季節の変わり目に!エアコン掃除を自分でやってみよう
ですが、エアコン掃除は自分でできるのか、できるとしたらどのような手順ですればいいのか分かりにくいのがネックでしょう。そこで今回は、エアコン掃除のメリットや自分で掃除をする時の手順、注意点をご紹介していきます。
目次 [CLOSE]
エアコン掃除をする4つのメリット
掃除をすると部屋がキレイになって気持ちがいいですよね。そこでシーズンごとに活躍してくれるエアコンも掃除してみませんか?エアコン掃除は気分がスッキリするだけではなく、メリットもあります。
掃除するなんて面倒くさい…と感じていても、メリットがあると思えばやる気が起きるのではないでしょうか。ここではエアコンを掃除することで得られる4つのメリットをご紹介します。
①電気代節約になる
エアコンにはエアコン内部にゴミやホコリが入るのを防ぐために「フィルター」が装着されています。このフィルターが汚れていると目詰まりを起こしやすくなり、エアコンが空気の吸い込みに電力をより多く使用してしまうため、電気代が高くなってしまいます。そのため、フィルターの目詰まりをきちんと掃除すれば消費電力を抑えることができ、電気代の節約に繋がるのです。
さらにフィルターの汚れはエアコンの風量を落とすため、効き目を悪くする原因にもなります。効き目が悪いと消費電力を増やしてしまうだけでなく、設定通りの室温にならなかったり時間がかかったりと、部屋の快適さにも影響が出てしまいます。エアコンフィルターの掃除は、電気代はもちろんのこと過ごしやすさにも影響するのです。
②カビや雑菌の防止になる
エアコンの掃除をしないと健康にも悪い影響を及ぼす可能性があります。エアコンの冷房は温かい空気を冷やして室内に送り出します。そのとき、その温度差によってエアコン内部には結露が発生します。通常では発生した水分は室外に排出されるようになっていますが、エアコン内部が汚れているとその排出がうまくできないことがあります。
特に、フィルターが汚れていると冷房の効き目が弱まるため、より冷たい空気をたくさん送り出そうとしてエアコン内部の温度差は大きくなり、結露が発生しやすい状況になります。こうして発生した水分とホコリやゴミを元にして、カビが増殖してしまいます。
エアコンはカビが発生しやすい環境とも考えられ、カビが付着した状態でエアコンを使うと室内にカビ胞子や雑菌を撒き散らすことになります。カビ胞子や雑菌はせき、くしゃみの原因だけではなく、アレルギーや呼吸器系のトラブルを招く可能性があります。子どもや高齢者、病気などで免疫力が低下している人がいる場合はより注意が必要でしょう。
きれいな空気を保つためには、エアコンの掃除が大切です。フィルターや吹き出し口のほこりを取り、清潔に保っておくことによりカビや雑菌の増殖を防止することができますよ。
③悪臭を抑えられる
久しぶりにエアコンを使った時、「何だか臭う…」と思ったことはありませんか?そのニオイの原因は、「カビ」や「雑菌」、そして「生活臭」です。
エアコン内で増殖したカビや雑菌は健康に悪いだけではなく、ニオイとしても現れます。生活臭は人の汗、ペット、料理、タバコなどが原因となりやすく、複数の臭いが混ざりながらエアコンの送風と共に室内に広がってしまいます。
このような悪臭も、エアコンを掃除すれば抑えることができます。
④エアコンに負担がかからない
エアコンを掃除しないで使い続けると、エアコンは室温を設定温度に合わせるために、普通よりも消費電力を使うことになります。エアコン内がホコリなどで汚れていることで故障が発生しやすくなったり、排水管がつまって逆流してしまったりする可能性もあります。
エアコンを掃除することで、使いたいシーズンに故障してしまいつらい目にあうリスクを減らすこともできるでしょう。修理や買い直しにかかる費用や苦労がかからなくてすむかもしれませんよ。
いつごろ掃除するのがいいの?
エアコンの掃除は「シーズン前の大掃除」と「いつもの掃除」に分けて考えましょう。
「シーズン前の大掃除」は年に2回。外気温が高い日が増えてくる「5月」と、日が短くなってきたと感じる「11月」です。しばらく使っていなかったエアコンのフィルターや室外機の掃除をして、必ず試運転をしましょう。シーズン前に故障がわかれば業者への修理もスムーズですが、シーズンに入ってしまうと費用も高くなりがちで、時間もかかってしまいます。
「いつもの掃除」はシーズンに入ってから2週間に1回を目安に行いましょう。エアコンのフィルターは思っているよりも汚れが付きやすいものです。こまめな掃除をすると冷房時で約4%、暖房時で約6%も消費電力を減らすことができます[1]。
エアコン洗浄に必要なアイテム
掃除をしようにも道具が揃っていないと、あれが無いこれが無い!と慌ててしまいます。あらかじめ何が必要か、しっかりとチェックしてから掃除を始めましょう。
- タオル・雑巾
- 新聞紙
- 掃除機
- 中性洗剤
- ブラシ(歯ブラシでもOK)
- 脚立・しっかりした椅子
どれも家にあるものばかりですし、無くてもスーパーや100円ショップなどですぐに買うことができるものです。
エアコン掃除の手順とは?
