テーブルに置かれた電気ポットと紙コップ
省エネ・節電

【家電王監修】電気ポットの電気代はいくら?電気ケトルとの比較と選び方

電気ポットを一日中保温したままにしていて、「つけっぱなしで1か月いくらかかっているのだろう」と気になっている方もいるのではないでしょうか。

電気ポットの電気代は、機種にもよりますが、1日あたり約20〜43円、1か月あたり約600〜1,300円が目安です。

この記事では、電気ポットと電気ケトルそれぞれの電気代と使い分け、ガスコンロや電子レンジとの比較、節電のコツ、安全面もふまえた選び方について、家電王・中村剛さんの監修・取材協力のもと分かりやすく解説します。

教えてくれる人

中村 剛(なかむら つよし)さん

中村 剛
(なかむら つよし)さん

東京電力エナジーパートナー株式会社 勤務
2002年に『TVチャンピオン』スーパー家電通選手権で優勝し、銀座にて体験型ショールーム「くらしのラボ」の開設と運営に従事。現在は“家電王”として動画マガジン『くらしのラボ』をFacebookとYouTubeで毎週配信しているほか、テレビや雑誌、新聞などの様々なメディアで暮らしに役立つ情報を発信している。無類のネコ好き!

目次

電気ポットと電気ケトルの電気代はいくら?

電気ポットの電気代は、1日あたり約20〜43円、1か月あたり約600〜1,300円が目安です。お湯を沸かす家電には、電気ポットの他に電気ケトルもあり、こちらは1Lを沸かすと1回あたり約3.4円かかります。

電気ポットと電気ケトルの大きな違いは、沸かしたお湯を保温するかどうかです。電気ポットは、保温時にも電気代がかかる代わりに、いつでもすぐにお湯を使えて便利です。一方、電気ケトルは基本的に沸かすときにしか電気代がかかりませんが、使うタイミング毎にお湯を沸かす必要があります。

電気ポットと電気ケトルの大きな違いは、ずっと保温しているかどうかです。(但し、最近は短時間の保温機能付電気ケトルも登場しています)電気ポットは、いつでもサッとお湯を使いたいというニーズがある家庭のための家電。都度、お湯を沸かすことを厭わなければ電気ケトルでOKです。

電気ポットを買おうと思っていたけれど、使い方を考えると電気ケトルのほうが実は適している、という家庭もたくさんあると思います。

まずは、それぞれの電気代の目安を確認しましょう。

電気ポットの電気代:1日約20〜43円

2.2〜4.0Lの電気ポットの場合、電気代は1日あたり約20〜43円です。容量が大きいほど、加熱・保温するお湯の量が増えるため、消費電力量も大きくなります。

電気ポットは、保温の仕組みによって主に「VE式(VE電気まほうびん)」と「マイコン式(マイコン電気ポット)」に分かれます。VE式は魔法瓶と同じ真空断熱構造で熱が逃げにくく、保温中にヒーターで再加熱する頻度を抑えられることから、より少ない電力で保温できます。

一方、マイコン式は断熱構造にはなっておらず、ヒーターの再加熱で温度を保つため、保温中も電力をより頻繁に消費します。長時間保温する機会が多い場合は、VE式のほうが電気代を抑えられます。

容量とタイプ別の電気代は、以下のとおりです。

容量 タイプ 1日 1か月 1年
2.2L VE式 約20円 約605円 約7,355円
マイコン式 約31円 約921円 約11,202円
3.0L VE式 約23円 約698円 約8,486円
マイコン式 約37円 約1,097円 約13,352円
4.0L VE式 約27円 約809円 約9,844円
マイコン式 約43円 約1,283円 約15,615円

※電気代は「1日あたりの消費電力量(kWh)×電気料金単価(円/kWh)」で計算。電気料金単価は、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安単価31円/kWh(税込)を使用[1]
※消費電力量は、象印「CV-GD22・30・40」(VE式)と「CD-WZ22・30・40」(マイコン式)の仕様値を参照。日本電機工業会(JEMA)の自主基準による測定(室温23℃、湯沸かし2回/日、再沸騰1回/日、90℃で23時間/日の保温、その他水量等の試験条件:HD-112に基づく)[2]
※1か月は1日あたりの消費電力量×30日、1年は1日あたりの消費電力量×365日で計算
※季節による周囲温度等の条件により、実際の電気代は変動する場合があります

