引越し・マイホーム

住宅ローン借入額の目安は?無理なく返済できる金額か判断しよう

住宅ローンの借入可能額は、年収や返済比率からある程度の目安を概算できます。月々の返済が家計に大きな負担を与えないよう、無理のない借入額の計算方法を理解しておくことも大切です。住宅ローンの目安を判断する基準や返済比率について解説します。

著者

モゲチェックメディア編集部 株式会社MFS

モゲチェックは住宅ローンのポータルサイトです。 金融機関や不動産会社出身の住宅ローンのプロ&テクノロジー集団が運営し、公平・中立な立場で住宅ローン情報をお届けします。

住宅ローン借入可能額の目安

住宅ローン借入可能額の目安

住宅ローンで借入できる金額は、自分の年収から目安を推測できます。借入可能額の概算方法や審査時の注意点について解説します。

①年収の7倍程度が上限

住宅金融支援機構がフラット35の利用者を対象に実施した調査によると、住宅ローンを組んで購入した物件の価格は、世帯年収の約7倍が上限となっています。

融資区分別に見ると、土地付注文住宅が7.3倍、マンションは7.1倍です。建売住宅と注文住宅もそれぞれ6.7倍と6.5倍であり、新築物件の年収倍率は約7倍であることが分かります。

全ての融資区分において、年収倍率は年々緩やかに上昇しています。かつては年収の5倍程度を目安としていましたが、現在は年収の5倍でローンを組んでも、物件の選択肢はかなり制限されてしまうでしょう。

参考:2019年度 フラット35利用者調査 P.13〜16 |住宅金融支援機構

②年収が高くても審査に落ちる場合も

年収額はローン審査における重要項目であり、高年収であることは大きなアドバンテージになります。ただし、年収以外の属性もチェックされるため、年収が高くても審査に通らない場合があります。

年収以外で特に重視される項目が勤続年数です。勤続年数が短い場合は、収入の安定性が低いとみなされやすく、高年収でも審査に落ちるケースがあります。一般的に必要とされる勤続年数の目安は、最低3年です。

勤続年数以外に、雇用形態や他の借入状況も重要な審査項目として扱われます。収入が不安定な自営業者や、キャッシングなどの借入が多い人は、年収が高くても審査が厳しくなるでしょう。

無理のない借入額は返済比率で確認

無理のない借入額は返済比率で確認

希望の借入額を決める際は、『いくら借りられるか』だけでなく『無理なく返済できるか』を考えることも重要です。家計に負担がかからない借入額は返済比率で確認できます。

①返済比率とは

『返済比率』とは、額面年収に占める年間返済額の割合です。『返済負担率』と呼ばれることもあります。計算式は『年間返済額÷額面年収×100=返済比率(%)』です。

ローン審査で申し込み者の返済能力を判断する際は、返済比率を重視します。返済比率を上げると借入可能額は増えますが、長期間の返済に支障があるとみなされやすくなります。

住宅ローン以外の借入がある場合は、全ての残債を返済比率に反映させなければなりません。カーローンやキャッシングを利用していると返済比率が上がるため、審査で不利になります。

②審査基準は30~35%以下

多くの金融機関では、審査における返済比率の基準を設けています。具体的な数値は公開されていませんが、おおむね30~35%以下と考えておけばよいでしょう。

長期固定金利ローンの代表格であるフラット35では、返済比率の明確な条件が定められています。年収400万円未満なら返済比率の基準は30%以下、400万円以上なら35%以下です。

返済比率が基準値を超える場合は、返済能力に不安があると判断され、審査に落ちたり融資額を減らされたりします。返済比率を上げると実際の返済負担も重くなるため、きちんと返済を続けられる割合を設定しなければなりません。

③ゆとりある返済比率は20%が目安

審査基準ぎりぎりの返済比率で融資を受けると、急な出費や収入減などのリスクに対応できなくなります。無理なく返済を続けるために、返済比率は20%程度を目安にしましょう。

一般的に、返済比率から借入可能額を概算する際は、『年間返済可能額÷12カ月÷審査金利での100万円あたりの返済月額×100万円』の計算式を使います。

年間返済可能額は、『額面年収×返済負担率』で算出する金額です。また、一般的な借入可能額の概算では、3.0~3.4%の審査金利を用います。

年収1,000万円・返済期間35年・返済負担率20%・審査金利3%の場合、借入可能額は(1,000万円×20%)÷12カ月÷3,849円(※)×100万円=約4,330万円です。

