掃除・洗濯

ダウンジャケットの適切な洗い方は?乾かし方や保管方法も解説

冬が終わりだんだんと暖かくなってくると、ダウンジャケットをクローゼットに入れたくなります。1シーズン着たダウンジャケットを片付ける前に、汚れを落としてキレイな状態にしておきたいものです。

しかし、「ダウンジャケットは自宅で洗濯できるの?」と気になる方は多いでしょう。ナイロンやポリエステル、天然素材のものに限られますが、ポイントを押さえれば、ダウンジャケットは自宅でも洗濯が可能です。

この記事では、自宅でダウンジャケットを洗濯する方法や失敗しがちなポイントを解説します。素材や洗濯表示の確認方法、手洗いと洗濯機洗いの違い、そしてふわふわに仕上げるコツまで、順を追って紹介します。ぜひ、今年はクリーニングに出すのではなく、家でダウンジャケットの洗濯にチャレンジしてみましょう。

ダウンジャケットは自宅で洗濯可能

一般的なダウンジャケットやダウンコートであれば、自宅の洗濯機でも洗濯が可能です。ただし、衣類によっては洗濯できないものもあるため、事前に確認しておく必要があります。

洗濯してよいかどうかを確認するには、衣類の内側のタグに記載されている洗濯の表示をチェックしてみましょう。また、タグでは使用されている素材も確認できます。

ここでは、お手持ちのダウンジャケットが自宅で洗えるかどうかの確認方法について、素材と洗濯表示に分けて解説していきます。

ダウンジャケットは自宅で洗濯可能

表示の「素材」をチェックして洗えるか確かめる

ダウンジャケットの素材によって、洗濯してよいかどうかや適切な洗い方が変わるため、まずは素材を確認しておきましょう。洗濯できる素材の場合でも、素材に合わせた洗い方が必要になるため、注意してください。

洗濯できる素材とできない素材は、以下のとおりに分類されます。

洗濯できる素材・できない素材

洗濯できる
  • ナイロン
  • ポリエステル
洗濯できるが注意が必要
  • 綿
  • デニム
  • コットン
  • ウール
洗濯できない
  • レザー
  • シルク

一般的なツルっとした質感のダウンジャケットであれば、ナイロンやポリエステル製がほとんどであり、自宅で洗濯が可能です。一方、レザー製やシルク製のジャケットやコートは洗濯できないため、クリーニングに出しましょう。

綿やデニム、コットンといった天然素材は化学繊維よりも丁寧に扱う必要がありますが、手洗いなどでやさしく洗うことで洗濯も可能です。綿素材は乾きにくいため、水に浸しすぎず、表面の汚れだけを落とすようにするのがポイントです。

ただし、同じ天然素材でも、ウール素材は水洗いをすると縮む可能性があるため、大切な洋服であればクリーニングに出すことをおすすめします。ウール素材のダウンジャケットやコートを自宅で洗いたい場合は、おしゃれ着洗い用の中性洗剤やウール専用洗剤を使用し、こすらずにやさしく洗いましょう。

「洗濯表示」をチェックして洗えるか確かめる

お手持ちのダウンジャケットが洗えるかどうかは、内側のタグに記載されている洗濯表示を見ることで確認できます。大まかに言うと、洗濯表示の図柄があれば洗濯可能で、「×マーク」があるものは洗濯できません。

ダウンジャケットのタグに記載されていることが多い洗濯表示の図柄の意味は、それぞれ以下のとおりです。

家庭での洗濯禁止
このマークがある場合は、家庭で洗濯できません。
家庭での洗濯禁止
手洗いマーク
液温40℃程度までを限度とし、手洗いが可能です。洗濯機は使えません。
手洗いマーク
30℃洗濯マーク(弱弱)
液温30℃を限度とし、非常に弱い洗浄であれば洗濯機で洗えます。
30℃洗濯マーク(弱弱)
30℃洗濯マーク(弱)
液温30℃を限度とし、弱い洗浄であれば洗濯機で洗えます。
30℃洗濯マーク(弱)
30℃洗濯マーク
液温30℃を限度とし、洗濯機で洗えます。
30℃洗濯マーク

液温については、30℃の他に、40℃・50℃・60℃・70℃・95℃の表示があるため、表示内容に合わせて洗浄する水温を調節しましょう。

洗濯前に中性洗剤を準備

ダウンジャケットの洗濯には形崩れや色あせを防ぐためにも、おしゃれ着用の中性洗剤または専用の洗剤がおすすめです。

また、洗濯後ふんわりさせるための柔軟仕上げ剤や前処理用にスポンジや部分汚れ用の石けんも用意しておきましょう。

洗濯前に中性洗剤を準備

「水洗い不可」マークがある場合はクリーニングが良い

内側のタグに「水洗い禁止」マークがある場合は、洗濯機や自宅での手洗いは禁止です。素材へのダメージや形崩れの可能性があるためクリーニングに出しましょう。

特に毛(ウール)、革(レザー)、絹(シルク)などの素材は手洗いが禁止の場合が多くあります。

「水洗い不可」マーク

ダウンジャケットの洗い方|手洗い編

一般的なダウンジャケットは、撥水ナイロンやポリエステル製であり、中にはアヒルやダチョウなど水鳥の羽毛が詰まっています。このようなものであれば、洗濯機での洗濯が可能です。

