浴室に干されているシャツやタオル
省エネ・節電

【家電王監修】浴室乾燥機の電気代はいくら?節約術を解説

浴室乾燥機は家庭用の家電のなかでも消費電力量が大きい設備です。毎日使うと電気代は想像以上にかさみ、請求額を見て「思ったより高い」と感じた経験がある方もいるかもしれません。

この記事では、浴室乾燥機の電気代の目安と機能別の違い、今日から実践できる節約のコツ、さらに他の乾燥方法との比較について、家電王・中村剛さんの監修・取材協力のもと分かりやすく解説します。

電気式の浴室乾燥機は、電気を熱に変えるヒーターで乾かす仕組みなので、電気代は高くなりがちです。だからといって「使うのをやめましょう」という話ではなく、賢く使いましょう。ヒーターを使う乾燥だけに頼らず、ヒーターを使わない送風乾燥なども組み合わせて、電気代の目安を知ったうえで使ってほしいですね。
教えてくれる人

中村 剛(なかむら つよし)さん

中村 剛
(なかむら つよし)さん

東京電力エナジーパートナー株式会社 勤務
2002年に『TVチャンピオン』スーパー家電通選手権で優勝し、銀座にて体験型ショールーム「くらしのラボ」の開設と運営に従事。現在は“家電王”として動画マガジン『くらしのラボ』をFacebookとYouTubeで毎週配信しているほか、テレビや雑誌、新聞などの様々なメディアで暮らしに役立つ情報を発信している。無類のネコ好き!

目次

浴室乾燥機の電気代はどれくらいかかる?

浴室乾燥機(電気式)の乾燥機能にかかる電気代は、1時間あたり約37円が目安です。毎日5時間使った場合、1か月では約5,534円かかります。

なお、浴室乾燥機は主に電熱ヒーターで空気を温める「電気式」と、屋外の熱源機でつくったお湯の熱を使う「ガス温水式」の2種類があります。ガス温水式は光熱費の大半がガス代になるため、この記事は一般のご家庭に多い電気式を前提に解説します。

自宅がどちらのタイプかは、屋外に給湯器とは別の熱源機が設置されているか、浴室のリモコンにガスに関する表示があるかなどで確認できます。また、浴室乾燥機の品番や取扱説明書でも確認可能です。

まずは、電気代の計算方法と、使う条件によって金額がどう変わるかを確認していきましょう。

1時間あたりの電気代と自宅の機種での計算方法

浴室乾燥機の電気代は、「消費電力(kW)×使用時間(h)×電気料金単価(円/kWh)」で計算できます。消費電力がW(ワット)で表示されている場合は、1,000で割ってkW(キロワット)に直してから計算します。

電気料金単価は、契約している電力会社やプランによって変わりますが、この記事では、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める電力料金の目安単価31円/kWh(税込)を使います。[1]実際に計算するときは検針票やご契約中の電力会社のマイページで確認した単価に置き換えてください。

たとえば、消費電力1,190Wの乾燥機能を1時間使用した場合の計算式は、以下のとおりです。

1,190W ÷ 1,000 × 1時間 × 31円/kWh = 約37円

また、使用する時間ごとの電気代の目安は、以下になります。

使い方 電気代の目安
1時間 約37円
1回(3時間・夏の目安) 約111円
1回(5時間・冬の目安) 約184円
1か月(毎日3時間) 約3,320円
1か月(毎日5時間) 約5,534円
1年(毎日5時間) 約67,324円

※マックス「BS-161H-2」の乾燥(消費電力1,190W)を、単価31円/kWhで計算

※1か月を30日、1年を365日で計算

自宅の機種の消費電力は、次の方法で調べられます。

  • 取扱説明書の「仕様」欄を確認する
  • 本体のフロントカバーや天井点検口の内側にある銘板(品番と消費電力が記載されたシール)を見る
  • 浴室のリモコンや本体に記載された品番で、メーカーサイトを検索する
計算そのものは難しくありません。製品の仕様を確認して、その製品をどのモードでどれだけ使うかが分かれば、掛け算で金額は出せます。注意したいのは、kW(キロワット)とkWh(キロワットアワー)の違いです。kW(消費電力)はその家電が瞬間に使う電気の大きさで、kWh(消費電力量)は使った電気の総量を表します。電気代に関わるのは、kWhのほうです。