同じ容量でもVE式とマイコン式では年間の電気代に差があり、3Lクラスで約4,900円の差、4Lクラスでは約5,800円の差になります。

ただし、表の金額はあくまで目安です。実際の電気代は、契約している料金プランのほか、保温温度やお湯を使う頻度といった使い方によっても変わります。

電気代は使い方でも変わる:保温を止めると年間約3,331円の差

電気ポットの電気代は、容量やタイプだけでなく、保温の使い方によっても変わります。保温している時間が長いほど、電気代は増えていきます。

保温を続けるか止めるかの目安は、「2時間以内にお湯を使うか」です。標準的な電気ポットでは、それ以上お湯を使わないなら、保温を続けるより沸かし直すほうが消費電力は少なくなるという試算があります。[3]

また、資源エネルギー庁でも、2.2Lの電気ポットで1.2Lを使ったあと6時間保温し続けるより、プラグを抜いて使う前に沸かし直すほうが、年間で107.45kWhの電力を減らせると試算しています。[4]

電気代に換算すると、以下のとおりです。

期間 減らせる消費電力量 減らせる電気代
1日 約0.29kWh 約9円
1か月 約8.8kWh 約274円
1年 107.45kWh 約3,331円

※資源エネルギー庁の年間試算値(107.45kWh)を、1日あたり(365日で割った値)と1か月あたり(30日分)に換算。31円/kWh(税込)で計算

さらに、電気代には保温温度とお湯の量も影響します。保温温度が高く設定したり、多くのお湯を沸かしたりすると、その分電力消費量が増えるためです。なかでも、使わない時間帯まで保温を続けている場合は、無駄な電気代につながります。

電気ポットは、沸騰させて保温するだけのシンプルなものです。保温といっても、ずっと100℃近くを保っているわけではなく、温度が下がってきたらまた温める、という繰り返しをしています。なので、いつでもサッとお湯を使いたいニーズが無いならば、待機時の保温はもったいないです。

電気ケトルの電気代:1Lの沸騰1回あたり約3.4円

電気ケトルは保温機能がないモデルが多く、電気代は沸かす回数と量で決まります。1Lを沸かす場合の電気代は、以下のとおりです。

1,250W ÷ 1,000 × 5.25分 ÷ 60 × 31円/kWh = 約3.4円

※ティファール「ジャスティン プラス ロック 1.0L」(定格消費電力1,250W)で1Lを沸かす時間(約5分15秒、水温・室温23℃)を参照し、31円/kWh(税込)で計算

1日に沸かす回数別に見ると、以下が目安です。

1日に沸かす回数 1日 1か月
1回 約3.4円 約102円
3回 約10円 約305円
5回 約17円 約509円

※1回あたり1Lを沸かすと仮定。1か月は30日で計算

1Lを1日3回沸かしても、電気ケトルの電気代は1か月約305円にとどまります。

コンセントにつないだ電気ケトルを持つ

電気ポットと電気ケトルはどちらがおトク?使い方別の選び方

電気ポットと電気ケトルのどちらを選ぶべきかは、電気代の安さだけでは決まりません。判断の軸は「いつでもすぐにお湯を使いたいかどうか」です。

両者の違いを整理すると、以下のとおりです。

項目 電気ポット 電気ケトル
容量 2.2〜5.0L程度 0.6〜1.2L程度
沸騰時間 量が多いぶん時間がかかる 1Lで約5分
保温 あり(VE式・マイコン式) 基本的になし(短時間の保温機能付きもある)
電気代の特徴 沸騰+保温 沸騰のみ
向いている家庭 いつでもすぐにお湯を使いたい お湯を使う時間帯が限られ、必要な量だけ沸かしたい

以下で、電気代の差が生まれる理由と、それぞれに向いている家庭を確認しましょう。

1回あたりの電気代はほぼ同じで、差がつくのは保温の有無

お湯を1回沸かすのにかかる電気代は、電気ポットも電気ケトルも大きな差はありません。どちらもふたを閉めた容器で水を温めるため熱が逃げにくく、消費電力の違いは、沸騰までにかかる時間の差になるだけだからです。

