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換気扇の効果的な掃除方法!ベタベタな油汚れフィルターもしっかり洗浄

換気扇とフィルターは、高い位置にある上、油でベタベタしているので、掃除をするのに手間がかかります。しかし、汚れを放置すると、換気扇の機能を最大限に発揮できなかったり、故障したりするリスクがあるため注意が必要です。

そこで今回は、換気扇とフィルター掃除を効率的にする手順とポイントをご紹介します。あわせて、掃除に役立つ便利グッズなども掲載しているので、ぜひ参考にしてください。

換気扇とフィルターの掃除は定期的に!汚れを放置するとどうなる?

換気扇にとってフィルターは重要な役割を果たしており、定期的なお手入れが必要です。

フィルターには、ブラインドのように斜めに隙間が切ってあって空気を通る構造のものや、パンチングボードのように穴がたくさん空いた構造のものがあります。

汚れを放置すると、こうした隙間や穴へ油とホコリが入り、目詰まりを起こしてしまうのです。そのまま放置を続けると、以下のような好ましくない状況に陥ります。

不快な臭いとカビの原因になる

フィルターが目詰まりを起こした状態を放置すると、換気の効率が落ちます。結果、室内の空気を排出できなくなるため、料理中の臭いや煙が残ってしまいます。とくに、アイランドキッチンのようなキッチンとリビングが一体となっている場合には、家中にも影響が出るでしょう。

また、問題は臭いや煙だけではありません。換気扇は気化した油も吸い込んでいます。換気ができていなければ、この油が床や壁に付着し、ベタ付きとなって現れるのです。

水蒸気も厄介な存在です。湿気は結露やカビの原因になります。キッチン周りは水気も多く、こうしたトラブルが発生しがちな場所と言えます。とくにカビは健康上の問題を引き起こす可能性もあるため、十分注意しましょう。

汚れているフィルター

電気代が高くなる

換気扇の動作にかかる電気代はそこまで高くありません。しかし、これはあくまでも新品の状態、もしくは正しくお手入れがされたフィルター装着時の話です。汚れが放置された換気扇は、吸引力が下がるため、換気に使う消費電力量が増えてしまいます。

また、臭いや湿気がいまいち排出できないという場合には、いつも以上に長い時間、換気扇を回すことになるでしょう。これも、換気扇に関わる電気代を上げる要因です。

1回当たりの電気代は微々たるものですが、これが年間となると決して無視できない金額になります。その意味で、換気扇の清掃は節約の第一歩でもあるのです。

故障や火事を引き起こすことも

長年にわたりお手入れがされていなかった換気扇は、故障を引き起こす可能性があります。これは、油汚れによってファンの回転バランスが崩れるからです。

また、油が換気扇の内部に入り込み、そこで腐食したりカビを生えさせたりする、といった原因も考えられます。その他、通常以上のパワーで動作を続けたことによる、部品の劣化といった場合もあります。

さらに怖いのは火災などのリスクです。油には、酸化する際に発熱する性質があります。蓄積している量が多いほど温度は上がりやすいため、自然発火の危険性も高まります。キッチンは火や熱を多く使う場所ですので、とくに注意が必要です。

換気扇のフィルターが汚れる原因とは?

換気扇のフィルターが汚れる原因は、料理中に使用した油と水蒸気、そして空気中のホコリです。

水や油は一定の温度を超えると気化し、空気中に漂います。これを吸い込むのが換気扇の役割です。また、空気中にはホコリなども浮遊していますから、この通過も阻止しなくてはなりません。ここで使われるのがフィルターです。

フィルターは空気以外をせき止める役割があります。具体的には、粘着性がある油や水蒸気、ホコリです。そのため、換気扇を動かせば、こうした汚れは都度蓄積されていきます。そして放置しすぎると、ベトベトの汚れとなって表面化するのです。

換気扇掃除に必要なもの・あると便利なグッズ

掃除グッズ

換気扇の油汚れは酸性の汚れですので、アルカリ性の酸素系漂白剤やセスキ炭酸ソーダ、重曹などを使った清掃が効果的です。

また、レンジフードに利用されるシロッコファンの羽はカーブしています。その曲線に合わせて作られている専用のブラシやヘラがあると、お手入れにかかる手間や時間を減らせるでしょう。以下、換気扇とフィルター掃除に必要な道具と、あると便利な道具です。

換気扇掃除に必要な道具一覧

  • アルカリ性の洗剤
  • ゴム手袋
  • 新聞紙
  • クロス数枚(水拭き用と乾拭き用)・キッチンペーパー
  • ファンが浸かる大きさのゴミ袋数枚(45Lくらい)
  • スポンジ・割りばし・古歯ブラシ

換気扇掃除にあると便利な道具一覧

  • 大きめの不要なタオル
  • ファンが余裕を持って入る大きさのバケツか洗い桶
  • シロッコファン専用ブラシ・ヘラ

換気扇掃除は浸け置きが基本!手順と注意ポイント

キッチンを快適に使うためにも、汚れてベタベタになる前に換気扇を掃除したいものです。

しかし、取り外し方がわからない、形状が複雑そうなどで、掃除の手順や方法がわからないという方も多いでしょう。ここからは、換気扇の掃除の仕方を手順に沿って解説します。

