乾燥したタオルに頬ずりする女性
家電の知識

【種類別に比較】乾燥機の電気代はいくら?1回・月間の光熱費を解説

衣類乾燥機は、外に洗濯物を干せない雨の日や寒い日でも洗濯物を乾燥させられ、大変便利な家電です。しかし、「乾燥にどれぐらいの電気代がかかるのか」「どの種類の乾燥機のランニングコストが安いのか」といった疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

この記事では、洗濯乾燥機や、ガス式・電気式の衣類乾燥機、浴室乾燥機など、乾燥機の種類ごとに電気代やガス代を計算し、1回あたりの使用料や月間・年間の光熱費を比較します。あわせて、衣類乾燥にかかる電気代を節約するためのポイントも紹介しますので、ぜひご覧ください。

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【種類別】乾燥機の1回あたりの電気代(使用料)

乾燥機は種類によって使用料が異なります。種類別の1回あたりの使用料(電気代やガス代の合計)の目安は、以下のとおりです。

なお、各乾燥機の乾燥容量はすべて6kg(浴室乾燥機のみ3kg)としています。

種類 1回あたりの
使用料
1回あたりの
電力消費量
1回あたりの
ガス消費量
ドラム式洗濯乾燥機
(ヒートポンプ式)
26円 0.822kWh
(※1)
0kWh
ドラム式洗濯乾燥機
(ヒーター式)
46円 1.492kWh
(※2)
0kWh
縦型洗濯乾燥機
(ヒーター式)
65円 2.090kWh
(※3)
0kWh
ガス式衣類乾燥機
(都市ガス)
87円 0.271kWh
(※4)
5.040kWh
(※4)
ガス式衣類乾燥機
(LPガス)
159円 0.271kWh
(※4)
4.840kWh
(※4)
電気式衣類乾燥機
(ヒーター式)
143円 4.602kWh
(※5)
0kWh
浴室乾燥機 310円 10.000kWh
(※6)
0kWh
※1 パナソニックNA-LX129DL(消費電力量は定格洗濯乾燥時〈標準乾燥モード〉から定格洗濯時を除くことで算出)
※2 日立 BD-SV120KL(消費電力量は洗濯乾燥時から洗濯時を除くことで算出)
※3 シャープ ES-PW11J(消費電力量は洗濯乾燥時から洗濯時を除くことで算出)
※4 リンナイ 乾太くん RDT-63(乾燥時間は標準乾燥時間の65分で計算)
※5 パナソニック NH-D605(乾燥時間は「標準コース/ヒーター強」使用時の3時間40分で計算)
※6 パナソニック FY-13UG7E(使用電源は単相100V/50Hz、衣類重量3kg、節電モード使用時を想定し、乾燥時間は8時間で計算)

なお、乾燥機の種類ごとの1回あたりの電気代やガス代は、以下の計算式を基に算出しています。

電気代の計算式

電気代(円)=1回あたりの消費電力量(kWh)×電気料金の目安単価31(円/kWh)

電気料金の目安単価は2025年1月時点の単価(31円/kWh)[1]を使用

ガス代の計算式

ガス代(円)=1回あたりのガス消費量(kWh)÷ガス発熱量(MJ/m3)×換算係数3.6(MJ/kwh)×ガス料金単価(円/m3

  • ガス発熱量は、都市ガス45MJ/m3[2]、LPガス99MJ/m3[3]
  • 都市ガスのガス料金単価は194円/m3(1か月に25m3使用する家庭での1m3当たりの単価[2025年2月検針の東京地区一般契約料金での価格、基本料金・消費税込み])[4]
  • LPガスのガス料金単価は856円/m3(1か月に10m3使用する家庭〈LPガスの熱効率は都市ガスの2倍以上のため、同じ熱エネルギー使用量でもガス使用量は異なる〉での1m3当たりの単価[2025年2月の関東地区速報値の価格、基本料金・消費税込み])[5]

ここからは、衣類乾燥機それぞれの電気代(使用料)や特徴について解説します。

東京電力エナジーパートナー:電気はガスとまとめるとおトク

  • ガスセット割の適用には、対象の電気料金プランへの切替えが必要です。すでに対象の電気料金プランにご加入中のお客さまも対象です。

洗濯乾燥機の電気代:約26~65円

洗濯乾燥機の電気代は、一般的に26円~65円で、ドラム式か縦型か、ヒートポンプ式かヒーター式かの違いによって、電気代に差があります。

洗濯乾燥機の種類 1回あたりの電気代
ドラム式洗濯乾燥機
(ヒートポンプ式)
約26円
ドラム式洗濯乾燥機
(ヒーター式)
約46円
縦型洗濯乾燥機
(ヒーター式)
約65円

