YouTube-毎月の電気代ってどう決まるの?
省エネ・節電

毎月の電気代ってどう決まるの?電気料金のしくみを解説!

家計に与える影響が大きい電気代がどのように決まるのか、ご存じですか?「最近電気代が高くなってない?」「電気代はどうやって決まる?」「電気料金が上がったり下がったりする原因は?」などの疑問を持つ方も多いでしょう。

そこで今回は、東京電力エナジーパートナー代表取締役社長の長﨑が以下の内容について解説します。

  • 電気料金が決まるしくみ
  • 電気料金プランの選び方のポイント
  • 電気代を節約するポイント

この記事を読めば、電気料金の決まり方、これまでの変遷、変動する理由が分かります。ぜひ最後までお読みください。

対談者

長﨑 桃子(ながさき ももこ)
東京電力エナジーパートナー 代表取締役社長

電気料金のしくみから生活向けのお役立ち情報まで、おトク情報をお届けします。

対談者

前野 マドカ(まえの まどか)
EVOL株式会社 代表取締役CEO
武蔵野大学ウェルビーイング学部客員教授

2児の母であり、ウェルビーイングの専門家、経営者、家計を管理する主婦といった様々な視点で電気に関する質問をしていきます。

EP社長直行便とは?

電気などエネルギーにまつわるさまざまなテーマについて、東京電力エナジーパートナー代表取締役社長の長﨑が、ゲストと一緒に深く掘り下げていく対談企画です。

今回の対談の様子はYouTubeでもご覧になれます。
▶【電気料金①】毎月の電気代はこう決まる!気になる仕組みを解説

電気料金のプランは、なぜたくさんある?

河野(MC):早速いろいろと聞いていきたいと思いますが、前野さん、何か聞いてみたいことはありますか?

前野氏(EVOL株式会社):そうですね、電気料金メニューにはいろいろなプランがあると思うのですが、なぜたくさんのプランがあるのでしょうか?

長﨑(東京電力EP):いったいいくつあると思いますか?

前野氏:想像がつかないですね。

長﨑:みなさんが思っている以上にありまして、東京電力EPが電力を販売している首都圏エリアですと、当社だけで現在約50種類、首都圏以外の提供エリアを含めると、全部で約75種類のプランがあります。

河野:2、3個かと思っていました。

前野氏:そうですよね。

長﨑:これは、お客さまの生活パターンに合わせてプランを拡充していった結果増えた、という背景があります。ただ、正直なところお客さま自身で最適なプランをお選びになるのは難しいと思っていて、電力会社のほうからお客さまに最適なプランをおすすめするようにしています。

Webページなどでも、生活パターンを入力していただくと、おすすめのプランをご提案するしくみを取り入れています。お客さまがプラン選びで迷わないようにするというのは、当社が心がけていることのひとつですね。

電気料金プランが多い理由のまとめ

  • 東京電力EPには、首都圏で約50種類、首都圏以外の提供エリアを含めると約75種類の電気料金プランが存在
  • ライフスタイルにフィットするプランを提案するしくみを導入している

電気料金が決まる仕組みとは?

河野(MC):そもそも、電気料金のお知らせは、分かりにくくないですか?

前野氏(EVOL株式会社):そうですね。

河野:合計金額は分かるのですが、その内訳となる構成要素がたくさんありますよね。何によって電気料金は決まるのですか?

長﨑(東京電力EP)電気料金は大きく分けると2つの料金で決まります。基本料金と従量料金です。基本料金というのは、ご契約のプランによって月々決まっている固定料金です。従量料金は使用量に応じた料金のことで、電気を使った分だけ高くなります。夏場はエアコンなど電気の使用量が増えるので、従量料金は高くなります。

また、燃料費調整制度というものもあります。これは、国際的な燃料価格が高くなれば電気料金に反映されますし、低くなれば電気料金も下がるという、指標のようなものです。さらに、日本全国で再生可能エネルギー(以下、再エネ)の活用を進めていきましょう、という動きがありまして、再生可能エネルギー発電促進賦課金(はつでんそくしんふかきん[以下、再エネ賦課金])というものもあります。

河野:聞いたことがあります!

長﨑:誤解されている方もいますが、再エネ賦課金は電力会社のしくみではなく、国のしくみです。当社が国の代わりにお預かりしている形になります。

電気料金の内訳

電気料金の仕組みのまとめ

  • 電気料金の内訳は、大きく分けると基本料金・従量料金の2つ
  • 燃料費調整額は国際的な燃料価格の影響を受ける
  • 再エネ賦課金は国が定めるもので、電力会社が国の代わりにお預かりしている

燃料費調整制度とは?

