服についた墨汁の落とし方!身近なアイテムで汚れをきれいに
そこで今回は、服についた墨汁の落とし方や、墨汁の汚れ対策について解説します。
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墨汁汚れはなぜ落ちにくい?
墨汁は、現在では多くの場合、小さな炭素の粒(カーボンブラック)と、それを水に溶けるようにする合成樹脂という材料を混ぜて作られています。
カーボンブラックは水や油に溶けないため、そのまま乾くと簡単にはがれてしまいます。そこで、合成樹脂を混ぜて粘り気を出し、墨を紙にしっかりくっつけているのです。
墨汁のカーボンブラックは非常に小さな粒子で、衣類の繊維の中に入り込むと、しっかりと固まって取りにくくなります。これが墨汁のシミが落ちにくい理由です。
さらに、時間が経つと合成樹脂が硬化し、カーボンブラックを繊維に固定するため、付着した直後よりも落ちにくくなります。
衣類に墨汁がついてしまったら、なるべく早く対処しましょう。
墨汁を落とす前に洗濯機に入れるのはNG
衣類が墨汁で汚れてしまった際に、墨汁がついたまま洗濯機に入れるのは避けましょう。
墨汁は、水で濡らすと落ちにくくなるだけでなく、墨汁汚れが他の衣類に移ってしまう可能性があるからです。最初に墨汁汚れを落としてから、洗濯機で洗いましょう。
身近なアイテムを使った墨汁の落とし方7選
衣類に墨汁がついてしまった場合は、落ちにくくなる前に早めの対処が大切です。墨汁の汚れは、身近にある以下のアイテムで落とせます。
ここからは、それぞれのアイテムを使った墨汁汚れの落とし方を、詳しく解説します。
ご飯粒(炊いたもの)
ご飯粒の主成分はデンプンであり、それ自体に洗浄力はありません。
しかし、デンプンはのりに使われるほどの粘着力があり、繊維の奥に入り込んだカーボンブラックを吸着し、汚れを取り除く効果が期待できます。
- ご飯粒を手に取り、すりつぶしてのりのような状態にする
- つぶしたご飯粒と洗濯用洗剤を2:1の割合で混ぜる
- 墨汁汚れを水で濡らす
- ヘラなどを使って、墨汁汚れにご飯を直接こすりつける
- 小さめの歯ブラシなどを使用し、優しくこすり洗いをする
- 水でしっかりとすすぐ
- まだ汚れが残っている場合は、最初の工程を繰り返す
- 最後に洗濯機で衣類を洗う
歯磨き粉
歯磨き粉も、やっかいな墨汁の汚れを落とせるアイテムです。歯磨き粉に含まれる研磨剤が、墨汁をこすり落とします。研磨剤が入っていない歯磨き粉では効果がないため注意してください。
なお、歯磨き粉を使った洗い方は、墨汁汚れが乾ききっている場合には効果が低下します。歯磨き粉は衣服に墨汁が付着した直後に使うのがおすすめです。
- 歯ブラシを水で濡らして歯磨き粉をつける
- 墨汁汚れの部分を優しく歯ブラシでこする
- 汚れが落ちにくい場合は、汚れに直接歯磨き粉をつけて歯ブラシでかき出す
- 汚れが落ちるまで上記の手順を繰り返す
- 最後に洗濯機で洗う
キッチン用マジックリン+ウタマロ石けん
キッチン用マジックリンとウタマロ石けんでも墨汁を落とせます。ただし、ウタマロ石けんに含まれている成分の中には、衣類をより白く見せる「蛍光増白剤」が含まれているため、白い衣類にのみ使用するのがおすすめです。
マジックリンを使う際には、濃度が低いキッチン用を選び、衣類が傷まないように必ず水で薄めて使用してください。また、手が荒れるのを防ぐためにゴム手袋を着用するとよいでしょう。
- マジックリンを水で薄める
- 墨汁がついた箇所にマジックリンを染み込ませる
- ウタマロ石けんを使いこすり洗いをする
- 最後に洗濯機で洗う
熱湯
墨汁が付着した直後であれば、熱湯をかけることで墨汁汚れを一定程度、取り除けます。ただし、衣類の素材によっては熱によりダメージを受けることがあるため注意が必要です。
なお、熱湯を使った方法は、他の方法と組み合わせると、より高い効果が得られます。墨汁汚れ落としの前処理としてもおすすめです。
- やけど予防のためにゴム手袋をつける
- 墨汁汚れの箇所に熱湯をかける
- もみ洗いをする
- 最後に洗濯機で洗う
台所洗剤
油汚れに有効とされる台所用洗剤は、墨汁落としにも利用できます。ただし、洗剤の濃度が高すぎると衣類が傷む可能性があるため、使用する際には水で希釈してから汚れ部分に吹きかけてください。
