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2025年のお盆休みはいつからいつまで?9連休を取得する方法

日本ではご先祖様を送り、そして迎える行事として広く伝わっているお盆。お盆の時期は、お盆休みとして休暇にする企業が多いため、土日や祝日と合わせると大型連休になりやすいです。

お盆休みを有効活用するために、「今年のお盆休みはいつからいつまで?」と考えている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、2025年のお盆休みについて解説します。どの日に有給を取得すれば効果的に長い休みが取ることができるかも紹介しますので、今年のお盆休みがいつなのかが気になる方はぜひ参考にしてください。

2025年のお盆休みはいつからいつまで?【最大:8月9日~8月17日】

日本のお盆は、7月中旬の新盆・8月中旬の月遅れの盆・9月上旬の旧盆の3つがあり、月遅れの盆が一般的なお盆期間です。

ここでは、それぞれのお盆の期間と2025年のお盆休みについて解説します。

月遅れのお盆の期間:8月13日~8月16日

現在の暦(新暦、太陽暦)で、盆の入りである8月13日から盆明けの8月16日までの4日間を「月遅れのお盆」「月遅れ盆」あるいは「8月盆」と呼びます。

一般的には、この「月遅れのお盆」の4日間がお盆休みの期間であり、2025年のお盆休みは8月13日(水)〜8月17日(日)です。

2016年からは8月11日が「山の日」として祝日となったため、それ以前と比べてより長い連休を取りやすくなりました。2025年は8月12日(火)に休みを取得すると9連休になります。

月遅れのお盆を記載したカレンダー

なお、伝統行事としての「お盆」の日程は、明治5年まで使用されていた旧暦(太陰太陽暦)では毎年7月13日~7月16日でした。しかし、現在使用されている新暦(太陽暦)になってからは、お盆は地域によって異なる日程で執り行われています。

ここからは、一部地域で採用されている新暦に基づく「新盆(7月盆)」と、旧暦に基づく「旧盆(旧暦盆)」のお盆の日程を紹介します。

新暦に基づくお盆(新盆)の期間:7月13日~7月16日

東京都や神奈川県の横浜市、北海道・山形県・栃木県・静岡県・石川県・佐賀県の一部の地域などでは、新暦の7月に「7月盆」や「新盆」と呼ばれるお盆を迎えます。

新盆の日程は、盆の入りを指す迎え火が毎年7月13日、盆明けとなる送り火が7月16日です。この日程は、旧暦7月に行われていた本来のお盆の日付をそのまま新暦に直したもので、本来のお盆より1か月ほど早い日程になります。

2025年の新盆は7月13日(日)〜16日(水)です。新盆を行う地域では、7月中旬からお盆用の飾りなどが店頭に並びます。新盆といっても行事内容が変わるわけではなく、全国で一般的に広まっている「月遅れのお盆(8月盆)」との大きな違いはありません。

旧暦に基づくお盆(旧盆)の期間:9月4日~9月7日

沖縄県や鹿児島県の奄美地方などでは、今でも旧暦に基づいて行事が催されることが多いです。そのため、お盆も旧暦の7月に執り行われ、「旧盆(きゅうぼん)」と呼ばれています。

先述のとおり、旧暦では毎年7月13日~15日、地域によっては16日までがお盆です。2025年の旧盆は、新暦の9月4日(木)〜6日(土)までで、地域によっては7日(日)までとなります。

旧暦と新暦の日付には毎年ずれが生じるため、旧盆の日程は毎年異なる日程になります。

旧盆期間(新暦の日付)
2024年 8月16日(金)~8月18日(日)
2025年 9月4日(木)~9月6日(土)
2026年 8月25日(火)~8月27日(木)
2027年 8月14日(土)~8月16日(月)
2028年 9月1日(金)~9月3日(日)

2025年は、もし勤め先が9月4日(木)〜6日(土)までを夏季休業(旧盆休み)としている場合、旧盆入り前の1日(月)〜3日(水)に有給をとると、9連休になります。

一方、沖縄県や鹿児島県の奄美地方などに観光に行く場合、上記期間はお店が休みになる可能性もあるので、事前に営業時間などを確認しておきましょう。

地域によってお盆の日程が異なるのはなぜ?

もともと、お盆は旧暦の7月15日である「中元節(ちゅうげんせつ)」の日にお祝いされていました。中元節とは中国から伝わった行事で、「お中元」の由来にもなった道教の行事の一つです。

明治5年に新暦(太陽暦・グレゴリオ暦)が採用されると、伝統行事の中には、日付を旧暦基準から新暦基準に移行するものもありました。しかし、お盆に関しては、新暦の7月15日頃が農家の繁忙期と重なることから、新暦への移行は都市部に限られたといいます。

一方で、旧暦基準のままだと、新暦ではお盆の日付が毎年変わってしまいます。そのため、農村部を中心に、旧暦7月15日から新暦8月15日に日付をずらして固定する「月遅れのお盆」を採用する地域も多くありました

また、伝統的な旧暦7月15日の日付を守り続ける地域もありました。旧暦は月の満ち欠けを基準とし、潮の満ち引きとの関連性が高いことから、海に囲まれた沖縄県や鹿児島県の奄美地方ではその傾向が強かったとされています。