※算出条件は前述のとおり

ここからは、乾燥時のそれぞれの電気代を詳しく解説します。

ドラム式洗濯乾燥機(ヒートポンプ式):約26円

ドラム式洗濯乾燥機のうち、乾燥機がヒートポンプ式の機種の1回あたりの電気代は約26円です。今回ご紹介する乾燥機の中では、最も1回あたりの電気代を抑えることができます。

ヒートポンプ式は、エアコンにも使用されている「ヒートポンプ」という装置で、乾燥機内の湿った空気から水分を取り出すことで衣類を乾燥させます。原理としては、エアコンの除湿機能に近いものです。

ヒーター式に比べると省エネ性が高く、低温で乾燥させるため衣類が傷みにくいことが特徴です。

ただし、ランニングコストは安いものの、購入時の本体価格は他の乾燥機と比較して高い傾向にあります。そのため、乾燥機能の使用頻度が高い方や、同じ洗濯乾燥機を長く使いたい方におすすめの乾燥機です。

ドラム式洗濯機

ドラム式洗濯乾燥機(ヒーター式):約46円

ドラム式洗濯乾燥機のうち、ヒーター式の乾燥機では、乾燥機内部にある電気ヒーターで空気を温め、温風をドラム内に送り込むことで洗濯物を乾燥させる仕組みです。原理としては、ヘアドライヤーに近いものです。

1回あたりの電気代は約46円で、ヒートポンプ式よりは高いですが、他の種類の乾燥機よりは安い方といえそうです。

ヒーター式は、ヒートポンプ式よりも乾燥時間が短く済み、購入時の本体価格も抑えられることがメリットです。ただし、ヒートポンプ式に比べてエネルギー効率が低く、電気代が高くなることや、高温の空気で乾燥させるため衣服がダメージを受けやすい点には注意が必要です。

縦型洗濯乾燥機:約65円

縦型洗濯乾燥機では、ヒーターを使用して洗濯物を乾燥させるのが主流で、1回あたりの電気代は約65円です。

ドラム式と比べると乾燥時間が長くかかり、電気代もドラム式に比べて高いですが、購入時の本体価格はドラム式よりも安価なモデルが多いことはメリットです。また、ヒーター式のドラム式洗濯乾燥機と同様に、衣類にダメージを与えやすい点については注意が必要です。

縦型洗濯機の内部

ガス式衣類乾燥機の使用料:約87~159円

ガス式衣類乾燥機は、主にガスで洗濯物を乾燥させ、運転制御やモーターの駆動に電気を用いる乾燥機のことです。

ガス式衣類乾燥機の使用料は、ガス代と電気代を合計することで求められます。使用するガスの違いでガス代の部分の差が大きく異なり、電気代を含む1回あたりの使用料は、都市ガス(13A)の場合は約87円、LPガス(プロパンガス)の場合は約159円です。

使用するガスの種類 1回あたりの使用料
(電気代込み)
都市ガス(13A) 約87円
LPガス(プロパンガス) 約159円

※算出条件は前述のとおり

ガス式衣類乾燥機のメリットとしては、ガスを燃焼して乾燥させることで、比較的短時間で乾燥が完了することが挙げられます。また、洗濯機と乾燥機を分けられるため、洗濯と乾燥を同時並行でできることも強みです。家族の人数が多い場合など、1日に何回も洗濯をしているという方にはおすすめの乾燥機です。

一方で、高温の温風で乾かすため、衣類は傷みやすい傾向にあります。また、設置条件が厳しく、設置台や専用のガス管・排気ダクトが必要なことや、乾燥時に出る湿気を室外に排出するために壁に穴(排湿口)を開ける必要がある点には注意が必要です。

工事が必要なケースが多いため、ほとんどの賃貸物件では設置できないほか、排湿口を開ける必要があることから、気密性の高い住宅では設置が望ましくないケースがあります。

電気式衣類乾燥機の電気代:約143円

電気式衣類乾燥機は、洗濯物の乾燥に特化した機器で、ヒーター式の場合、1回あたりの電気代は約143円です。洗濯乾燥機やガス式の衣類乾燥機に比べて1回あたりの電気代が高いため、頻繁に乾燥機を使用する場合はランニングコストが高くなってしまう点に注意が必要です。

ただし、電気式衣類乾燥機は洗濯機能がついていない分、本体価格が安価なため、自宅の洗濯機に乾燥機能がついていない場合にも追加で購入できます。

※算出条件は前述のとおり

浴室乾燥機の電気代:約310円

浴室乾燥機は、浴室で洗濯物を乾燥させるための機能で、1回あたりの電気代は約310円です。洗濯物を乾燥させられることはもちろん、乾燥した温風を送ることでカビ防止や浴室の暖房効果もあります。

