乾燥対策
すまいの知識

部屋の乾燥対策9選!快適な湿度を作り出せる加湿方法を解説

冬に気温が下がりはじめると、乾燥が気になりますよね。部屋の空気が乾燥すると、肌荒れや髪のかさつきが気になるという人も多いでしょう。乾燥は美容のトラブルだけではなく、風邪や感染症など健康にもさまざまなリスクを引き起こします。

この記事では、乾燥による健康への影響をはじめ、乾燥を防ぐためにどこでも簡単にできる対策についてご紹介します。

乾燥によって引き起こされるリスク

部屋が乾燥すると健康に影響を与える可能性があります。

室内の適正湿度は40~60%とされています[1]。湿度が40%以下になると空気中の水分が失われることで体から水分が奪われやすくなり、肌荒れや髪のパサつき、かゆみ、吹き出物、ドライアイの原因になります。

また、ウイルスが空気中に浮遊しやすくなることから、風邪やインフルエンザにかかりやすくなるというリスクもあります。

ここからは、乾燥によって起こりうるリスクについて紹介します。

肌トラブル

部屋が乾燥することで、保湿に欠かせない肌の水分が奪われ、角質層に備わっている「バリア機能」が低下します。それにより、手のカサつきをはじめ、かゆみや吹き出物などができてしまうのです。

保湿クリームで対策もできますが、部屋の湿度にも気を使いましょう。

風邪・インフルエンザの蔓延

秋や冬の乾燥しやすい季節にウイルスが蔓延する原因は、部屋が乾燥することで空気中の水分が少なくなり、ウイルスが浮遊しやすくなるためです。

また、鼻や喉の粘膜が乾燥すると体の免疫力が弱まってしまいます。これによって鼻や口から侵入したウイルスに感染すると、風邪やインフルエンザなどの感染症が引き起こされます。

マスク 予防

ドライアイ

部屋の空気が乾燥するとドライアイの原因となります。パソコンやスマートフォンを使用する現代人にとって、目を健康に保つことは重要です。

ドライアイをそのままにすると、眩暈(めまい)や頭痛、肩こりの原因になるだけではなく、悪化すると視力の低下や角膜の損傷などを発症する可能性もあります。

火災の危険性

冬は暖房器具を使用する機会が多くなりますが、空気が乾燥するとものが燃えやすくなり、火の回りも早くなります。

着火しやすくなるため、例えば電化製品のコンセントにほこりがたまっていると、なにかの拍子に火花がほこりに着火し、そこから火事が発生する可能性もあります。

脱水症状

汗をかかない冬場は、知らない間に脱水症状に陥りやすい時期でもあります。水は体に必要な栄養や酸素を循環させる役割を持ちますが、冬は喉が渇きにくい分、水分補給もおろそかになりがちです。

乾燥によって体の水分が奪われて水分が不足することで、脱水症状をはじめ体の不調につながることもあります。

静電気の発生

通常、体にたまった静電気は空気中の水分に放電されます。夏場は空気中に水分が多いため、常時放電されている状態となり、静電気は発生しにくくなります。しかし、空気中の水分が少なくなる冬場は静電気が逃げ場を失い、体にどんどん蓄積されていきます。

体に蓄積された静電気は、金属など電気を通しやすいものに触れると一気にその方向へ流れて放電され、その瞬間に「バチっ」とした痛みになるのです。とくに、部屋の温度が20℃、湿度が20%以下になると静電気が起こりやすくなるとされています。

すぐに実践できる乾燥対策9選

ここまで、部屋が乾燥することで健康への被害や火災のリスクがあることを紹介しました。部屋が乾燥することで、さまざまなリスクがあることをご理解いただけたと思いますが、室内の湿度はちょっとした工夫で適正に保つことができます。

ここからは、すぐに実践できる湿度対策の方法について紹介します。

お湯を沸かす

自宅にあるもので簡単にできる湿度対策として、やかんや鍋でお湯を沸かし水蒸気を発生させる方法があります。沸騰したやかんや鍋を部屋に置くことで、部屋の空気に含まれる水蒸気の量が増加します。

ただし、冷めてしまうと効果が薄れるので、都度お湯を沸騰させる必要があります。やかんをストーブに乗せることで乾燥対策にもなりますが、放置して空焚きしないようにしましょう。

