食の知識

【料理家監修】冷凍肉をおいしく解凍する方法!解凍のコツや解凍時間も解説

一度に使い切れなかった肉を冷凍して保存している方は多いと思います。その冷凍した肉を解凍するときに「お肉をもっとおいしく解凍したい」「正しい解凍の方法を知りたい」と感じる方は多いものです。

実は、解凍のやり方次第で肉の味や食感は大きく変わります。本記事では、冷凍肉をおいしく解凍するための基本的な方法をはじめ、部位別のおすすめの解凍方法、注意点、やりがちなNG行動までまとめています。日々の料理にすぐ役立つ内容なので、ぜひ参考にしてください。

監修者

川久 景子(かわく けいこ)
料理家

食品の企画・メニュー開発を行う他、WEB媒体にレシピ・コラムを掲載。旬の食材を取り入れた、白ごはんに合うお手軽おかず料理が好評。

川久 景子(かわく けいこ) プロフィール写真

冷凍肉の主な解凍方法4パターンとかかる時間の目安

冷凍肉を解凍するには、冷蔵庫・氷水・流水・電子レンジなどいくつかの方法があります。どの方法を選ぶかで、解凍スピード・風味の残り方・手間が変わるため、用途に合わせて使い分けることが大切です。

ここからは、解凍方法ごとに向いている肉の種類や、実際の手順・メリットと注意点を紹介します。

冷蔵庫で解凍:6~24時間以上

冷凍肉のおいしさを損なわず、均一にゆっくり解凍したいときは冷蔵庫、とくにチルドルームでの解凍が適しています。冷蔵庫は温度が低めに保たれているため、肉の細胞が急激に変化せず、余計なドリップ(肉から出る赤い液体)が出にくいのが特徴です。

以下に、冷蔵庫で解凍する方法の具体的な流れと特徴をまとめました。

手順

  1. 肉を保存袋に入れ、チルドルームへ移す
  2. 肉が柔らかくなるまで置く

メリット

  • ドリップが出にくく風味を保ちやすい
  • 雑菌が増えにくく衛生的

デメリット

  • 解凍までに時間がかかる
  • チルドルームのスペースが必要

向いている肉

  • ブロック肉(ロース・ももなど)
  • 鶏肉(もも肉・むね肉・ささみ)

冷蔵庫での解凍は肉のうま味成分が逃げず、最もおいしく解凍できる方法です。ただし、解凍には時間がかかるため、翌日に使う場合は前日の夜から仕込んでおきましょう。

冷蔵庫で解凍

氷水解凍:1~3時間

できるだけ風味を損なわず早めに解凍したいときに便利なのが、氷水解凍です。冷凍肉をパックのまま袋に入れて氷を加えた水に沈めておくだけで、低い温度を保ったまま緩やかに解凍できます。

解凍時間は1~3時間ほどと短く、調理まで2~5時間ほど余裕がある場合に向いています。おいしく解凍するコツは、氷が溶けてきたら追加することと、冷凍肉が浮く場合は重しを置いて全体が氷水に浸かるようにすることです。

以下に氷水解凍の具体的な手順と特徴をまとめています。

手順

  1. 冷凍肉を保存袋に入れる
    ※パックのまま冷凍した場合にはそのまま袋に入れてもOK
  2. 水を張ったボウルに肉を保存袋(パック)に入れたまま浸す
  3. たっぷりの氷を入れて放置する
    ※氷が溶けてきたら氷を追加し、肉が浮く場合は重しを置く

メリット

  • 冷蔵庫で解凍するよりも早い
  • 氷水で低い温度を保てるため、常温よりもドリップが出にくい

デメリット

  • ボウルや氷水など準備するものが多い
  • こまめに氷の追加が必要
  • 重しを置くなどの手間がかかる場合がある

向いている肉

  • 薄切り肉や細切れ肉(豚バラ薄切り・牛細切れなど)
  • ひき肉(分量が多すぎないもの)
  • ハンバーグのタネ(生の状態)

