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2024年版:4人家族の食費は平均8.9万円!理想の食費や節約方法を解説

4人家族で暮らしていて、「子どもが大きくなるにつれ、食費が高くなってきている」「もしかしてわが家の食費は平均よりも高い?」と1か月の食費について悩みを抱えている家庭は多いのではないでしょうか。ほかの家庭の食費が気になりつつも、具体的なお金の話はなかなか聞きづらいものですよね。

2024年に総務省が公表した家族4人分の食費の平均額は、1か月あたり約8.9万円で、決して安い金額ではありません。

そこで今回は、4人家族の食費の平均額を解説するとともに、子どもの年齢別の食費の目安額の変化や、家族4人分の食費を抑えるための具体的な節約術をご紹介します。食費の理想金額の算出方法についても解説しますので、家計の見直しにぜひお役立てください。

4人家族の平均食費は1か月「約8.9万円」

総務省が2024年に公表した「家計調査年報 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯(2023年)」[1]のデータによると、2023年における4人家族の1か月あたりの平均的な食費は、88,977円(※)でした。

※4人家族の世帯のうち、勤労者世帯(うち世帯主が60歳未満)の食費の平均額。

その他、以下のような傾向が統計から読み取れます。

  • 食費の中でも外食代や調理食品購入費の占める割合が高い。
  • 世帯年収が低いほど、支出に占める食費の割合が上昇する。
  • 関東地方や近畿地方の大都市、とくに東京都や大阪府では食費が高く、次いで、北陸地方や東海地方の食費も高い傾向にある。

4人家族の平均食費は1か月「約8.9万円」

【子どもの年齢別】4人家族の1か月の食費

子どもは、大きくなるにつれて食べる量も増えていきます。そのため、子どもの年齢が上がるにつれて食費も上がっていきます。

ここからは両親と子ども2人という一般的な4人家族の家族構成をもとに、1か月の食費がどう変化するのかを確認しましょう。ただし、子どもの年齢別の食費に関する統計データは存在しません。そのため、大人1人あたりの食費の統計データを基に子どもの食費を推定することにします。

2人以上の世帯(勤労者世帯で世帯主が60歳未満、平均世帯人員数3.43)の1か月あたりの食費の平均額は84,545円[1]です。ここから、酒類費と外食費を除き、平均世帯人員数で割った18,518円を大人1人あたりの食費と見なして、子どものいる家庭の食費の目安額を計算していきます。

幼児~小学生のいる家庭:約5.6万円

幼児や小学生は大人ほど食費がかからないため、子ども2人で大人1人分の食費に相当すると考えると家族4人分を大人3人分の食費として計算できます。この計算に基づくと、幼児~小学生のいる4人家族の食費の目安は約5.6万円です。

幼児・小学生の子どもが2人いる4人家族の食費の目安
18,518円×3=55,554円

両親と小学生、幼児の4人家族では、まだ子ども2人の食事量が多くないため、あまり食費がかかりません。そのため、4人家族の平均的な食費(約8.9万円)よりも1か月の食費が少ない場合が多くなります。

また、実家から毎月お米や食材が送られてくるなどの支援がある家庭の場合は、さらに食費を抑えることができます。

中学生のいる家庭:約7.4万円

同様にして計算すると、中学生の子どもを2人もつ4人家族の食費の目安は、約7.4万円です。

中学生ともなると食事の量は大人と変わらない場合が多いため、大人4人分の食費がかかると想定されます。そのため、4人家族の食費の目安は大人4人の食費として算出できます。

中学生の子どもが2人いる4人家族の食費の目安
18,518×4=74,072円

子どもが中学生になると、食事量が増えたり、地域によっては給食がなくなったりする場合があるので、一気に食費が上がります。

また、部活動に所属したり習い事や塾などに通ったりと、小学生の頃より外での活動が増える子どもも多いです。そのため、活動の合間や活動後に間食を挟み、食料代やドリンク代がかかるかもしれません。その場合には、食料代やドリンク代が1か月の食費に上乗せされ、食費の節約を意識する家庭が増えていきます。