エアコンの掃除道具があるか確認ができたら、いよいよ掃除。エアコンの掃除は「フィルターまわり」「吹き出し口と本体」「エアコン内部」の3つに分けて考えましょう。
エアコンの掃除は間違えると部品を傷つけたり、故障の原因となったりすることがあります。ムリな作業はせずに、1つずつやさしく丁寧を心がけましょう。
①まずコンセントを抜く
エアコンを掃除するときは、必ずコンセントを抜きましょう。とくにエアコン内部や吹き出し口を掃除中にエアコンが稼働してしまうと、指を挟まれるなど大きな事故になりかねません。エアコンの掃除には水を使う場合もあるので、漏電や感電のおそれもあります。
コンセントはエアコン本体の近くにあるので、すぐに見つけられるはずですよ。
②フィルターまわり
エアコンの下に新聞紙を敷いて汚れを防ぎましょう。エアコンの前面にある「フロントパネル」を開けると現れるのがフィルターです。ムリに開けようとすると破損する可能性があるので、取扱説明書を確認しながら操作しましょう。エアコンフィルターを外す前に、掃除機でホコリを吸い取ると、ホコリが室内に舞ってしまうのを抑えられます。
掃除機では奥の見えない部分までは吸い取れないので、フィルターを外すときにはゆっくりと引き出し、取り出したらフィルターの表面(外側)全体を掃除機で吸いましょう。表面(外側)から吸い取らないとホコリが取りにくくなってしまいますので注意してくださいね。
掃除機で吸い取りきれなかったホコリは「裏面」からシャワーをかけて、水の勢いで洗い流します。掃除機で吸った面とは逆の面なので注意してください。中性洗剤を薄めて10分くらい浸けておくのもよいでしょう。
最後に、ブラシや歯ブラシで残った汚れをやさしく落とします。洗い終わったフィルターはしっかりと水分をとって、日陰干しをしましょう。
フィルターは汚れやすいので2週間に1回が掃除の目安です。
③吹き出し口と本体
吹き出し口は「ルーバー」と呼ばれる、風向きを変えるパーツがあります。取り外せるタイプなら、シャワーで水をかけてから固まってしまったホコリをブラシで落とします。
次に薄めた中性洗剤を染み込ませたタオルで拭いてから、よくすすぎましょう。水気をしっかりと拭き取り、乾いてからエアコン本体に戻します。
ルーバーが取り外せない場合は、薄めた中性洗剤を染み込ませたタオルで拭いてから、最後に乾いたタオルで水気を取ります。
エアコン本体も薄めた中性洗剤を染み込ませたタオルで外側を拭きましょう。エアコン上部はホコリが溜まっていることも多いので、先に掃除機で吸い取ると室内にホコリが舞うのを抑えることができます。
④エアコン内部
フィルターを外すと「フィン」と呼ばれる熱交換器が現れます。フィンはエアコンの心臓ともいえる部分。重要な部分なのでムリな掃除は厳禁です。掃除機で吸い取るかハンディモップでさっとホコリを取るくらいにとどめましょう。
また、エアコン内側のプラスチック部品などもタオルで拭き取るのを忘れないようにしましょう。
掃除で気を付けたい注意点
身近な存在のエアコンですが、間違った方法で掃除をすると故障の原因にもなります。健康を害したり、火災を起こしたりと、取り返しのつかない大きなトラブルに発展することも。ここではエアコン掃除をするときに注意するべきことを知りましょう。
フィルターの乾かし方に注意
フィルターをキレイに掃除するには、水や薄めた中性洗剤でホコリを流し落とすのが効果的。濡れたフィルターをタオルなどで水気を取ったら、陰干しをして完全に乾かすことが大切です。
手間だと思って乾ききらない状態でフィルターを戻してしまうと、カビやニオイの原因になってしまいます。また、すぐ乾かそうとドライヤーなどを使うとフィルターが変形してしまう可能性もあるので自然乾燥で乾かしましょう。
掃除をやりすぎない
フィンなどエアコンの機能に重要な部分には特に注意しましょう。フィンの部品の間にホコリが溜まっていても、表面だけをさっと掃除するようにしましょう。つまようじなどでホコリを取り出そうとすると故障の原因となります。
フィルターはブラシでこすってしまうと破損する可能性も。エアコンの吹き出し口や本体も、汚れを落とそうとして強い力で掃除すると、割れたり折れたりするおそれがあります。
エアコンを分解するのはNG
エアコン内部の見えないところを掃除するためには、エアコンの各パーツを分解したくなるかもしれませんが、分解したけど元に戻せなかったり、間違って組み立ててしまったりで異音や故障の原因になります。エアコンを分解しての掃除はしないようにしましょう。
また、一度分解してしまったエアコンはメーカー保証の対象外として扱われてしまうこともあります。
高圧洗浄機の使用もNG
高圧洗浄機は、高い圧力をかけた勢いのある水で汚れを洗い落とすものです。窓、玄関、外壁、浴室、車などさまざまな場所を効果的に掃除できるため人気があります。ですが、エアコン掃除に使うことはやめたほうがよいでしょう。