差がつくのは、沸騰後の保温です。1日にお湯を使う回数別に1か月の電気代を比べると、以下のようになります。

1日にお湯を使う回数 電気ケトル 電気ポット
(3.0L・VE式)
電気ポット
(3.0L・マイコン式)
1回 約102円 約698円 約1,097円
3回 約305円
5回 約509円

※電気ケトルは1回あたり1Lを沸かすと仮定
※電気ポットは日本電機工業会(JEMA)の測定条件にもとづく1か月の目安。保温中のお湯を使う限り、使う回数が増えても電気代は大きく変わらないものとして記載。前提条件が異なるため、単純な比較はできません

電気代だけで比べると、1日5回沸かしても電気ケトルのほうが安く済みます。それでも電気ポットを選ぶ価値があるのは、使いたいときにすぐ注げる便利さがあるからです。

条件をそろえれば、「1日何回使うなら電気ポットのほうが得」という目安を電気代から出すことはできるかもしれません。でも、あまり意味はないと思います。何回だったらポット、ときっちり線を引けば解決する話ではないんです。

毎食必ずお湯を使う、お子さんや赤ちゃんのためにお湯を使うといった目的がある方は、電気ポットで保温して、いつでもお湯を使えるようにしておくことは便利だと思います。

電気ポットが向いているのはいつでもすぐにお湯を使いたい家庭

電気ポットは2L以上の大容量の商品が多く、沸かしたお湯を保温しておけるため、使いたいときにすぐ注げます。

電気ポットを選ぶ価値があるのは、いつでもすぐにお湯を使いたいというニーズがある家庭です。具体的には、次のような家庭が当てはまります。

  • 家族の人数が多く、毎食お湯を使う家庭
  • お茶やインスタントコーヒーを1日に何杯も飲む家庭
  • 赤ちゃんのミルク作りなど、時間を問わずお湯が必要になる家庭
  • 毎回水を入れて沸かす手間を減らしたい高齢の方がいる家庭
高齢の方のなかには、都度水を入れに行くこと自体が、体にとってかえって負担になる方もいると思います。その場合は、一度水を入れたら、それを何度も使えるポットのほうがいいですよね。

一方で、保温中も電気代がかかり、本体が大きく置き場所をとる点を理解して選ぶ必要はあります。

電気ケトルが向いているのは使うときに沸かせば足りる家庭

電気ケトルは必要な量を数分で沸かせ、沸かさない間は電力をほとんど使いません。

朝しか使わないなど、お湯を使わない時間が長い家庭では、電気ポットで保温し続けるより、電気ケトルで使う直前に沸かすほうが合っています。次のような家庭には、電気ケトルがおすすめです。

  • 1人暮らしや、共働きで日中は家にいない家庭
  • お湯を使うのが朝や夜など、特定の時間に限られる家庭
  • 自宅でドリップコーヒーを淹れるなど、使うたびに好みの量や温度で沸かしたい家庭
日本のお湯事情は、結構変わってきました。数字で見ても、電気ポットより電気ケトルが売れている状態がずっと続いています。そして、お湯の使い道はカップラーメンだけではなく、ハンドドリップでコーヒーを淹れるニーズも多くなってきました。そこで、狙ったところにお湯を注ぐための、先が細くなった「グースネック」のケトルが人気で、いまや流行りのように多くのメーカーが出しています。

グースネックのケトルは置いたときにちょっとおしゃれなので、キッチンに出して見せたいという家庭にも選ばれています。

一方で、電気ケトルは基本的に保温機能がないため、使うたびに沸かす手間がかかり、大人数分を一度にまかなうには容量が足りない場合があります。

ガスコンロや電子レンジとのコスト比較

お湯を沸かす方法には、ガスコンロ(やかん)や電子レンジもあります。1Lを沸かす場合のコストと、使い分けの目安は以下のとおりです。

湯沸かしの方法 1Lあたりのコスト目安 保温機能 向いている使い方
電気ケトル 約3.4円 基本的になし 必要な量をすぐ沸かしたいとき
電気ポット 湯沸かし分は電気ケトルと同程度(保温代が別途かかる) あり 1日に何度もお湯を使うとき
ガスコンロ(都市ガス) 約2円 なし 大量のお湯をまとめて沸かすとき
ガスコンロ(LPガス) 約4.5円 なし 大量のお湯をまとめて沸かすとき(単価は契約により大きく異なる)
電子レンジ 約6円 なし マグカップ1杯分など少量のとき

