床暖房のメリット・デメリット
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床暖房のデメリットは?後悔する前に知るべき特徴!メリットも解説

冬に使う暖房器具の1つに床暖房がありますが、「床暖房は本当に暖かい?」「後悔しないように、前もってデメリットを知っておきたい」といった思いを持つ方も多いのではないでしょうか。

床暖房は部屋全体が暖かくなるメリットがあるものの、コスト面やメンテナンス面など、気を付けないといけない部分もあります。そこで今回は、導入する前に知っておくべき床暖房の注意点を踏まえ、温水式・電気式の比較についても解説していきます。

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導入前に知るべき床暖房のデメリット

床暖房は床に埋め込む必要があるため、新築かリフォームのときにしか取り付けられません。そのため、後悔しないようデメリットも踏まえた上で、導入を検討していきましょう。

もちろん、床暖房にはメリットも多くあります。後述の「▼床暖房を設置するメリット」に解説しますので、そちらもぜひチェックしてください。

導入に多くの費用がかかる

新築時に床暖房の導入にかかる費用は、一般的に電気式で5~10万円/畳程度です。さらに、温水式ではポンプや熱源機などの設置も必要なため追加で25~100万円程度必要とされています。

エアコンの導入費用と比較すると、10畳の部屋の場合、床暖房は電気式でも50万円以上かかるのに対し、エアコンは相場として7〜20万円で設置できます。

リフォームで設置する際は床材をはがし、場合によっては床材の張り替えをするための追加費用が発生するため、新築時に導入した方が費用は抑えられます。こうした費用面が気になる場合は、代替案としてホットカーペットも検討してみてください。

光熱費が高くなる可能性あり

床暖房は、初期費用だけでなく光熱費も気にする必要があります。床暖房は、住宅を温めるために継続してスイッチをONにしておく必要があるため、前もって消費電力量を確認しておくと安心です。

10畳の部屋の1か月間の電気代(※1)は、電気式床暖房で約3,800円~8,400円(※2)、エアコンで約6,500円(※3)です。

ただし、温水式の床暖房は、1か月の電気代を約4,500円(※4)と比較的光熱費を抑えることができるため、コストを気にする方は温水式床暖房の導入を検討すると良いでしょう。

※1:電気料金単価は「電気料金目安単価(2022年7月改訂)」の31円/kWh(税込)[1]で計算。
※2:パナソニック「フリーほっと」を10畳の部屋に設置し、新省エネ基準(IV地域)断熱の合板下地に床暖房パネルを施工。1日8時間連続使用、室温約20℃一定状態で30日運転した場合。
※3:パナソニック「エオリアCU-J284D」(おもに10畳用)の定格運転時の消費電力(870W)用いて、1日8時間使用し30日運転した場合で算出。
※4:パナソニック「フリーほっと温水W」を10畳の部屋に設置し、パナソニックヒートポンプ式温水暖房機を使用。次世代省エネルギー基準(IV地域)断熱の合板下地に床暖房パネルを施工し、1日8時間連続使用、外気温約7℃、室温約20℃一定状態で30日運転した場合。

光熱費が高くなる可能性あり

部屋が暖まるまで30分~1時間ほどかかる

床暖房は立ち上がりに時間がかかり、部屋全体が暖まるのにも30分~1時間ほどかかります。部屋の出入りが激しく、短時間だけ部屋を暖めたい場合には、床暖房は不向きです。

家族が集まって長い時間を過ごすことが多いリビングなどは、床暖房に適しています。

電気式床暖房は低温やけどに注意

電気式床暖房で暖めた床が長時間肌に触れると、低温やけどが起こる恐れがあります。低温やけどは体の内側から進行する性質上、自覚しにくいため、皮膚が弱い高齢者や子どもがいる家庭では特に注意が必要です。

低温やけどは、「床の上で同じ姿勢を取り続けない」「座布団・カーペットを敷いて直接床に触れない」といった心がけで対処できます。また、「床暖房の設定温度を下げる」ことでも低温やけどのリスクを下げることができます。

定期的にメンテナンスや交換をする必要がある

温水式床暖房では、定期的にメンテナンスや消耗品の交換をする必要があります。目安として、1年ごとに不凍液(暖房器具の内部を循環している冷却水)の補充、3~5年に一度不凍液の交換が必要です(ただし、条件によっては10年に1回の交換で済むロングライフ品が使用できる場合もあります)。

また、一般的に熱源機の寿命は10年前後と言われているため、その交換費用と手間も考慮する必要があります。

故障した場合は修理が大変

電気式の床暖房はパネル交換の修理、温水式の床暖房の修理には配管や熱源機(暖房給湯器)の修理が必要になることがあります。

また、床暖房には床材に直接貼り付ける「重ね張り」と床をはがして設置する「張り替え」の2パターンの設置方法がありますが、張り替えの床暖房が故障した場合、床材をはがしての修理が必要となる場合があります。

さらに、工事の期間は床暖房の規模により異なりますが、一時的に部屋が使えなくなってしまうことは避けられません。故障時の修理にかかる費用や不便さについては、十分に留意しておく必要がありそうです。