夏と冬で変わる1回・1か月あたりの電気代

ヒーターを利用して洗濯物を乾燥させるタイプの浴室乾燥機では、一般的に夏よりも冬のほうが電気代が高くなる傾向があります。

冬は外気で浴室の壁や床が冷えていて、浴室全体の空気が温まりにくいためです。浴室乾燥機は洗濯物だけでなく浴室という空間ごと温める必要があるため、運転開始時の室温が低いほど、乾き終わるまでの時間が長くなります。

たとえば、洗濯物が乾くまでに夏は3時間、冬は5時間かかると仮定すると、1回あたりと1か月あたりの電気代は以下のようになります。

季節 乾燥時間の目安 1回あたり 1か月(毎日使用)
夏 3時間 約111円 約3,320円
冬 5時間 約184円 約5,534円

洗濯物の量や洗濯回数が同じでも、夏と冬では1か月で2,000円以上の差が生まれる計算です。

なお、乾燥にかかる時間は、洗濯物の量、厚手か薄手か、浴室の広さによっても変わります。厚手のトレーナーやバスタオルが多い日は、同じ枚数でも乾燥時間が長くなります。

一人暮らしと4人家族の1か月あたりの電気代

浴室乾燥機の電気代は、一人暮らしなら1か月あたり約2,213円、4人家族なら約5,534円が目安です。

ここでは、洗濯物の量を1人あたり1日1.5kgとして、一人暮らしは1日分(1.5kg)を2時間、4人家族は4人分(6kg)を5時間で乾かすと仮定しました。また、一人暮らしの場合で洗濯を2〜3日に1回にまとめる場合は、2日分(3kg)で2.5時間としています。

使い方 1回あたり 1か月
一人暮らし(毎日・2時間) 約74円 約2,213円
一人暮らし(2日に1回・2.5時間) 約92円 約1,383円
4人家族(毎日・5時間) 約184円 約5,534円

世帯人数が増えるほど1回に乾かす洗濯物が多くなり、乾くまでの運転時間も長くなるため、浴室乾燥機の電気代は高くなる傾向があります。金額を左右するのは世帯人数そのものではなく、1回あたりの乾燥時間の長さです。

一方、洗濯の頻度を落とすと1か月あたりの電気代は安くなります。ただし1回に乾かす量が増えるぶん運転時間も長くなるため、回数を半分にしても金額が半分になるとは限りません。

乾燥・暖房・換気で浴室乾燥機の電気代は大きく変わる

浴室乾燥機には、乾燥・暖房・換気・涼風という4つの機能があります。それぞれ消費電力が大きく異なるため、かかる電気代にも大きな差があります。

浴室乾燥機のリモコン

以下の表は、機能別の消費電力と、1時間あたりの電気代(31円/kWh換算)の目安です。

機能 消費電力 1時間あたりの電気代
乾燥(強) 1,190W 約37円
暖房(入浴前) 1,250W 約39円
暖房(入浴中) 1,140W 約35円
換気(24時間換気) 6W 約0.2円
涼風(強) 17W 約0.5円

※マックス「BS-161H-2」の仕様を元に計算

乾燥と暖房はヒーターで空気を温めるため1,000Wを超えますが、涼風と換気はファンを回すだけなので、消費電力は乾燥の70分の1から200分の1程度にとどまります。

それぞれの機能について、順番に解説します。

乾燥機能:4つの機能のなかで最も電気を使う

1か月の電気代で見ると、4つの機能のうち最も大きいのは乾燥機能です。

乾燥機能は、温風で洗濯物と浴室を乾かす運転です。1時間あたりの電気代は約37円と暖房(約39円)よりわずかに低いものの、1回の運転が3〜5時間と長いため、1か月の合計では最も大きくなります。季節や洗濯物の量、使用環境によって差はありますが、1回あたりの電気代は約111〜184円で、毎日使うと1か月で約3,320〜5,534円になります。