※1Lの水を23℃から100℃に温める場合の試算。電気は31円/kWh(税込)で計算
※電気ケトルはティファール「ジャスティン プラス ロック 1.0L」の沸騰時間を参照して計算
※ガスコンロは熱効率を50%と仮定。都市ガスは発熱量45MJ/m³・単価150円/m³(東京ガス一般料金の単位料金を参考)、LPガスは発熱量100.5MJ/m³・単価700円/m³として計算
※電子レンジは消費電力1,300W(出力600W)の機種を想定し、出力がすべて水の加熱に使われると仮定して計算

以下で、それぞれの特徴を確認しましょう。

ガスコンロ(やかん)との比較:割安かはガスの種類しだい

都市ガスのガスコンロでお湯を沸かすと、1Lあたり約2円で、電気ケトルより割安になる場合があります。熱効率では、密閉容器で沸かす電気ケトルや電気ポットに及びませんが、都市ガスの単価が比較的安いためです。

一方、LPガスは地域や契約内容によって単価が大きく異なり、電気ケトルより高くなる場合もあります。ガスコンロで沸かしたほうが安いかどうかは、ガスの種類と契約している単価しだいです。

また、ガスコンロは保温ができず、火加減や消し忘れなど、安全面の管理も必要です。

電子レンジとの比較:1Lでは割高、マグカップ1杯なら手軽

電子レンジで1Lのお湯を沸かすと約6円、時間も9分前後かかり、電気ケトルより割高です。一方、マグカップ1杯(約200mL)なら、2分弱・約1円で温められます。

マグカップ1杯分ぐらいだったら、電子レンジで沸かすのがいいですね。鍋やケトルで温めると、器具そのものに残る熱は無駄になります。マグカップごと温めれば、マグカップに残る熱は飲むときの保温にもなるので、無駄になりません。

ある程度量があるなら、電気ケトルや電気ポットで沸かすのがおすすめです。どちらも密閉された中で沸かすので熱が逃げにくく、コンロよりも効率がいいですね。

飲み物1杯分だけならマグカップのまま電子レンジで、それ以上の量なら電気ケトルや電気ポットで沸かすと、無駄なくお湯を用意できます。

なお、電子レンジで水を加熱しすぎると、取り出したときに急に沸騰する「突沸」が起こることがあるため注意しましょう。

電子レンジに入れたマグカップ

【プロ視点】電気ポット・電気ケトルの電気代を節約する方法

電気ポットや電気ケトルは、設定と使い方を見直すだけで電気代を抑えられます。中村さんによると、とくに効果が大きいのは「節電タイマーで使わない時間帯の保温を止める」と「保温温度を低めに設定する」の2つです。

電気ポットは、お湯をずっと保温しているための家電です。その前提の上で節約する方法としては、タイマー機能でお湯を使わない時間帯の保温を止めること、保温時の設定温度を下げることですね。

ただ、使わない時間が長いのであれば、そもそも電気ポットをやめたほうがいい、という話にもなります。朝にちょっと使うだけ、という家庭は結構多いと思うので、電気ケトルへの切り替えも考えてみてください。

ここでは、効果が大きい順に節約方法を紹介します。

節電タイマー機能で使わない時間帯の保温を止める

就寝中や外出中など、2時間以上お湯を使わない時間帯があるなら、節電タイマー機能で保温を止めましょう。電気ポットの電気代の多くは保温にかかっているため、使わない時間帯の保温を止めることが、最も効果の大きい節約方法です。

電気ポットには、設定した時間だけ保温を止め、その後自動で再開する節電タイマーや、一定時間操作しないと保温ヒーターへの通電を自動で抑える省エネ機能を備えた機種があります。就寝前や外出前に設定しておけば、使わない間の電力を無駄にせずに済みます。

タイマー機能がない機種でも、使わない時間帯に電源を切れば同じ効果が得られます。ただし、使わない時間のほうが長いなら、電気ケトルへの切り替えも検討しましょう。

保温温度を低めに設定する

保温温度を下げると外気との温度差が小さくなり、ヒーターが動く頻度を減らせます。多くの電気ポットは、98℃・90℃・80℃・70℃などから保温温度を選べます。

一度沸騰させたお湯を、常に100℃近くのまま保温しておく必要はありません。

とにかく一秒でも早く熱いお湯が欲しいという人は、高い温度のままでいいと思います。そうでなければ、もう少し下げて80℃、機種によっては60℃などでいいと思うんです。例えば玉露を飲みたいなら、80℃でも高すぎますよね。

