謝肉祭(カーニバル)とは？2026年はいつ？意味や楽しみ方を解説

ニュースやSNSで、華やかなパレードの映像とともに耳にする「謝肉祭（カーニバル）」という言葉。「『肉を謝る』と書くけれど、一体何をするお祭りなの？」「いつ開催されるの？」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、謝肉祭の正しい意味や由来、2026年の最新日程に加え、世界各地のユニークな習慣、伝統的なお菓子についてわかりやすく解説します。知れば知るほど奥深い、謝肉祭の世界を一緒に覗いてみましょう。

「謝肉祭」とは？カーニバルとの違いと開催時期の基本を徹底解説

「謝肉祭」と聞いて、どんなイメージを思い浮かべるでしょうか。文字の印象から「お肉に感謝して、たくさん食べるお祭り」と思われている方も少なくありません。

結論からいうと、謝肉祭とは、キリスト教のカトリック教会などにおける「四旬節（しじゅんせつ）」という断食期間に入る前に、思い切り食べて飲んで騒ごうという祝祭期間のことです。

つまり、肉に感謝するのではなく、「これからしばらく肉を食べられない期間（断食）が来るから、その前に楽しみを味わい尽くそう！」という意味合いが込められています。

ここからは、意外と知られていない言葉の由来と、カーニバルとの関係について解説します。

• ▼「謝肉祭」と「カーニバル」は同じ？意味と語源の違いをわかりやすく解説
• ▼謝肉祭はいつ？毎年変わる開催時期とイースターとの切っても切れない関係
• ▼2026年の謝肉祭はいつ？【保存版】2025年〜2030年までの日程早見表

「謝肉祭」と「カーニバル」は同じ？意味と語源の違いをわかりやすく解説

「謝肉祭」と「カーニバル（Carnival）」は、基本的に同じものを指しています。「謝肉祭」は日本語の訳語であり、「カーニバル」はそのカタカナ表記です。

カーニバルの語源には諸説ありますが、ラテン語の「carnem（肉を）」と「levare（取り除く）」を組み合わせた言葉、あるいは「carne vale （肉よ、さらば）」に由来するといわれています。どちらにしても、「肉食を絶つ」という断食期間に向けた言葉が語源となっているのです。

一方、日本語の「謝肉祭」という漢字表記は、明治時代以降に定着したといわれていますが、「謝」の字には「謝絶する（断る、別れを告げる）」という意味も含まれています。「肉に別れを告げる祭り」と解釈するのが、本来の意味に最も近い理解といえるでしょう。

謝肉祭はいつ？毎年変わる開催時期とイースターとの切っても切れない関係

謝肉祭には、決まった日付がありません。これは、謝肉祭の日程が「イースター（復活祭）」の日付に連動して決まるためです。

イースターは「春分の日の後の、最初の満月の次の日曜日」と定められており、毎年日付が大きく変動します。このイースターの準備期間として、日曜日を除く40日間の「四旬節（レント）」が設けられています。

この四旬節の初日を「灰の水曜日」と呼び、その前日までの約１週間が謝肉祭（カーニバル）の期間となります。

つまり、イースターが決まれば、そこから逆算して謝肉祭の日程も自動的に決まるという仕組みです。毎年、確認しないと時期がわからないのは、こうした理由があるのです。

2026年の謝肉祭はいつ？【保存版】直近5年間の日程早見表

では、気になる今年以降の日程を見ていきましょう。旅行の計画や、季節のイベントとして楽しむ際の参考にしてください。

2026年の謝肉祭のクライマックス（最終日）は、2月17日（火）です。一般的に、この最終日に向けて世界各地でパレードやパーティが最高潮に達します。

以下に、2030年までの謝肉祭の最終日（マルディグラ）の日程をまとめました。

年	謝肉祭の最終日（マルディグラ）
2026年	2月17日（火）
2027年	2月9日（火）
2028年	2月29日（火）
2029年	2月13日（火）
2030年	3月5日（火）

「マルディグラ（MardiGras）」とはフランス語で「肥沃な火曜日」を意味し、厳しい断食に入る前日に、脂っこい食事をして祝ったことに由来する謝肉祭最終日の呼び名です。多くの地域では、この最終日直前の週末（金曜〜月曜）から盛大なイベントが行われます。

