黄砂の時期の洗濯物はどうする?外干しNGの判断基準と干し方
洗濯物に黄砂がつくと、衣類にさまざまな悪影響を及ぼします。本記事では、黄砂の概要を解説するとともに、洗濯物への影響や付着を防ぐ対策についても詳しく紹介します。
黄砂が洗濯物に与える影響とは?
黄砂(こうさ)とは、砂漠から風で舞い上がった微細な砂や土の粒子が日本まで届き、降り注ぐ気象現象のことです。乾燥地帯である中国やモンゴルなどの砂漠から、西から東へと吹く偏西風に乗って、周辺の国に砂や土が降り注ぎます。
黄砂の粒子はスギ花粉の10分の1程度の大きさしかなく、繊維のすき間に入り込みやすいため、洗濯物に付着しやすいことが特徴です。また、黄砂の主な成分は水にも油にも溶けにくい不溶性で、一度付着すると落ちにくいことがあります。黄砂がひとたび衣服の繊維の奥まで入り込んでしまうと、単純に汚れるだけでなく、繊維が傷ついたりニオイの付着につながったりします。
ここからは、黄砂が洗濯物に及ぼす影響やリスクを解説していくので、確認しておきましょう。
衣類の繊維を傷つける
黄砂は、非常に硬い微細な石の粒子です。これが繊維の奥深くまで入り込むと、洗濯物の生地を削り、傷めてしまうおそれがあります。
とくに、ニットやセーターなどの繊維が細かい衣服や、肌に直接触れる下着、肌の弱いお子様の衣服などは、質感の劣化に注意が必要です。
衣類の汚れや黄ばみにつながる
黄砂には鉄やカルシウムなどの金属元素が含まれているため、衣類が汚れたり黄ばんだりする可能性もあります。
細かい粒子が衣類の繊維に入り込むと、汚れや黄ばみがなかなか落ちなくなってしまいます。
ニオイが付着する
黄砂そのものは無臭ですが、飛来する過程で大気中の有害物質や金属化合物を吸着して運んできます。これらが洗濯物の水分と反応して付着すると、不快なニオイの原因になります。
一度染み付いたニオイは、再度洗い直しても取り除くのが難しいため非常に厄介です。

黄砂シーズンの洗濯:外干しに注意が必要な期間
黄砂が飛来するピーク時期は、主に2月下旬から5月頃です。この時期に洗濯物を外干しすると、黄砂が付着するおそれがあります。
洗濯トラブルを防ぐためにも、外干しに注意が必要な期間や黄砂の飛来状況を事前に把握することが大切です。
外干し注意期間:2月下旬〜5月
黄砂は、中国大陸内陸部の乾燥地帯から、偏西風に乗って日本へ運ばれてきます。現地の地表が乾燥し、強い風が吹きやすくなる2月下旬から5月頃が、黄砂の主な飛来シーズンです。
気象庁の調査[1]によると、中でも3〜4月は、日本への飛来頻度・飛散量ともにピーク時期にあたります。この時期は、スギ・ヒノキ花粉の飛散ピークとも重なるため、洗濯物への付着リスクが高くなります。黄砂が花粉と接触すると、刺激で花粉が細かく砕けるといわれており、その結果、衣類の繊維の奥へ入り込みやすくなる可能性があります。
黄砂と花粉が重なる時期は、アレルギー症状が気になる人はとくに注意が必要です。衣類の汚れやアレルギー対策を考えると、飛散のピーク時期には外干しよりも部屋干しを選ぶのがおすすめです。
黄砂飛来情報のチェック方法
黄砂の影響を避けるためには、事前に飛来状況を確認する習慣を身につけることが大切です。
まずチェックしたいのが、気象庁の「黄砂解析予測図」[2]です。数日先までの黄砂の飛来状況をアニメーションで確認でき、居住地の色が濃く表示されている日は、外干しを控えるのが無難です。
あわせて確認したいのが、「黄砂観測実況図」[3]に示されている「視程(してい)」です。視程とは、肉眼で対象物がはっきりと確認できる最大の距離のことです。気象庁の観測基準において、視程が10km未満になると黄砂による視界の悪化が顕著になり始めます。これを目安に、10kmを切る予測が出ている日は外干しを控える判断基準にすると良いでしょう。
- 視程10km以上:黄砂は飛来しているが比較的少なめ。
- 視程5〜10km:洗濯物に付着し始めるレベル。敏感な人は注意。
- 視程5km未満:視界が霞むほどの大量飛散。外干しは厳禁。
これらの情報を組み合わせて確認することで、その日の洗濯方法をより安全に判断できます。
黄砂対策は「部屋干し」がおすすめ!洗濯・干し方のポイント
黄砂が飛来する2月下旬〜5月頃は、部屋干しが安心です。2〜5月はスギ花粉、3〜5月は微粒子状物質(PM2.5)の飛散量もピークになるので、これらの付着が気になる方も外干しは避けた方が良いでしょう。
しかし、部屋干しは乾きにくさや、生乾き臭が気になりますよね。ここからは、黄砂対策をしながら、洗濯物をより素早く清潔に乾かすための5つのコツをご紹介します。
洗濯物をこまめに洗う
黄砂シーズンは、洗濯物をため込まずこまめに洗うことが大切です。洗濯物を長時間放置すると、黄砂に含まれる細かな粒子や皮脂汚れが繊維に定着し、洗っても落ちにくくなってしまいます。
また、こまめに洗濯することで、ニオイの発生や菌の繁殖を抑える効果も期待できます。とくに、肌に直接触れる下着やタオル類は、早めに洗うのが理想的です。黄砂や花粉の影響を受けやすい時期こそ、洗濯のタイミングを意識して清潔さを保ちましょう。
除菌・抗菌効果のある洗剤や酸素系漂白剤を使用する
部屋干しが増える黄砂シーズンは、室内に湿気がこもりやすく、雑菌が繁殖しやすい環境になります。そのため、洗濯には除菌・抗菌効果のある洗剤を選ぶと、ニオイや菌の発生を抑えやすくなります。
あわせて、酸素系漂白剤を併用することで、黄砂由来の細かな汚れや落ちにくいニオイも落としやすくなります。酸素系漂白剤は色柄物にも使えるのが大きなメリットで、衣類を傷めにくく、日常使いしやすい点も魅力です。ただし、酸素系漂白剤を使用できない衣類もあるため、使用する前に洗濯表示をチェックしましょう。
洗濯物を10〜15cmほど離して干す
部屋干しでは、洗濯物同士の間隔を空けることが重要です。10〜15cmほど離して干すことで風通しが良くなり、乾燥ムラを防ぎながら部屋干し特有のニオイの発生を抑えられます。
とくに、厚手の衣類は外側、薄手の衣類は内側に配置する「アーチ干し」を意識すると、空気の流れが生まれて効率よく乾かすことができます。

