2階の窓に結露がついている様子
すまいの知識

窓の結露対策10選!今日から使える知識を紹介

毎年寒い季節が来ると、「窓の結露」が発生しやすくなります。窓の結露によって、カーテンにカビが生えたりサッシ周りが水で濡れたりして、困った経験のある方もいるのではないでしょうか。

今回は、窓の結露対策や結露を放置したときに起こるリスク、カビが発生したときの対処法について詳しく解説しています。

結露とは:空気中の水蒸気が冷やされて水滴になったもの

結露とは、空気中に含むことのできなくなった水蒸気が、水滴となって現れる現象のことです。

ある温度において、1立方メートルの空気中に含むことのできる水蒸気の量を「飽和水蒸気量」と呼びます。飽和水蒸気量は温度によって変動し、暖かい空気ほど多くの水蒸気を含むことができます。

温度が下がると、空気中に含むことのできる水蒸気の量も減り、含みきれなくなった分の水蒸気が「結露」として窓ガラスやグラスなどに現れます。家の結露は、室内と外の温度差が大きい場所や、空気の入れ替わりが少なく、湿気の多い場所などに発生します。

窓ガラスの結露対策10選

窓ガラスは、室内と外の温度差が大きいため結露が発生しやすい場所の1つです。

ここからは、窓ガラスの結露対策について詳しく紹介します。

①10分程度の換気を行う

結露は、室内の湿度が高いと発生します。そのため、定期的に換気を行い、部屋の湿度を下げましょう

1時間に10分程度の換気を行うことで、結露が発生しにくくなるでしょう。暖房をつけている場合は、換気中もつけっぱなしで問題ありません。

暖房は起動時に一番負荷がかかるため、換気のたびに電源をON・OFFするより、つけたまま換気したほうが余計な電力を消耗しません。

女性が換気を行う様子

②室内と外の気温差を小さくする

結露は、室内と外の気温差が大きいほど発生しやすいため、気温差を小さくすることで結露の発生を抑えられます。できる範囲で暖房の設定温度を下げ、気温差を狭めると良いでしょう

設定温度を下げることで室内が寒くなった場合、毛布をかけたり、暖かい素材の服着たりして、暖房の設定温度を上げなくても快適に過ごせるよう工夫をしてみてください。ただし、寒さを我慢しすぎると体調不良を引き起こす原因にもなるため、あくまで自身のできる範囲にとどめましょう。

③食器用洗剤で窓を拭く

食器用洗剤を染みこませたタオルで窓を拭くと、結露対策ができます。これは、洗剤に含まれる界面活性剤が窓の表面をコーティングし、結露が発生しにくくなるからです。

食器用洗剤は水で20倍程度に薄めて、軽く泡立ててから使用してください。タオルでガラス面を拭いたあとは、仕上げにから拭きをしましょう。ただし、界面活性剤の効果は1週間ほどしか持続しないので、定期的に窓を拭く必要があります。

④結露防止シート・フィルムを窓に貼る

市販の結露防止シートやフィルムには、窓の表面が冷えるのを防いだり、窓に発生した結露を吸収したりする効果があります。結露の量が少ないときは断熱タイプを使用し、結露の量が多いときは吸水タイプを使用するのがおすすめです。

また、軽い結露であれば、窓に新聞紙や気泡緩衝材(プチプチ)を貼ることでも防ぐことができます。

気泡緩衝材の写真

⑤除湿機を置く

除湿機を部屋に置けば、湿度を下げられます。除湿機は以下の3種類に分けられます。

  1. コンプレッサー式:室温が高いときに除湿力が上がる
  2. デシカント式(ゼオライト式):室温が低いときに除湿力が上がる
  3. ハイブリット式:両方のメリットを搭載

結露は室温が低いときに発生しやすくなるため、デシカント式(ゼオライト式)かハイブリット式の除湿機を使用するのがおすすめです。

ただし、部屋の湿度を必要以上に下げると、肌の乾燥やウイルスの繁殖につながるため、適切な湿度を保つようにしましょう。

⑥観葉植物や水槽はドア付近に置く

観葉植物や水槽など、水蒸気を発生させるものを窓の近くに置いていると、結露の原因となります。

部屋に観葉植物や水槽を置きたい場合は、空気が出入りしやすいドアの近くに配置するとよいでしょう。

⑦窓用の暖房装置をつける

結露は、窓の表面温度が低いと発生しやすくなるため、窓用の暖房器具を使用して窓の表面温度を高くしましょう。窓用ヒーターを窓の下に置くことで、結露防止だけでなく、窓の隙間からの冷気も防ぐことができます。

