2024年:中秋の名月の食べ物といえば?十五夜の時期やお月見の慣習を解説
中秋の名月で準備する食べ物やお月見の由来を知ることで、家族で楽しくお月見ができるようになるほか、子どもにお月見の意味を聞かれても答えられるようになります。この記事で中秋の名月の食べ物やお供え物を確認し、準備を進めましょう。
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中秋の名月とは?【豊作を祈る風習】
中秋の名月は平安時代から貴族の間で楽しまれてきた風習で、お月見は「月を愛でる特別な時間」とされてきました。江戸時代になると、庶民の間にも月見の風習が広まりました。秋の収穫祭と結びつけて、その年の豊作を月に祈り、収穫への感謝の想いを伝える風習になったとされています。
江戸時代の人々は月に感謝し、次の収穫に恵みがあることを願ってこの行事を行っていたとされています。現代の中秋の名月でも、お供え物にその風習が引き継がれています。
「中秋」という言葉は「旧暦の8月15日」を意味しており、毎年この日の月は最も美しいと言われています。中秋の名月のお月見は、もとは平安時代の貴族を中心にたしなまれ、月を杯に映したり水面に浮かぶ月を眺めたりして月の姿を愛でる文化として広まりました。
ちなみに、当時、貴族の間には空を見上げて月を見てはいけないという風習があったため、池や湖に映る月を見て楽しむ習慣が生まれたと考えられます。
2024年の中秋の名月は「9月17日(火)」
旧暦ではおよそ354日を1年としているのに対し、新暦は365日を1年と定めているため、中秋の名月は毎年日にちが変わります。また、旧暦と月の満ち欠けの周期は一致していないため、中秋の名月の日が必ず満月になるとは限りません。
2024年は9月17日が中秋の名月で、9月18日が満月です。
2024年の中秋の名月は、天候によっては月の近くに土星を見ることができます。ただし、土星は0.6等星と非常に明るい星であるものの、満月に近い月は非常に明るく、月の光の影響で土星が見えにくくなる可能性があります。土星を見たい場合には、事前に土星が見える位置を確認しておくと良いでしょう。
なお、2024年以降の中秋の名月は以下のとおりです。
2024年 | 9月17日(火) |
---|---|
2025年 | 10月6日(月) |
2026年 | 9月25日(金) |
1年で最も月がきれいに見える日
夏の暑さも落ち着き、冬の寒さもまだ訪れていない秋の季節は、湿度が低く視界が良好であるため、星空を眺めるのには最適です。とくに、夜空に浮かぶ月の輪郭は、秋の晴れた夜には非常に鮮明に見えます。月面の模様までくっきりと観察できるため、より印象的な月の姿が目に映るでしょう。
夏は月の高さが低い影響で地表付近の明かりに邪魔されてしまい、冬は月が高い影響で見上げるのが大変です。一方、秋はこれら2つの季節の中間に位置しており、月が地上から見上げるのにちょうどよい高さに留まります。
このように、中秋の名月は、年間を通じて月を最も美しく、そして快適に観察できる日なのです。
十五夜との違い【十五夜は旧暦の毎月15日】
十五夜とは、旧暦の毎月15日の夜を指す言葉です。中秋の名月は秋にしか存在しないのに対し、十五夜は季節に関係なく毎月存在します。
また、月の満ち欠けの周期を基準とする旧暦の場合、1か月の真ん中にあたる15日は、ほとんどがほぼ満月のタイミングです。地球が太陽の周りをまわる周期を基準とする現在の暦(新暦)では、満月が見られるタイミングは毎月変わるため注意しましょう。
一方、近年では十五夜というと、中秋の名月を示すようにも使われています。厳密にいえば、それぞれは異なる意味を持った言葉なのですが、いずれも「美しい月を眺める」といった点が共通していることから、混同されるようになったと考えられます。
中秋の名月にお供えする食べ物
ここからは、具体的な中秋の名月に行われるお月見の方法について見ていきましょう。まずはお供え物として用意すべき食べ物です。
月見団子
中秋の名月のお供えといえば、月見団子です。関東では、月に見立てた丸いお団子が主流です。米を丸めたその形は、満月を表しており、お月見とセットとして捉えている方も多いでしょう。
月見団子には、農作物の収穫への感謝や、次の年の豊作を祈るという意味が込められています。単なるお菓子以上の意味で供えられていたと考えられるでしょう。
なお、関西地方では、里芋を模した団子を作り、餡でくるむといった作り方もあるようです。また、名古屋の月見団子はしずく型で、色が白・茶・ピンクの3色あるなど、地域によって特色が異なるので、色々な形の月見団子を探してみるのもよいでしょう。
里芋など秋が旬の野菜
十五夜は「芋名月」とも称され、とくに芋類の収穫を祝う行事として古くから親しまれてきました。
秋の訪れと共に、里芋をはじめとする、キノコ類やカボチャ・大根などの秋に旬を迎える野菜が収穫され、中秋の名月のお祝いとして供えられていたようです。
ブドウなど秋が旬の果物
野菜だけでなく、旬の果物も十五夜のお供え物となります。代表的なものとしてはブドウ・栗・柿・梨があります。なかでも、ブドウのようなツルものは、月と人とのつながりを強くするものとして、縁起がよいとされています。
また、行事が終わった後はブドウと月見団子と合わせて、フルーツポンチにして食べるのも良いでしょう。
食べ物のお供えの仕方
お供えにはちょっとしたルールがあります。そこまで難しいものではないので、以下を参考に中秋の名月を楽しみましょう。
月見台を用意する
まずは、お供物を置くための「月見台」を用意します。月見台は特別なものを用意する必要はありません。家にある小さなテーブルや棚を使いましょう。この上に月見団子や旬の野菜などを供えてください。
その後、月見台を窓際や縁側、つまり月がよく見える場所に設置します。
ススキを添える
月見台が準備できたら、その横にススキを添えます。
このススキは秋に収穫される稲穂に見立てられ、収穫の恵みを象徴します。また、厄災を退けるという信仰もあり、家庭の安泰を願って添えられます。
月見団子は15個並べる
月見団子は、十五夜になぞらえて15個を用意し供えます。
供え方はお供え物を置く台である「三方(さんぼう)」の有無で異なります。三方があればその上に乗せるだけですが、ない場合はお皿に半紙を敷いて供えましょう。
なお、15個の月見団子は、下から9個、4個、2個とピラミッドのように並べるのが一般的です。一部、15個を簡略化して5個並べる場合や、1年の満月の数である12個を並べる地域もあります。
お供え物は食べても良い
お供えした団子や野菜などは、食べることで神様との結びつきが強くなるとされています。ただし、食べるタイミングには少し注意が必要です。
まず、月見団子はお月見をしながら味わい、その美味しさと共に自然の恵みを感じることが大切とされています。お月見が終わる前に食べきってしまっても問題ありません。
一方、野菜などはお月見を終えてから食べることが一般的です。お月見を終えた後に調理し食べるようにしましょう。
まとめ
中秋の名月に行われるお月見は、日本ならではの習慣です。
外出の必要もなく、用意も手軽なので、今年の秋にはぜひご自宅でも中秋の名月を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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