エアコン清掃の専門業者も高圧洗浄機を使用することがありますが、水圧などが特別に調整されたものです。適切な高圧洗浄機でないとエアコン部品を傷つけるだけではなく、水が残りカビの原因になることも。電子部品やファンモーターに水をかけると漏電や故障の原因も考えられます。また、汚水による室内への被害が出るリスクもあります。
エアコンスプレーについて
エアコン内部の掃除に人気があるエアコンスプレーですがリスクもあります。エアコンスプレーの洗浄液が内部に残ってカビの原因になります。電子部品に洗浄液が付着すると異常発熱が起こり、発煙・発熱から出火してしまう事故が実際に起こっています[2]。
経済産業省からも注意喚起[3]が出ていますので、エアコンの内部清掃は正しい知識を持った業者に依頼しましょう。購入先の販売店、メーカーのサービス窓口などに相談するとよいでしょう。
忘れがちな室外機も掃除しよう
エアコンは本体部分である「室内機」と「室外機」がセットです。室外機も掃除をしないとエアコンの効き目が悪くなり、消費電力も増えてしまいます。室外機も分解など本格的なクリーニングは専門の業者にお願いしたほうがよいでしょう。
しかし外にある分汚れが目立ちますので、本体の「シーズン前の大掃除」と「いつもの掃除」に合わせて簡単な掃除をしてみましょう。
室外機の周り
室外機の外側を雑巾などで水拭きしましょう。室外機は常に外にあるので忘れられがちですが、室外機がキレイだと家やベランダの印象がグッとよくなります。
室外機の外側を掃除しながら吹き出し口もチェックしましょう。葉っぱ、蜘蛛の巣、ゴミが挟まっているなら、取れる範囲で取り除けば騒音の低減になります。
室外機の周辺に鉢植えなどを置くと空気の流れを妨げ、効率を下げてしまうので、何も置かないようにするのがオススメ。周りにはゴミ、土ほこり、葉っぱなど溜まりやすいので掃除も忘れないようにしましょう。
室外機のフィン
室外機のフィン(熱交換器)は裏側に設置されています。エアコンの温度調整に重要な部分で、汚れていると効率が悪くなってしまいます。フィンは繊細なので力を入れすぎないように掃除するのがポイントです。
掃除機で大きなヨゴレを吸い取ったら、歯ブラシやブラシを使って細かい汚れを取ります。ブラシの毛の部分だけを当てるように意識をして、サッサッと力をいれないように掃除しましょう。
ドレンホース
ドレンホースは室内のエアコン本体から室外機に繋がっており、エアコンが温度調整をすることで発生した水を外に出すホースです。ドレンホースを掃除しないでいるとゴミなどが詰まって水が逆流し、室内のエアコンから水が漏れるなど故障の原因にもなります。
ドレンホースを掃除するには専用ツールでホース内の空気と共に汚れを吸い出す方法があります。無ければ長めの棒などをさしこんで、無理のない範囲で溜まった汚れを取ると良いでしょう。
エアコンのカビを発生させにくくする方法とは?
エアコン内部のカビを掃除するのは家庭ではハードルが高いと言えます。カビはエアコン内部の温度変化で発生する結露が主な原因。結露を防げればカビの増殖を抑えることができます。
カビの増殖を抑えるには冷房使用後に30分から2時間くらい「送風運転」をしましょう。エアコンにカビを抑える機能があればオンにしてください。エアコンを使わない時期でも定期的に送風運転をすることも予防になります。
時短を目指すなら専門業者を利用しよう
自分で完全に掃除するのはむずかしいエアコン。お悩みの方にオススメしたいのが専門業者によるエアコンクリーニングです。
専門業者ならエアコンを分解して専用高圧洗浄機でホコリ、カビ、ハウスダストを徹底的に掃除できます。室内の養生もしっかりと実施してくれるので部屋も汚れません。
1時間から2時間くらいおまかせするだけで、故障や事故の心配をせずエアコン掃除は完了します。特に、年2回のシーズン前の大掃除にはオススメですよ。
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まとめ
エアコンを掃除するとカビや雑菌の防止やイヤなニオイを抑えることができます。さらに電気代を減らせる上に、エアコンの負担が減るので長持ちさせられるというメリットも。掃除はシーズン前にしっかりと、シーズン中はこまめに掃除することが大切です。
自分で掃除を行う場合は、フィルター、吹き出し口や本体を中心に掃除をしましょう。エアコン内部は故障や事故の原因になるので掃除機やハンディモップでさっと掃除するだけにして、気になる場合や年に2回の大掃除の際は、エアコンクリーニングの専門業者に依頼をするとよいでしょう。
忘れがちな室外機も忘れずに掃除をして、快適でエコな毎日を過ごしましょう。
- 環境省:
家庭でできる節電アクション - 独立行政法人 製品評価技術基盤機構:
エアコンの内部洗浄による事故に注意~製造から長期間経過した換気扇・扇風機にも注意~ - 経済産業省:
誤ったエアコンクリーニングで発煙・発火事故が発生しています
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