地域別のお盆の時期は以下のとおりです。

お盆 日付 代表的な地域
新盆 新暦7月15日 東京都・神奈川県・静岡県・石川県および北海道・山形県・栃木県・佐賀県の一部の地域など
月遅れの
お盆
新暦8月15日 そのほかの地域
旧盆 旧暦7月15日
※新暦基準では毎年異なる
沖縄県、鹿児島県奄美地方など

地域ごとのお盆の時期

お盆期間にやること・過ごし方

日本のお盆には、次のような風習があります。

お盆にはご先祖様を自宅に迎えたり、再びあの世へ見送ったりするための行事が催されます。ここではお盆特有の行事や過ごし方について、それぞれ詳しく解説します。

迎え火・送り火

お盆の初日にご先祖様の霊魂を迎えるために焚く火を「迎え火」といい、ご先祖様が自宅に帰ってくる目印になるとされます。その後にご先祖様の霊魂を見送るときに焚く火を「送り火」といい、ご先祖様をあの世に送り出すのが役割です。

お盆初日にお墓参りをしてそのまま迎え火をする場合は、苧殻(おがら)と呼ばれる麻の茎を皮むきしたものに火を灯します。その後、火は盆提灯に移して自宅に持ち帰ります。

自宅に到着したら、準備してある別の盆提灯に火を灯し、火を移した後の盆提灯の灯りは玄関先で黙祷(もくとう)をしてから消します。これが、本来の迎え火のやり方です。

しかし現代では、野外で火を焚くことは難しいところも多いです。お墓の前で焚くだけのご家庭もあるでしょう。実際に火は灯さず、電気式の盆提灯を使用するケースもあります。

精霊馬(しょうりょううま)

お盆の時期に飾るきゅうりやなすで作るお供え物を「精霊馬」といいます。精霊馬は、ご先祖様の霊魂が家に戻ってくる際に乗る乗り物に見立てて作られています。

馬には、ご先祖様が戻ってくるときは早く自宅に戻れるようにという意味が、牛には、帰りは景色を見ながらできるだけゆっくり帰ってほしいという意味が込められています。

馬はきゅうりで、牛はなすで作られることが多く、なすで作る牛は「精霊牛(しょうりょううし)」とも呼びます。精霊馬は、割り箸などを刺して足に見立てて作られ、精霊棚に飾られます。

なお、精霊馬にきゅうりやなすが使われている理由は、お盆の時期である夏場に手に入れるのが簡単だったからという説があります。夏野菜であるきゅうりやなすは、どの家庭でも準備しやすく、お盆に用意するものとして広まっていったのでしょう。

きゅうりの馬となすの牛

精霊流し(しょうりょうながし)

長崎県や佐賀県、熊本県の一部では、死者への弔いとして「精霊流し」と呼ばれる行事が行われています。亡くなった人の霊魂を弔うためにご先祖様を精霊船(しょうりょうせん・しょうりょうぶね)と呼ばれる手作りの船に乗せ、街中を引いて回ります。その後「流し場」と呼ばれる場所まで運び、極楽浄土へ送り出します。

特に、長崎県の精霊流しは有名で、一般的なお盆の静かなイメージとは異なり、鐘や爆竹が鳴らされます。爆竹には悪霊を追い払う意味が込められていて、長崎県のお盆行事には欠かせないものとなっています。

盆踊り

夏祭りでの行事としてイメージされることもある盆踊りも、本来はお盆の行事の一つです。帰ってきたご先祖様の霊魂を供養するための踊りですが、現在ではお盆の時期に限らず、7~8月の夏祭りで催されることも多いです。

各地域の盆踊りのなかでも特に有名なのは、以下の3つです。

  • 徳島県:阿波踊り(あわおどり)
  • 秋田県:西馬音内盆踊り(にしもないぼんおどり)
  • 岐阜県:郡上踊り(ぐじょうおどり)

これらは日本を代表するお盆行事とされ、夏季休暇を利用して盆踊りを楽しむのもお盆の過ごし方のひとつです。このうち、西馬音内盆踊りは、国の重要無形民俗文化財・ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。

銀行や役所は基本的にお盆休みがない

以下の施設などには基本的にお盆休みがありません。

  • 銀行
  • 市役所
  • 郵便局
  • 医療機関
  • カレンダー通り営業する施設

ただし、クリニックなど小さな病院は夏季休暇を取るケースがあるので注意が必要です。この場合、施設により夏季休暇の期間は異なるため、事前に確認しておきましょう。

また、ホテルや旅館なども、基本的にはお盆休みがない施設です。お盆中に旅行などで出かける際にも、休館日を気にせず予約を申し込めるでしょう。ただし、お盆休みの時期は宿泊施設の繁忙期となるため、とくに観光地へのお出かけであれば早めの予約が必要です。

旅館の玄関

まとめ

2025年のお盆休みは8月13日(水)〜16日(土)で、日曜日も含めると5連休となります。11日の山の日が祝日であるため、12日に有給を取ることで9連休にもできます。

伝統行事としてのお盆の期間は、地域によって異なる場合があります。お盆を新暦基準(新盆)で執り行う地域では、7月13日(日)~16日(水)までがお盆期間です。旧暦のお盆が風習として残る地域では、9月4日(木)〜6日(土)まで、地域によっては7日(日)まで及びます。一般的な8月のお盆とは1か月ほど前後する可能性があるため、長期休暇を利用する際には注意が必要です。

銀行や市役所、郵便局などのように、カレンダー通りの営業をする施設もあります。ご自身の勤め先の日程と照らし合わせ、希望のお盆休暇が取れるようにしましょう。

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