- 台所用洗剤を水で2~3倍に希釈する
- 希釈した洗剤をシミがある部分に塗布する
- 固形の石けんを使って汚れ部分を洗う
- 黒い泡が現れたら、水ですすぎ、シミが消えるまで石けんを使った洗浄とすすぎを何度か繰り返す
- 最後に洗濯機で洗う
オキシクリーン
オキシクリーンは酸素系漂白剤の一種で、墨汁汚れの除去にも有効です。酸素系漂白剤は、活性酸素を出すことで洗浄や漂白、臭いを取り除くことができる他、墨汁のような頑固な汚れにも効果があります。
また、色あせや素材へのダメージが少なく、色物や柄物、プリント服に使える点も特徴です。ただし、肌荒れの原因になるおそれがあるため、使用する際にはゴム手袋を着用するようにしましょう。
- 40~60度の温水を用意し、水0.5Lに対してオキシクリーンをキャップ1/8杯の割合で加える
- オキシクリーンを温水にしっかりと溶かす
- 墨汁で汚れた衣類をこの溶液に2~3時間浸ける
- 汚れがひどい場合は、浸け置き中に衣類をこすり洗いをする
- 浸け置き後、衣類を手洗いでよくすすぐ
ハイター
漂白剤の代表でもあるハイターは、墨汁汚れにも有効です。ただし、色落ちの心配がない白い服だけに使うようにしましょう。
なお、ハイターを使用する際は必ず換気をし、肌に付着すると肌荒れの原因になりますので、ゴム手袋を着用しましょう。
また、塩素系漂白剤は酸性洗剤(クエン酸水や水垢落としなど)やアルコール、食酢と混ざると有毒ガスが発生することがあるため、使用時には注意してください。
- 墨汁汚れに直接ハイターを吹きかける
- 30分ほどそのままにする
- お湯でよくすすぐ
効果的な墨汁汚れ対策・対処法
墨汁汚れがついてしまうと、落とすのに手間がかかります。事前に墨汁の汚れを落としやすくする対策をしておきましょう。墨汁の汚れ対策や、身近なアイテムで落ちなかった際の対処法は、主に以下の4つです。
それぞれの対策や対処法について詳しく解説します。
ポリエステルの服を着る
学校や習い事で書道がある日には、お子さんにポリエステルの服を着せるようにしましょう。
ポリエステル素材の衣類は、綿素材のものに比べて吸水性が低く、墨汁汚れが繊維の奥まで染み込みにくい特徴があります。そのため、ある程度汚れてしまったとしても、洗濯で汚れを落としやすいのです。
なお、はじめから墨汁で服が汚れることを想定するのであれば、汚れてもよい服や黒い服を着せるという考え方もあります。
洗濯で洗い落とせるタイプの墨汁を使う
使用する墨汁に指定がない場合、洗濯で洗い落とせるタイプの墨汁を使うのがおすすめです。
洗濯で洗い落とせるタイプの墨汁(書道液)は、ぬるま湯に浸け置きした後に洗濯をするだけで汚れが落ちます。
通常の墨汁よりも色が薄いなどの違いがありますので、学校や習い事の先生に確認してみましょう。
墨汁用の洗剤を使う
墨汁汚れを落とすのに特化した専用洗剤を利用するのも、おすすめの方法です。洗浄効果が非常に高く、家庭でもしっかりと墨汁の汚れを取り除けます。
墨汁専用とされてはいますが、不溶性のさまざまな汚れに対しても有効です。普通の洗濯では落ちない汚れが出たときのために、1本備えておくとよいでしょう。
クリーニング店を利用する
費用はかかりますが、最も確実な墨汁汚れの対処法はクリーニング店の利用です。
プロの技でしみ抜きをしてくれるため、衣類への負担を最小限に抑えた状態で汚れを取り除けます。お気に入りの服やデリケートな素材の服に墨汁をこぼしてしまった際にはぜひ活用しましょう。
なお、墨汁の汚れは時間が経過するほど落ちにくくなるので、できるだけ早く依頼しましょう。また、墨汁汚れのクリーニングはプロでも難しい場合があります。依頼の前にあらかじめ墨汁のしみ抜きに対応しているか確認することをおすすめします。
まとめ
墨汁汚れは、身近なアイテムでも落とせます。汚れがついてしまったら、なるべく早めに対処しましょう。
デリケートな服やお気に入りの服で書道をする際は、事前に墨汁の汚れを残りにくくするための対策をしておくことも大切です。今回ご紹介した方法をぜひ活用してください。
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