故障した場合は修理が大変

床材の選択肢が減る

床暖房を導入する場合、熱伝導率の高い床材であることと、下からの発熱に耐える床材であることが必要なため、使用できる床材の選択肢が減ります。一般的に無垢フローリング(木材を使ったフローリング)は、床暖房の使用に不向きです。

お気に入りの床材を使うか、床暖房の導入を優先するか、判断が必要になる可能性もあります。

床暖房を設置するメリット

床暖房はデメリットばかりでなく、もちろんメリットも多くあります。快適な環境を作るために床暖房のメリットも見ていきましょう。

部屋全体が暖まり気持ちいい

暖かい空気は部屋の天井側に溜まる性質があります。そのため、床から伝わる熱が天井に移動していくことで、部屋全体が均一に暖まります

部屋のどこにいても暖かいので、移動が億劫にならないのが利点と言えます。また、足元から暖まるため足元の冷えが解消されやすくなります。

乾燥・ほこり対策になる

床暖房は温風を出さず大きな気流をつくらない性質上、エアコンなど他の暖房器具と比べて部屋の乾燥対策になるため、乾燥しやすい冬場に重宝されます。

また、ほこりやちりが飛散しない点も魅力と言えます。

お手入れが簡単で火事の危険性が低い

エアコンやストーブの場合、定期的なフィルター掃除やコンセント周りのほこり掃除が必要になりますが、床暖房は基本的にフローリング掃除のみで問題ありません。また、季節の変わり目に暖房器具を出し入れする必要がなく、収納場所に困ることがない点も魅力です。

さらに、直接火が出るわけではないので火事の危険性が低く、子どもやペットがいる家庭でも安心して使用できます。

お手入れが簡単で火事の危険性が低い

温水式床暖房・電気式床暖房の比較

床暖房には温水式と電気式があります。設置する際にはご家庭に合った床暖房を選ぶ必要があるため、温水式・電気式の特徴について知っておきましょう。

温水式:配管に温水を流して暖める

温水式床暖房は、熱源機で温水を作り、床下に設置した配管に温水を循環させることで床を温めます。温水式は、電気式と比較すると光熱費が安い、立ち上がりが早い、床暖房を切った後でもお湯が冷めるまでは余熱があるため部屋の暖かさが続くといった点がメリットです。

ただし、導入の初期費用が比較的高い点はデメリットです。また、一般的に熱源機の寿命は10年前後と言われており、故障した際には熱源機の交換が必要になる可能性があります。

温水式床暖房は、温水を作り出す仕組みの違いから、ガス式・ヒートポンプ式・灯油式の3つに分類できます。それぞれの主な特徴は以下のとおりです。

ガス式
  • 床暖房専用、もしくは給湯器と兼用のガスボイラーで沸かしたお湯を利用
  • 比較的暖まりが早い
ヒートポンプ式
  • 大気の熱や電力で沸かしたお湯を利用
  • 環境にやさしくランニングコストが安い
灯油式
  • 床暖房専用の灯油ボイラーで沸かしたお湯を利用
  • 比較的ランニングコストが安い

電気式:ヒーターを床下に入れて暖める

電気式床暖房は、床下にヒーターなどを設置し、電気を使って床を温めます。温水式よりも導入費用が安く、定期的なメンテナンスが不要である点がメリットです。

ただし、消費電力が大きいため電気代が高くなる点や、部屋が暖まるまでに時間がかかる点がデメリットとなるため、事前に把握しておきましょう。

電気式は、床下に埋め込む設備の違いから、電熱線式・蓄電式・PTCヒーター式の3つに分類可能です。それぞれ、以下のような特徴があります。

電熱線式
  • 電熱線に電気を通して暖める
  • 初期費用が比較的安い
蓄熱式
  • 夜間に蓄熱材に熱を貯めて昼間に放熱して暖める
  • 放熱時間が長いため、朝から夜まで快適な温度を一定に保つことができる
PTCヒーター式
  • 電熱線が付いたパネルに電気を通して暖める
  • 自己温度制御機能によって過剰な温度上昇を防ぐことができる

新築時の床暖房の設置は費用を抑えられる

リフォームと比較すると、新築時に床暖房を設置した方がコストは抑えられます。リフォームで設置する場合には、床材の張り替えが必要になる場合があり、張り替え作業の分費用が増える傾向にあります。

また、リフォームの場合には既存の床材や物件の管理規約によっては、床暖房の設置が難しいケースもあります。将来的に床暖房を導入する可能性がある場合には、新築時に導入するのがおすすめです。

新築時の床暖房の設置は費用を抑えられる

まとめ

設置してから後悔しないためには、床暖房のメリットだけではなく、デメリットについてもしっかり理解しておくことが大切です。導入前にあらかじめデメリットを知っておけば適切に対処でき、快適に過ごせるでしょう。

ご自身のご家庭に床暖房が適しているのかどうか、どんな方式の床暖房がマッチするのか、じっくり検討してみてください。

  1. 公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会
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