ただし、洗い方によっては羽毛が偏ってしまうなどのトラブルもあるため、心配な方は手洗いをおすすめします。

ここでは、手洗いする場合の手順を紹介します。ポイントは、形を整えてから洗濯すること、そしてやさしく押し洗いすることです。

①汚れがひどい場合は前処理をする

ポケットや襟、袖口など、汚れが気になる部分があれば先に洗いましょう。

前処理の方法としては、石けんと研磨剤の入っていないスポンジを用意し、水を含ませたスポンジでダウンジャケットを濡らします。汚れがひどい部分は、石けんで直接こすりましょう。襟や袖口は、石けんをつけたスポンジでピンポイントにこすると汚れが落ちやすくなります。

②折りたたんで形を整える

洗う前に、ダウンジャケットの形を整えましょう。このとき、前面やポケットのファスナーは閉め、フードがある場合は取り外しましょう。

ポケットにティッシュなど入っていないかも忘れずにチェックが必要です。そして、折りたたんで形を整えてから洗います。

③中性洗剤または専用洗剤を用意する

洗面台や浴槽、風呂桶に30℃くらいのお湯をはりましょう。そして先ほど用意したおしゃれ着用の中性洗剤またはダウンジャケット専用の洗剤をぬるま湯に入れます。

ぬるま湯の量は、ダウンジャケットが十分に浸かる程度です。ぬるま湯1リットルに対し、小さじ1程度の洗剤を溶かしましょう。

桶などにぬるま湯をはり、洗剤を溶かす

④力を込めずそっと押し洗い

ダウンジャケットは水に浮くため、手で押さえながらそっとぬるま湯をしみ込ませていきます。ここでは、力を込めすぎないことがポイントです。羽毛の偏りの原因となるため、もみ洗いはせず押し洗いします。

洗いすぎは禁物です。押し洗いの回数はダウンジャケットの厚みや生地によっても異なりますが、薄手なら2、3回でOK。厚手のものは20回程度までにとどめておきましょう。

ダウンを入れ押し洗いをする

⑤すすぎと脱水を2セット程度くり返す

押し洗いが終わったら、水を変えて洗剤液を洗い落とします。2〜3回くり返し、水の濁りや泡立ちがなくなれば完了です。柔軟仕上げ剤を利用する場合は、最後のすすぎのときに入れましょう。

脱水は、洗濯ネットに入れて行います。脱水する時間が長いと、羽毛に偏りができてしまうため、1分ごとに停止して羽毛をほぐします。脱水をしすぎると形崩れの原因にもなるため、洗濯機での脱水は2〜3回までにしましょう。

ダウンジャケットの洗い方|洗濯機編

次に、洗濯機で洗う場合の手順を紹介します。ポイントは、浮きやすいダウンジャケットがしっかり水に浸かるよう工夫すること、そして、洗濯機の手洗いモードなどを使用することです。

洗剤はおしゃれ着用の中性洗剤か、ダウンジャケット専用洗剤を使用しましょう。

①軽くたたんで洗濯ネットに入れる

ダウンジャケットは前面やポケットのチャックを閉め、折りたたんで形を整えた状態で洗濯ネットに入れます。

フードやファーがついている場合は外しておきましょう。プリントや装飾があるものは裏返しておくと傷みを防げます。

②洗濯機にぬるま湯をためる

浮きやすいダウンジャケットをしっかり洗うため、先に洗濯機に水をため、洗剤を溶かして洗浄液を作っておくことをおすすめします。30℃程度のぬるま湯を使用することで、より汚れが落ちやすくなります。

なお、洗濯機は電源を入れた状態で、一時停止をすると水をためることができます。洗濯機に水をためたら、ネットに入れたダウンジャケットを手で水中に押し込むようにして洗浄液に沈めます。バスタオルなどでくるむと、水に沈みやすくなります。

洗濯機にぬるま湯をためる

③「手洗い」や「ドライ」のモードを選ぶ

ダウンジャケットを洗う時に気をつけたいのが「おまかせコース」にしないことです。弱水流で洗いたいため、洗濯機の「ドライコース」「手洗いコース」「おしゃれ着コース」などのモードを選びます。脱水が1分であるかも確認しましょう。

