サーキュレーター 逆効果
家電の知識

冷房にサーキュレーターは逆効果?正しい置き方と使い方

サーキュレーターは、室内の空気の循環を促す効果があり、冷房を効率良く部屋全体に広げることができます。ただし、サーキュレーターを正しく設置しないと、「冷房と併用しているのに涼しさを感じない」「むしろ部屋が暑く感じる」とのように、逆効果になることもあります。

そこで今回は、冷房とサーキュレーターの併用が逆効果になる理由や併用するメリット、冷房効率を上げるサーキュレーターの置き方を解説します。

冷房とサーキュレーターの併用が逆効果になる理由

冷房とサーキュレーターの併用が逆効果になる主な理由としては、以下の3つが挙げられます。

サーキュレーターは、人工的に強い風を作り出し、部屋の空気を循環させるため、上手に使えば冷房の効果を上げられます。逆効果になる理由を知って、正しく設置しましょう。

サーキュレーターの置き場所が悪い

サーキュレーターの設置場所によっては、冷気が部屋全体に広がるのを邪魔してしまい、エアコンの冷房効率を下げてしまうことがあります。そのため、空気が循環する場所に正しくサーキュレーターを置く必要があります。

例えば、エアコンに背を向けて置いた状態でサーキュレーターを使うと、エアコンの冷房を室内に循環できます。しかし、送風した先に家具や家電などの障害物があると空気を効率良く循環させられません。

サーキュレーターを置く際には、部屋の空気の流れを意識することが大切です。正しい置き方については、後述の「▼冷房効率を上げるサーキュレーターの置き方・使い方」をご覧ください。

高い位置にある暖かい空気が下に降りてくる

冷房を始動してすぐにサーキュレーターを使用すると、部屋の高い位置にある暖かい空気が、冷房で冷やされる前にサーキュレーターの風で床面に降りてきてしまいます。そのため、なかなか涼しさを感じず、むしろ暑くなったと感じることもあります。

サーキュレーターは、ある程度部屋が涼しくなってから使用することで効果を発揮します。

サーキュレーターの置き場所が悪い

すぐに部屋が涼しくなるわけではない

サーキュレーターは部屋の空気を循環させる製品で、部屋全体の温度を一定に保つのに優れています。しかし、冷気を生み出しているわけではないため、冷房をつけてから涼しさを感じるまでには時間がかかります。

もし、すぐに涼みたい場合には、扇風機やサーキュレーターの風が直接当たる位置に行くと良いでしょう。

冷房とサーキュレーターを併用するメリット

冷房とサーキュレーターを併用することには、以下のメリットがあります。

冷房とサーキュレーターを上手に使うことで多くのメリットを得られます。ここでは、どのようなメリットがあるのかを確認していきましょう。

部屋全体が均一に涼しくなる

サーキュレーターによって空気を循環させることで、部屋全体が均一に涼しくなり、部屋のどの位置にいても快適に過ごせるようになります。夏場の冷房で涼しくなりすぎたり、冬場の暖房で暖かくなりすぎたりして困っている方は、サーキュレーターの利用を検討してみましょう。

また、サーキュレーターは1つの部屋だけでなく、複数の部屋の空気を循環させることも可能です。エアコンの出力にもよりますが、例えばエアコンのあるリビングで冷やされた空気を、隣り合ったキッチンやダイニングへと送り、複数の部屋を涼しくすることもできます。

部屋全体が均一に涼しくなる

電気代を節約できる

サーキュレーターによって冷たい空気を循環させることで、風が涼しく感じられます。エアコンとサーキュレーターを併用すると、エアコン単体で使用するときよりも涼しく感じることができるので、エアコンの設定温度を単体での使用時より上げても十分に涼しさを感じられます。

環境省によると、夏場であればエアコンの設定温度を1度上げるだけで約13%の消費電力量の節約につながります[1]

また、サーキュレーターの空気循環によって部屋全体が設定温度に近づくので、エアコンの過剰な運転を避けることもでき、エアコンへの負担も減らせます。

部屋干しが乾きやすい

部屋干しする際にサーキュレーターを使用することで、衣類の間を風が通り抜け、洗濯物の水分が抜けて乾きやすくなります。エアコンの除湿機能や除湿機と併用することで、より乾燥を早めることも可能です。

