レーヨンは家で洗濯できる？洗い方や縮んだときの対処法を解説

レーヨンは繊細なイメージがあるので、「自宅で洗濯できる？」「縮んでしまった場合は元に戻せるの？」などと疑問に思う方も多いのではないでしょうか。しかし、レーヨンは「水洗い可」の洗濯表示があれば、実は自宅でも洗うことができます。

今回は、レーヨンを自宅で洗濯する方法と、縮んでしまった場合の対処法について詳しく解説します。レーヨン素材の適切な保管方法についても紹介しますので、参考にしてください。

レーヨンとはどんな素材？自宅で洗濯できる？

レーヨンは高級品であるシルクの代用品として作られた人工繊維で、光沢と柔らかな触り心地が特徴です。洗濯表示に「水洗い可」の記載があれば、レーヨン素材も自宅で洗濯できます。

ここでは、レーヨンの特徴について詳しく解説していきます。

吸水・吸湿性が高く、水に弱い光沢感のある生地

レーヨンは、製紙の原料に使われる木材パルプから作られます。吸湿性が高く、さらっとした着心地のほか、弱酸性による消臭効果のある優れた繊維です。

一方で、生地がデリケートでしわになりやすいほか、乾きにくい、汚れやすいといった短所もあります。そのため、レーヨン素材の衣服を洗濯するには、適切な方法を選ぶことが求められます。

水洗い可のレーヨン素材は自宅で洗濯OK

レーヨン素材は吸水性が高い一方で、水に弱く縮みやすい特徴を持っているため、水洗いはNGとされてきました。レーヨン繊維が水分を吸収して太くなり、生地が縮んでしまうためです。

しかし、近年では、レーヨンを他の素材と混ぜることで、自宅での洗濯も可能になった「ウォッシャブルレーヨン」と呼ばれる素材が普及し始めています。

ただし、レーヨン100％の素材は水洗いできないので、クリーニング店でドライクリーニングを依頼する必要があります。ウォッシャブルレーヨンを水で洗濯する場合でも、濡れている時間が長いと縮みやすいため、手早く洗うよう工夫しましょう。

手洗いでのレーヨンの洗濯方法

洗濯表示で「水洗い可」の記載がある場合は、手洗いするのがおすすめです。手洗いは洗濯機と比べて手間がかかるものの、衣類へのダメージを抑えられます。

レーヨンを手洗いする手順は、以下のとおりです。

1. 洗濯用の水とすすぎ用の水を用意する
2. 洗濯用の水で押し洗いする
3. 泡が出なくなるまですすぐ
4. 形を整えて日陰に干す
5. アイロンをかける

それぞれの手順について、詳しく解説します。

洗濯用の水とすすぎ用の水を用意する

手洗い前の準備として、洗面器を2つ用意し、両方に30℃以下の水、もしくはお湯を入れましょう。片方の洗面器は洗濯用として使うため、中性洗剤を溶かしておきます。もう片方の洗面器は、洗濯後のすすぎ用として使います。

なお、2つの洗面器を用意する理由は、手洗いを短時間で済ませるためです。前述のように、レーヨンは水に弱い素材で、衣類へのダメージを抑えるには、衣類が濡れている時間を少しでも短くするのがポイントです。

そのため、洗い終わったらすぐにすすぎができるように、手洗いを始める前に「洗濯用の水」と「すすぎ用の水」の2つを用意しておきましょう。

洗濯用の水で押し洗いする

中性洗剤を溶かした洗濯用の洗面器にレーヨンの衣類を入れ、1分程度押し洗いします。もみ洗いや、すり洗いは繊維を傷めるので避けましょう。

泡が出なくなるまですすぐ

押し洗いが終わったら、すぐに用意していた水ですすいでください。

洗い終わった衣類をすすぎ用の洗面器に移し、泡が出なくなるまですすぎます。すすいだ後は、乾いたバスタオルで衣類を挟み、生地を傷めないようにすぐに水分を取ります。

形を整えて日陰に干す

一般的な衣類を洗濯機で洗ったときと同様に、小さなしわを伸ばしてから、日陰で平干しします。

平干しとは、平らな場所で衣類を広げた状態で干す方法です。ハンガーを使ったつり干しは、服が水の重みで伸びてしまうおそれがあるので注意が必要です。

アイロンをかける

洗濯表示を確認してから、スチームを使わずに低温か中温でアイロンをかけます。レーヨン特有の光沢を保つために、薄い色のあて布を使用しましょう。

洗濯機を使ったレーヨンの洗濯方法

「ウォッシャブルレーヨン」の商品は、他の素材と同じく洗濯機で洗えます。手順は、以下のとおりです。

1. 洗濯絵表示を確認する
2. おしゃれ着用の中性洗剤を用意する
3. 洗濯ネットに入れ、やさしく洗うモードを選ぶ
4. 脱水をすぐに止め、形を整えて日陰に干す
5. 乾ききらない、しわが取れないときはアイロンをかける

