古米を美味しく炊く方法は?水加減やちょい足しのコツを解説
古米を炊いてみたら、ニオイが気になったり、ぼそぼそして新米のようにふっくらしなかったりした経験はありませんか。
物価高などの影響で、普段より手頃なお米を選ぶ中で、古米を食べる機会が増えたという方もいるかもしれません。また、実家から送られてきたお米が、気づけば古米になっていたというケースも少なくありません。
古米は新米に比べて水分量が減り、香りや風味も変化しています。水加減や浸水時間を見直し、調味料を少量加えることで、新米に近い味わいに近づけられます。
この記事では、古米がおいしく感じにくい理由、基本の炊き方のステップ、ニオイやパサつきを抑えるちょい足しの工夫、そして古米の食感を活かしたおすすめの食べ方を紹介します。
目次
古米が新米のように炊けない3つの理由
古米は、工程を工夫して炊けば新米に近いおいしさに炊き上げられます。
ポイントは、水を通常より多めにし、浸水時間を長めに取ったうえで、みりんや日本酒などをちょい足しすることです。
なぜこうした工夫が必要になるのか、理由を知っておくと対策の効果を実感しやすくなります。ここでは、古米が新米のように炊けない主な理由を3つ紹介します。
保存中に水分量が減っていてパサつきやすい
古米は、保存期間中に水分が徐々に抜けていくため、新米に比べて炊き上がりがパサついた食感になりやすくなります。
お米がふっくら炊き上がるのは、加熱によって米粒内のでんぷんが水を吸い、やわらかく変化する「糊化(こか)」が起こるためです。糊化をしっかり進めるには、十分な水が欠かせません。
古米は乾いた状態から炊き始めることになるため、新米と同じ水加減では糊化に使える水が足りなくなります。その結果、パサついたり、芯が残ったようなかたい仕上がりになったりすることがあります。
ぬか由来の脂質が酸化してニオイ・風味が落ちる
ぬかに由来する脂質の酸化によって、独特のニオイや風味の劣化が起こりやすいのも古米がおいしく炊けない理由の一つです。
精米した白米にも、新米・古米を問わずごく微量のぬかや脂質が表面に残っていることがあります。古米は、この脂質が時間の経過とともに酸化することで、独特のニオイが生じやすくなっています。
脂質の酸化が進むと、香りが弱く感じられたり、風味が落ちたりして、味に深みを感じにくくなることがあります。古古米など保存年数が長いお米ほど、ニオイや風味の対策が必要になるといえるでしょう。

新米の炊き方は古米の特性に合わないことがある
新米と古米では、最適な水加減や浸水時間が異なる場合があります。
新米は、もともとの水分量が多いため、水加減を控えめにし、浸水時間を短くしても、ふっくらと炊き上がりやすい傾向があります。一方で、古米は乾燥が進み、米粒の組織が硬くなっています。そのため新米と同じ水加減・浸水時間では、芯まで十分な水が届かないまま加熱が始まり、芯の部分のでんぷんが糊化しきれず、硬さや芯残りにつながることがあります。
こうした特性を踏まえ、古米には古米に合った炊き方を意識することが大切です。具体的には、水をやや多めにし、浸水時間を長めに取ることで、芯まで水を行き渡らせることができます。
古米を美味しく炊くための基本ステップ
古米をおいしく炊くには、洗米から蒸らしまでの工程に、ちょっとした工夫を加えることがポイントです。
ここでは、古米をおいしく炊くための基本ステップを順番に見ていきましょう。
洗う前にざるで軽くふるって白い粉を落とす
古米は、洗米の前にざるへ入れて軽くふるい、表面の白い粉を落としておくのがポイントです。
古米は割れやすく、表面に古米特有の白い粉が付着していることがあります。この粉をあらかじめふるい落としておくと、酸化したニオイやべたつきを緩和しやすくなります。
ただし力を入れすぎるとお米が割れてしまうため、やさしく扱いましょう。
冷水でやさしく短時間で洗米する
洗米には冷たい水、できれば浄水を使うのが望ましいです。
1回目の水は、注いだらさっとかき混ぜて、すぐに捨てましょう。そのまま置いておくと、汚れやニオイが溶け出した水をお米が吸ってしまいます。
2回目からも、力を入れて研ぐ必要はありません。やさしくかき混ぜる程度にとどめると、お米が割れずに済みます。
水が透明になるまで洗うのは研ぎすぎです。とぎ汁がやや白っぽい状態で止めるのが目安になります。