節約を考えるなら、まず見直したいのはこの乾燥機能の使い方です。暖房や換気を我慢しても、乾燥を長時間回していれば節電の効果は限られます。

一番多いのは、洗濯物が乾いたあともヒーターが入ったまま運転が続いているケースです。タイマー設定を無造作に長めにすると、乾いたあともヒーターが動いたままになります。節電したいのであれば、洗濯物を乾かす時間だけで止めることが大事です。

なお、静音乾燥のように風量を落とすモードもありますが、乾くまでの時間が延びるため、1回あたりの電気代は必ずしも安くなりません。

暖房機能:乾燥機能とほぼ同じ電気代がかかる

暖房機能の電気代は、1時間あたりで見ると乾燥機能とほぼ同じ水準です。

暖房機能は、入浴前に浴室を暖めておく運転です。ヒーターで空間ごと温めるため消費電力は1,250Wあり、乾燥(1,190W)とほとんど変わりません。

1時間あたり約39円、入浴中暖房(1,140W)でも約35円です。入浴前に20分(1,250W・約13円)、入浴中に20分(1,140W・約12円)使うと1日あたり約25円で、冬場に毎日使えば1か月で約741円になります。

短時間しか使わない印象がありますが、消費電力が大きいため、毎日の積み重ねでは無視できない金額になります。

最近のマンションや戸建てで、お風呂がすごく寒いということはそこまでないと思います。どちらかというと、実際に寒さを感じやすいのは浴室よりも脱衣所です。脱衣所のような場所は、必要なときだけつけて瞬間的に暖まるヒーターが向いています。
なお、脱衣所が寒い住宅では、浴室暖房だけでなく脱衣所側の暖房も合わせて検討すると効果的です。

換気機能:24時間つけっぱなしでも電気代への影響は小さい

24時間換気は、つけっぱなしにしても電気代への影響はごくわずかです。

換気機能は、浴室にこもった湿気を排気する運転です。ファンを回すだけなので消費電力は6Wしかなく、乾燥機能の約200分の1程度にとどまります。

1時間あたり約0.2円、1日で約4.5円、1か月つけっぱなしにしても約134円です。

換気を止めると浴室の湿気が抜けず、カビやピンク色の汚れが発生する原因になります。カビ取りの手間や洗剤代を考えれば、換気は止めずに運転し続けたほうが結果的に安く済みますし、快適になります。

なお、換気中に浴室のドアを開けておくのは逆効果です。

浴室を早く乾かしたいからと、ドアを開けっぱなしにしてリビング側に風を入れようとする方がいます。でもそれは、きれいな空気にしておきたいリビングに浴室の湿気やカビを含んだ空気を送り込んでいるわけです。本来、浴室やトイレは周りから空気を引き込むような風の流れに設計してあって、そこから風を出すことで浴室のカビが他の部屋へ行かないようにしています。浴室のドアは、出入りのとき以外は閉めておくのがおすすめです。

涼風機能:電気代を気にせず使える

涼風機能は、扇風機のように浴室内へ風を送る運転です。エアコンのように冷やすわけではないため、消費電力は強運転でも17Wしかありません。

1時間あたり約0.5円で、入浴中の暑さ対策や掃除のあいだ数時間使っても数円で済みます。

乾燥運転を始める前に、涼風や換気で浴室の湿気を飛ばしておくと乾燥時間を短くできます。入浴直後の浴室は湿度が高いため、10〜20分ほど涼風や換気を回してから乾燥に切り替えるのがおすすめです。

浴室乾燥機の電気代を抑える5つの使い方

浴室乾燥機の電気代を抑えるポイントは、ヒーターが動いている時間をいかに短くするかに集約されます。

浴室乾燥機を使うのをやめる必要はありません。運転モードの選び方、干す前の下準備、干し方、他の道具との併用、日々のお手入れを見直すだけで、1か月の電気代は大きく変わります。

