
【料理家監修】冬が旬の魚介類一覧表!見分け方やレシピも紹介
この記事では、冬に旬を迎える魚介類や新鮮でおいしい個体の選び方、家庭で簡単に楽しめるレシピをご紹介します。今年の冬は、おいしくて体にもうれしい旬の魚を楽しんでみませんか?
監修者
- 川久 景子(かわく けいこ)
- 料理家
食品の企画・メニュー開発を行う他、WEB媒体にレシピ・コラムを掲載。旬の食材を取り入れた、白ごはんに合うお手軽おかず料理が好評。

目次 [CLOSE]
冬が旬の魚一覧
冬に旬を迎える魚は、脂がのってうま味が凝縮され、格別な味わいになります。ここでは、寒い季節にぜひ食べてほしい、代表的な魚たちをご紹介します。
ブリ(鰤):12~2月
12~2月に旬を迎えるブリは、成長するにつれて呼び名が変わる出世魚として有名です。80cm以上に成長した個体を「ブリ」と呼び、40~60cmの個体は「イナダ」や「ハマチ」、60~80cmの個体は「ワラサ」や「メジロ」と呼ばれます。
とくに、冬に獲れるブリは「寒ブリ」と呼ばれ、たっぷりと脂がのって身が引き締まっています。刺身はもちろん、照り焼きやぶり大根など、さまざまな料理で楽しめます。
クロマグロ(鮪):12~2月
マグロは種類が多く、一年を通して流通しています。なかでもクロマグロは「海のダイヤモンド」とも呼ばれ、冬に旬を迎える高級魚として知られています。冬のクロマグロは身が引き締まり、脂がしっかりとのって格別なおいしさです。
赤身のさっぱりとした味わいから、大トロのとろけるような食感まで、部位によって異なる風味を楽しめるのが魅力です。
タラ(鱈):12~2月
タラは、身が柔らかく淡白な味わいが特徴の白身魚です。クセがないので、どんな料理にも使いやすいのが魅力です。
身はもちろん、タラの白子も冬の味覚として人気があります。とろりとした食感と濃厚なうま味は、ポン酢や天ぷらなどで楽しむことができます。
サワラ(鰆):12~2月
「鰆(サワラ)」という漢字には「春」という字が含まれているため、春が旬の魚として広く認知されています。しかし、実際は地域によって旬の季節が異なります。サワラは関東では12~2月、関西では3~5月に旬を迎える魚で、獲れる季節によって異なる味わいを楽しめるのが特徴です。
冬に旬を迎えるサワラは「寒鰆(かんさわら)」と呼ばれ、脂がのっていて濃厚なうま味が特徴です。塩焼きや照り焼きにすると、その脂のりが存分に楽しめます。
ヒラメ(鮃):12~2月
ヒラメは一年を通して市場に出回っている魚ですが、旬の時期は12~2月です。この時期に獲れるヒラメは「寒ビラメ」と呼ばれ、身が引き締まって脂がたっぷりとのっていることが特徴です。同じ白身魚であるカレイと似た見た目ですが、漁獲量が少なく、カレイよりも高級魚とされています。
淡泊ながらも上品なうま味があり、とくにエンガワと呼ばれる部分は、コリコリとした食感と濃厚な脂が楽しめます。
アンコウ(鮟鱇):12~2月
独特な見た目をしているアンコウは、見た目に反して上品で淡白な白身が特徴です。アンコウの身と野菜を煮込んだあんこう鍋は、冬の代表的な料理です。
アンコウの肝(あん肝)は「海のフォアグラ」とも呼ばれ、濃厚でとろけるような食感から珍重されています。とくに、冬は産卵を控えて肝が肥大し、濃厚なうま味が増します。
魚以外も!冬が旬の海産物一覧
冬においしいのは魚だけではありません。カニやカキ、貝類など、この時期に旬を迎える海産物もたくさんあります。ここでは、冬にぜひ味わってほしい、海の幸をご紹介します。
カニ(蟹):11~3月
冬の味覚の王様といえば、やはりカニです。タラバガニ、ズワイガニ、毛ガニなど、種類が豊富で、それぞれ異なる味や食感が楽しめます。
身が詰まって濃厚なタラバガニ、繊細で甘みのあるズワイガニ、そして濃厚なカニみそが絶品の毛ガニ。蒸したり焼いたり、鍋にしたりと、様々な調理法で味わうことができます。
カキ(牡蠣):11~3月
「海のミルク」とも呼ばれるカキは、栄養が豊富なことで知られています。冬は身が大きく育ち、より濃厚なうま味が増す時期です。
生ガキとしてレモンを絞って食べたり、カキフライやカキ鍋にしたりと、海の恵みを存分に堪能できます。
ホッキ貝(北寄貝):12~3月
ホッキ貝は、強いうま味と歯ごたえが特徴で、とくに身が引き締まる冬に旬を迎えます。火を通すと鮮やかな赤色に変わるため、見た目にも美しい食材です。
刺身やお寿司のネタとして定番の食材ですが、バター焼きや炊き込みご飯にしてもおいしくいただけます。