氷水解凍は肉が少量の場合におすすめの方法です。肉の量や解凍時間を考慮し、調理のタイミングに合わせて取り入れましょう。

氷水解凍

流水解凍:20分~1時間

今すぐ調理を始めたい場合や少量の肉を解凍したい場合に便利なのが、流水解凍です。氷水解凍よりも短時間で解凍できるため、1時間以内に調理を始められるのが特徴です。

水を流し続けることで水の温度を一定に保ちながら解凍するため、比較的早く肉を解凍できます。

以下に流水解凍の具体的な手順と特徴をまとめています。

手順

  1. 冷凍肉を保存袋に入れる
    ※パックのまま冷凍した場合にはそのまま袋に入れてもOK
  2. 肉を保存袋のままボウルに入れ、冷水を流し続ける

メリット

  • 氷水解凍よりも時間が短い
  • 均一に解凍しやすい

デメリット

  • 衛生面で気になる人には不向き(密閉が必須)
  • 部分的に温度のムラができる可能性がある

向いている肉

  • 薄切り肉や細切れ肉(少量)
  • ハムやソーセージ(袋を二重にできるもの)
  • 冷凍ハンバーグ(流水解凍ができるもの)

流水解凍は冷蔵庫解凍や氷水解凍に比べ短時間で解凍できる一方で、味や食感の劣化が起きやすいです。また、解凍のムラができやすいため、小分けの肉や200~300g程度の量を解凍したいときに向いています。

流水解凍

電子レンジで解凍:どうしても時間がない場合

加熱にムラができやすいためおすすめはしませんが、「どうしても今すぐに解凍したい」場合は、最終手段として電子レンジで解凍する方法もあります。

冷凍庫から取り出したカチカチの状態の肉を短時間で解凍できるため、すぐに調理を始めたいときに便利です。

以下に、電子レンジで解凍する場合の具体的な流れや特徴をまとめました。

手順

  1. 耐熱皿にクッキングペーパーを敷き、その上に冷凍肉を載せる
  2. 100~200W、または解凍モードで裏表それぞれ1分ずつ加熱する
  3. 加熱が不十分な場合は、10秒ずつ様子を見て追加で加熱する

メリット

  • 数分~10分程度で解凍できる
  • 解凍後すぐに調理工程へ移れる

デメリット

  • 解凍のムラができやすい
  • 解凍できた部分と未解凍の部分で火の通りに差が出やすい
  • ドリップが出やすく、臭みやパサつきの原因になる

向いている肉

  • 半解凍した薄切り肉(豚こま、牛薄切りなど)
  • 軽く解凍したひき肉
  • 焼き鳥やハンバーグなど加熱済みのもの

電子レンジを使うときは、途中で肉の向きを変える・ドリップが出たら拭き取るなど、こまめな調整が必要になります。また、解凍にムラができやすく、味も劣化しやすいため、電子レンジでの解凍は急ぎの場面だけにとどめ、状況に応じて他の解凍方法と使い分けるようにしましょう。

電子レンジで解凍

冷凍肉をおいしく解凍するコツ

冷凍した肉は、解凍の仕方によって味や食感が大きく変わります。おいしく仕上げるために意識したいポイントを、3つに絞ってご紹介します。

以下で、具体的なコツを見ていきましょう。

できるだけ時間をかけて低温解凍する

冷凍肉をおいしく解凍するためには、できるだけ時間をかけて低温でゆっくりと解凍することが大切です。肉の水分は冷凍時に氷の結晶へと変わっているため、急激に解凍すると細胞を壊し、解凍時にドリップとしてうま味が流れ出てしまいます。

一方、低温で時間をかけてじっくりと解凍すると、氷の粒が急に溶けず、水分が元の場所に戻りやすくなります。これによってドリップの流出を抑えられ、うま味を逃さずしっとりした食感に仕上がります。

低温解凍

ドリップを出さないようにする

前述のとおり、解凍時に流れ出るドリップにはうま味成分も含まれており、失われると風味が落ちるほか、パサつきにつながることがあります。そのため、冷凍肉をおいしく仕上げるには、できるだけドリップを出さずに解凍するのが基本です。

それでもドリップが出てしまうことはありますが、そのままふき取らずに調理すると、水分が邪魔をして焼きムラが出たり、臭みの原因になったりします。以下のポイントを参考に、調理前にキッチンペーパーでドリップをやさしくふき取りましょう。

【ドリップをふき取るポイント】

  • 解凍後、肉の表面に出たドリップを新しいキッチンペーパーで軽く押さえて拭き取る
  • キッチンペーパーはこすらず、やさしくスタンプを押すように水分だけ取る
  • 肉の表面がべたつく場合は、ペーパーを替えて同じように軽く押さえる