通常より水を多めにして2時間以上浸水させる
古米は乾燥が進んでいることがあるため、通常より少し水を増やして炊くのがおすすめです。目安としては、1合あたり大さじ1/2程度増やして、炊き上がりを見て微調整すると失敗しにくくなります。保存年数が長い場合は、さらに少し水を増やすとよい場合もあります。
浸水時間の目安も、お米の状態によって異なります。一般的なお米であれば、浸水時間は夏場で30分〜1時間、冬場で1〜2時間が目安になります。一方で古米は乾燥が進んでいる分、水を吸うのに時間がかかるため、2~3時間を目安に長めに浸水させるとふっくら仕上がりやすくなります。夏場に浸水させる場合は、雑菌の繁殖を抑えるため冷蔵庫で行うと安心です。
炊飯後は10〜15分蒸らしてから全体をほぐす
炊き上がったら炊飯器のフタを開けず、そのまま10〜15分ほど蒸らすと、水分が均一に行き渡りふっくら仕上がります。
蒸らしたあとは、しゃもじで底から大きくやさしく返すようにほぐし、余分な蒸気を逃がしましょう。
このひと手間を加えることで水分バランスが整い、古米特有のべたつきやパサつきが軽減されやすくなります。
古米のニオイやパサつきを抑える「ちょい足し」5選
基本の炊き方に加えて、家にある調味料を少量加える「ちょい足し」を活用すると、古米特有のニオイやパサつきをさらに和らげられます。
ここでは、古米のニオイやパサつきを抑えるちょい足しをご紹介します。
- ▼本みりんを加えて甘み・つやをプラスする
- ▼日本酒を加えてニオイを抑える
- ▼はちみつ・米酢で香りやニオイをやわらげる
- ▼5cm角の昆布を入れてうま味を補う
- ▼サラダ油を少量加えてつや・もっちり感を出す
本みりんを加えて甘み・つやをプラスする
本みりんには糖分とアルコール分が含まれており、糖分がごはんに自然な甘みとつやを与え、アルコール分が古米特有のぬか臭をやわらげてくれます。
この2つの働きによって、パサつきがちな古米でもふっくらとした仕上がりに近づくため、ちょい足しとしておすすめです。
1合あたり小さじ1/2〜1程度を目安に、水を多めにする工程と組み合わせて使うとより効果を感じやすくなります。

日本酒を加えてニオイを抑える
日本酒は加熱するとアルコールが蒸発します。このときニオイの成分も一緒に連れ出してくれるので、古米特有のニオイが気になりにくくなります。
さらに水分の一部としてお米に吸収されるため、ふっくらとした仕上がりにもつながり、ニオイとパサつきの両方に効果が期待できます。1合あたり小さじ1〜大さじ1程度を目安に、少なめから試してみましょう。
炊飯時の加熱でアルコールは揮発しやすいですが、子どもと食べるときなど気になる場合は、量を控えるか、別のちょい足しを選ぶと安心です。
はちみつ・米酢で香りやニオイをやわらげる
はちみつのほのかな甘みや米酢のさっぱりとした酸味は、古米特有のニオイや雑味を覆い隠してくれるため、ニオイが気になる方におすすめの組み合わせです。
はちみつは1合あたり小さじ1/4程度、米酢は数滴〜小さじ1/4程度を目安に加えてみましょう。入れすぎると風味が強くなりすぎるため、少量から試すのがポイントです。
なお、はちみつは1歳未満の乳児には与えられません。1歳未満のお子さんが食べる可能性がある場合は、はちみつ以外のちょい足しを選びましょう。
5cm角の昆布を入れてうま味を補う
昆布にはグルタミン酸といううま味成分が豊富に含まれており、古米と一緒に炊くことで古米の劣化によって薄れたうま味を補い、味に深みを持たせてくれます。
1合あたり5cm角程度の昆布を1枚入れて炊くのが目安です。他の調味料と組み合わせても風味が喧嘩しにくいため、万能なちょい足しとして活用できます。
入れた昆布は炊き上がる前に取り出しても、そのままほぐして食べても構いません。
サラダ油を少量加えてつや・もっちり感を出す
サラダ油を少量加えると、炊き上がりにつやが出て、もっちりとした食感に仕上がりやすくなるといわれています。
1合あたり小さじ1/4程度を目安に加えてみましょう。量を増やしすぎると油っぽくなるため、少量にとどめることが大切です。他の調味料と併用する場合も、1〜2種類に絞るのがおすすめです。
古米のパラッと食感を活かしたおすすめの食べ方
古米は工夫次第で、新米にはない魅力を引き出せます。
ここでは、古米ならではの食感を活かせるおすすめの食べ方を見ていきましょう。
チャーハン・ピラフなどパラッと仕上げたい料理
古米は保存中に水分が抜けて粘りが少なくなっているため、新米よりもパラッとした食感に仕上がりやすく、チャーハンやピラフなどパラパラ感を求める料理と相性が良いです。
炊いた古米を冷ましてから使うとさらに粘りが出にくくなるため、パラッと仕上げやすくなります。パラパラのチャーハンを作りたいときには、古米はむしろ扱いやすい米だといえるでしょう。
カレー・丼ものなど味の濃いおかずと合わせる
カレーや丼ものなど、ルーやタレと絡める料理はごはんの風味の強さが目立ちにくいため、古米特有のニオイが気になりにくいです。米そのものの味を強く感じさせない分おいしく食べやすくなります。
忙しい平日の夕食メニューとしても取り入れやすく、古米の消費先として活用しやすい料理です。
炊き込みごはん・おこわで風味をアレンジする
炊き込みごはんやおこわにすると具材や調味料の風味が加わるため、古米特有のニオイが気になりにくくなります。
また、もち米と少量ブレンドしておこわ風に炊くと、もちもちした食感が加わって古米のパサつきが目立ちにくくなるため、単体で炊くよりも満足感のある一品に仕上げやすくなります。
古米は表面に白い粉が付着していたり、ニオイが残っていたりすることがあります。そのままブレンドすると他の米にも影響しやすいため、混ぜる前に古米だけざるでふるったり、丁寧に洗米しておいたりするとよいでしょう。