ここでは、今日から実践できる5つの使い方を紹介します。

風乾燥や省エネモードに切り替える

ヒーターをあまり使わない風乾燥に切り替えると、1回あたりの電気代を抑えることができます。

たとえば、先ほど例に挙げたマックス「BS-161H-2」には「かぜ乾燥」というモードがあります。運転時間のほとんどを送風でまわし、最後の30分だけヒーターを使った温風に切り替えて仕上げる運転です。ヒーターを使用する時間が少ないため、消費電力を抑えられます。

ただし、かぜ乾燥は通常の乾燥モードと比べると乾くまでに時間がかかります。そのため、就寝中や外出中など、乾燥時間を長めに確保できるタイミングで活用するのがおすすめです。

なお、この類の機能の呼び方は機種によって異なります。「かぜ乾燥」のほか、「風乾燥」「送風乾燥」「省エネ乾燥」などの名称で搭載されている場合もあります。自宅の浴室乾燥機にこうした省エネモードが備わっているか、一度リモコンや取扱説明書で確認してみるとよいでしょう。

換気や涼風など、モーターでファンを回すだけの運転は、比較的電気代がかかりません。サーキュレーターの例でも、最大風力時に消費電力21Wとして試算すると、1時間動かして0.6円ほどです。時間に余裕があるときは、ヒーターに頼らず風を当てて乾かしてみてください。そういう使い分けをうまくやってほしいですね。

浴室の水気を拭き取ってドアを閉めて運転する

浴室が濡れたまま乾燥運転を始めると、洗濯物より先に浴室の水分を乾かすことに電力を使ってしまいます。

入浴直後の浴室は、壁や床、天井が水滴で濡れ、湿度がほぼ100%の状態です。この状態から乾燥運転を始めると、乾き終わるまでの時間が延び、そのぶん電気代が上がります。

お風呂に入った直後の浴室は、洗濯物を乾燥させるには最悪の状態です。夏に車に乗る前、まず窓を開けて換気したほうがいいという話と同じで、干す前にモワッとした空気を送風で逃がしてあげてください。そのほうが、電気を無駄に使わずに済みます。送風や換気の手間をかけたくない場合は、浴室乾燥を行う日は湯船をためずにシャワーだけにするという選択肢もあります。

運転前の水気を減らすには、次の方法が効果的です。

  • タオルや水切りワイパーで、壁・床・鏡の水滴を拭き取る
  • 湯船のお湯を残す場合は風呂ふたをして、湿気を閉じ込める
  • 入浴直後を避け、換気や涼風で10〜20分ほど湿気を飛ばしてから乾燥運転に切り替える

また、乾燥運転中は浴室のドアを必ず閉めましょう。ドアを開けたままだと温風と湿気が浴室の外へ逃げ、乾くまでの時間が延びるだけでなく、湿気が脱衣所やリビングに流れ込みます。

閉じられた浴室のドア

洗濯物の間隔を空けて厚手のものを吹き出し口の下に干す

洗濯物同士が密着していると風が通らず、乾燥時間が延びて電気代が上がります。

浴室乾燥機は、天井の吸込口から浴室の空気を吸い込み、温めて吹き出すという循環で洗濯物を乾かします。この空気の流れが洗濯物に当たらないと、長く運転しても乾きません。

干し方で意識したいのは、次の4点です。

  • 洗濯機でしっかり脱水し、干す前の水分量を減らす
  • 洗濯物同士の間隔を、こぶし一つ分ほど空ける
  • 厚手のトレーナーやバスタオルは、温風が当たる吹き出し口の下に配置する
  • 乾きにくいものは、途中で位置を入れ替える

干すスペースが足りないときは、無理に詰め込まないほうが、結果的に短い運転時間で乾きます。

浴室乾燥機を使うメリットは、吊るして干せるぶん、衣類の仕上がりがきれいになるところです。おしゃれ着やお気に入りの服などシワになって欲しくない服だけ、浴室で吊るして干すという使い分けもおすすめです。