河野(MC):よくニュースで、電気料金の変動について報じられていますが、それは燃料費調整額のことですか?

長﨑(東京電力EP):はい、そうです。みなさんがニュースなどでご覧になる電気料金の値上がり・値下がりは、基本的には燃料費調整額のことを指しています。基本料金や従量料金の単価が上がったり下がったりしているわけではありません。

河野:燃料費調整額がどうして変わるのか、前野さんは想像がつきますか?

前野氏(EVOL株式会社):う~ん、どうしてでしょうか。

長﨑:例えばですが、国際情勢で原油価格が上がったとします。日本は発電のための燃料として原油を海外から輸入していますので、燃料価格が電気料金に影響するのです。

もうひとつの要素としては、為替相場(円高・円安)の動きがあります。ずっと円安が続いているので、輸入品である燃料は高くなり、燃料費調整額も上がっています。

燃料費調整制度

河野:ということは、私たちに身近な電気料金は、実は世界情勢によって上下しているということなんですね。

長﨑:そのとおりです。化石燃料の部分については、どうしても原油価格の変動の影響を受けてしまいます。そういった背景から、「ご家庭に太陽光発電を入れましょう」とか、「蓄電池を入れましょう」というご提案をしています。

燃料費調整制度のまとめ

  • 電気料金そのものの単価(基本料金単価・従量料金単価)は基本的に変動してない
  • 燃料費調整額は、電気料金の値上がり/値下がりに影響している
  • 原油価格の変動や為替相場の上下など、電気料金は国際情勢の影響を受ける
  • 化石燃料の価格変動の影響を受けないため、再エネの電気料金は基本的には変動しない

電気料金の見直しはどれくらいの頻度?

河野(MC):電気料金は、頻繁に見直されるものなのでしょうか?

長﨑(東京電力EP):電気料金の値上がりや値下がりのニュースを頻繁にご覧になっている印象があるかもしれませんが、それは燃料費調整制度の話です。

東京電力エナジーパートナーでは2023年に単価を見直しましたが、その前に単価を見直したのは2012年でした。ですから、10年以上変わらない価格を維持していたことになります。2022年に燃料費が高騰したため、2023年に11年ぶりに見直したという経緯があります。

河野:私たちが考えるような、企業が儲けようとして値上げをしたということではなかったのですね(笑)。

長﨑:そうですね。燃料費が上がっても、電気料金が上がらないように、電力会社は企業努力によってそれを解消しようとします。しかし、2022年のときにはあまりにも燃料費の価格が上がってしまって……。

それと、電気には市場価格というものがあり、2022年は電気の市場価格も高騰しました。一般的な家庭の1kWhの電気料金は30円ほどですが、時間帯によっては100〜200円まで上がったのです。100円や200円で仕入れて30円で売る、そのような状況でしたので、どうしても料金の見直しが必要になったのです。

河野:世界情勢として考えると、上がることもあれば下がることもある。そんなふうに分かったら、電気料金に対する見方がちょっと変わりますね。

前野氏(EVOL株式会社):そうですね。

長﨑意外なのは、単価を上げる方向で見直した2023年の7月からすると、(撮影をおこなった)2024年11月時点では電気代は下がっています(※)。なぜなら、燃料費が下がっているので、それが電気代に反映されているからですね。ほとんどのみなさんは意識していないですし、電気料金が下がってもなかなか報道されません。

※記事の公開日時点(2025年3月)も、2023年7月と比較して電気料金は下がっています。

河野:電気はあるのが当たり前になってしまっていて、電気料金が高くなったときだけ目立ってしまうところがありますよね。

電気料金の見直し頻度のまとめ

  • ニュースで流れる電気料金の変動は、基本的に燃料費調整制度に影響されたもの
  • 直近で電気料金の単価自体を見直したのは、2012年と2023年
  • 燃料費の高騰によって電気料金単価の見直しがおこなわれたのは2023年が11年ぶり

電気料金プラン 選び方のポイントは?

河野(MC):電気料金プランの話に戻ります。たくさんの電気料金プランがある中で、自分に合ったプランを選ぶには、どのようなポイントに注意すれば良いのでしょうか?