古米に関するよくある質問
ここでは、古米に関するよくある質問に回答します。
古米・古古米・新米の違いは?
収穫からの経過年数による呼び分けで、新しい順に「新米」→「古米」→「古古米」→「古古古米」となります。
このうち「新米」だけは国のルール(食品表示基準)で決められており、収穫した年の12月31日までに精米して袋詰めされたお米に限られます。この日を過ぎて袋詰めされたお米には「新米」と表示できません[1]。
一方の「古米」「古古米」「古古古米」は、法律で決まった言葉ではなく、昔から使われてきた呼び方です。収穫から1年以上経つと「古米」、2年で「古古米」、3年で「古古古米」と、1年ごとに「古」が一つずつ増えていきます。
お店の袋に「古米」と書かれることはないため、気になるときは袋の「産年(令和○年産)」と「精米時期」を見て判断しましょう。
古米の臭みを消して美味しく炊く方法は?
古米臭の主な原因は、お米の表面に残ったぬかに含まれる酸化した脂質です。古米の臭みを抑えるには、この脂質を洗米の段階で落としておくことが重要です。
洗米前にざるへ入れて軽くふるい、表面の白い粉を落としておくと、ニオイのもとを物理的に減らしやすくなります。ただし力を入れすぎるとお米が割れて食感が悪くなるため、やさしく扱いましょう。
炊く際に料理酒・みりん・昆布・米酢などを少量加えると、風味やうま味が古米臭をカバーしてくれます。
もち米を混ぜるときはどのくらいの割合がよい?
古米1合(180mL)に対し、もち米を大さじ1(約15g)程度加えるのが目安です。
もち米を加えた分、水も同量(大さじ1=約15mL)追加しましょう。それでも炊き上がりがかたい場合は、次回から水をもう少し増やして調整してみてください。
もち米を入れすぎるとべたつきが強くなりすぎるため、少量から試すのがおすすめです。
まとめ
古米は水分量の減少や脂質の酸化によって、新米と同じ炊き方ではパサつきやニオイが気になりやすくなります。
水を通常より多めにして2時間以上を目安にしっかり浸水させ、みりんや日本酒などをちょい足しすることで、新米に近い味わいに近づけられます。
チャーハンやカレーなど、古米ならではのパラッとした食感を活かせる料理に活用するのもおすすめです。
今日から紹介した工夫を取り入れて、手元の古米をおいしく味わってみてください。
- 農林水産省:
新米の表示の定義を教えてください。
記事編集
- くらひろ編集部
- 東京電力エナジーパートナー株式会社
「東京電力 くらひろ by TEPCO」は、東京電力エナジーパートナーが運営するWebメディアです。でんきやガスのことはもちろん、あなたの毎日に役立つ知識から、くらしを広げるアイデアまで、“知りたい”に答える多彩な記事をお届けします。

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