外干しやサーキュレーターと併用して仕上げだけに使う

洗濯物をある程度乾かしてから仕上げだけ浴室乾燥機に任せると、電気代を大きく削減できます。

サーキュレーターや扇風機を洗濯物に向けて回し、ある程度乾いてから乾燥運転に切り替える方法です。最大風力時に消費電力21W(※1)として試算すると、1時間動かしても電気代は1円もかかりません。

5時間すべてを乾燥運転にした場合と、サーキュレーターで3時間送風してから1.5時間だけ乾燥運転した場合を比べると、以下の差が出ます。

使い方 内訳 1回あたり 1か月(毎日使用)
乾燥運転のみ 乾燥5時間 約184円 約5,534円
仕上げのみ乾燥運転 送風3時間+乾燥1.5時間 約57円 約1,719円

1か月では約3,815円の差になります。空気を循環させると洗濯物の周りの湿った空気が入れ替わり、乾燥時間そのものを短くできます。

晴れた日は外干し、雨や花粉の多い日は浴室乾燥機というように、天候で使い分けるのも効果的です。外に少しでも干せた日は、浴室乾燥機の運転時間を短く設定しましょう。

※1 SHARP サーキュレーターPK-18S01を参照

吸込口のフィルターとカバーのほこりを取り除く

吸込口のフィルターにほこりが詰まると風量が落ち、同じ洗濯物でも乾くまでの時間が延びて余計な電気代がかかります。

浴室乾燥機は、天井にある吸込口から浴室の空気を吸い込み、内部で温めて吹き出し口から送り出しています。この吸込口の内側にフィルターが入っている機種が多く、ここにほこりや糸くずが溜まります。

掃除の手順は、次のとおりです。

  • 運転スイッチを切り、本体が冷めるまで待つ
  • 吸込口のカバーを外し、内側のフィルターを取り出す
  • 掃除機でほこりを吸い取る
  • 汚れがひどい場合は、ぬるま湯か中性洗剤で洗う
  • 十分に乾かしてから元に戻す

機種によっては、フィルターがない製品もあります。その場合は、フロントカバーと吸込口まわりのほこりを、やわらかい布や掃除機で取り除きましょう。掃除の頻度はメーカーや機種によって案内が異なります。たとえばマックスは1か月に1回程度を推奨していますが、掃除の頻度や方法については必ず自宅の機種の取扱説明書の記載に従ってください。また、掃除の作業は天井の高い位置で行うため、浴槽のふちや風呂ふたの上には乗らず、安定した踏み台を使いましょう。

ほこりの蓄積は、カビやニオイの原因にもなります。電気代を抑えるためだけでなく、浴室を清潔に保つうえでもフィルター掃除には意味があります。

実は浴室は、住宅のなかで最も汚れている場所の1つです。カビもありますし、清潔とは言えない場所で洗濯物を乾かしているという前提を、まず持ってほしいですね。浴室乾燥機を使うのであれば、浴室そのものを日々きれいにして、しっかり乾かしてあげることが大前提になります。

他の乾燥方法と比較|安いのはドラム式洗濯乾燥機

洗濯物を乾かす手段のなかで、1回あたりのコストが最も安いのはヒートポンプ式のドラム式洗濯乾燥機です。

浴室乾燥機(冬・5時間運転)を約184円として、他の乾燥方法と1回あたりのコストを比べると、以下のようになります。

乾燥方法 1回あたりの目安 特徴
ヒートポンプ式のドラム式洗濯乾燥機※1 約25〜28円 洗濯から乾燥まで1台で完結する
ヒーター式のドラム式洗濯乾燥機※2 約57〜62円 本体価格は抑えられるが乾燥の電気代は高い
浴室乾燥機(電気式)※3 約184円(5時間) 備え付けで追加の導入費用がかからない
コインランドリー 約200〜600円(相場) 大物を短時間で乾かせるが往復の手間がかかる