高校生のいる家庭:約9.3万円

高校生の子どもを2人もつ4人家族の食費の目安は、約9.3万円です。

高校生になると中学生よりもさらに食べ盛りであると推測されるため、高校生の食費は大人の1.5倍として考えます。子ども2人で大人3人分の食費に相当すると考えられるので、家族4人で大人5人分の食費がかかる計算になります。

高校生の子どもが2人いる4人家族の食費の目安
18,518×5=92,590円

子どもが高校生になると、中学生の頃より食欲が増し、それに伴い食費も高くなる傾向があります。

とくに、運動部所属の高校生が2人いる家庭だと、この目安を大きく上回る可能性も出てきます。そのため、できるだけ食費を抑えようといろいろな節約をする家庭が増えることが予想されます。

「エンゲル係数」が約20~24%となる食費が理想的

家計の食費が高いか低いかを確認する方法の1つとして、「エンゲル係数」をご紹介します。

エンゲル係数とは「家計の全消費支出金額に占める食費の割合」のことで、総支出に対して食費の割合が多ければエンゲル係数が高くなり、少なければエンゲル係数が低くなります。

エンゲル係数(%) = 食料費 ÷ 総消費支出 × 100

食費の理想的なエンゲル係数は20~24%です。

一方で、2024年に公表された総務省の統計データ[1]によると、4人家族のエンゲル係数の平均値は27.1%でした。つまり、一般的な食費の平均額は、理想のエンゲル係数よりも3~7%程度高い値であることがわかります。

4人家族の食費節約術10選

ここまでは、統計データやエンゲル係数をもとに、食費の目安額について解説しました。ご家庭での食費が目安額を超えてしまっているという場合には、家庭の食費の見直しをしましょう。

ここからは、4人家族の食費を節約する工夫をご紹介します。

買い物の前に予算を決める

衝動買いなどの無駄遣いを防ぐためには、買い物の前に予算を決めておくのがおすすめです。

事前に予算を決めておくことで、予算内に収まるように調整しながら買い物できるようになるでしょう。予算の決め方は、以下の方法を参考にしてください。

収入をもとに決める場合
特徴 家庭ごとの収入に合わせて食費を設定する。正確な家計の管理が必要となる。
算出方法 家計収入から固定費や生活費を引き、残った金額から食費に割り振る金額を決める。
エンゲル係数をもとに決める場合
特徴 総支出額と理想のエンゲル係数を基に食費の目安を算出する。家族の人数や年齢など、各家庭の状況は反映しづらい。
算出方法 「総支出額 × エンゲル係数(20~24%) = 理想の食費目安」という計算式で算出する。

3~7日分を目安に食材のまとめ買いをする

買い物をする際、3~7日分の食材をまとめて購入することで、食費を節約できます。食材の使い道を事前に決めて、食べきれる量だけ購入することで、食材のロスを防げます。

まとめ買いした食材は、鮮度が保持できる袋に入れたり、使う量ごとに小分けして冷凍しておいたりすることで、長持ちさせつつ使いすぎ防止にも役立ちます。

ただし、1週間分の食材が冷蔵庫に入りきらない場合や、献立を決めるのが困難な場合は、3~4日分のまとめ買いから始めてみましょう。

割引やセールを把握して活用する

食材の購入は、できるだけ割引やセールを活用して出費を抑えましょう

4人家族の場合は、購入する量も増えるため、割引などを活用して安く購入できれば、それが積み重なることで大きな節約につながります。

また、多くのスーパーでは、売れ残りを防ぐために夕方以降の時間帯に大幅な割引を行っています。割引される時間などは各スーパーによって異なるため、最寄りのスーパーの割引開始時間を把握しておきましょう。

割引やセールを把握して活用する

汎用性が高い食材は多めに買う

ハムやウインナー、ベーコン、卵などは、朝ごはんにも晩ごはんにも活用しやすく、消費に困らない便利な食材です。このような使い勝手が良く賞味期限の長い食材は、多めに買っておくと献立に困らず、食品ロスも防げるため食費の節約につながります。

また、いつも買っている食材の値段が高かった場合は、安い食材に「代替」することも節約のためには大切です。例えば、ほうれん草を小松菜で代替するなど、値段を比較して購入するものを検討しましょう。

