炊飯器 電気代
省エネ・節電

炊飯器の電気代はいくら?保温機能は節約になる?節約術を解説!

調理器具の中でも、使用する機会の多い炊飯器。使用頻度が高い分、電気代が気になる方は多いのではないでしょうか?特に、炊飯器には保温機能があるので、長い時間電源を入れたままにしている方も多いはず。

そこで今回は、炊飯器にかかる電気代の目安を紹介します。また、炊飯器の電気代節約術や、保温機能にかかる電気代などについても解説します。

記事編集

くらひろ by TEPCO
東京電力エナジーパートナー株式会社

くらひろ by TEPCOは東京電力エナジーパートナーが運営するメディアサイトです。毎日のくらしに役立つ知識から、次の一歩につながる情報まで、知りたいに答える多彩な記事を配信しています。

くらひろ by TEPCO

炊飯器の電気代はいくら?

経済産業省が発表している2023年9月時点のデータ[1]では、5.5合以上8.0合未満のIH式炊飯器の場合、年間消費電力量は84kWh程度です。年間の電気代は2,260円程度になります。

炊飯器は炊飯時と保温時に電気代が発生しますが、「マイコン式」「IH式」「圧力IH式」など炊飯器の加熱方式の種類によって電気代が異なります。

それぞれの炊飯器の違いは以下のとおりです。まずは、お使いの炊飯器がどの種類に該当するかを確認してください。

マイコン式
  • 釜の底のヒーターでお米を炊き上げる
  • 炊飯時の電気代が比較的安い
IH式
  • 釜全体に熱を伝えてお米を炊き上げる
  • 炊飯時の電気代が少し高め
圧力IH式
  • 圧力で水の沸点を上げて100℃以上の高温でお米を炊き上げる
  • 炊飯時の電気代が比較的高め

1回の炊飯で約4~5円

1回の炊飯にかかる加熱方式の種類別の電気代の目安は、以下のとおりです。2023年9月時点の経済産業省のデータ[1]より、5.5合用炊飯器を1時間使用した場合の電気代として算出しています。

マイコン式 約4.3円/回
IH式 約4.8円/回
圧力IH式 約4.9円/回

どの種類も大きな差はありませんが、1回の炊飯で約4〜5円程度の電気代がかかっていることが分かります。

電気代の算出方法

  • 炊飯1回にかかる時間を1時間とし、電気代は以下の式より算出するものとする。
    電気代[円/回]=炊飯時消費電力量[Wh/回]÷1000×電気料金単価[円/kWh]
  • 電気料金単価は、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が定める「電気料金目安単価(2022年7月改訂)」の31円/kWh(税込)[2]を使用するものとする。
  • 消費電力量は、以下の各商品の炊飯時消費電力量を参照するものとする。
    • マイコン式炊飯器:タイガー魔法瓶 JBH-G102(5.5合炊き, 2019年発売, 炊飯時消費電力量140Wh/回)
    • IH式炊飯器:タイガー魔法瓶 JKT-P100(5.5合炊き, 2020年発売, 炊飯時消費電力量154Wh/回)
    • 圧力IH式炊飯器:タイガー魔法瓶 JPL-G100(5.5合炊き, 2021年発売, 炊飯時消費電力量159Wh/回)

1時間の保温で約0.5円

炊飯器にかかる電気代は、炊飯時と保温時で異なります。以下は、5.5合用炊飯器で1時間保温した際にかかる加熱方式の種類別の電気代の目安です。

マイコン式 約0.59円/時間
IH式 約0.54円/時間
圧力IH式 約0.52円/時間

保温機能を1時間使用した際は、約0.5円がかかります。種類別でみると、最も電気代がかかるのがマイコン式の0.59円です。逆に圧力IH式は0.52円と1番安い電気代ですが、大きな差はありませんでした。

電気代の算出方法

  • 保温時1時間当たりの電気代は、以下の式により算出するものとする。
    電気代[円/時]=保温時消費電力量[Wh/時]÷1000×電気料金単価[円/kWh]
  • 電気料金単価は、炊飯時の電気代算出と同条件とする。
  • 消費電力量は、以下の各商品(炊飯時と同じ商品)の保温時消費電力量を参照するものとする。
    • マイコン式炊飯器:タイガー魔法瓶 JBH-G102(5.5合炊き, 2019年発売, 保温時消費電力量19.1Wh/時)
    • IH式炊飯器:タイガー魔法瓶 JKT-P100(5.5合炊き, 2020年発売, 保温時消費電力量17.4Wh/時)
    • 圧力IH式炊飯器:タイガー魔法瓶 JPL-G100(5.5合炊き, 2021年発売, 保温時消費電力量16.9Wh/時)

保温 節約

保温機能は電気代の節約になる?

炊飯器に搭載される保温機能。活用次第では電気代の節約になるのでしょうか。ここでは保温機能を使用する際の節約方法をお伝えします。

9時間未満であれば節約になる!