一方で、浴室全体を乾燥させるため、他の乾燥機よりも電気代が高くなったり、乾燥に時間がかかったりすることがデメリットです。ランニングコストがかかるため、頻繁に利用していると、月々の電気代に大きく影響してしまう可能性があります。

※算出条件は前述のとおり

浴室で干されているシャツ

【使用期間別】乾燥機の光熱費(電気代とガス代)の比較

1日に1回、衣類乾燥を行う想定で、乾燥機の種類ごとに1か月あたりと1年あたりの光熱費(電気代とガス代の合計)を比較しました。

日常的に乾燥機を使用する家庭では、年間の光熱費に大きく影響するため、乾燥機の購入を検討する際の参考にしてください。

種類 1か月あたり
(30日間)
1年あたり
(365日間)
ドラム式洗濯乾燥機
(ヒートポンプ式)
約770円 約9,300円
ドラム式洗濯乾燥機
(ヒーター式)
約1,390円 約16,900円
縦型洗濯乾燥機
(ヒーター式)
約1,940円 約23,700円
ガス式衣類乾燥機
(都市ガス)
約2,600円 約31,600円
ガス式衣類乾燥機
(LPガス)
約4,770円 約58,100円
電気式衣類乾燥機
(ヒーター式)
約4,280円 約52,100円
浴室乾燥機 約9,300円 約113,200円

※算出条件は本記事における1回あたりの使用料と同じです。

乾燥機の電気代の節約方法

乾燥機は便利な家電ですが、使い方によっては思った以上に電気代がかかってしまう場合もあります。洗濯乾燥機や電気式の衣類乾燥機の電気代を節約するには、以下の方法があります。

乾燥機は、日々の使い方を見直すことで光熱費を抑えられるので、ぜひ参考にしてください。

最適な電気料金プランに変更する

乾燥機の電気代を抑えるためには、家庭の電気料金プランを見直すことが重要です。家庭に最適な電気料金のプランは、家族構成や生活スタイル、普段使っている家電製品の数や使用状況によって異なります。

例えば、夜間に乾燥機を使うことが多い家庭なら、夜間の電気料金が割安になるプランに変更することで、電気代を効率的に抑えられます。家族の人数が多く、家電の使用頻度が高い家庭は、使用量に応じて割引が適用されるプランが適しています。

このように、家庭のライフスタイルに合ったプランを選ぶことで、無理なく電気代を節約できるでしょう。

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乾燥機の容量を守る

乾燥機の電気代を抑えるためには、機種ごとに定められた容量を守ることが大切です。規定量を超えて洗濯物を詰め込むと、均等に乾きにくくなり、結果として乾燥時間が長くなってしまいます。その分、余計な電気代がかかるだけでなく、衣類同士の摩擦で生地が傷んでしまう可能性もあります。

かといって、規定量よりも少ない量で何回かに分けて乾燥させていると、回数が増える分、電気代は高くなってしまいます。適切な容量で使用することで、乾燥機の性能を最大限に活かしながら、無駄な電気代を抑えることができます。

脱水をしてから乾燥機を使う

乾燥機の電気代を節約するためには、洗濯物を乾燥機に入れる前にしっかりと脱水することが重要です。十分に脱水ができていないと、衣類に多くの水分が残り、乾燥にかかる時間が長くなり、電気代が高くなります。

特に、タオルやデニムなどの厚手の生地は水分を多く含むため、しっかりと脱水してから乾燥機に入れることで、乾燥時間を短縮できます。また、過度に濡れた衣類によって、乾燥機のモーターにかかる負荷を軽減し、乾燥機の寿命を延ばすことにもつながります。

洗濯ネットに入った洗濯物

まとめ

乾燥機には、洗濯乾燥機、ガス式乾燥機、電気式乾燥機、浴室乾燥機があり、それぞれ電気代が異なります。電気代が安くても製品価格が高額なものや、電気代が高くても省エネなものなど、種類によって特徴はさまざまなため、乾燥機の使用頻度や洗濯物の量を考量して、家庭に合ったものを選ぶのが重要です。

また、乾燥機の電気代を節約するためには、電気料金プランの見直しや乾燥機の容量を守ること、しっかり脱水してから使用することが効果的です。

  1. 全国家庭電気製品公正取引協議会:
    よくある質問
  2. 東京瓦斯株式会社:
    都市ガスの種類・熱量・圧力・成分
  3. LPガス安全委員会:
    LPガスとは?
  4. 東京瓦斯株式会社:
    ガス料金早見表(2025年2月検針分) [PDF]
  5. 一般社団法人 日本エネルギー経済研究所 石油情報センター:
    一般小売価格

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