献立は買い物前に決めておく

衝動買いや食べきれない量を購入してしまうのを防ぐために、献立を決めてから買い物に行きましょう。スーパーに行ってから献立を考えようとすると、おいしそうな食材を目にしたときに、誘惑に負けてついつい買いすぎてしまう可能性があります。

また、買い物前に冷蔵庫の中身をチェックしておくことで、無駄なものや同じものを購入してしまうリスクを低減させることができます。

さらに、大量買いを避けるために、家族が食べきれる量を把握しておくことも大切です。

献立

作り置きを活用する

買ってきた食材を調理するときは、何食分かまとめて作り置きしておくことで節約につながります。

例えば、副菜を何品か作り置きしたり、メインのお肉やお魚に下味をつけて冷凍したりしておけば、食べる前に火を通すだけで簡単に食事の準備が整います。

作り置きをしておけば、忙しい日や調理が面倒な日でも、外食やお惣菜に頼らずに済むでしょう。

野菜の下茹でに電子レンジを活用する

野菜の下茹でに電子レンジを活用すれば、ガス代や電気代の節約に効果的です[2]

ガスコンロやIHクッキングヒーターで野菜を茹でる場合、水を沸騰させる必要があります。一方で、電子レンジで下茹でをすれば、水を沸騰させる必要がないため、光熱費の削減につながります。

野菜の下茹でに電子レンジを活用するときの手順は以下の通りです。

  1. 野菜を洗い、適当な大きさに切る。
  2. 耐熱容器に野菜を入れ、ラップをかける。その際、ラップに数か所穴を開けて蒸気を逃がす。
  3. 電子レンジで加熱する。
  4. 加熱後、しばらくそのままの状態で蒸らしておくと、より柔らかくなる。

加熱時間は野菜の種類や量にもよりますが、500Wで3~5分を目安に加熱してください。火が通っていなければ数回に分けて再加熱をしましょう。

その他、余熱調理(熱した土鍋などに残っている熱で食材に火を通す調理方法)を取り入れることも、ガス代や電気代の節約につながります。

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お出かけする際の外食をお弁当に置き換える

お弁当を持参すれば、外食代を節約できます。家族4人でお出かけする際も、お弁当や飲み物を持っていくことで外食を減らせば、食費を大きく抑えられるでしょう。

いつもランチを外食に頼っている人なら、週の半分だけでもお弁当に置き換えることで大きな食費削減につながります。

例えばランチ1食500円、お弁当300円とした場合、1か月の平日ランチ代は以下のようになります。

食事内容 1か月分のランチ代 差額
すべてお弁当にした場合 300円×20日=6,000円 ±0円
半分外食・半分お弁当
にした場合
500円×10日=5,000円
300円×10日=3,000円
計8,000円
+2,000円
すべて外食にした場合 500円×20日=10,000円 +4,000円

献立は「肉または魚+野菜」をベースにする

毎日の献立作りが悩みの種という方も多いかもしれませんが、献立は「肉または魚+野菜」を基本に考えると簡単です。

組み合わせを考えるのが楽になり、冷蔵庫の残り野菜も消費しやすくなるでしょう。魚は当日か翌日に消費できるものを買うことで、食品ロス削減に効果的です。

1日目の料理をアレンジして翌日の献立に活かす

アレンジできる料理を作れば、新しく買う食材を減らせるうえに、翌日の献立や調理が楽になるためおすすめです。

例えば、1日目に作ったカレーを、2日目はカレーグラタンやカレーうどんにアレンジして食べれば、同じ料理が続いても飽きずにおいしく食べられます。

ほかにも、1日目に刺身として食べたまぐろの刺身の残りをしょうゆに漬けておき、2日目は漬け丼にして食べるなど、工夫次第で節約や時短につながります。

まとめ

4人家族の平均食費は月額約8.9万円とされていますが、子どもが成長するにつれて平均額も上昇する傾向にあります。エンゲル係数を基に理想的な食費の目安を算出し、食費の見直しをしてみましょう。

食材の買い方や調理方法など、工夫次第で食費を節約することができるため、ご自身が始めやすいものから取り組んでみてください。

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