ドリップ対策は、解凍時だけでなく冷凍する段階でも重要です。冷凍する段階でもちょっとした工夫をしておくと、解凍時のドリップを減らすことができます。

冷凍時に意識するポイントは、以下の3つです。

【冷凍時のポイント】

  • 金属トレーに置いたまま肉を冷凍する
  • 薄く平らな状態にして冷凍する
  • 冷凍庫の急冷モードを使う

解凍時とは逆に、急速冷凍した肉は氷の結晶が細かくなり、ドリップが出にくくなります。おいしく仕上げるためには、解凍の工夫だけでなく、冷凍するときのひと手間も大切にしましょう。

厚切り肉は解凍後、焼く直前に外と中心の温度を均一に近づける

肉に冷たいまま火を入れると、肉の外だけが先に加熱され、中心が生のまま残ることがあります。そのため、厚切りの冷凍肉を加熱調理する場合には、調理前に10~30分ほど常温に置くと、全体の温度が均一に近づき、火通りが安定します。

なお、これは放置解凍とは異なり、肉の温度を均一に近づけるための作業で、冷蔵庫や氷水・流水などで解凍が終わった後に行う行為です。常温のまま長時間放置したり、温度の伝わりやすいひき肉や薄切り肉を常温で置いておいたりすると、衛生面の危険がありますので、注意してください。

肉の部位・形状別のベストな解凍方法

肉は、特徴に合った解凍方法を選ぶことで、よりおいしく仕上がります。そのためには、ドリップをできるだけ出さず、低温でゆっくり解凍することが基本です。

ただし、部位や形状によって適した解凍方法は異なります。ここからは、それぞれの種類に合った最適な解凍方法を紹介します。

薄切りの肉・ひき肉

薄切りの肉・ひき肉

薄切り肉やひき肉は厚みがない分、熱が均一に伝わりやすく、状況に合わせて解凍方法を選べるのが特徴です。

以下のように、肉の種類によって向いている解凍方法が少しずつ異なるため、それぞれの特徴に合わせて使い分けましょう。

種類 おすすめの解凍方法
薄切り肉
  • 氷水解凍
  • 流水解凍
ひき肉
  • 流水解凍

氷水や流水を使いたくない場合は、アルミ製のフライパンや鍋ではさむ方法でも解凍できます。フライパン(または鍋)を裏返して底に肉を置き、その上に30℃程度のぬるま湯を入れたフライパン(鍋)をそっと重ねると、熱を伝えやすいアルミの性質を活かして短時間で解凍できます。

どの解凍方法を選ぶかで火の入り方や仕上がりが変わるため、調理内容や調理までの時間に合わせて調整してみてください。

ブロック肉

ブロック肉

ブロック肉(塊の肉)は中心まで温度が届きにくいため、ゆっくりと時間をかけて解凍するのがおすすめです。

ブロック肉のおすすめの解凍方法は、以下のとおりです。

種類 おすすめの解凍方法
ブロック肉
  • 冷蔵庫解凍
  • 氷水解凍

ブロック肉は、冷蔵庫でゆっくり解凍することで、うま味を保ちやすいです。短時間で解凍したい場合には、氷水解凍もおすすめです。低温を保ちつつ比較的短時間で解凍できるため、ドリップが出にくいのが特長です。

前日に準備できるときは冷蔵庫解凍を、当日中に調理したいときは氷水解凍を選ぶなど、状況に応じて解凍方法を使い分けるのがおすすめです。

鶏肉

鶏肉

鶏肉は部位ごとに厚みや性質が違うため、解凍のコツも異なります。安全面の配慮も欠かせないため、それぞれの特徴に合わせた扱い方を意識すると安心です。

部位別の解凍方法は、以下のとおりです。

種類 おすすめの解凍方法
むね肉・ささみ
  • 氷水解凍
もも肉・レバー
  • 冷蔵庫解凍

むね肉やささみはうま味を逃がさず短時間で解凍できる氷水解凍が向いています。一方、もも肉やレバーは細菌増殖を抑えるため、時間をかけて冷蔵庫で解凍する方法が適しています。