一度100℃まで沸かすのは、どちらかというと雑菌を処理するためです。一度煮沸したら、そこから少し温度を下げて保温しておく、ということでもいいと思います。

熱湯が必要なときだけ再沸騰機能を使えば、使い勝手も損なわずに済みます。なお、赤ちゃんのミルクを作る場合は、粉ミルクの表示に従った温度のお湯を使ってください。

給水量は1日に使う分に合わせる

満水まで入れて沸かすと、加熱にかかる電力が増えるうえ、使い切れないお湯を保温し続ける無駄も生まれます。1日に使う量に合わせて給水しましょう。

ただし、中村さんによると、使う分だけ沸かすのは本来、電気ケトル向きの使い方です。毎回必要な量だけ沸かしているなら、電気ポットより電気ケトルのほうが暮らしに合っている可能性があります。

長時間使わないときはプラグを抜く

旅行などで長時間使わないときは、プラグを抜いておきましょう。ただし、プラグを抜くのは節電というより安全のための対策です。

長時間使わないときにプラグを抜くというのは、節電というより、安全のためのものですね。電気ポットは、欲しいときにすぐお湯が出てくることに価値がある家電です。すぐに電源をオフにしてしまって、お湯が欲しいときに沸くのを待つような使い方になると、ポットを使う意味がなくなってしまいます。

日常の節電は、こまめにプラグを抜くより、節電タイマーや保温温度の設定で行うほうが、電気ポットの便利さを損なわずに済みます。

電気ケトルはまとめて沸かし、保温ボトルを活用する

電気ケトルは必要なタイミングで、必要な量を沸かす家電です。余分にお湯を沸かさないことが大事です。それでも残った場合は、保温機能付きの電気ケトルもありますが、魔法瓶のような断熱構造ではないため、保温するほど電力を使います。すぐに使わないお湯は、電気ケトルで保温するより、保温ボトルに移しておくと電気代が余分にかかりません。

電気ポット・電気ケトルの選び方

買い替えを検討しているなら、本体の構造や容量に加えて、2026年6月から義務化された転倒流水対策などの安全性も確認しましょう。

電気ポットと電気ケトルでは確認すべきポイントが異なるため、分けて解説します。

電気ポットは保温性の高いVE式を選ぶ

VE式は真空断熱構造で熱が逃げにくく、3.0Lクラスではマイコン式より年間の電気代が約4,900円安くなります。

そもそも長時間お湯をためておきたいから、電気ポットを買うわけですよね。だから、電気ポットを使うならVEタイプを買うのがおすすめです。保温性がいいほうを選びましょう。

VEタイプはもともと魔法瓶の構造なので、沸かしたお湯を電気の力を使わずに保温できます。

電気ポットを買うなら、保温性の高いVE式を選ぶのが基本です。本体価格はマイコン式より高めですが、保温時間が長い家庭では、電気代の差によって価格差を回収できる場合もあります。

機種を比べるときは、カタログなどに記載された年間消費電力量(kWh/年)に31円/kWhを掛けると、年間の電気代の目安が分かります。

電気ポットは使う量と置き場所に合ったサイズを選ぶ

必要以上に大きいモデルを選ぶと、使い切れないお湯を保温し続けることになります。逆に小さすぎると沸かし直しが増え、手間と電力の両方が増えます。

世帯人数別の容量の目安は、以下のとおりです。

世帯人数 容量の目安
1〜2人 1.0〜2.0L
3〜4人 2.2〜3.0L
5人以上・来客が多い 4.0L以上

※一般的な目安です。お湯を使う頻度や用途によって、適した容量は変わります

容量を選ぶときは、置き場所もあわせて考えておきましょう。

電気ポットは、大きければいいというものではありません。リビングダイニングに置くことが多いと思うので、大きすぎると生活感があふれてしまいます。見栄えも含めて、ちょうどいい大きさのものを選びたいところですね。