保温機能の電気代が気になる場合、「9時間未満」を基準に使うようにしましょう。

例えばIH式炊飯器の場合、炊飯1回にかかる電気代の目安は、4.8円です。一方で保温機能の使用でかかる電気代は、1時間あたり0.54円です。そのため、9時間以上保温すると1回炊飯するよりも電気代が高くなってしまいます。

そのため、機種によって異なりますが、9時間を超える保温をするのであれば、「都度炊き」がおすすめです。

炊飯器には、エコ炊きなどの便利な機能が搭載されている場合もあります。通常より電力の消費を抑えてくれるので、併せて活用するといいでしょう。

電子レンジで温めるとより節約に

炊飯1回にかかる電気代は、一度に炊くご飯の量を減らしてもほとんど変わりません。そのため、一度の炊飯で多めに炊いて冷凍保存しておき、食べるときに電子レンジで温めることでも、電気代を節約できます。

例えば、2人暮らしで朝7時と夜19時にご飯を食べるものとし、以下の3ケースでかかる電気代を算出してみましょう。

  • ①朝ご飯と夕ご飯で、その都度ご飯を炊いた場合
  • ②朝にご飯を炊き、そのまま12時間保温して夕ご飯に食べる場合
  • ③朝炊いたご飯を冷凍保存し、電子レンジで温め直して夕ご飯に食べる場合

それぞれのケースでかかる電気代を計算すると、2人暮らしで1日のご飯にかかる電気代の目安は、以下のとおり算出されます。

①朝晩2回ご飯を炊く場合 9.6円/日
②12時間保温する場合 11.3円/日
③電子レンジで温め直す場合 6.7円/日

この結果からも、電子レンジで温め直した方が電気代を節約できることが分かります。

電気代の算出方法

  • 炊飯器はIH式炊飯器を使用するものとし、電気代の計算条件は前述の「1回の炊飯で約4~5円」「1時間の保温で約0.5円」に記載のとおりとする。
  • 電子レンジでの解凍にかかる電気代は、以下の式で算出するものとする。
    電気代[円/回]=消費電力量[Wh/時]÷1000×解凍時間[時/回]×電気料金単価[円/kWh]
  • 電子レンジの消費電力は600Wとし、冷凍ご飯1人前(0.5合)にかかる解凍時間を3分とする。
  • 電子レンジの電気代算出で使用する電気料金単価は、炊飯器の電気代算出と同条件とする。
  • 各ケースの電気代の計算式は以下のとおり。
    • ケース1:炊飯(4.8円/回)×2回=9.6円
    • ケース2:炊飯(4.8円/回)×1回+保温(0.54円/時)×12時間=11.3円
    • ケース3:炊飯(4.8円/回)×1回+解凍(0.93円)×2回※=6.7円(※2人前を2回に分けて解凍)

電子レンジ ご飯

炊飯器の電気代を抑える方法

ここでは、炊飯器にかかる電気代を抑える4つの方法を紹介します。

まとめ炊きをして冷凍保存する

お米は、都度炊きよりも「まとめ炊き」がおすすめです。すぐに食べられない分は、小分けにして冷凍保存しておきましょう。

1回の炊飯器にかかる電気代は、お米の量ではほぼ変わりません。そのため、一度に多くの量を炊飯した方がおトクになります。まとめ炊きを行うことで、電気代節約はもちろん、節水にも繋がるので、水道代を抑える効果も期待できます。

9時間を超える保温はしない

前述したとおり、保温機能を9時間以上使用すると、ほぼ炊飯1回分程度の電気代がかかります。余計な電気代を抑えるためにも、必要以上の保温機能の使用は避けましょう。

また、保温時間が長くなると、お米のパサつきや風味の劣化が進みます。節約と美味しさ、両方の観点からも長時間の保温は避けることをおすすめします。

エコモード・タイマー機能を活用する

炊飯器の中には、消費電力を抑えてくれるエコモードが搭載されている場合があります。機種によって節電の程度は異なりますが、通常モードで炊飯するよりは電気代をカットすることができます。

また、併せて活用したいのがタイマー機能です。食事をする時間に合わせて炊飯を予約することができるので、保温時間を減らして電気代の節約に繋がります。

未使用時は電源プラグを抜く

炊飯器を使用しないときは電源を切り、コンセントから電源プラグを抜いておくことを心掛けましょう。炊飯時や保温時以外にも待機電力が消費されているので、未使用時にコンセントからプラグを抜くと節電に繋がります。

例えばIH式炊飯器の場合、待機時にも目安として0.55Wh/時の電力消費が発生します[1]。仮に、丸一日プラグを指しっぱなしにしてしまうと、1日当たり0.41円程度の電気代が発生します。

これが何年も続くと、少なくない電気代がかかってしまいます。ほんの少しの一手間ですので、 炊飯器の未使用時はプラグを抜くように意識しましょう。

電源プラグを抜く動作

新しい機種に買い替える

使用している炊飯器が古い場合、新しい機種に買い替えることも節電対策に繋がります。

電化製品の技術は年々進化を遂げており、炊飯器も例外ではありません。例えば10年前の炊飯器と、最新のモデルとを比べると、最新モデルの方が消費電力を抑えられる傾向にあります。

また、炊飯器が古くなってしまうと、ご飯が美味しく炊けなくなっていくこともあるようです 。同じ炊飯器を長期間使用している場合は、買い替えを検討してみてもいいでしょう。

まとめ

今回は、使用頻度が高い炊飯器について、炊飯器の種類別に電気代を解説しました。「マイコン式」「IH式」「圧力IH式」によって、1回の炊飯にかかる電気代や保温機能の電気代に違いがあるので、お使いの炊飯器の種類をご確認ください。

また、保温は9時間以上連続で使用すると、1回の炊飯と同程度の電力を消費するため、注意が必要です。保温機能と都度炊きは、9時間を目安に使い分けると良いでしょう。

まとめ炊きをして冷凍保存し、電子レンジで温め直すことも節約になりますので、ぜひご参考ください。

  1. 経済産業省 資源エネルギー庁:
    2023年9月1日 省エネ性能カタログ電子版 アーカイブ
  2. 公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会:
    よくある質問 Q&A
Facebookでシェアする
LINEでシェアする