お湯 沸かす

濡れたタオルを吊るす

水分を含んだタオルを部屋に干すだけでも、湿度を上げる効果が期待できます。その際、バスタオルなどなるべく大きなタオルを使用するとさらに効果的です。

この方法は、旅行先で加湿器がない場合にもおすすめです。就寝時は、枕元近くに濡れたタオルを置くと良いでしょう。

また、洗濯物を部屋干しにすることでも加湿効果があります。サーキュレーターで空気を循環させると、より効率的に部屋全体が加湿できます。

水を入れたグラスを置く

広い部屋ではあまり効果を期待できませんが、水を入れたグラスを置くだけでも湿度を上げる効果があります。勉強中やメイクの時など、コップに水を入れて机に置いてみましょう。

さらに、吸収性の高いコーヒーフィルターやキッチンペーパーを入れることで、水蒸気の拡散効果が高まります。

霧吹きで湿度を上げる

霧吹きをカーテンやラグに少し湿る程度に吹きかけることでも、部屋を加湿することができます。カーテンの繊維にしみ込んだ水分が少しずつ蒸発し、部屋の湿度を上げてくれます。

ただし、1回の効果はそこまで持続しないので、一日数回行うようにしましょう。また、あまり頻繁に行うとカビの原因になりますので、適度に行うことを心がけましょう。

入浴後の浴室のドアを開ける

浴室にお湯をためた状態でドアを開けておくと、部屋に蒸気が行きわたります。旅行先で加湿器がない場合にも有効な手段です。

ただし、水蒸気が非常に多く発生することには注意しましょう。浴室や居室のカビ発生の原因になることもあるため、浴室は開けっ放しにせず、適度な時間でドアを閉めて、換気扇を回すことをおすすめします。

加湿効果のあるアロマディフューザーを使用する

最近は、加湿効果のあるアロマディフューザーも販売されています。アロマでリラックス効果を高めながら、加湿もできるので一石二鳥です。

ただし、一般的なアロマディフューザーには加湿効果がないものも多くあります。加湿目的の場合には、加湿機能付きのアロマディフューザーを購入するようにしましょう。

加湿

床を水拭きする

床を水拭きすることで、水分を含んだ床の表面から水蒸気が発生し、部屋の湿度を上げることができます。部屋を掃除しながら加湿もできるので一石二鳥です。

ただし、フローリング素材によっては水拭きができないものもありますので注意が必要です。また、水分が多いと床の傷みが早くなってしまう可能性もありますので、雑巾を固く絞ってから床拭きをするようにしましょう。

観葉植物を飾る

観葉植物は葉から水分を蒸発させて水分を空気中に送り出し、光合成によって新鮮な酸素を発生させるため、加湿器と空気清浄機の機能を兼ね備えているといえます。

インテリアとしても最適なのでまさに一石三鳥といえるでしょう。

エアコンではなく石油・ガスストーブを使う

石油・ガスストーブはエアコンに比べ、燃焼する際に水蒸気を発生させるため部屋が乾燥しにくくなります。

ただし、一酸化炭素中毒や火事を引き起こす可能性があるので、取り扱いには十分注意し、こまめに空気の入れ替えを行いましょう。

部屋の過度な加湿には要注意!結露とカビにも要注意

部屋が乾燥するからといって、むやみに部屋の湿度を上げると結露やカビの原因になってしまいます。

夏場のカビやダニは気にしていても、冬場は気にしないという人も多いのではないでしょうか。しかし、カビやダニは夏も冬も関係なく発生し、健康に被害を及ぼします。

可能であれば部屋に湿度計を用意し、温度との兼ね合いもありますが湿度は40〜60%をキープすることを心がけてください。冬に窓が結露しているときは要注意。すぐに窓拭きをして、湿度が60%を越える場合は、定期的に窓を開けて換気するようにしましょう。

結露

まとめ

部屋が乾燥すると、健康に影響を及ぼすだけではなく、火事になるリスクもあります。今回ご紹介した方法で、部屋の湿度を適正に調整してみてください。過度に湿度を上げることはダニやカビの原因になるので避けましょう。

  1. 東京都保健医療局:
    健康・快適居住環境の指針
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