電気ポットは、使い切れる容量で、置き場所になじむサイズを選びましょう。

電気ポットは保温温度の設定幅と給湯方式を確認する

節約効果の大きい「使わない時間の保温を止める」「保温温度を下げる」を実践するには、節電タイマーと低めの保温温度に対応した機種を選ぶことが大切です。保温温度の段階数や、タイマーで設定できる時間の長さも確認しましょう。

給湯方式には、主に次の3つがあります。

  • 電動式:ボタンを押すと、電動ポンプでお湯が出ます
  • エア式:ふたを手で押し、空気の圧力でお湯を出します
  • 電動&エア式:両方を備えており、停電時や卓上でも使いやすくなっています

ドリップコーヒー向けに、少量ずつゆっくり注げる給湯モードを備えた機種もあります。

電気ケトルは容量と温度調節機能で選ぶ

電気ケトルは、0.6〜1.2L程度の容量で展開されています。1人暮らしなら0.8L程度、家族で使うなら1.0L以上を目安にしましょう。

コーヒーやお茶をよく飲むなら、8段階で温度を設定できるモデルなど、温度調節機能付きが便利です。一方、短時間の保温機能を備えた電気ケトルもありますが、断熱構造ではないため、保温には向いていません。

最近は電気ケトルにも、短時間の保温機能をつけた製品もあります。でも正直、VEのような断熱構造にはなっていないので、もったいないんです。電気ケトルで保温しては無駄でしょう、と思います。

お湯をためて保温したい家庭は電気ポット、しかもVEタイプ。必要なときにその場で沸かして使いたい家庭には、電気ケトルがおすすめです。

電気ケトルを選ぶときは、保温機能の有無よりも、容量と温度調節機能を重視しましょう。

電気ケトルは注ぎ口の形状と持ちやすさを確認する

ハンドドリップでコーヒーを淹れるなら、狙った場所に少しずつ注げる細口(グースネック)が向いています。満水時の重さも考え、持ちやすさや注ぎやすさも確認しましょう。

ただし、グースネックは安全基準への対応が難しかったタイプでもあります。

グースネックは人気ですが、倒れたときに細いノズルに残ったお湯が出てきてしまうので、漏れるお湯を50mL以下に抑える基準をクリアするのは結構大変なんです。そのため、どのメーカーも一度販売をやめて開発し直し、対策済みの製品が順次、世の中に出ています。

電気ケトルを選ぶときは、デザインや注ぎやすさだけでなく、転倒流水対策が施された製品かどうかも確認しましょう。

グースネックケトルでコーヒーを淹れる様子

転倒流水対策と安全機能の有無を確認する

電気ポットや電気ケトルなどの電気湯沸器は、2026年6月以降に製造・輸入される製品で、転倒流水対策が義務化されました。前後左右に倒したときの湯漏れを、それぞれ50mL以下に抑えることなどが求められます。[5]

背景には、子どものやけど事故があります。消費者庁は、ふたを開けて台に置いていた電気ケトルが落下し、子どもがやけどを負った事例を紹介しています。[6]

電気ケトルによるやけど事故は多く、とくに子どもの場合は頭からお湯をかぶってしまうと、命に関わる大やけどになることもあります。2026年6月以降は、倒れたときに50mLを超えてお湯が流れ出てはいけない、と法律で決められています。

あわせて大事なのが、ふたのロックです。ふたがきちんとロックされていないと、倒れたときにふたが外れて、お湯が全部出てしまいます。ふたを閉めてロックをかけるという正しい使い方を、必ず守ってください。

タイガー魔法瓶が2024年に行った調査[7]では、自宅の電気ケトルに搭載されている安全機能について「全く把握していない」人が31.8%と最も多く、「転倒お湯もれ防止」機能付きの製品を選んでいる人は22.9%、「蒸気が出ない・少ない」機能付きは18.7%にとどまりました。安全機能は見落とされやすいからこそ、意識して確認することが大切です。

2026年5月以前に製造・輸入された対策のない製品が、在庫として販売される可能性もあります。[6]購入時は、商品ページやパッケージで「転倒流水対策」などの記載を確認しましょう。

あわせて、次の安全機能もチェックしておくと安心です。

  • 蒸気レス:沸騰時の蒸気が外に出にくく、蒸気によるやけどのリスクを抑えられる
  • ふたのロック:倒れたときにふたが外れにくく、お湯の流出を防ぐ
  • 給湯ロック(チャイルドロック):誤って給湯ボタンに触れても、お湯が出ない
  • 空焚き防止・自動電源オフ:水がないときや沸騰後に、自動で加熱を停止する

電気ポット・電気ケトルの電気代に関するよくある質問

電気ポットや電気ケトルの電気代について、よくある疑問にお答えします。

電気ポットと電気ケトル、どちらが電気代は安いですか?

