暖房の風向設定は下向きが良い?効率的に部屋を暖める方法を解説
エアコンの暖房は、風向きを「水平に対して下向き60°以上」にすることで、部屋全体を効率的に暖められます。
今回は、エアコンの暖房で部屋を早く暖める方法や、部屋の乾燥対策について解説します。エアコンを効率的に使用して、節電を目指しましょう。
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暖房の風向きは「下向き60°以上」が効果的
部屋を効率的に暖めたい場合は、エアコンの風向きの角度を「水平に対して下向き60°以上」にすると効果的です。
温かい空気は天井付近に溜まる性質があります。そのため、エアコンの風向きを下に向けると、自然に空気循環が生まれて部屋全体を暖めることができます。
逆に、暖房の風向きを上にしてしまうと、天井ばかり暖められて部屋はなかなか暖まりません。この状況で部屋を暖めようとすると、設定温度を上げたり長時間エアコンをつけたりすることになり、結果的に電気代が高くなる可能性があるので注意しましょう。
左右の風向きは人がいる方向に設定
エアコンは、リモコンにある「左右風向ボタン」や吹き出し口にある「左右風向板」のつまみを調整することで、左右の風向きを変えることができます。左右の風向きは、ダイニングテーブルやソファなど人がいる方向に設定すると、より暖かく感じられます。
部屋を暖める際は、最初に人がいる場所を暖めてから部屋全体を徐々に暖めていくようにすると、早く暖かさを感じられます。
より効率的に部屋を暖める方法
エアコンの風向きを下にする方法以外にも、部屋を効率的に暖められる方法があります。風向きを下に向けるのと同時に、以下の方法も試してみてください。
それぞれの方法について、詳しく解説します。
フィルターを掃除して送風の効率を上げる
エアコンのフィルターにほこりが溜まっていると、室内に風が届きにくくなります。そのため、エアコンのフィルターは定期的に掃除するようにしましょう。
フィルターのほこりが溜まっていると、風量を「強」にしても足元まで風が届かず、暖気が上昇してしまったり、非効率的な運転で電気代が高くなる原因になったりします。
エアコンの掃除は、エアコンを使用する頻度の少ない春や秋に行うのがおすすめです。エアコン内部に溜まった汚れも除去したいときは、エアコンの清掃業者に依頼することも検討してみましょう。
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つけ始めの風量は「強」か「自動」に設定する
エアコンの暖房効率を上げるには、風向きだけでなく風量も意識しましょう。
部屋が暖まるまでは、エアコンの風量は「強」か「自動」に設定しておくのがおすすめです。エアコンの風量が弱いと、風向きを下向きに設定していても、温かい空気は足元に届く前に天井付近に上昇してしまいます。
ただし、風量を長時間「強」のままにしていると電気代がかかるため、注意が必要です。エアコンの風量設定に「自動」がある場合には、「自動」にしておくのが良いでしょう。
「自動」の設定では、エアコンのつけ始めは強い風量で室温を素早く上げ、室温が上がった後は最低限の風量で室温を保つようにしてくれるため、エアコンを効率的に使用できます。
外気を遮断する
暖房をつけていても、冷たい外気が室内に入ってくると部屋全体が暖まるまでに時間がかかります。部屋を早く暖めるには、窓やドア、カーテンを閉めて外気の出入りを遮断しましょう。
一般的に、窓やドアは、住宅の中でも空気が出入りしやすい場所といわれています。保温効果のあるカーテンなどを利用すると、さらに暖房効率を上げられます。
ただし、部屋を閉め切ったままにしていると、湿気が溜まって結露やカビが発生したり、ハウスダストの蓄積やウイルス・細菌の繁殖にもつながったりするため、適度に換気することは大切です。
サーキュレーターを併用して空気を循環させる