ホタテ貝(帆立貝):12~3月
ホタテ貝は産地や種類によって旬の時期が異なりますが、一般的には夏と冬の2回旬を迎えるといわれています。とくに、冬は産卵前で栄養を蓄えており、貝柱が大きく甘みが増しておいしくなります。
刺身で甘みと食感を味わうこともでき、バター焼きやフライ、グラタンなど、どんな料理にしてもおいしい万能な食材です。
アカガイ(赤貝):12~3月
身に厚みがあり、独特の歯ごたえとコリコリした食感が特徴のアカガイ。磯の香りと上品な甘みが口いっぱいに広がります。
かつては東京湾でも多く獲れましたが、現在は宮城県の閖上(ゆりあげ)産が、高品質なブランド品として知られています。
ヤリイカ:1~3月
ヤリイカは、地域によって差はありますが、1月から6月頃にかけて産卵期を迎えます。冬から春にかけては産卵に備えて栄養を蓄えるため、身が肉厚でやわらかく、甘みが増しておいしくなります。
刺身や寿司にすると、その繊細な甘みと食感が際立ちます。また、煮物や揚げ物、炒め物など、幅広い料理で活躍する万能な食材です。
冬が旬のおいしい魚介類の見分け方
せっかく冬が旬の魚介類を食べるのであれば、新鮮でおいしい個体を選びたいですよね。ここでは、魚介類ごとにおいしい個体の見分け方を紹介します。魚屋さんやスーパーで魚介類を購入するときの参考にしてください。
魚 | 見分け方 |
---|---|
ブリ |
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マグロ |
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タラ |
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サワラ |
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ヒラメ |
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アンコウ |
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カニ |
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カキ |
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ホッキ貝 |
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ホタテ貝 |
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アカガイ |
|
ヤリイカ |
|
冬が旬の魚介類のおすすめレシピ
購入した魚介類を自宅でおいしく食べるためのおすすめレシピを紹介します。普段食べている魚介類も、少しの工夫でいつもと違った味わいになるでしょう。
ブリのカレー粉焼き
いつものブリの照り焼きとは一味違う、香ばしい風味が楽しめる一品です。カレー粉とマヨネーズを混ぜたタレで焼くことで、食欲をそそる香りと味わいに仕上がります。バターで焼くことでコクが加わり、ご飯によく合うおかずになります。
材料(2人分)
- ブリ:2切れ(160g)
- 塩:小さじ1/3
- カレー粉:小さじ1
- 小麦粉:小さじ1
- サラダ油:小さじ1
- バター:小さじ1
- マヨネーズ:大さじ1
- レモン:1/4個
作り方
- 下ごしらえをする
ブリは3等分に切って塩をふり、10分ほど置いて水気を拭き取る。レモンはくし形に切る。 - 味付けする
下ごしらえしたブリに、カレー粉と小麦粉をまぶす。 - 焼く
フライパンにサラダ油とバターを入れて火にかけ、バターが溶けたらブリを加え、両面を3分ずつ目安にこんがり焼く。 - 仕上げる
焼きあがったブリを器に盛り、マヨネーズとレモンを添えて完成。
ブリと大根のコチュジャン炒め
冬が旬のブリと大根を、コチュジャンでピリッと辛く炒めた、ご飯が進む一品です。ブリのうま味と大根の甘みがコチュジャンのコクと絡み合い、食欲をそそります。手軽に作れるのに、しっかりした味わいで、食卓のメインディッシュにぴったりです。
材料(2人分)
- ブリ:2切れ
- 大根:1/4本
- 塩:少々
- サラダ油:大さじ1/2
- コチュジャン:大さじ1
- しょうゆ:小さじ1
