夜のエアコンはつけっぱなしが正解?電気代や快適な設定を解説
「エアコンをつけっぱなしにしたら電気代が高そう」「電気代が気になってつけっぱなしで眠れない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、エアコンを夜につけっぱなしにするメリットや平均的な電気代、快適な温度設定についてご紹介します。
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夜はエアコンつけっぱなしで寝ていいの?
エアコンをつけっぱなしにして寝るのがおすすめできるかどうかは、季節によって異なります。寝るときにエアコンをつけっぱなしにすれば、電気代は少なからずかかります。しかし、メリットが大きい場合にはつけっぱなしがおすすめです。
まずは、夏の冷房と冬の暖房について、つけっぱなしにして寝るのがおすすめできるかどうかについて解説します。
【冷房】夏の夜はつけっぱなしがおすすめ
夏の夜は、適切に使用すれば冷房をつけっぱなしで寝ても問題ありません。就寝中、室温が高いと、眠りにつきにくくなったり途中で目が覚めたりします。そのような場合には、冷房をつけっぱなしにすることで、快適な睡眠環境を整えられます。
さらに、夜の外気温は昼間ほど高くないため、電気代も昼間ほどはかからない傾向にあります。
【暖房】冬の夜はつけっぱなしにする必要性が低い
冬の夜はエアコンを消して寝て、起床前にタイマーでつけるのが良いでしょう。
一般的に暖房は冷房に比べて消費電力が大きく、電気代も高い傾向です。寝るときは暖房を消して寝具で体を温めることで、電気代を抑えられます。
なお、起床時は部屋が暖かい方が良い[1]ため、起床時間に合わせて暖房がオンになるようにタイマーを設定しておくのがおすすめです。
エアコンをつけっぱなしにするメリット
夜にエアコンをつけっぱなしにすると、電気代は少なからずかかります。しかし、それを上回るメリットがあるのであれば、つけっぱなしにすることも選択肢に入るのではないでしょうか。
ここからは、就寝時にエアコンをつけっぱなしにするメリットについてご紹介します。
快適な夜を過ごせる
快適な睡眠環境を作るためには、温度管理が重要です。夏の熱帯夜や冬の寒い時期でも、エアコンを使用することで部屋の温度を安定させて、快適な睡眠環境を維持できます。
人は体温を下げることで眠りが深くなりますが、部屋の温度が高いとうまく体温が下がらず、眠りが浅くなりがちです。そのため、夏場、暑くて眠れない夜は、エアコンをつけっぱなしにして、快適な睡眠環境を作りましょう。
なお、冬場は寝具で暖かくできていれば、室温が低くてもあまり問題はありません[2]。寒くて眠れない夜は、暖房をつけて就寝時の環境を整え、眠れそうになったら消すのがおすすめです。
【冷房のみ】昼よりも夜の方が電気代はかかりにくい
エアコンを長時間稼働させるときに気になるのが電気代ですが、夜間の冷房の電力消費量は昼間と比べて少ない傾向にあります。これは、夏の夜は外気温が下がるため、外気温と設定温度の差が小さくなり、少ない電力で室温を維持できるようになるためです。
逆に冬の暖房は、昼間よりも夜のほうが電気代は高くなる傾向にあります。冬の夜も外気温は下がりますが、その結果、外気温と設定温度の差は昼間よりも大きくなります。すると、エアコンは室温を維持するために昼間よりもより多くの電力を消費することになり、電気代は高くなりやすいです。
しかし、健康のことを考えると、寒くて眠れない夜に電気代を気にして無理に暖房を我慢することも推奨できません。後述する「▼快適な夜のエアコン設定」を参考に、適切な利用を心掛けてください。
夜にエアコンをつけっぱなしにしたときの電気代は?
エアコンの電気代は、以下の計算式で算出できます。
上記をもとに、エアコンを8時間つけっぱなしにした際の電気代を計算してみましょう。なお、電気料金は2024年10月時点での目安単価、31円/kWh(税込)を基準として計算します[3]。
【冷房】8時間の電気代:30円~260円程度
8畳用エアコンの冷房時の消費電力は、最小出力時が125W程度、最大出力時が1,050W程度です(※)。
このエアコンを8時間つけっぱなしにした際の電気代は、以下のとおりです。
- 最小出力時:0.125kW × 8時間 × 31円/kWh = 31.0円
- 最大出力時:1.050kW × 8時間 × 31円/kWh = 260.4円
エアコンの電気代は外気温や部屋の断熱性など、使用環境によって大きく変動しますが、8時間使用時の目安としては、30円~260円程度になると考えることができます。
なお、エアコンはスイッチを入れた直後はフルパワーで運転しますが、室温が設定温度に近づくと必要最低限の出力で運転するように設計されています。また、前述のとおり夏の夜は昼間よりも涼しく、出力も控えめで済みます。
そのため、夏の夜の冷房のつけっぱなしは、電気代を比較的抑えられる傾向にあります。
※ダイキン S253ATES-Wを参照
【暖房】8時間の電気代:30円~320円程度
8畳用のエアコンの暖房時の消費電力は、最小出力時が130W程度、最大出力時が1,290W程度です(※)。
このエアコンを8時間つけっぱなしにした場合の電気代は、以下のようになります。
- 最小出力時:0.130kW × 8時間 × 31円/kWh = 32.2円
- 最大出力時:1.290kW × 8時間 × 31円/kWh = 319.9円
暖房時の電気代も、外気温や部屋の断熱性などの使用環境によって大きく変動しますが、8時間使用時の目安としては、30円~320円程度になると考えることができます。