手洗いモードで洗濯する

④中性洗剤または専用洗剤を投入し洗濯

手洗いの時と同様、おしゃれ着用の中性洗剤または専用洗剤を用意します。ふんわり仕上げたい方は、柔軟仕上げ剤を入れてみましょう。

ダウンジャケットの乾かし方のコツ!ふわふわに仕上げる方法

洗濯した後、ダウンジャケットをふわふわに仕上げるためには、羽毛の乾かし方がポイントです。以下の点に注意して乾かしましょう。

バスタオルに挟んで水気を取る

手洗い後に手で絞ってしまうと、羽毛の偏りの原因になります。手で絞らず、バスタオルに挟んで水気を取るか、ネットに入れて洗濯機で脱水しましょう。

洗濯機で脱水する場合は合計3分以内で

洗濯機で脱水する場合、羽毛の偏りを防ぐために脱水時間は合計3分以内とし、1分ごとに偏りをなおすことをおすすめします。

脱水後はすぐにほぐす

脱水後に放置してしまうと、羽毛が濡れてくっついたまま固まってしまいます。脱水後はすぐに取り出し、羽毛をほぐしましょう。

風通しのよい場所で2~3日かけて乾かす

撥水性のある素材のダウンジャケットでは、中の羽毛が乾きにくい特性があります。乾燥が不十分だと、ニオイやカビの原因になることもあります。厚みのあるハンガーに掛けて、風通しのよい場所で2〜3日、内側までしっかり乾かしましょう。

なお、ダウンジャケットの乾燥に乾燥機を使える場合もあるため、タグの表示を確認しておきましょう。乾燥機を使う場合は10分ごとに状態を確認しながら、乾燥するまでしっかり乾かすとふわふわにやわらかく仕上がります。

羽毛を広げながら乾かす

直射日光に当たらない場所で乾かす

乾かす際は、直射日光が当たらない場所を選びましょう。ダウンジャケットの素材によっては、直射日光で変色して生地が痛むことがあります。

ダウンジャケットの表面が乾いてきたら、両手でダウンジャケットをパンパンと挟み叩いて羽毛を均一にしましょう。

ダウンジャケットの洗濯でよくある失敗とその対策

ここでは、ダウンジャケットの洗濯でよくあるトラブルと対処法を紹介します。

ぺちゃんこになった

ダウンジャケットがぺちゃんこになる原因は、羽毛が濡れて固まったまま乾燥してしまうことにあります。乾いた状態でほぐそうとすると羽毛が割れてしまうため、一度水に浸すことをおすすめします。

濡れた状態で羽毛をほぐし、脱水後、羽毛の偏りを整えてから乾かしましょう。

シミができた

ダウンジャケットを洗濯したあと、縫い目に水染みができてしまうことがあります。また汚れが落ち切っていない状態では、洗濯した後に縫い目の周辺にシミが残る可能性があります。

このような場合は、再度洗いなおすことをおすすめします。手洗いであらためて全体をよく洗い、洗剤もしっかり流しきるように意識しましょう。

なお、食事のシミなど油汚れがある場合は、食器用洗剤を部分的に使用することでシミを落とせます。

ニオイが残った

乾燥が不十分な場合や乾燥までに時間がかかる場合は、生乾きのニオイが残ってしまうことがあります。この場合も、再度全体を洗いなおしましょう。

ファスナーやボタンなどをすべて開いた状態で乾かすと、乾きやすくなります。また半日〜1日ごとにダウンを裏返すと、内側までしっかり乾かせます。

自然乾燥でダウンジャケットが乾きにくい場合には、乾燥機を使用するのも一つの手です。なお、ダウンジャケットによっては乾燥機の使用が禁止なものもあるため、必ずタグの表示を確認しておきましょう。

コインランドリーを利用する場合、高温で乾燥機にかけると表面に縮みが出ることがあります。乾燥機の温度は低温を選ぶようにしましょう。

ダウンジャケットの保管方法

最後に、ダウンジャケットを家で保管する場合の注意点を紹介します。

風通しのよい場所に置く

ダウンジャケット内部の羽毛に湿気がたまらないように、風通しのよい場所や湿度の低い場所に保管しましょう。ダウンを着用した後は、湿気を逃がすためにも乾燥した場所での保管がおすすめです。

厚みのあるハンガーで形崩れを防ぐ

ダウンジャケットのふんわり感を長く保ちたい場合は、厚みのあるハンガーで保管するようにしましょう。厚みのあるハンガーで吊すことで、形崩れを防げます。

厚みのあるハンガーで形崩れを防ぐ

着用後は表面をブラッシングする

ダウンジャケットをきれいに着続けるためにも、着用後は表面をブラッシングしてほこりを取っておきましょう。汚れがある場合は、濡れたタオルで拭いてからしっかり乾かします。汚れを放置せずに取り除いてから保管することが大切です。

まとめ

ダウンジャケットは内側のタグに洗濯マークがあれば、自宅で洗えます。一般的なナイロンやポリエステル製のダウンであれば、洗濯機で洗っても問題ありません。

ふわふわな仕上がりにしたい方は、柔軟仕上げ剤を利用したり脱水後の羽毛のケアに注意したりしてみましょう。

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