- はちみつ:小さじ1/2
- おろし生姜:1/2かけ
- 水:大さじ1
作り方
- 下ごしらえをする
ブリは一口大に切って塩をふり、10分ほど置いた後に水分を拭き取る。大根はいちょう切りにし、下茹でする。 - 具材を焼く
フライパンにサラダ油を熱し、大根とブリを入れて両面に焼き色がつくまで焼く。 - 調味料で煮絡める
フライパンにコチュジャン・しょうゆ・はちみつ・おろし生姜・水を加え、煮詰めながら全体に絡める。 - 仕上げて盛りつける
味がしっかり絡んだら器に盛りつけて完成。
まぐろとネギの生姜煮
日々の食卓やお弁当にもう一品加えたいときにぴったりの手軽なレシピです。マグロに含まれる栄養素には、肝臓の働きをサポートするものが含まれているので、お酒のおつまみにもおすすめです。
材料(2人分)
- まぐろ:150g
- ねぎ:1/2本(50~75g)
- 生姜:1かけ
- サラダ油:小さじ1
- しょうゆ:大さじ1.5
- みりん:大さじ1
- 酒:大さじ1
作り方
- まぐろを2cm角切りにし、ねぎは3cm幅に、生姜は千切りにする。
- フライパンにねぎを入れて火にかけ、焼き色をつける。
- サラダ油とまぐろを加え、崩さないように返しながら表面の色が変わるまで焼く。
- 3に生姜としょうゆ、みりん、酒を加えて蓋をし、約10分煮込む。
- 器に盛りつけて完成。ねぎに焼き色をつけることで、香ばしく仕上がる。
たらのレンジ蒸しピリ辛生姜ダレ
低カロリーで高たんぱくなたらを使用した、ピリ辛でさっぱりとした一品です。生姜や豆板醤の香りと辛みが体を温かく感じさせるため、寒い季節におすすめの料理です。
材料(2人分)
- たら:2切れ(1切れ100g程度)
- 昆布:1切れ(5cm×5cm程度)
- 酒:大さじ2
- (A)水:大さじ1
- (A)生姜:1かけ
- (A)すりごま:小さじ1
- (A)バルサミコ酢:大さじ1/2
- (A)砂糖:小さじ1/2
- (A)豆板醤:小さじ1/2
- (A)(飾り)白ねぎ:5cm程度
作り方
- 白ねぎを細い千切り(白髪ねぎ)にし、生姜をすりおろす。
- 耐熱容器に昆布を敷き、たらを並べて酒をふりかけ、ラップをかけて500Wの電子レンジで約5分間加熱する。
- 別の耐熱容器にAの材料(生姜、すりごま、バルサミコ酢、砂糖、豆板醤)を入れて混ぜ合わせ、ラップをかけて500Wの電子レンジで約2分間加熱し、タレを作る。
- 2のたらを器に盛り、白髪ねぎをのせ、3のタレをかけたら完成です。
かぶとホタテのマリネ
ビタミンCや食物繊維、カリウムを含むかぶと、鉄分やビタミンB12、タウリンが豊富なホタテ貝を使ったレシピです。作りたてよりも少し時間を置いた方が、味がなじんでおいしくなります。
材料(2人分)
- かぶ:2個(160g)
- ホタテ缶:1缶(70g)
- オリーブオイル:大さじ1
- 酢:大さじ1
- 砂糖:小さじ1/2
- 塩:少々
- 粒マスタード:小さじ1
- ホタテ缶の汁:大さじ1
作り方
- かぶの皮を剥き、薄い半月切りにする。ホタテは身と汁を分け、身をほぐす。
- ボウルにオリーブオイル、酢、砂糖、塩、粒マスタード、ホタテ缶の汁を加えてよく混ぜ合わせる。
- 2のボウルに1で準備したかぶとホタテの身を加えて和える。
- 器に盛りつけて完成。
帆立じゃがバターご飯
ホタテ、じゃがいも、コーンを使用した温かい炊き込みご飯です。炊き上がってからバターを加えることで、風味良くつややかに仕上がります。
材料(2人分)
- 米:1合
- ホタテ缶:1缶(70g)
- じゃがいも:1/2個(75g)
- コーン缶:大さじ2(30g)
- だし汁:130cc
- しょうゆ:大さじ1
- 酒:大さじ1
- バター:大さじ1/2
作り方
- 米を研いで水を切り、ホタテ缶は身と汁に分ける。じゃがいもは皮をむき、1cm角に切る。
- 炊飯器に1の米、だし汁、しょうゆ、酒、ホタテの身と汁(大さじ1.5程度)、じゃがいも、コーンを入れて炊く。
- 炊き上がったらバターを加えて混ぜる。
- 器に盛りつけて完成。
まとめ
冬が旬の魚介類には、ブリやクロマグロ、カニ、カキなどがあります。冬の魚介類は、脂がのって身が引き締まり、うま味が凝縮されているのが特徴です。
旬の食材は、おいしいだけでなく栄養もたっぷりです。ぜひ、冬ならではの味覚を食卓に取り入れてみてください。
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