長﨑(東京電力EP):まずは、暮らし方に合わせて選んでいただくのが一番です。例えば、昼間は家にいないで働きに出ていったり、夜間は寝ているので電気をあまり使わなかったり、もしくは夜に電気をよく使ったりと、生活パターンに合わせて選んでいただくのがプラン選びの方法のひとつです。

電気料金プラン選びのポイントのまとめ

  • 昼間の外出頻度・夜間の電気の使用頻度など生活パターンを確認する
  • プランは電気の使用頻度や生活パターンを確認して選ぶのがおすすめ

でんきの地産地消の生活スタイル

長﨑(東京電力EP):生活パターンに合わせて電気料金プランを選ぶ以外のもうひとつの方法として、最近当社がおすすめしているのが、「でんきの地産地消の生活スタイル」です。屋根に太陽光パネルを乗せたり、電気の力でお湯を沸かす電気給湯器などの設備を入れたりするという方法です。

それぞれの設備状況に適した電気料金プランを用意していますので、設備を選択していただいた際には、その設備にフィットするプランを選んでいただくのが一番良いと思います。

河野(MC):ちなみに、前野さんはどういう生活スタイルですか?

前野氏(EVOL株式会社):そうですね。私のところはみんな夜遅くに帰ってきます。ですので、家電は夜に稼働していることが多いですね。昼間は誰もいないことが多くて、昼夜が逆転している感じです。そういった生活パターンに合う、おすすめプランもあるのでしょうね

長﨑:そうですね。これからは、住宅に太陽光パネルを設置することが義務化(※)される流れがあります。ただ、前野さんのお宅のように、夜間の電気の使用量が多いケースもあります。

太陽の光は昼間しか照っていませんので、せっかくパネルを乗せても発電時に電気を使い切れません。そのような場合は、太陽光パネルで発電した電気を蓄電池に貯めて夜間に使うと、日々の光熱費のランニングコストは下がると思います。

※設置義務化は条例で定められたものに限ります。

河野:対照的だなと思ったのですが、私は1歳にならない子どもを子育て中で、日中ずっと家にいます。昼間はずっと家事をしていて、夜は子どもと一緒に寝落ちしてしまう。そのような状況だと全然違う電気料金プランになるのですか?

長﨑プランは同じでもいいですが、蓄電池を入れる必要がなくなりますね。太陽光発電を取り入れたら、日中に発電した電気を使い切れるかもしれませんね。当社ではこのようなコンサルティングもおこなっていますので、ご相談していただくのが良いと思います。

河野:ありがとうございます。

でんきの地産地消のまとめ

  • 太陽光発電や電気給湯器の設置などに合わせて最適な電気料金プランを提供
  • 東京都では、太陽光発電システムの設置が義務化(※)の流れ
  • 夜間に電気を多く使う家庭では、蓄電池を設置し、貯めた電力を夜間に使うと効率的

※東京都では、2025年4月から、大手ハウスメーカー等の事業者が新築する延床面積2,000m2未満の建物に太陽光パネル設置等が義務付けられます。最新の情報に関しては、「太陽光ポータル」[1]をご確認ください。

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東京電力グループでは、初期費用0円(※)で太陽光発電・蓄電池等の電化機器を導入できるサービスをご紹介しています。ご自宅に合った機器とサービスの組み合わせは、以下のプラン診断からご確認ください。

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※:初期費用とは機器費用と標準工事費を指します。ご契約いただくサービスにより初期費用として足場費用等がかかる場合があります。また、おひさまエコキュートが住宅に標準採用されている場合、ご契約の建築会社へ直接お支払いが生じます。

まとめ

今回の対談では、電気料金の仕組みやプラン選びのポイント、そして「でんきの地産地消」という新しい生活スタイルについて、深く掘り下げて解説しました。

電気料金の内訳は、大きく分けて基本料金・従量料金の2つがあり、燃料費調整額・再エネ賦課金が反映されて決まりますが、中でも電気料金が上下する理由は燃料費調整制度によります。基本料金・従量料金の単価の見直しは頻繁には行われていません。原油価格や為替相場に影響を受ける燃料費調整制度によって変動するのです。

「でんきの地産地消の生活スタイル」として、太陽光発電や電気給湯器などの設備を導入するのもおすすめです。プラン選びに迷った場合は、東京電力エナジーパートナーのコンサルティングを利用するのもひとつの方法です。

次回の「EP社長直行便」は、▶電気代の節約方法は?おトクな豆知識を公開というテーマです。省エネ・節電の基礎知識、おすすめの節電方法に迫ります。ご期待ください。

  1. 東京都 環境局
    太陽光ポータル

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