換気扇を取り外す

まずは換気扇の取り外しです。ここではじめに確認したいのは、換気扇のタイプです。ファンには、レンジフードにカバーされているシロッコファンと、壁付けになっているプロペラファンの2種類があります。なお近年は、プロペラファンにもレンジフードが付いているタイプもあります。

取り外す部品はタイプによって異なります。作業時には、以下の表を参考にしてください。

シロッコファン
  • ベルマウス
  • シロッコファン
  • ベルマウスとファンを止めていたネジ
プロペラタイプ
  • 中央のキャップ
  • プロペラ
  • カバー

換気扇を取り外している様子

また、換気扇に取り掛かる前に、コンロ回りや床を新聞紙などで保護しておきましょう。とくに、掃除中はレンジフードから汚れた液が垂れることがあります。コンロ上には、必ず新聞紙を敷いておきましょう。

ちなみに、上記の作業をはじめる前には、ガスの元栓を必ず閉めてください。その他、ファンを取り外す前までには、万が一に備え換気扇の電源プラグを抜きましょう。換気扇のブレーカーがキッチンのライトと別であれば、ブレーカーを落としておくことでも構いません。

洗剤を入れたお湯の中に換気扇を浸け置き

バケツか洗い桶にナイロン袋を入れ、その中に40~60℃のお湯を入れます。バケツがない場合は、二重にしたゴミ袋をシンク内にかけ、お湯を溜める方法でも大丈夫です。

洗剤を溶かし(※1)、ファンとその他の部品を浸します。袋の口を閉めて全体が浸かるようにしましょう。お湯の温度が下がってきたときは、熱いお湯を足して40~60℃をキープ。軽い汚れの時は20~30分、汚れがひどいときは1~2時間浸けておきます。

浸け置きしている間に、換気扇のフードやファンケース(ファンの取り付けられていた部分)も掃除しましょう。フードとファンケースの掃除には重曹スプレー(※2)を吹きかけ、クロスで拭きます。

その後、水で絞ったクロスを使い二度拭きします。なお、乾いたときに重曹の成分が白く筋に残る場合がありますので、拭き取りは丁寧に行ってください。

※1:洗剤の量は、後述の「▼洗剤の量」を参照
※2:100ccの水に小さじ1杯の重曹を溶かしてスプレーボトルに入れたもの

換気扇を拭いている様子

汚れを取り除きすすぐ

浸け置きした部品を引きあげ、スポンジや割りばし・古歯ブラシなどを使って汚れを取り除きます。ファンが冷たくなると汚れが固まってしまうので、手早く汚れを落としましょう。

シロッコファンの隙間が狭く落としにくい場合は、こども用歯ブラシか、シロッコファン専用ブラシが効果的です。

換気扇をすすいでいる様子

部品を乾かし元に戻す

汚れと洗剤を、お湯で十分に洗い流し、乾いたクロスで拭き取るか、自然乾燥させます。浸け置きの間に掃除をしたファンケースも乾いていることを確認して、換気扇を元の位置に取り付けます。

換気扇に水分が残ったまま戻すと、カビの原因になる場合があります。すべての部品が乾ききるまでは、組み立ては控えましょう。

部品を乾かしている様子

フィルターは「アルカリ性洗剤」で掃除

  1. まずは、換気扇からフィルターを外します。
  2. ゴミ袋を2重に換気扇からフィルターを外します。そして40~60℃のお湯を入れ、アルカリ性の洗剤をお湯に溶かしたら、フィルターを入れます。
  3. 袋の口を縛るか、袋の位置を調整してフィルター全体を浸け置きします。軽い汚れであれば30分程度、ひどい汚れは1時間程度浸け込みましょう。
  4. フィルターを袋から引き上げ、古歯ブラシで手早く汚れをこすります。シンクでフィルターを洗う場合、フィルターの角が当たってシンクを傷つける可能性があるため、シンクの底に不要なタオルなどを敷いておくことをおすすめします。

アルカリ性の洗剤を振りかけている様子

換気扇やフィルターについている油汚れは酸性の汚れです。アルカリの洗剤を使うと汚れを中和して落としやすくします。アルカリ性の洗剤は手につくと手が荒れてしまう可能性があります。洗剤や、洗剤を溶かした液に触れる際は、ゴム手袋をつけましょう。

【参考】洗剤の量

重曹 お湯1Lに対して大さじ3
セスキ炭酸ソーダ お湯1Lに対して小さじ2
粉末酸素系漂白剤(※)
(オキシクリーンなど)
お湯10Lに対して付属のスプーン2~3杯

※アルミ素材・塗装が剥げた換気扇には、酸素系漂白剤は使えません。

換気扇とフィルターの掃除頻度は?