※1パナソニック「NA-LX129F」、ニトリ「ND120HL1」を参照
※2ニトリ「ND120KL1」、パナソニック「SD10UB」を参照
※3マックス「BS-161H-2」の乾燥(1,190W・5時間)を参照

※電気代は単価31円/kWhで計算

それぞれの乾燥方法について、コストと使い勝手を順番に確認しましょう。

ヒートポンプ式のドラム式洗濯乾燥機:乾燥コストが最も安い

ヒートポンプ式のドラム式洗濯乾燥機なら、洗濯から乾燥まで1回あたり約28円で済みます。

電気式の浴室乾燥機は、電熱ヒーターで空気を温めて乾かす仕組みです。しかも洗濯物だけでなく浴室という空間ごと温める必要があるため、「消費電力の大きさ×運転時間の長さ」で電気代がかさみます。

これに対してヒートポンプ式は、空気中の熱を集めて移動させ、低温の風で乾かす仕組みです。電気をそのまま熱に変えるのではなく、電気の力で熱を運ぶため、同じ量の洗濯物でも消費電力量を大きく抑えられます。

洗濯物だけを乾かすドラム式洗濯乾燥機に比べて、浴室乾燥機は容積が大きい浴室全体を乾かさなくてはいけないので、電力をたくさん使います。そもそも電気を熱としてヒーターで使うのは、実はもったいない使い方です。1kWhの電気は、ヒーターで使うと860キロカロリーの熱にしかなりません。一方でヒートポンプは、投入した電気の何倍もの熱を空気中から集めて運べます。エアコンや冷蔵庫が省エネなのは、このヒートポンプを使っているからです。

実際の消費電力量を見ると、パナソニック「NA-LX129F」は洗濯から乾燥までのおまかせコース(標準乾燥)で1回あたり800Wh・約25円、ニトリ「ND120HL1」は標準乾燥で1回あたり900Wh・約28円です。省エネコースを選べば、パナソニック「NA-LX129F」は620Wh・約20円、ニトリ「ND120HL1」は670Wh・約21円まで下がります。なお、ニトリはヒートポンプにアシストヒーターを組み合わせたハイブリッド乾燥です。

浴室乾燥機と比べた場合の差額は、以下のとおりです。

乾燥方法 1回あたり 毎日使用(1年)
浴室乾燥機(5時間) 約184円 約67,324円
ヒートポンプ式のドラム式 約28円 約10,184円
差額 約156円 約57,140円

毎日乾燥を使う家庭なら、年間で約57,000円以上の差が生まれます。ドラム式の本体価格が15万円前後であれば、電気代の差だけで3年ほどで埋まる計算です。

洗濯から乾燥までを1台で完結できるため、干す・取り込むという手間もなくなります。帰宅後の時間を家事に取られたくない共働き世帯との相性は良好です。また、低温の風で乾かすため、高温のヒーター乾燥に比べて洗濯物へのダメージが小さく、乾燥後のシワも抑えやすい点もメリットです。

ただし、ドラム式にもヒーター式があります。同じメーカーのヒーター式は1回あたり約57〜62円で、ヒートポンプ式の2倍以上です。電気代を重視するのであれば、ヒートポンプ式がおすすめですので、確認して選びましょう。

ドラム式洗濯機について、以前はヒーター式のほうが、本体価格が安いという理由で選ばれていましたが、メーカーもレギュラータイプ含めてヒートポンプ式を採用するようになってきました。電気代を抑えたいのであれば、ヒートポンプ式がおすすめです。品質の面でも、ドラム式だから衣類が傷んでしまうということはほとんどなく、衣類をやさしく洗って乾燥します。タオルのごわつくのが気になる場合は、洗濯物を少量で回さず、ある程度の量を入れて回すと改善されます。

なお、今ある浴室乾燥機での洗濯物乾燥をすぐにやめる必要はありません。上手に使いつつ、洗濯機の買い替えタイミングで、ヒートポンプ式のドラム式洗濯乾燥機を検討するのが現実的です。