窓を温めることで、室内全体が冷えにくくなり、快適な室温を保つ効果もあります。

⑧暖房器具は水蒸気が出ないものに変える

石油ストーブやガスファンヒーターは、使用時に水蒸気が発生するため結露が発生しやすくなります。結露の発生を抑えたいのであれば、水蒸気が出ない暖房器具に変えることをおすすめします。

水蒸気が発生しない暖房器具には、エアコンや電気ストーブ、オイルヒーターなどが挙げられます。

⑨珪藻土を壁に塗っておく

珪藻土は、湿度の調整ができる天然素材の塗り壁として、近年人気を集めています。珪藻土を塗った壁は、表面に小さな穴が発生して、空気中の水分を吸着・放出するため、湿度を最適な状態に調整してくれるのです。

室内を冷えにくくする効果もあるため、快適な室温を保ちやすくなります。

⑩結露しにくい窓ガラスに交換する

家の窓ガラスが、シングルガラス(単板ガラス)だと結露は発生しやすくなります。シングルガラスとは、ガラスが1枚だけの窓ガラスのことで、窓の表面温度が外気に近くなりやすいという特徴があります。

住んでいる家の窓ガラスがシングルガラスの場合は、ガラスが二重になっているペアガラスへの交換を検討するとよいでしょう。ペアガラスへの交換には5万円程度の費用がかかりますが、長期的な結露対策につながります。

ただし、賃貸物件に住んでいる場合は、家主の許可を得てから窓の交換をするようにしてください。

窓を開けようとする様子

窓の結露を対策しないとどうなる?

窓の結露を放置すると、家や住んでいる人に被害が及びます。窓の結露対策をせず放置した場合に起きるリスクについて、詳しく解説します。

家の素材が劣化する

結露を放置すると、水滴が天井や壁、床などに染みこんで腐食が起こります。

とくに、木造住宅の場合は木材が水分を吸収しやすく、壁の内部や柱・梁などが腐食するおそれがあります。住宅の強度が低下し、家自体の寿命を縮めることになるため、結露が発生したら早めの対策が必要です。

マンションにおいても、結露によって窓のサッシ部分が劣化することがあるため注意しましょう。

壁紙をはがす様子

カビやダニが増殖する

窓の結露を放置すると、部屋全体に湿気が充満して、窓枠や壁紙、カーテン、壁などにカビ・ダニが発生する原因となります。

窓ガラスや窓枠に黒い点が見られる場合は、「黒カビ」が繁殖していると考えられます。黒カビは根を張って素材の奥深くに入り込むため、完全に除去するのは困難です。カビやダニを増やさないためにも、結露は放置しないようにしましょう。

健康被害が生じる可能性がある

結露が原因でカビが発生すると、部屋にカビの胞子が舞っている状態になります。カビの胞子を吸い込んでしまうと、さまざまな健康被害を引き起こす可能性が高まります。

窓の結露は、重大な健康被害につながる前に対策しましょう。

結露でカビが生えてしまった時の対処法

万が一、結露が原因でカビが生えてしまっても、早急に対処すれば除去できます。カビ掃除は、マスクと手袋を着用し、換気をしながら行ってください

ここでは、詳しい対処法の手順を解説します。

①カビの発生箇所に洗剤を吹き付ける

黒カビが発生した場所に、水で希釈した中性洗剤を吹き付けます。特に窓のパッキン部分に発生したカビには、中性洗剤が効果的です。

②5分ほど待つ

中性洗剤を吹き付けたら5分ほど放置しましょう。放置することで洗剤がカビの根に浸透します。

③濡れ雑巾でしっかりと拭き取る

5分程度放置したら、最後は濡れ雑巾でしっかり拭き取りましょう。黒カビが残っている場合は、水に濡らしたキッチンペーパーを貼り、上から塩素系カビ取り剤を吹き付けて20分程度放置してください。

しっかりカビ取り剤を浸透させたら、濡れ雑巾で拭き取って完了です。

机の上に置かれた霧吹きと雑巾の写真

まとめ

結露を放置すると家の寿命を縮めるだけでなく、健康被害の原因にもなります。

窓の結露は、早めに対策すればカビ掃除などの手間を減らすことができます。もし、カビが発生してしまったら、中性洗剤や塩素系カビ取り剤を使って除去しましょう。

今回紹介した結露対策を参考に、快適な部屋作りをしてみてください。

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