また、洗濯物が早く乾くことで以下のメリットもあります。

  • 部屋干しした際のイヤな臭いを防ぐ
  • カビの繁殖を防ぐ
  • 部屋の湿度を抑えられる

サーキュレーターの有効活用については、ぜひ以下の記事もご参照ください。

冷房効率を上げるサーキュレーターの置き方・使い方

ここでは、冷房効率を上げるサーキュレーターの置き方や使い方を紹介します。空気を効率良く循環させるためにも、サーキュレーターの適切な使用方法を覚えておきましょう。

エアコンを背にして冷気が溜まる床にサーキュレーターを置く

冷たい空気は下の方に溜まる性質があります。そのため、冷房時にはエアコンを背にする向きで、冷気が溜まる床にサーキュレーターを置くのがおすすめです。

エアコンから出された冷風がサーキュレーターの裏側に当たるように設置することで、床付近に溜まりやすい冷気を部屋全体に送ることができます。これにより、エアコンの冷房効率を高められます。

さらに、サーキュレーターをエアコンから少し離れた場所に設置すると、より遠くまで冷気を届けることが可能です。エアコンのある部屋からエアコンの無い隣の部屋に冷気を送りたい場合には、この置き方が良いでしょう。

エアコンを背にして冷気が溜まる床にサーキュレーターを置く

冷房の風を部屋に押し戻す位置に置く

エアコンを設置している壁の反対側の床にサーキュレーターを置き、風向きをエアコンに向けることで、冷房の風を押し返すことができます。このようにサーキュレーターを置くと、冷気を部屋の外に逃がさないようにでき、部屋全体を冷やせます。

また、なるべく床面には物を置かないことで空気が循環しやすくなり、冷房時には部屋内を片付けておくとよいでしょう。

冷房の風を部屋に押し戻す位置に置く

除湿も同時に使う

同じ温度でも湿度が低い方が体感温度は下がります。サーキュレーターを使用する際、エアコンの除湿機能や除湿機と併用することで湿度を抑えると、より涼しさを感じやすくなります。

夏は湿気が溜まりやすい傾向にありますが、室内の湿度を下げることで蒸し暑さを和らげ、快適に過ごせます。

また、除湿機能や除湿機を単独で使った場合よりも、洗濯物が乾きやすい利点もあります。

エアコンの冷房効果を上げる方法

エアコンそのものの冷房効果を高めると、サーキュレーターがなくても快適に過ごせる可能性があります。ここからは、エアコンの冷房効果を上げる方法を紹介していきます。

フィルターの掃除をこまめに行う

冷房の効果を高めるには、定期的にフィルターの掃除をしましょう。

エアコンのフィルターにホコリやカビがたまると目詰まりを起こしてしまい、エアコンの冷房効率が下がってしまいます。すると、つい設定温度を下げてしまい、消費電力量が増えてしまう可能性があります。

フィルターの掃除の目安は、2週間に一度が望ましいとされています。エアコン内部の掃除を自分で行うのは難しいので、年に一度は業者へ依頼して掃除してもらいましょう。

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断熱シートや厚手のカーテンを使う

窓に断熱シートを貼ったり隙間テープを使ったりすることで外気の影響を受けにくくなるため、エアコンの冷房効果が高まります。

また、厚手のカーテンも外気を遮断することにつながり、冷房効果の上昇が見込めます。カーテンの丈が短いと隙間から暖かい空気が室内に入ってきてしまうため、カーテンは丈が長いものを選び、外気と室内の空気を上手に分断しましょう。

エアコンを買い替える

エアコンのフィルターを掃除したり、窓への断熱対策を行ったりしても冷房の効き目が変わらない場合は、エアコン自体が故障している可能性があります。エアコンの寿命は10年程度とされているので長く使っている場合は経年劣化による故障も疑いましょう。

修理で対応できる場合もありますが、長年使っているのであれば他の部品も壊れる可能性があるため、買い替えも視野に入れて検討しましょう。新品のエアコンの方が性能も優れており、省エネの製品が多いので、電気代を節約しやすい傾向にあります。

まとめ

冷房とサーキュレーターを同時に使う場合、正しく使わないとかえって冷房効率が上がらないこともあります。そのため、サーキュレーターの適切な使い方を覚えておく必要があります。

もし、エアコンだけで夏を乗り切ろうとするのであれば、冷房効率を上げる工夫をしましょう。エアコンのフィルターを掃除したり断熱シートを窓に貼ったりすることや、厚手のカーテンを窓に設置することがおすすめです。

それでもエアコンの冷房効率が上がらないと感じる場合は、機械自体の不具合や故障が考えられます。新品への買い替えも選択肢に入れ、業者や製品のメーカーに連絡して調査してみましょう。

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