世界を熱狂させる！有名なカーニバル（謝肉祭）3選と祭りの特徴

世界中には数多くのカーニバルがありますが、その祝い方は国や地域によって驚くほど異なります。ここでは、一生に一度は見てみたい世界的に有名な3つのカーニバルを厳選してご紹介します。

• ▼【ブラジル・リオ】サンバのリズム！最も情熱的なパレードの秘密
• ▼【イタリア・ヴェネチア】優雅な仮面舞踏会！中世の伝統が息づく美しさ
• ▼【ドイツ・ケルン】祝祭感と悪ふざけ！ドイツ独自の謝肉祭の楽しみ方

【ブラジル・リオ】サンバのリズム！最も情熱的なパレードの秘密

世界で最も有名な謝肉祭といえば、やはりブラジルの「リオのカーニバル」でしょう。リオのカーニバルには、毎年、世界中から多数の観光客が訪れます。

リオのカーニバルの最大の特徴は、コンテスト形式で行われるサンバパレードです。「サンボードロモ」と呼ばれる専用の会場で、各サンバチーム（エスコーラ）が1年かけて準備したテーマ、衣装、楽曲、そしてダンスを披露し、優勝を競い合います。

きらびやかな衣装に身を包んだダンサーたちの熱気と、地響きのような打楽器のリズムは、見る人を圧倒的な非日常へと誘います。単なるお祭り騒ぎに見えますが、実はチームごとの結束や地域社会との結びつきが非常に強く、ブラジルの人々の生活に深く根差した文化への情熱が注がれているのです。

【イタリア・ヴェネチア】優雅な仮面舞踏会！中世の伝統が息づく美しさ

熱狂的なリオとは対照的に、ミステリアスで幻想的な雰囲気に包まれるのがイタリアの「ヴェネチア・カーニバル」です。

この祭りの主役は「仮面（マスケラ）」です。期間中、美しい水の都ヴェネチアの街角には、精巧な仮面と中世の貴族のような豪華な衣装をまとった人々が溢れかえります。サン・マルコ広場を中心に行われるイベントは、まるで中世ヨーロッパの舞踏会にタイムスリップしたかのような錯覚を覚えるほどです。

静寂と喧騒が入り混じる独特の空気感の中、参加者たちは言葉を交わさずとも、その美しい立ち振る舞いで互いを称え合います。写真映えするスポットも多く、アートや歴史を愛する人々にとって憧れのイベントとなっています。

【ドイツ・ケルン】祝祭感と悪ふざけ！ドイツ独自の謝肉祭の楽しみ方

ドイツ、特にケルン地方のカーニバルは、また一風変わったユニークな風習で知られています。地元では「第5の季節」と呼ばれるほど重要視されており、なんと前年の11月11日11時11分から準備期間が始まります。

特に有名なのが、期間中の木曜日に行われる「女性のカーニバル（Weiberfastnacht）」というイベントです。この日、女性たちは街の主導権を握り、なんと通りがかる男性のネクタイをハサミで切り落とすという伝統行事が行われます。

切られたネクタイは「男性の権威」の象徴とされ、それを切り取ることで女性の強さを示すというユーモアたっぷりのお祭りです。もちろん、男性側も切られても良い古着のネクタイをして参加します。

また、バラの月曜日（Rosenmontag）には大規模なパレードが行われ、お菓子や花が沿道の観客に投げ配られます。

なぜ仮面をつける？カーニバル（謝肉祭）の「仮装文化」に隠された教養

ヴェネチアやケルン、そしてハロウィンの仮装にも通じる「なぜ祭りの日に仮面や仮装をするのか」という疑問。これには、かつての階級社会や宗教観が深く関わっています。

歴史的に、カーニバルの期間中だけは、身分や階級の区別なく無礼講で楽しむことが許されていました。仮面をつけることで、王族も平民も、金持ちも貧乏人も、互いの素性を隠して平等に騒ぐことができたのです。

また、古くは冬の悪霊を追い払い、春の精霊を招き入れるための儀式として、恐ろしい姿や異形の姿に仮装したという説もあります。現代のパレードや仮装行列には、こうした「日常の抑圧からの解放」と「新しい季節への祈り」という、人々の切実な願いが込められているのです。

