冷蔵庫マットのメリット・デメリット！後悔しない選び方を解説

冷蔵庫を設置する際に、冷蔵庫マットを敷くかどうか悩むという方は多いのではないでしょうか。冷蔵庫マットには、床の傷やへこみを防ぐというメリットがある一方で、カビの発生や掃除のしにくさといったデメリットもあります。

この記事では、冷蔵庫マットのメリット・デメリットをはじめ、後悔する理由や後悔しないための選び方を紹介します。持ち家と賃貸といった住宅タイプ別の必要性も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

冷蔵庫マットを敷く理由は？後悔するのはなぜ？

「冷蔵庫マット」とは、冷蔵庫の下に敷くマットを指し、床の傷つき・へこみを防止できます。素材にはゴム、コルク、ポリプロピレンなどがあり、製品によっては地震の際の転倒防止にも役立ちます。

冷蔵庫マットを敷かないと、引越しや買い替えなどで冷蔵庫を動かした際に床を傷つけてしまう可能性があります。一方、冷蔵庫マットを敷くことで、冷蔵庫の下の掃除がしにくくなったり、床との接地面にカビが生えてしまったりすることもあります。

そのため、冷蔵庫マットを敷いても敷かなくても、目的や使い方次第で後悔することになる可能性があります。

冷蔵庫マットで後悔しないために、まずは、冷蔵庫マットのメリット・デメリットについて、以下で詳しく見ていきましょう。

冷蔵庫マットのメリット

冷蔵庫マットを敷くことで、次のようなメリットが得られます。

• ▼床の傷やへこみの防止
• ▼床の汚れの防止
• ▼防音
• ▼冷蔵庫の転倒防止

ここでは、それぞれのメリットについて詳しく解説します。

床の傷やへこみの防止

冷蔵庫マットを使用する大きなメリットの一つは、床が傷ついたりへこんだりするのを防ぐことです。

冷蔵庫は、重量がある上に、日常生活ではほとんど動かすことがありません。そのため、本体を支える4つの足に重さが集中し、どうしても床がへこみやすくなってしまいます。

その点、マットを敷くことで冷蔵庫と床の間にクッションができ、床面の保護につながります。また、床面と冷蔵庫の足が直接触れないため、床の傷つき防止にもなります。

床の汚れの防止

冷蔵庫回りは、水分や食品などで汚れやすくなっています。そのような環境では、冷蔵庫の下にマットを敷くことで、床の汚れを防止できます。

冷蔵庫の下は、汚れに気づきにくいものです。もし、気づかないうちに汚れてしまっていても、マットが敷いてあれば、床に汚れがこびりついたりシミになったりすることを防げます。

防音

冷蔵庫マットは、冷蔵庫の振動や音が周囲に広がるのを抑えてくれます。とくに、ゴムやコルクなどの素材でできたものは、高い効果が期待できます。

集合住宅に住んでいる場合は、周囲の部屋への騒音対策としても有効です。

冷蔵庫の転倒防止

転倒防止効果がある素材を用いた冷蔵庫マットを選ぶと、地震の際にも役立つ可能性があります。

冷蔵庫は重量があるため、地震があったときに倒れると大変危険です。冷蔵庫マットも転倒防止に役立ちますが、それだけに頼らず、他の転倒防止策も一緒に行うと良いでしょう。

冷蔵庫マットのデメリット

冷蔵庫マットは敷くことでメリットもありますが、以下のようなデメリットもあります。

• ▼マットの貼り付き
• ▼掃除がしにくい
• ▼虫害にあいやすい・カビが生える

ここでは、それぞれのデメリットについて詳しく解説します。

マットの貼り付き

冷蔵庫は簡単に移動できない家電です。そのため、長時間同じ場所に置くことになり、マットが床に貼り付いてしまう可能性があります。長期間貼り付いた状態が続くと、「はがすときに床材が一緒にはがれる」「床にマットの色が移る」などの悪影響を及ぼします。

また、冷蔵庫マットを敷くと、床に冷蔵庫の足跡はつきにくくなるものの、完全に防げるわけではないことは覚えておきましょう。

掃除がしにくい

冷蔵庫マットは簡単に移動できないため、床掃除がしにくくなります。マットと床の間に水や湿気が入ってしまうと、床材の腐食が進み、床が傷んでしまうおそれもあります。

床とマットの隙間に入った水分や汚れには気づかないことが多いため、定期的にしっかり掃除するようにしましょう。

虫害にあいやすい・カビが生える

食べ物や髪の毛がマットの下に挟まると、虫を引き寄せる原因となります。また、冷蔵庫やキッチン付近の高温多湿な環境下では虫の発生やカビのリスクが増します。

マットを敷いたことで冷蔵庫周辺の通気性が損なわれると、問題が悪化しがちです。冷蔵庫マットを敷く場合は、冷蔵庫の両脇と壁との間にスペースを空け、風通しの良い状態を作りましょう。

なお、冷蔵庫周辺の通気性が悪かったり、高温多湿だったりすると、冷蔵庫が冷えにくくなったり、故障の原因になったりする可能性もあります。もし、冷蔵庫に不具合のサインが見られたら、修理や買い替えもご検討ください。