換気扇の掃除頻度は、ご家庭の油料理の回数や量に大きく左右されます。

揚げ物や炒め物が多いご家庭では、フィルター掃除は3か月に1度程度、換気扇は半年に1度程度が一般的です。揚げ物をほとんどしないご家庭なら、フィルター掃除は半年に1度、換気扇掃除は年に1度でもよいでしょう。

なお、フィルターは汚れを目視で確認できます。上記の期間使っていなくても、汚れているなと感じたら早めに掃除をしましょう。軽い汚れであれば中性洗剤で洗えば落とせます。また、市販の不織布タイプの換気扇用フィルターをフィルターに取り付ければ、汚れたときに取り替えればいいので、フィルター掃除が楽になります。

おすすめの換気扇掃除の洗剤3選!

換気扇のベタベタ油汚れを落とすには、適切な洗剤を選ぶことがポイントです。換気扇のような油汚れは、弱アルカリからアルカリ性の洗剤を使います。ここからは換気扇掃除に使いたい、おすすめの洗剤をご紹介します。

重曹・セスキ炭酸ソーダ

重曹・セスキ炭酸ソーダ

「重曹」は弱アルカリ性、「セスキ炭酸ソーダ」は重曹より強いアルカリ性です。ナチュラル掃除アイテムとして人気があるアイテムで、換気扇掃除にピッタリです。基本の分量は、水1Lに対して、大さじ3倍程度。30分~1時間浸けておくと油汚れがゆるみ、落としやすくなります。

ただし、換気扇の素材がアルミや銅、真鍮の場合は変色する可能性がありますので注意が必要です。また、人の皮膚は弱酸性です。アルカリに触れると、肌のバリアが壊れ、手荒れを起こします。換気扇を洗う際には、ゴム手袋を忘れないように使いましょう。

ウタマロクリーナー

ウタマロクリーナー

「ウタマロクリーナー」は中性で、手肌にやさしく汚れもよく落とせる住宅用クリーナーです。スプレータイプですので、換気扇の浸け置きには向きません。

普段のレンジフードの掃除や、フィルターの軽い汚れに、使いやすい洗剤です。コンロ回りやキッチン全般、水垢や手垢にも使えますので、一つあるとキッチン掃除が楽になります。

オキシクリーン

オキシクリーン

「オキシクリーン」は酸素系漂白剤です。「オキシ浸け」という言葉ができるほど、浸けこむことでしつこい汚れを落とすと評判になりました。酸素系漂白剤の主成分の過炭酸ナトリウムは、セスキ炭酸ソーダよりアルカリ度が高いのが特徴です。

重曹やセスキ炭酸ソーダにはない、漂白作用もありますので、キッチンではふきんの漂白にも使えます。漂白できると言っても、塩素系漂白剤のようなつんとした臭いはありません。色柄物にも使え、除菌・消臭もしてくれます。肌荒れ防止のため、使用する際はゴム手袋を着用するのがおすすめです。

ただし、アルミ製などの金属製品には使用しないでください。アルカリ焼けによって変色を発生させることがあります。換気扇掃除であれば、プラスチック製のファン等の掃除に限って使うようにしてください。

忙しいときは換気扇掃除にプロの手を借りる!

換気扇の掃除は、適した洗剤と正しい手順を知っていれば、自分で行うことも可能です。しかし、忙しくて換気扇まで掃除ができないときや、長く掃除をしていないので自分でするのは無理かもしれない、という方もいるはず。そんな時は、業者への依頼もおすすめです。

プロの換気扇掃除なら、手が届きにくい箇所に溜まった汚れもしっかり取り除いてくれます。プロのクリーニングを間近で見て学べる点もメリットの一つ。何より、隅々までお手入れが行き届いた換気扇なら、安心して料理もできるでしょう。

また、回転が悪い、異音がするといった、換気扇の不具合についても相談ができます。この機会に、換気扇周りの不安やトラブルを解決しておきましょう。

お願いするなら、優良な業者に依頼したいものです。チェックするポイントは

  • 地域で長く営業をしている
  • インターネットの口コミがいい
  • 問い合わせに丁寧に答えてくれる
  • 費用の見積もりをきちんと伝えてくれる

初めて依頼するときは、上記の4つに注意して業者選びをしてみましょう。

換気扇の掃除に自信のない方や、なかなか時間が取れない方は、プロのクリーニングを検討してみましょう。業者にもよりますが、換気扇(レンジフード)クリーニングの相場は15,000円程度です。

ご家庭では難しい頑固な汚れもて徹底洗浄!しつこい換気扇の汚れは、プロに頼んでみませんか?
くらしTEPCO ハウスクリー二ング

まとめ

換気扇とフィルターの掃除をご紹介しました。換気扇掃除を楽にするポイントは洗剤と温度です。

  • 換気扇の油汚れは酸性なので、アルカリ性の洗剤で洗う
  • 浸け置き洗いをする際には、お湯を追加して湯温をキープする
  • 汚れを落とすときは部品の温度が下がらないうちに手早く落とす

そして、手を守るために、ゴム手袋をつけることを忘れないでください。手順を考えながらスムーズに換気扇掃除を終わらせるようにしましょう。

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