日本の暮らしでも楽しめる！「食」で体験するおうちカーニバル

海外まで行くのは難しくても、謝肉祭の精神である「美味しいものを食べて楽しむ」ことは、日本のおうちでも十分に可能です。

実は、謝肉祭には世界各地で「これを食べる！」という定番の伝統菓子が存在します。その多くは、断食期間に入る前に、家にある卵・牛乳・バター・砂糖・ラードなどを使い切るために作られた、素朴でリッチな味わいの揚げ菓子です。

ここでは、週末のブランチやおやつタイムに取り入れたい、世界の謝肉祭スイーツをご紹介します。

• ▼謝肉祭の定番！各国の伝統的な「断食前のごちそう」を紹介
• ▼【再現可能】おうちで簡単！揚げ菓子やパンケーキを楽しむアイデア

謝肉祭の定番！各国の伝統的な「断食前のごちそう」を紹介

世界中で愛されている謝肉祭のスイーツは、どれも「揚げている」のが特徴です。カロリーなんて気にせず、甘い幸せに浸るのが正しい楽しみ方です。

ドイツ：ベルリナー（Berliner）

ジャムが入った丸い揚げドーナツ。外側には粉砂糖がたっぷりとまぶされています。場所によっては「クラプフェン」とも呼ばれ、中身がマスタードなどの「当たり」を混ぜてロシアンルーレットのように楽しむ遊び心ある習慣もあります。

イタリア：キアッケレ（Chiacchiere）

「おしゃべり」という意味を持つ、薄く伸ばした生地を揚げたお菓子。サクサクとした軽い食感が特徴で、食べ始めるとおしゃべりのように止まらなくなることから名付けられたといわれています。地域によって名前が変わるのも面白い特徴です。

フランス：ベニエ（Beignet）

四角い生地を揚げて粉砂糖をかけたベニエや、たっぷりのバターと卵を使ったクレープが定番です。フランスでは「マルディグラ（肥沃な火曜日）」に、家族でクレープを焼いて食べる習慣が根付いています。

【再現可能】おうちで簡単！揚げ菓子やパンケーキを楽しむアイデア

わざわざ専門店に行かなくても、家庭にある材料で「おうちカーニバル」は開催できます。お子様と一緒に、あるいは自分へのご褒美として、今度の週末に試してみてはいかがでしょうか。

• ▼ホットケーキミックスで簡単！ドイツの揚げパン「ベルリナー」
• ▼余った餃子の皮が大変身！イタリアの伝統菓子「キアッケレ」風

ホットケーキミックスで簡単！ドイツの揚げパン「ベルリナー」

ドイツの謝肉祭に欠かせない、ジャム入りの丸い揚げパン「ベルリナー（Berliner）」。ホットケーキミックスを使えば、発酵いらずで外はサクッ、中はふんわりの食感が30分で作れます。熱々のうちに砂糖をまぶすのがポイントです。

余った餃子の皮が大変身！イタリアの伝統菓子「キアッケレ」風

イタリアの謝肉祭で食べられる、パリパリ食感の薄い揚げ菓子「キアッケレ（Chiacchiere）」。「おしゃべり」という意味を持つこのお菓子は、餃子の皮を使えば生地作りの手間がゼロに。余った皮の消費レシピとしても優秀です。

カラフルなトッピングでパレード気分いつものパンケーキやドーナツも、盛り付けを工夫するだけでカーニバル仕様になります。紫、緑、金色のスプリンクル（トッピングシュガー）や、色鮮やかなフルーツを添えて、テーブルの上でパレードのような賑やかさを演出してみてください。

まとめ

謝肉祭（カーニバル）は、単なるお祭り騒ぎではなく、厳しい冬から春へと季節が移り変わる節目を祝い、来るべき節制期間の前にエネルギーを蓄えるための大切な行事です。

「肉に別れを告げる」という語源を知り、イースターとの関係を理解することで、ニュースで見るパレードの映像も、これまでとは違った深みを持って楽しめるようになるはずです。

2026年の謝肉祭シーズンは2月中旬。遠く離れた国の文化に想いを馳せながら、ご自宅で甘い揚げ菓子を頬張り、一足早い春の訪れを感じてみてはいかがでしょうか。そんな小さな異文化体験が、あなたの暮らしをより豊かで彩りあるものにしてくれるはずです。