暖房とサーキュレーターを併用すると、天井付近に溜まった暖かい空気を部屋全体に循環させられます。
暖房とサーキュレーターを併用する場合は、サーキュレーターをエアコンの対角線上に置き、エアコンの吹き出し口に向けて風を送りましょう。エアコンから吹き出た温風がサーキュレーターによって押し返されることで、部屋全体に行き渡らせることができます。
サーキュレーターをエアコンの対角線上に設置できないときは、部屋の中心に置いて真上に風を送りましょう。床付近の冷たい空気を上昇させることで、部屋に空気の循環が生まれます。
加湿器を併用して体感温度を上げる
暖房を使用しているときは、加湿器を併用して部屋の乾燥を防ぎましょう。空気には、湿度が高い方が熱を伝えやすい性質があり、空気が乾燥していると、より寒さを感じやすくなってしまいます。
そのため、加湿器を使って湿度を上げることで、同じ温度でも暖かく感じやすくなります。東京都の「健康・快適住居環境の指針」[1]および不快指数を参考にすると、暖房使用時は室温17~22度、湿度40~60%を維持すると快適に過ごせます[2]。
電気代は冷房より暖房の方が高くなりやすい
エアコンの電気代は、冷房よりも暖房の方が高くなる傾向にあります。これは、屋外の気温と室内の設定温度の差が大きいほどエアコンの消費電力が大きくなるためです。
たとえば、夏に屋外の気温が30℃、冷房の設定温度が28℃のときの温度差は2℃です。一方、冬に屋外の気温が10℃、暖房の設定温度が20℃だと温度差は10℃となります。
このように、冬の方が屋外との温度差が大きくなるため、冷房よりも暖房の方が電気代は高くなりやすいのです。風向きの調節によって暖房効率を上げれば、暖房をつけていても電気代も節約できます。
暖房による乾燥対策
暖房をつけたときに気になるのが、部屋の乾燥です。とくに、風向きを下向きにすると乾燥を感じやすくなり、喉が渇きやすくなったり、肌に負担がかかりやすくなったりします。
乾燥が気になるときは、加湿器を使って加湿するのがおすすめです。それ以外に、電力を使わず手軽にできる乾燥対策としては、主に以下の3つが挙げられます。
それぞれの方法について詳しく解説します。
洗濯物を部屋干しする
洗濯物を部屋干しすると、洗濯物に含まれている水分が蒸発し、乾燥を防げます。また、濡れたタオルをかけることでも、十分に湿度を上げる効果があります。
ただし、湿度が上がりすぎると、カビやダニが発生する可能性があるため、過度な加湿や加湿器との併用は避けましょう。
水やお湯を置いておく
乾燥が気になるときは、部屋に水やお湯を置いておくと水分が蒸発し、手軽に湿度を上げることができます。コップや小さな容器に水やお湯を入れて室内に置いておきましょう。
また、鍋ややかんを使ってお湯を沸かすと水蒸気が自然に広がり、乾燥を防げます。加湿器がなくても手軽に湿度を上げられるので、活用してみてください。
布に霧吹きをする
洗濯物を部屋干ししたくない方は、布に霧吹きをするだけでも乾燥対策ができます。また、カーテンやカーペットに軽く霧吹きするだけでも、蒸発した水蒸気で部屋の湿度が上がります。
ただし、カビの発生を防ぐために、霧吹きのしすぎには注意しましょう。
まとめ
暖房の暖かい空気を足元まで届けるために、エアコンの風向きは下向きにしておくのがおすすめです。サーキュレーターや加湿器を併用することで、部屋の空気を循環させて効率的に部屋を暖められたり、体感温度を上げられたりします。
ただし、暖房を使うと部屋が乾燥し、喉が渇きやすくなったり、肌が乾燥して荒れやすくなったりする原因にもなります。適切な湿度に調整しながら効率よく暖房を使い、快適な環境を整えましょう。
- 東京都保健医療局:
健康・快適住居環境の指針 - 東京電力エナジーパートナー「くらひろ by TEPCO」:
部屋の適正な湿度は?快適な湿度調整や湿気・結露・乾燥対策を解説
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