冷凍ご飯をお弁当に入れるには？おいしさを保つ解凍・冷凍方法

事前に冷凍していたご飯をお弁当に入れて、時短をしている方も多いのではないでしょうか。しかし、「炊き立ての食感ではない」「食中毒が心配」と悩んだことがある方もいると思います。

そこで今回は、ご飯のおいしさを保ちながら、解凍・冷凍するコツやお弁当に入れるときに、安全に食べるためのポイントなどをご紹介します。

冷凍ご飯をお弁当に入れるときは必ず解凍する

冷凍ご飯をお弁当に入れるときは、必ず電子レンジなどで解凍してから詰めましょう。冷凍ご飯をそのまま弁当箱に入れて自然解凍すると、水分が抜け出てべったりしたり固くなったりして、おいしく食べられないことがあります。

自然解凍をした冷凍ご飯がべったりした食感になってしまうのは、冷凍したときに生じた水分をお米の表面が吸収してしまうことが原因です。お米の表面が水分を吸収する一方で、お米の内部の水分は抜け出てしまうため、表面とは反対に内側はパサパサした食感になってしまいます。

また、自然解凍したご飯が固く感じられるのは、お米が冷えることでデンプンが「老化」という現象を起こし、硬化してしまうことが理由です。お米の食感が悪くなってしまうため、冷凍ご飯をお弁当に入れるときは解凍してから入れるようにしましょう。

ご飯を冷ましてからお弁当の蓋を閉める

電子レンジで解凍したご飯が、まだ冷めていない状態で弁当箱の蓋を閉めると、中に水分が溜まり、温度が上昇してしまいます。弁当箱内の水分や温度の上昇は、食中毒を引き起こす菌が増殖する原因となるため、必ず冷ましてから蓋を閉めるようにしましょう。

また、菌の増殖を防ぐために、ご飯だけでなくおかずも冷まし、水分の多いものは水気を切ってください。気温が高い時期は、お弁当と保冷剤をセットで持ち歩いたり、お弁当用の保冷バッグに入れたりして、温度を下げる工夫をしましょう。

冷凍ご飯をおいしく解凍するコツ

冷凍ご飯をおいしく解凍するには、いくつかのコツがあります。コツを押さえるだけで、冷凍ご飯でも、炊き立てのご飯のようにおいしく仕上げることができます。

ここからは、冷凍ご飯をおいしく解凍するコツを紹介します。

電子レンジの解凍モードを使用しない

電子レンジによっては、「解凍モード」が付いていることがありますが、冷凍ご飯を解凍する際は、解凍モードを使わないようにしましょう。解凍モードは、生のまま冷凍した魚肉などの食材を、元の状態に戻すための機能です。そのため、冷凍ご飯に使うと、元のふっくらとした食感が損なわれてしまいます。

冷凍ご飯を解凍する際は、電子レンジの解凍モードではなく、通常の「あたためモード」を選びましょう。あたためモードを使うと、ご飯全体が均一に温まり、炊き立てのふっくらとした食感を再現できます。

水・料理酒を小さじ1杯かけてから解凍する

冷凍ご飯を解凍する際は、電子レンジで温める前に水や料理酒をかけると、ふっくらとした仕上がりになります。とくに、料理酒は、冷凍ご飯をふっくら仕上げるだけでなく、冷凍ご飯特有の「冷凍臭」を和らげる効果も期待できます。

冷凍ご飯にかける水や料理酒の目安量は、茶碗1杯分のご飯に対し、小さじ1杯程度が適量です。量が多すぎるとご飯が水っぽい食感になる可能性があるため、注意しましょう。

電子レンジで2段階に分けて解凍する

冷凍ご飯を電子レンジで温める際、2段階に分けて解凍すると、余分な水分が飛んでふっくら仕上げることができます。詳しい方法は、以下のとおりです。

解凍後のご飯は、菌の増殖を防ぐために、粗熱を取ってからお弁当に詰めるようにしましょう。

ご飯の炊飯・冷凍のコツ

ご飯を冷凍してもおいしく保つポイントは、解凍時だけでなく、炊飯時や冷凍時にもあります。

ここからは、冷凍してもご飯をおいしく保つ炊飯と冷凍のコツについて解説します。

炊飯前に十分に吸水させる

冷凍したご飯がパサパサにならないようにするためには、炊飯前にお米に水分を吸収（浸水）させることが大切です。

お米は炊飯前にしっかりと水を吸わせることで、ふっくらと美味しく炊き上がります。とくに、炊きあがったご飯を冷凍する場合は、この吸水がパサつきを防ぐための重要なポイントになります。

浸水の目安時間は、夏は30分、冬は60分です。夏は、常温で浸水させるとお米が腐る原因になるため、冷蔵庫で浸水させると良いでしょう。

自宅で使用している炊飯器に、「冷凍ご飯モード」が付いている場合は、このモードで炊飯すると良いでしょう。冷凍ご飯モードは、スイッチを押すと自動的に浸水から炊飯まで完了します。

粗熱を取って急速冷凍する

炊き立てのご飯は、粗熱を取ったらすぐに冷凍しましょう。

炊き立てのご飯は水分をたっぷり含んでおり、この水分がおいしさにつながります。しかし、水分は時間が経つにつれて徐々に失われ、パサパサとした食感になってしまうため、水分が抜けてしまう前に素早く冷凍することがおいしさを保つポイントです。

ただし、炊き立ての熱い状態のまま冷凍庫に入れてしまうと、冷凍庫内の温度が急上昇し、故障の原因になるだけでなく、他の食材の鮮度を落としてしまう可能性もあります。そのため、粗熱を取り、必ず人肌程度まで冷ましてから冷凍庫に入れましょう。

また、冷凍庫の急速冷凍機能などを使用して、素早く冷凍することも重要です。急速冷凍機能がない場合は、熱伝導率が高い金属製のトレーに置くことで、冷凍にかかる時間を短縮できます。

ご飯を平らにして1食分をふんわり包む

炊き立てのご飯を冷凍保存するときは、薄く平らにして、1食分ずつふんわりとラップに包むと良いでしょう。薄く平らにすることで、電子レンジで温めたときに均等に熱が伝わり、解凍の加熱ムラを防げます。

ご飯をラップに包むときは、1回で食べきれる分量に分け、お米の粒がつぶれないようにふんわりと包んでください。1食分ずつ冷凍しておくと、必要な分だけ解凍できるので、食べきれずに残すことがなくなります。

冷凍ご飯は1週間を目安に消費する

冷凍ご飯は、1週間を目安に食べきるようにしましょう。1週間が過ぎると徐々に味が落ちていくため、おすすめできません。冷凍保存期間が1週間を超え、味の劣化が気になる場合は、混ぜご飯やチャーハンなどにアレンジすると良いでしょう。

ただし、酸っぱい匂いがしたり、カビが生えたりしている冷凍ご飯は食べないでください。食中毒の原因にもなり得るため、安全のためにすぐに廃棄しましょう。

まとめ

お弁当に冷凍ご飯を使うときは、必ず解凍してから入れるようにしましょう。解凍するときは、水や酒を小さじ1杯程度かけてから電子レンジで温めると、炊き立てのご飯のようにふっくら仕上がります。

冷凍ご飯は、お弁当作りの時間の短縮になって便利ですが、粗熱を取らないままお弁当の蓋を閉めたり、長期間冷凍していたご飯を食べたりすると食中毒になってしまう可能性があるため注意が必要です。

お弁当に冷凍ご飯を入れるときは、ぜひこの記事で紹介したポイントを参考にしてみてください。