洗濯機から洗濯物を取り出す女性

コインランドリー:費用は最も高く日常使いには向かない

コインランドリーの乾燥機は、1回あたりの費用がここで紹介した乾燥方法のなかで最も高くなります。

料金の相場は10分あたり100円で、衣類やタオルであれば20〜60分(200〜600円)が1回あたりの目安です。

1回400円として、利用頻度別に試算すると以下の費用になります。

利用頻度 1か月 1年
週2回程度 約3,467円 約41,600円
週3回程度 約5,200円 約62,400円
毎日 約12,000円 約146,000円

毎日利用すると年間で約14万6,000円かかり、浴室乾燥機を毎日5時間使った場合の約6万7,324円の2倍以上です。

ただし、乾燥時間が短く、布団や毛布など自宅で乾かしにくい大物を一度に乾かせる点はメリットです。その反面、店舗までの往復時間と洗濯物の持ち運びに手間がかかります。

コインランドリーは、日常の洗濯物ではなく、大物を乾かすときの選択肢と考えるとよいでしょう。

除湿機を使った部屋干し:電気代は安いが乾くまで時間がかかる

除湿機を使った部屋干しする場合は、方式による差はあるものの、浴室乾燥機より電気代を抑えられる一方、部屋の広さや湿度によっては洗濯物が乾きにくいことがあるため、注意が必要です。

衣類乾燥時の消費電力は、方式によって以下のように異なります。浴室乾燥機の乾燥運転が1,190Wなので、いずれの方式でも4分の1以下です。

方式 衣類乾燥時の消費電力 1時間あたりの電気代
コンプレッサー式※1 約160〜180W 約5〜6円
ハイブリッド方式※2 約225〜245W 約7〜8円
デシカント方式※3 約295W 約9円

※1コロナ「CD-P6326」
※2パナソニック「F-YHVX120」
※3パナソニック「F-YZVX60」

※電気代は単価31円/kWhで計算しています。

サーキュレーターを併用して洗濯物に風を当てると、乾燥時間をさらに短縮できます。サーキュレーター自体の電気代は、1時間あたり1円もかかりません。

なお、薄手のシャツ類であれば、除湿機を足さなくても部屋干しで乾かせます。夏場にエアコンの冷房を使っている部屋なら、なおさら乾きやすくなります。

エアコンを冷房運転しているときは、実は部屋を冷やすだけではなく除湿も同時に行っています。そのため、冷房を使っている部屋は自然と湿度が下がっているんですね。なので私は、乾きやすいシャツやTシャツなどはあえて部屋干しすることもあります。

一方で、部屋の広さや湿度によっては洗濯物が乾きにくく、長時間濡れたままだと生乾き臭やカビの原因になります。乾くまでのあいだ、洗濯物が居住スペースを占領する点も難点です。

除湿機を使った部屋干しは、帰宅後すぐに乾かしたい家庭よりも、干すスペースと乾かす時間に余裕がある家庭に向いています。

家電王に聞いた!浴室乾燥機の電気代のよくある質問

浴室乾燥機の電気代についてよくある疑問に、中村さんが答えます。

金額の目安だけでなく判断の考え方を知っておくと、自宅の状況に合わせて使い方を決めやすくなります。

浴室乾燥機は何時間使用すればよいですか?

薄手の衣類だけなら2時間、量が多い日や冬場は5時間程度が目安ですが、正解はご家庭ごとに違います。

浴室乾燥機の運転時間は、「何時間が正解」と決めるのではなく、自宅の洗濯物が乾く時間を一度把握して、それを基準に決めるのが確実です。乾燥時間は、洗濯物の量や素材、浴室の広さ、季節によって変わります。

とくに無駄が出やすいのは、乾いているのにタイマーを長めに設定して、ヒーター運転を続けてしまうケースです。まずは短めの時間で回し、どれくらいの時間で乾くかを把握しておくと、次回以降の設定がしやすくなります。

また、入浴直後の浴室は湿度が高く、乾燥運転の効率が落ちやすい状態です。干す前に換気や送風で湿気を逃がしてから乾燥運転に切り替えると、乾燥時間を短縮しやすくなります。夜間に回す場合は、乾き残りを避けるために余裕を持たせつつ、必要以上に長くならないようタイマーを活用しましょう。

節約のためにやらなくてよいこと、効果が小さいことはありますか?