(※)審査金利での100万円あたりの返済月額は一般的な例です。

借入額を増やす方法

借入額を増やす方法

自分の年収だけでは借入額が希望額に達しない場合は、ペアローンや収入合算の利用を検討しましょう。それぞれの特徴やメリットを解説します。

①ペアローンを組む

『ペアローン』とは、夫婦や親子など2人でローンを組む方法です。それぞれが互いの連帯保証人となり、別々にローン審査を受けて融資を受けます。

借入額を大幅に増やせる点がペアローンのメリットです。夫の年収が1,200万円、妻の年収が600万円ある場合は、1,800万円分の年収でローンを組めます。

一つの物件に対して契約が2本となるため、それぞれの契約で団信に加入したり住宅ローン控除を受けたりすることが可能です。

ペアローンでは、住宅の所有権が共有名義となり、出資した割合に応じてそれぞれの持分が決定します。借入金額の割合と持分割合が合わなければ、贈与税を課されかねない点に注意が必要です。

②収入合算する

夫婦や親子の収入を合算してローンを組む借入方法が『収入合算』です。契約が2本となるペアローンと違い、収入合算では主債務者のローン契約1本のみとなります。

収入合算の種類は『連帯債務型』と『連帯保証型』の二つです。

連帯債務型では合算者が連帯債務者となり、2人で同等の返済義務を負います。合算者が連帯保証人となる連帯保証型は、主債務者が返済できなくなった場合のみ連帯保証人が返済義務を負います。

収入合算は契約が1本のみとなるため、合算者は団信や住宅ローン控除を利用できません。また、合算者になれる人や合算できる金額は、金融機関ごとに異なります。

③税制上の優遇を受けられる

10年以上の住宅ローンを利用し持ち家を購入すると「住宅ローン控除」を受けられます。年末の住宅ローン残高の1%が、40万円を上限に所得税や住民税から控除される仕組みです。

1回目は確定申告で、2回目以降は年末調整で手続きすることで、10年間継続して控除を受けられます。例えば年末残高35,000,000円であれば、その1%である350,000円が所得税から差し引かれるのです。

また消費税10%で購入した場合、11~13年目も控除を受けられます。その際には年末ローン残高の1%か、購入価格の2%÷3のどちらか金額の少ない方が差し引かれ、増税前8%との差額分が実質的に返還されます。

住宅購入時は現金も必要

住宅購入時は現金も必要

無理のない返済計画を立てるためには、物件購入時に必要となる現金の種類を知っておくことも重要です。手付金・頭金・諸経費について詳しく解説します。

①必ず現金で用意が必要な手付金

物件の売買契約を締結する際は、手付金を支払う必要があります。手付金とは、売買契約を確かなものとするために、買い主が売り主に対して支払うお金です。

手付金は住宅ローンの融資金を受け取る前に支払うことになるため、現金で用意しなければなりません。物件価格の5~10%を手付金の金額とするのが一般的です。

物件の引き渡しが行われる際、物件価格から手付金を引いた残金を融資金で決済します。頭金の一部として捉えることも可能ですが、頭金とはお金の意味合いが違う点に注意しましょう。

②頭金は多いほうが有利

頭金とは、ローンを組むときに最初に現金で支払う、ある程度まとまったお金です。物件価格から頭金を引いた金額に対してローンを組むことになります。

頭金が多いほど借入額が減るため、返済負担を軽減できます。金融機関によっては、金利が下がるケースもあります。

一般的な頭金の目安は、物件価格の10~20%です。頭金なしでもローンは組めますが、返済負担が重くなるため審査が厳しくなります。

③物件価格の5~10%程度の諸経費が必要

新しく住宅を取得する際は、不動産会社への仲介手数料が発生します。印紙税・登録免許税や火災保険料などの支払いも必要です。

また、住宅ローンを利用する場合は、最初に保証料や事務手数料などの諸経費を用意しなければなりません。保証料は保証会社に、事務手数料は金融機関に支払います。

これらの諸経費については、原則として現金を用意する必要があります。諸経費の相場は、物件価格の5~10%が目安です。諸経費をローンに組み込める場合もありますが、対応する金融機関が少ない上、金利も高くなるでしょう。

住宅ローンは無理のない借入を行おう

住宅ローンは無理のない借入を行おう

住宅ローンの借入可能額の目安は年収の約7倍です。借入額が足りない場合は、ペアローンや収入合算を利用すれば増やせる可能性があります。

ただし、借入額が多くなるほど返済負担も増すため、返済不能に陥る危険性が高くなります。返済比率も参考にしながら、無理のない借入を意識しましょう。

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