除湿機やサーキュレーターなど家電を活用する
部屋干しをする際は、除湿機やサーキュレーターを使って「湿気の除去」と「空気の循環」を同時に行うと、乾燥時間を大幅に短縮できます。
サーキュレーターは強い風で空気を循環させるのが得意で、洗濯物の水分を効率よく飛ばして生乾き臭の発生を抑えます。湿気がこもりやすい時期は、エアコンの除湿(ドライ)機能を活用するのも有効です。
家電を賢く組み合わせることで、外干し以上に効率よく、清潔に仕上げることができます。
洗濯槽を月1回お手入れする
黄砂の時期は洗濯の回数が増え、洗濯槽に水分が残りやすくなります。その結果、カビや汚れが蓄積しやすい環境になり、せっかく洗った衣類に汚れが逆戻りする可能性もあります。そのため、月1回程度を目安に洗濯槽を清掃しておくと安心です。
黄砂シーズンの洗濯に関するQ&A
ここでは、黄砂シーズンによくある質問と、その具体的な対処法をQ&A形式でまとめました。
どうしても外干ししたい場合はどうすれば良い?
黄砂シーズンでは部屋干しが理想ですが、やむを得ず外に干す際は、付着を最小限に抑える工夫が必要です。
まずは、衣類全体を覆う「洗濯物保護カバー」を活用し、衣類が黄砂や花粉が直接触れないようガードしましょう。ただし、黄砂の粒子は微細なため、洗濯物保護カバーの隙間から侵入するリスクを完全には排除できません。カバーはあくまでやむを得ない場合の補助手段と考えましょう。
あわせて、気象情報をこまめにチェックし、飛散量の少ない時間帯を見極めることも重要です。
間違えて外干ししてしまったらどうすれば良い?
外干し後に黄砂の付着が気になる場合は、衣類を軽くはたいて表面の黄砂を落としましょう。その後、できるだけ早めに洗い直すのがおすすめです。
汚れやニオイが気になる場合は、酸素系漂白剤でのつけ置き洗いが効果的です。乾いた状態で無理にこすってしまうと、黄砂や汚れが繊維の奥に入り込む原因になるため注意しましょう。

黄砂を家に持ち込まないようにする方法は?
外出時に付着した黄砂が気になるときは、玄関先で衣服や髪を軽くはたいてから室内に入りましょう。
室内では空気清浄機を活用し、換気を行う場合は黄砂が少ない時間帯を選び、短時間で済ませるのがポイントです。こうした小さな工夫を重ねることで、室内への黄砂の持ち込みを最小限に抑えられます。
まとめ
黄砂が飛来する2月下旬〜5月頃の洗濯は、部屋干しが有効な対策の一つです。洗濯時は除菌洗剤や酸素系漂白剤を活用することで、菌の増殖を抑えつつ汚れも落としやすくなります。また、干す際は10〜15cmの間隔を空ける「アーチ干し」を意識しましょう。サーキュレーターの風を直接当てれば、部屋干し臭を抑えて効率よく乾かせます。
黄砂の時期でも気持ちよく洗濯ができるよう、今回ご紹介した内容をぜひ参考にしてみてくださいね。
- 国土交通省 気象庁:
「黄砂観測日数の経年変化」 - 国土交通省 気象庁:
「黄砂情報 黄砂解析予測図(地表付近の黄砂の濃度)」 - 国土交通省 気象庁:
「黄砂情報 黄砂観測実況図」
記事編集
- くらひろ編集部
- 東京電力エナジーパートナー株式会社
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