1回あたりの湯沸かしの電気代はほぼ同じですが、保温をする分、電気ポットのほうが高くなります。電気ケトルは1日3回沸かしても1か月約305円、電気ポットは3.0Lクラスで1か月約700〜1,100円です。

電気代の安さで選ぶなら電気ケトルですが、いつでもすぐにお湯を使いたい家庭なら、電気ポットの便利さが電気代の差に見合う場合もあります。

電気ポットの電気代は1か月でいくらですか?

3.0Lクラスの電気ポットで、1か月あたり約700〜1,100円が目安です。VE式で約698円、マイコン式で約1,097円と、保温の仕組みによって差がつきます。

電気ケトルの電気代は1回いくらですか?

1Lのお湯を沸かす場合、1回あたり約3.4円が目安です。1日3回沸かすと、1か月で約305円になります。

電気ポットでやってはいけない使い方はありますか?

注意したいのは使い方より選び方です。いつでも使えるようにお湯をためておく必要がないなら、そもそも電気ポットを選ばないことが大切です。

電気ポットと電気ケトルの関係は、お湯をためておく「ポット式(貯湯式)」と、使うときだけ温める「瞬間式」がある温水洗浄便座に似ています。

やってはいけない使い方というより、いつでも使えるようにお湯をためておくというニーズがない人は、そもそも電気ポットを選んではいけない、というのが答えですね。いつ使うか分からないお湯をずっとためているので、使われなければ無駄になるだけです。

温水洗浄便座にも、瞬間式とポット式があります。ポット式は、例えば1週間留守にするのにずっとお湯をためているともったいない。それで瞬間式が出てきたんです。電気ポットと電気ケトルも、同じような関係ですね。

電気ポットの買い替えの目安はどのくらいですか?

電気ポットの本体はシンプルな構造のため、すぐに壊れることは多くありません。電源ケーブルの傷みや、クエン酸洗浄でも落ちない内部の汚れが出てきたら、買い替えを検討するタイミングです。

電気ポットで一番破損しやすいのはケーブルです。電気ポットのケーブルは、足を引っかけて転ばないように磁石でつくタイプが多く、そういう引っかけやすい場所に置かれることが多いからです。ケーブルだけ部品として売っているので、そこだけ交換する方法もあります。

本体は複雑なことをしていないので、そう簡単には壊れません。ただ、使っているうちに石灰などで中が汚れてきます。クエン酸洗浄をしても汚れが目立ってきたら、口に入るものなので、買い替えたほうがいいですね。

あとは、ただお湯が出ればいいのではなく、コーヒーを淹れるなど、やりたいことが変わってきたら、その目的にかなったものに買い替えていくのがいいと思います。

まとめ

電気ポットの電気代は、1か月約600〜1,300円が目安です。差がつくのは、保温の仕組み(VE式かマイコン式か)と保温の使い方です。

  • 1回あたりの湯沸かしの電気代は、電気ポットも電気ケトルもほぼ同じで、電気ポットには保温の電気代が上乗せされる
  • 電気ポットと電気ケトルのどちらを選ぶかは、お湯を使う回数より「いつでもすぐにお湯を使いたいか」で考える
  • 電気ポットの節電は、節電タイマーで使わない時間の保温を止めることと、保温温度を下げることの効果が大きい。今から買うなら保温性の高いVE式がおすすめ
  • 2026年6月以降に製造・輸入される製品は、転倒流水対策が義務化されている。購入時は、対策済みかどうかを確認する

お湯の使い方に合った1台を選んで、無駄のない電気代と快適な暮らしを両立しましょう。

記事編集

くらひろ編集部
東京電力エナジーパートナー株式会社

「東京電力 くらひろ by TEPCO」は、東京電力エナジーパートナーが運営するWebメディアです。でんきやガスのことはもちろん、あなたの毎日に役立つ知識から、くらしを広げるアイデアまで、“知りたい”に答える多彩な記事をお届けします。

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