住宅タイプ別：冷蔵庫マットの必要性

冷蔵庫マットのメリットを活かすためには、事前の検討が大事です。持ち家・賃貸など住宅のタイプによって冷蔵庫マットの必要性は変わってくるため、よく検討したうえで購入しましょう。

ここでは、住宅タイプ別の冷蔵庫マットの必要性について解説します。

持ち家

持ち家で冷蔵庫マットを敷くのであれば、環境に適した素材や商品を選ぶことが重要です。自宅が新築物件で、床面を綺麗に保つことが目的の場合、冷蔵庫マットの使用は効果的です。

ただし、注意したいのは、マットの素材次第では床に貼り付いたり、湿気によってカビや虫が発生したりする可能性がある点です。また、湿気の多いキッチンでは、マットを敷くとかえって床を傷める可能性があります。

そもそも、耐久性の高い床材が使われている場合は、冷蔵庫マットの必要性はさほど高くありません。タイルやコンクリートを使用していたり、フローリングが硬かったりするのであれば、マットを敷く必要がないケースもあります。

そのため、床材の耐久力によって冷蔵庫マットを敷くかを検討すると良いでしょう。

賃貸

賃貸物件に住んでいて、退去時に原状回復費用を発生させないことが目的であれば、冷蔵庫マットは不要です。通常の使い方のなかで自然に発生した、家庭用冷蔵庫による床のへこみの原状回復費用は、貸主が負担するのが一般的だからです。

逆に、冷蔵庫マットを敷いていたことが原因で生じたカビや汚れ、マットの貼り付きなどの原状回復は、借主負担になる可能性があります。冷蔵庫マットを敷く場合には、定期的な掃除やメンテナスができていないと、原状回復費用を借主が負担する可能性はかえって高くなるといえるでしょう。

ただし、冷蔵庫を設置するときや引越し作業時に生じた傷などは借主が負担する必要があるため、どうしても不安であれば冷蔵庫マットを敷くという判断も考えられます。

どのリスクに対してどのような回避手段をとるかが、冷蔵庫マットを敷くかどうかの判断基準となります。

冷蔵庫マットの選び方

冷蔵庫マットは目的や環境で選び方が変わるため、「これがベスト」と一概にはいえません。買ってから後悔しないためには、何を目的としているのか、どのような効果を求めているのかを明確にしてから選ぶのが最善策です。

ここでは、冷蔵庫マットの選び方について解説します。

形状

冷蔵庫マットの形状には、床に密着するように敷く「シートタイプ」と、四隅の足をマットに乗せる「ミニマットタイプ」の2つがあります。

シートタイプは床を広範囲にカバーでき、ミニマットタイプは足のある四隅以外の通気性が良くなる特徴があります。

汚れやすい環境下であれば、床面を広くカバーするシートタイプがおすすめです。高温多湿の環境下でカビや害虫の発生が心配であれば、ミニマットタイプを使って通気性を確保すると良いでしょう。

床材との相性

冷蔵庫マットを選ぶ際は、床材との相性を考えて選びましょう。マットによく使われている素材と、それぞれと相性の良い床材は下表のとおりです。

素材	相性の良い床の素材
ゴム	フローリング、フロアタイル
コルク	フローリング、フロアタイル
ポリプロピレン	フローリング
ポリカーボネート	フローリング、フロアタイル

冷蔵庫が発する音を吸収するには、ゴム素材が適しています。コルク素材は防虫効果が期待できるため、虫が気になる人向けです。

水漏れ対策として使用するのであれば、防水性の高いポリプロピレンをおすすめします。床材が柔らかい場合は、材質の硬いポリカーボネートを検討してみても良いでしょう。

マットのサイズ

冷蔵庫のサイズに合ったマットを選ぶため、あらかじめ冷蔵庫の底面の寸法を測っておきましょう。マットのサイズが適しておらず、冷蔵庫の足の一部が床に直接乗っているような状態は、本体が安定せず転倒のおそれがあり、大変危険です。

冷蔵庫がマットの上にきちんと収まり、四方を均等に支えられる製品を選びましょう。

冷蔵庫マットを敷くか決めかねる場合は一旦保留する

冷蔵庫マットは敷けば必ず良い効果が得られるものではないため、敷くかどうか判断に迷うこともあると思います。

マットを敷くべきか、すぐに決められない場合は、敷かずに生活してみて、様子を見るのも1つの方法です。音や汚れの問題が発生しないようであれば、冷蔵庫マットの購入は不要といえます。

まとめ

冷蔵庫マットの使用には、メリット・デメリットのどちらもあります。敷いた場合と敷かない場合の状況を検討し、あくまで必要な場合に使用するのが、適切な使用方法です。

高温多湿の環境下でマットを敷いた場合は、カビが発生したり、害虫を呼び寄せてしまったりする可能性があります。また、床の素材が柔らかい場合は、マットを敷かないと、冷蔵庫の足によって床面がへこむおそれもあります。

冷蔵庫マットは敷いても敷かなくても後悔する可能性があることを覚えておき、ご自宅の状況や設置スペース環境を考慮したうえで、ベストな選択をしましょう。