一般的に、冬は夏に比べてエアコンの設定温度と外気温の差が大きく開きます。冬の夜は冷え込むため、その差はさらに大きくなるでしょう。
そのため、冬の夜にエアコンをつけっぱなしにしていると、夏の夜と比べて大きめの出力で運転している時間帯が長く、電気代は比較的多くかかる傾向にあります。
※ダイキン S253ATES-Wを参照
快適な夜のエアコン設定
夜間にエアコンを長時間つけっぱなしにする際は、適切な設定を行わないと、体調を崩したり電気代が高くなったりすることがあります。
ここでは、快適な夜のエアコン設定について解説します。
【冷房】設定温度は25~28℃、風向きは上向き
夏の夜の冷房は、室温が25℃~28℃になるように設定するのがおすすめです。部屋の室温は必ずしもエアコンの設定温度どおりになるとは限らないため、設定温度は25℃~28℃を目安に室温を見て調整してください。
雨の夜や梅雨の夜などは湿度が高く、この設定温度でも寝苦しさを感じる場合があります。その場合には、部屋の湿度が50%~60%に収まるようにエアコンの除湿機能を使用すると良いでしょう。
冷たい空気は床側に溜まる性質があるため、冷房時は風向きを上に設定します。冷房時に風向きを上に設定すると、冷たい空気が天井に向かって吹き出され、部屋全体に空気循環が生まれることで部屋が均一に冷やされます。
就寝中に関しては、直接冷気を浴び続けて体調を崩すリスクも減らせるでしょう。
【暖房】設定温度は18~22℃、風向きは下方向
冬の夜に暖房をつけて寝たい場合には、室温20℃を目安に設定温度は18~22℃にすると良いでしょう。
ただし、エアコンを一晩中つけていると、室温が上がり過ぎたり空気が乾燥したりするおそれがあるため、可能であればタイマーを使って自動でオフになる設定にするのがおすすめです。暖房停止後に肌寒さを感じて目が覚めるのを防ぐためには、2~3時間後にオフになるよう設定するのが良いでしょう。
起床時刻の1時間前に自動でオンになるタイマーを設定するのもおすすめです。起床前に室温が上がっているとすっきりと目覚めやすく、布団からも出やすくなります。
また、暖かい空気は天井側に溜まるので、暖房時は風向きを下に設定してください。風向きを下に設定することで、暖かい空気が床に向かって吹き出され、空気循環によって効率的に部屋を暖められます。
なお、エアコンの風が直接体に当たる場合や、部屋の空気が十分に循環しないときは、季節問わずサーキュレーターを併用するのがおすすめです。エアコンの風を効果的に拡散し、部屋全体の温度を均一に保てます。
湿度が高い日は「除湿」機能を活用
湿度が高い日は、エアコンの除湿機能を活用しましょう。除湿モードには種類があり、適切な使い分けが必要です。
例えば、「再熱除湿機能」は部屋の温度を変化させることなく室内を除湿できます。それほど暑くない梅雨の時期など、室温を下げずに湿度を下げたいときに適していますが、消費電力が大きく電気代は高くなるため、使用するタイミングに注意しましょう。
また、除湿器を併用するのもおすすめです。持ち運び可能な除湿器なら、湿度が気になる部屋で細かい湿度管理が可能です。
特に梅雨時や洗濯物を室内に干す際には、除湿器があると重宝します。
エアコンをつけっぱなしで就寝するときの注意点
ここでは、夜間にエアコンを使用する際に注意するべきポイントについて解説します。適切な使用方法を理解することで、さらに快適な睡眠環境づくりに繋がります。
体調を崩さないように適切な温度・湿度設定
エアコンをつけっぱなしにして就寝するときは、適切な温度・湿度に設定しておきましょう。
寝るときの暑さ・寒さに合わせて設定温度を変更したまま寝ると、過度な室温上昇・低下で眠りが浅くなったり体調を崩したりする可能性があります。そのため、寝るときではなく、布団の中で長時間眠ることを想定したエアコン設定が必要です。
なお、夏場に長時間エアコンを使用すると、体調を崩すおそれがあります。そのため、寝るときのエアコンの設定温度は少し高めにし、サーキュレーターなどで空気を循環させるのがおすすめです。
冷えすぎないようにパジャマや寝具で調整
就寝時に暑さを感じていても、深い眠りに入ると体温は下がるため、就寝時は体が冷えすぎないように適切な衣類を着用しましょう。
パジャマの素材は季節に合わせて選びます。夏場は吸湿性や速乾性に優れた素材、冬場は保温性の高い素材を選ぶと快適です。
また、まくらや掛け布団、シーツの素材を変えることで、布団内の温度をさらに細かく調整できます。人によっては、薄手の掛け布団やタオルケットを用意しておくと体感温度を調整しやすくなります。
まとめ
夏の夜はエアコンをつけっぱなしにすることで、快適な睡眠環境を作れます。つけっぱなしにする際は、温度や風向きなどのエアコン設定を適切にすることで、電気代も抑えられます。
冬の夜は、エアコンをつけっぱなしにせず、寝るときに消しましょう。寝具で暖かく過ごせれば室温が下がってもあまり影響はなく、節約にもつながります。起床前に自動でオンになるタイマー機能を使うのもおすすめです。
本記事でご紹介した内容をおさえ、上手にエアコンを活用してみてください。
- 厚生労働省:
室温と高血圧、睡眠の関係 - 厚生労働省:
健康づくりのための睡眠ガイド2023 - 公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会:
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