ウォッシャブルレーヨンの表記がない場合は、「水洗い可」の表記があっても縮んだりしわになったりするリスクがあります。生地を傷めないためにも、レーヨン素材はできるだけ手洗いするのがおすすめです。

ここでは、洗濯機を使ってレーヨンを洗濯する方法を紹介します。

洗濯絵表示を確認する

まずは、洗濯機で洗える生地であるか、確認しましょう。

生地についている洗濯絵表示が、水洗い可能、もしくは手洗い限定ではないことを確認します。洗濯桶のマークの中に「30」と書かれた「30℃限度洗濯機『弱』」の表示があるものは洗濯機でも洗えます。

おしゃれ着用の中性洗剤を用意する

レーヨンを洗濯機で洗うときは、おしゃれ着用の中性洗剤を使いましょう。おしゃれ着用の洗剤は、洗浄力は弱めであるものの、衣類へのダメージを抑えられます。

他の衣類への色移りが心配な場合は、洗濯前に一度試してみましょう。薄めた中性洗剤を洗濯するレーヨンの衣類につけ、白い布を当てて数分待ちます。白い布に色が移っていなければ、問題なく洗えるでしょう。

洗濯ネットに入れ、やさしく洗うモードを選ぶ

洗濯機でレーヨンを洗う際は、網目の細かい洗濯ネットを準備します。汚れている箇所が外側になるようにネットに入れ、洗濯しましょう。

洗濯機には、さまざまな機能がありますが、なかでも、ドライ・手洗い・おしゃれ着モードなど、衣類に一番負担の少ない方法を選択するのがおすすめです。

脱水をすぐに止め、形を整えて日陰に干す

長時間の脱水はしわの原因になるため、脱水が始まったら10秒程度で洗濯機から取り出します。脱水が終わったら、乾いたバスタオルで挟み、水分を取ります。

色あせしやすいレーヨンは、日光が当たらないように陰干ししてください。干すときは、小さなしわを手で伸ばして平干しにします。ただし、洗濯絵表示に平干しの指示がなければ、ハンガーにかけてつり干しでも問題ありません。

乾ききらない、しわが取れないときはアイロンをかける

十分に乾いていないときや、しわが気になるときは、洗濯絵表示に従い、スチーム機能は使わずに低温か中温でアイロンをかけます。あて布の使用も忘れないようにしましょう。

水洗い不可のレーヨンはドライクリーニング

洗濯絵表示が水洗い不可、またはレーヨン100％の場合は、クリーニング店に依頼する必要があります。クリーニング店のドライクリーニングは、家庭用洗濯機のドライクリーニングコースと違って水を使わないため、水分に弱いレーヨンの生地を傷めずに洗濯できます。

ただし、ドライクリーニングでは汗などの水溶性の汚れが落ちないため、いずれシミや黄ばみが発生します。衣類へのダメージを抑えたウェットクリーニングや、ドライとウェットのダブルクリーニングを依頼することも検討が必要です。

費用の負担が大きいと感じるときは、季節の変わり目や衣替えの時期など、頻度を抑えて利用すると良いでしょう。

レーヨン素材が縮んでしまったときの対処法

慎重にレーヨンを洗っていた場合でも、縮んでしまう場合もあります。レーヨン素材が縮んでしまった際の対処法は、以下のとおりです。

• ▼低温のスチームアイロンでゆっくり伸ばす
• ▼シリコン配合の洗剤やリンスで洗い直す

ここでは、それぞれの対処法について詳しく紹介します。

低温のスチームアイロンでゆっくり伸ばす

低温に設定したアイロンで、スチームを出しながらゆっくり生地を引っ張るようにしてアイロンがけすると、元に戻せる可能性があります。

ただし、これはあくまでも応急処置であるため、縮まないよう注意して洗濯することが重要です。

シリコン配合の洗剤やリンスで洗い直す

シリコン配合のプロ用洗剤やリンスを使用して、再度洗ってみてください。軽くすすいだ後、濡れた状態でゆっくり引っ張ると、元の状態に戻せる可能性があります。

レーヨン素材をしまうときの保管方法

レーヨン素材は、湿気でも縮む可能性があるため、保管するクローゼットには除湿剤や乾燥剤を置いておきます。衣替えなどで長期間しまうときは、防虫剤も一緒に入れましょう。

木材パルプが原料であるレーヨンは、虫に食われやすい素材です。汚れがついたままだと虫が寄ってきやすくなるため、しっかりと洗い、乾かしてから保管します。クリーニング店でドライクリーニングを利用したときは、袋から出して保管しましょう。

まとめ

独特の光沢と柔らかな触り心地のレーヨンは、「水洗い可」の絵表示があれば自宅で洗濯もできます。洗濯表示を確認してから、100％レーヨンの場合は手洗いしましょう。

水洗い不可の場合は、クリーニング店でドライクリーニングを依頼する必要があります。保管する際は乾燥状態を維持するために乾燥剤や除湿剤を使い、次回着るときまで大切に保存しましょう。