鶏肉はカンピロバクター等の食中毒のリスクがある[1]ため、部位に合わせた方法で丁寧に解凍しましょう。

ハンバーグ

ハンバーグ

冷凍ハンバーグは、タネのまま冷凍したか、焼いてから冷凍したかによって、適した解凍方法が異なります

ハンバーグの状態に合わせ、以下のように解凍方法を使い分けてください。

種類 おすすめの解凍方法
タネの状態
  • 冷蔵庫解凍
  • 氷水解凍
  • 流水解凍
焼いた状態
  • 凍ったまま少量の水を入れたフライパンで蒸し焼き

状態ごとの解凍方法を知っておくと、調理の手間を減らしつつおいしく仕上がります。

ソーセージ・ハム

ソーセージ・ハム

ソーセージやハムは、味の品質を保つため、冷蔵庫でゆっくり解凍するのが基本です。

以下のように、種類に合わせて解凍方法を選んでください。

種類 おすすめの解凍方法
ソーセージ
  • 冷蔵庫解凍
  • 流水解凍
ハム
  • 冷蔵庫解凍

ソーセージを冷蔵庫や流水で解凍する際は、袋が破れたときの水の侵入を防ぐため、袋を二重にしておきましょう。また、ハムを冷凍する場合は、乾燥や酸化を防ぐために、しっかり密閉してから冷凍するのがおすすめです。

ハムは半解凍の状態だと一枚ずつはがしにくいため、しっかりと解凍してから調理しましょう。

焼き鳥

焼き鳥

焼き鳥は串に刺さった状態のまま冷凍されていることが多く、部位によって厚みが異なるため、均一に解凍するには少し工夫が必要です。

おすすめの解凍方法は、以下のとおりです。

種類 おすすめの解凍方法
焼き鳥
  • 冷蔵庫解凍
  • 電子レンジ解凍

冷蔵庫でじっくり解凍すると、焼き鳥がふっくらと仕上がります。時間がないときは電子レンジ解凍でも問題ありませんが、途中で串の向きや上下を変えて、加熱ムラがでないようにするのがポイントです。

無理に急がず、状況に応じた方法を使うことで、焼き鳥の風味を損なわずに仕上げることができます。

冷凍肉を解凍する際の注意点・やりがちなNG行為

肉を解凍するときは、単に温度を上げれば良いわけではありません。仕上がりや衛生面に影響する落とし穴がいくつかあるため、注意点を整理しておきましょう。

冷凍肉は常温で解凍しない

常温で放置すると早く柔らかくなるように見えますが、実際には表面だけが先に温まり、内部との温度差が大きくなります。その結果、うま味を含む水分(ドリップ)が流れ出やすくなります。

また、常温は細菌が増えやすい温度帯で、食の安全・衛生面も考慮すると、常温解凍は避けるべきです。

時間がない場合は、氷水解凍と電子レンジを併用する方法が便利です。まず、氷水に15~20分ほど浸して肉の表面を軽く解凍し、キッチンペーパーで水気を拭き取ります。その後、電子レンジの解凍モードまたは100~200Wで片面30秒~1分ずつ、ひっくり返して両面を加熱します。

肉はできるだけ薄く、小さくしておくと、熱が伝わりやすくなります。あらかじめ表面を軽く解凍してから電子レンジを使用することで、加熱ムラを防げます。

冷凍肉は常温で解凍しない

解凍した肉は再冷凍せず使い切る

解凍した肉を再び冷凍すると、細胞が繰り返しダメージを受け、ドリップが増えて風味や食感が落ちてしまいます。解凍する際はその日に使う分だけにし、1回で使い切るようにしましょう。

また、冷凍する前に小分けにしておくことも、冷凍した肉をおいしく食べるコツです。必要な量だけ取り出せるようにしておくことで、調理の無駄が減り、品質も安定します。

冷凍肉の解凍に関するよくある質問

冷凍肉は解凍の仕方次第で食感やおいしさが大きく変わります。よく寄せられる質問を参考に、押さえておきたいポイントを紹介します。

解凍した肉はいつまでに食べる?

解凍した肉は、その日のうちに調理して食べ切るのが基本です。調理後であれば冷蔵庫で2日ほど保存できますが、風味や食感が落ちやすいため長期保存には向きません。冷凍肉は使う分だけ解凍しましょう。

解凍した肉を再冷凍しても良い?

再冷凍は基本的に避けるべきです。細胞がさらに壊れてドリップが増え、風味や食感が損なわれる原因になります。また、細菌が増殖しやすくなるため、安全のためにも再冷凍は控えましょう。

まとめ

冷凍した肉は、解凍方法によって仕上がりに大きな差が出ます。冷蔵庫や氷水、流水など、手間や調理までの時間に合わせたやり方を覚えておくと、冷凍してストックしておいた肉もおいしく食卓に並べられます。

できるだけ負担のない形で取り入れながら、普段の料理の質を高めていきましょう。

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くらひろ編集部
東京電力エナジーパートナー株式会社

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