成仏、供養、往生

故人やご遺族の宗教が分かっているときは、その教えに沿った表現を選ぶとより丁寧です。宗教が分からない場合には、「安らかな眠りをお祈りいたします」「心よりお悔やみ申し上げます」など、宗教色を抑えた言葉を使うと安心です。

重ね言葉:ますます、くれぐれも、重ね重ね

重ね言葉とは、同じ意味や音を繰り返すことで、意味を強調したり、響きを整えたりする表現のことです。しかし、お悔やみの場では「物事が重なる=不幸が続く」ことを連想させるため縁起が悪いとされ、避けられてきました。代表的な重ね言葉には、次のようなものがあります。

  • いよいよ
  • ますます
  • ときどき
  • わざわざ
  • しばしば
  • いろいろ
  • だんだん
  • たびたび
  • くれぐれも
  • 重ね重ね
  • 次々
  • 重々
  • 返す返すも
  • またまた
  • 再三
  • 再四

これらは日常会話やビジネスメールでごく自然に使われる表現であり、ついそのまま使ってしまいがちです。そのため、文面を整える段階で一度読み返し、確認するようにしましょう。

例えば、「くれぐれもご自愛ください」という結びは、お悔やみの場では「どうかご自愛ください」「お体を大切になさってください」などに言い換えると、同じ気遣いを伝えながらも、重ね言葉を避けた表現になります。

生死を表す言葉:亡くなる、生きる

生と死をはっきり示す言葉は、ご遺族にとって非常に生々しく響くことがあり、心の傷に触れてしまうことがあります。そのため、お悔やみの言葉では、できるだけ直接的な表現を避け、柔らかく丁寧な言い回しに置き換えることが、相手への配慮につながります。

例えば「急に亡くなってしまって」とそのまま口にする代わりに、「突然のことで、さぞお力落としのことと存じます」といった形で表現すれば、死の事実そのものを強く突きつけることなく、驚きとお悔やみの気持ちを伝えることができます。

このように、言葉を少し言い換えるだけでも、受け取る側の負担を和らげることができます。ほかにも、生死を直接表す言葉は、以下のように置き換えられます。

生死を直接表す言葉 お悔やみで用いる表現
死ぬ ご逝去、お亡くなりになる
死去 ご逝去、お亡くなりになる
死亡 ご逝去、永眠
亡くなる お亡くなりになる
急死 急逝、突然のご逝去
生きていたころ ご生前

まとめ

お悔やみの言葉を考えるときは、伝える相手の気持ちに寄り添い、丁寧な表現を用いることを意識することが大切です。両親・配偶者・子どもなど、故人との関係によって、相手が置かれている状況や抱えているであろう思いを想像し、それに寄り添う表現を選ぶことで、同じ一文でも伝わり方が変わってきます。

また、死因を細かく尋ねないことや、安易な励ましの言葉を控えること、そして忌み言葉や重ね言葉を避けることは、ご遺族の心に余計な負担をかけないための大切な配慮となります。

完璧な言葉でなくても、相手を思う気持ちが込められていれば、それは十分に伝わります。ここで紹介した例文を、そのまま使っても、少し言い回しを変えてもかまいません。いま思っていることを、相手の心にそっと寄り添う形で言葉にしてみてください。

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くらひろ編集部
東京電力エナジーパートナー株式会社

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