24時間換気や涼風を止めることに、節約効果はほとんどありません。見直す価値があるのは、乾燥と暖房の使い方です。

節約効果が小さいのは、ファンやモーターを回すだけの運転を止めることです。たとえば24時間換気は消費電力が小さく、止めても電気代の削減額はそれほど大きくなりません。一方で、換気を止めると浴室の湿気が抜けにくくなり、カビや汚れが増える原因になります。浴室の湿度を下げてカビを生えにくくするためにも、24時間換気はつけたままにしておくのが基本です。

節電に効くのは、ヒーターが稼働する時間を短くすることです。乾燥や暖房は消費電力が大きいため、ここを見直すほうが節約効果は出ます。乾燥は「1時間あたりの電気代」よりも、乾くまでの合計時間で差がつくので、乾き終わったら止める、送風乾燥と組み合わせる、干す前に湿気を逃がす、といった工夫のほうが効果的です。

浴室乾燥機を使い続けるか、乾燥機能付きの洗濯機に買い替えるか迷っています

毎日乾燥を使う家庭であれば、電気代の差は年間で5万円以上になります。ただし、判断の軸は金額だけではありません。

電気代の差だけで買い替え費用を回収できるか考えるよりも、暮らし方が変わるタイミングかどうかで判断するほうが現実的です。たとえば共働きで帰宅が遅い、洗濯量が増えたなど、家事にかけられる時間と洗濯の負担が合わなくなったときは、洗濯から乾燥までを一台で終えられる機種の価値が上がります。

一方で、浴室乾燥機にも「吊って干せるので仕上がりが良い」「お気に入りの衣類をシワにしにくい」といった利点があります。ドラム式だけで完結しない家庭もあり、日常の衣類は洗濯機で乾燥しつつ、おしゃれ着は浴室で吊り干しするなど、併用する選び方も可能です。

また、買い替える場合は、乾燥方式によってランニングコストが変わります。電気代を重視するなら、乾燥方式がヒートポンプ式かどうかを確認して選ぶと安心です。

まとめ

浴室乾燥機(電気式)の電気代は、1時間あたり約37円が目安です。毎日5時間使うと1か月で約5,534円、1年で約67,324円かかりますが、使い方を見直せば大きく下げられます。

  • 電気代を左右するのは乾燥機能と暖房機能で、24時間換気は1か月つけっぱなしにしても約134円と電気代への影響は小さい。節約のポイントは乾燥機能や暖房機能で稼働するヒーターの運転時間を短くすること。
  • 浴室乾燥機の運転時間を短くするには「浴室の水気を拭き取る」「送風乾燥やサーキュレーターを併用する」「洗濯物の干し方を工夫する」「吸込口のフィルターを掃除する」などの工夫でが効果が期待できる。
  • 浴室乾燥機(電気式)、ヒートポンプ式のドラム式洗濯乾燥機、コインランドリーの比較では、ヒートポンプ式のドラム式洗濯乾燥機が1回あたり約28円で乾燥コストが最も安い。

外に干せない、部屋にも干したくないという事情があるご家庭にとって浴室乾燥機はとても便利な機能です。電気代の目安や各乾燥方法の特徴を理解したうえで、自宅の暮らし方に合う使い方を選んでいきましょう。

  1. 公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会:
    よくある質問 Q&A

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くらひろ編集部
東京電力エナジーパートナー株式会社

「東京電力 くらひろ by TEPCO」は、東京電力エナジーパートナーが運営するWebメディアです。でんきやガスのことはもちろん、あなたの毎日に役立つ知識から、くらしを広げるアイデアまで、“知りたい”に答える多彩な記事をお届けします。

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