持ち家と賃貸はどっちが有利?メリット・デメリットを徹底比較
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- モゲチェックメディア編集部 株式会社MFS
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持ち家VS賃貸は永遠のテーマ
持ち家がよいか賃貸がよいかは、常に議論が繰り広げられているテーマです。単純に答えが出ないため、自分にとっての正解を考えることがポイントといえます。
①大前提として決まった正解はない
どのような形態の家に住むのがよいかは、人によって異なります。持ち家が向いている人もいれば、賃貸が向いている人もいるため、どちらを選べば正解という単純なものではありません。
大切なのは持ち家と賃貸の特徴を把握し、それぞれのメリット・デメリットを知った上で選ぶことです。ライフスタイルや世帯収入に合っているかを基準にするとよいでしょう。
②知識を付ければ営業トークに惑わされない
不動産会社や住宅展示場などを訪れると、さまざまな営業トークをかけられます。例えば「今は金利がとても低い水準なので買い時です」と聞かされると、確かに購入を決めた方がよいようにも感じられるでしょう。
また「税制優遇がある今ならおトクです」と聞けば、制度の打ち切り前に契約したい気持ちになるかもしれません。このような営業トークに追い立てられた気分では、冷静に判断できない可能性があります。
いわれるがままに購入し後悔しないためには、住宅についての知識を身に付ける必要があるでしょう。その上で疑問点や不安点をどんどん質問・相談し、総合的に判断します。知識があれば営業トークに乗せられず判断できます。
統計から見る持ち家と賃貸の現状
住宅選びで持ち家と賃貸どちらがよいか判断するために必要な知識として、まずは持ち家の割合をチェックしましょう。統計情報を読み解くことで、全体の傾向をつかめます。
①全体的な割合は持ち家の方が多い
総務省の『平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計』によると、持ち家は32,802,000戸で住宅総数のうち61.2%を占めます。一方、賃貸は19,065,000戸で35.6%です。
持ち家率は、住宅価格や雇用状況に左右されると考えられます。しかし実際には、バブル期の住宅価格高騰にも、リーマンショック後の景気悪化にもそれほど大きな影響を受けていません。
どちらかというと、地域特性や雰囲気に左右されている傾向が見られます。例えば北陸地方は持ち家志向が高い傾向のある地域で、持ち家率80%前後です。
参考:平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 P.4,6|総務省
②働き盛り世代の持ち家率は低下
働き盛りといわれる30~40代の持ち家率は低下傾向です。晩婚化と現役で働く期間の長期化が原因といわれています。
65歳定年が広まり、再雇用により70歳近くまで現役で働く人も増えている中、住宅を購入する時期は以前より遅くなっていると考えられます。加えて「賃貸で十分」と考える人が増えていることも原因です。
賃貸でも設備が整った物件がどんどん出てきています。加えて気軽に引っ越ししやすいため、自由度の高い暮らしをしたいと考える人には、持ち家より賃貸の方が合っているのです。
特に人口流入の多い都市部では、収入にかかわらず賃貸で暮らす人の割合が増えています。
持ち家のメリットを知ろう
正しい知識を持てば、自分や家族に合う住宅選びに役立ちます。まずは持ち家の代表的なメリットを見ていきましょう。
①持つことで資産になる
持ち家の購入は単なる買い物ではありません。一戸建てなら土地と住宅という不動産を取得できるため「資産」の形成につながるのです。
賃貸の家賃は単に払い続けるだけで、資産にはなりません。仮に1カ月に支払う金額が同額であれば、資産として残る持ち家の方が資産形成の面で有利といえるでしょう。
将来的にまとまった金額が必要なら、住宅を担保に融資を受けられる可能性があります。売却による資金作りもできますし、子どもや孫へ財産として残してもよいでしょう。
②外観や間取り、内装など自由に選べる
間取りやデザインを自由に選べるのも持ち家のメリットです。予算や施工会社にもよりますが、賃貸より高い自由度で希望をかなえられます。
ライフスタイルや家族構成・子どもの成長に合わせ、リフォームがしやすいのも持ち家ならではでしょう。より暮らしやすい住宅になるよう、増改築やリノベーションができます。
自分がオーナーであれば、許可を取ることなく壁に釘を打つDIYも可能です。家具の固定や棚の設置ができるため、より便利で暮らしやすい住まい作りができます。
マンションの自由度は、一戸建てより低いケースがほとんどです。それでも区分所有法やマンションの管理規約で認められている範囲内であれば、リフォームやDIYが可能です。
③税制上の優遇を受けられる
10年以上の住宅ローンを利用し持ち家を購入すると「住宅ローン控除」を受けられます。年末の住宅ローン残高の1%が、40万円を上限に所得税や住民税から控除される仕組みです。
1回目は確定申告で、2回目以降は年末調整で手続きすることで、10年間継続して控除を受けられます。例えば年末残高35,000,000円であれば、その1%である350,000円が所得税から差し引かれるのです。
また消費税10%で購入した場合、11~13年目も控除を受けられます。その際には年末ローン残高の1%か、購入価格の2%÷3のどちらか金額の少ない方が差し引かれ、増税前8%との差額分が実質的に返還されます。
家を持つことのデメリットは?
資産になり税制の優遇もある持ち家ですが、メリットばかりではありません。持ち家の購入にはデメリットもあることを理解しておきましょう。
①引っ越しがしにくくなる
周辺環境やご近所との関係など、実際に家に住み始めてみなければ判断しきれない要素もあります。持ち家では万が一ご近所トラブルが発生したとしても、引っ越ししにくいのがデメリットです。
売却し新しい住宅を購入する選択もありますが、そのためにはローンを完済しなければいけません。万が一住宅を売ってもローン残高をまかないきれないオーバーローンになっていると、差額の補填が必要です。
また仕事の都合で引っ越しが必要な場合もあるでしょう。住んでいない間も家の維持費は必要です。住宅ローン利用中の場合は不動産投資ローンで借り換えることで持ち家を賃貸に出し収益を得ることも可能ですが、そのための準備に手間やお金がかかるケースもあります。
②メンテナンスなどは自己負担
購入時は新品の住宅も、時間の経過とともに劣化が進みます。外壁や屋根の定期的な塗り直し・水回り設備の交換など、状況に合わせたメンテナンスが必要です。
小さな修繕であれば数万円程度で済むこともありますが、大規模な工事になると1,000,000円を超えるケースもあるでしょう。費用は全て自己負担のため、日ごろから修繕に向けて計画的に準備しておかなければいけません。
ローンを完済すれば、家に関する支払いは全て終わると考えている人もいるかもしれませんが、経年劣化によるメンテナンス費用が膨らむ場合もあるでしょう。
③状況によってはお荷物(負動産)になる
資産であるはずの持ち家が負担になる可能性も考慮しなければいけません。家を購入すると、ローンのほかにも、固定資産税や都市計画税が課税されます。資金計画が甘いと負担が重くのしかかるでしょう。
また子どもに負担をかける可能性もあります。実家を出て自分の家を持った子どもに持ち家を残したとしても、活用しきれないケースが多いでしょう。
売却や賃貸に出せれば使い道があります。しかし空き家率の上がっている昨今では、築年数の経過した住宅をそのまま売ったり貸したりはなかなかできません。
活用するにも、リフォームやリノベーションに費用がかかります。手放したくても手放せず、税金だけ支払い続けなければいけない可能性もあるのです。
賃貸住宅のメリットは?
持ち家にもメリットばかりではなくデメリットがあると分かりました。では賃貸にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
①ライフスタイルの変化に対応しやすい
ライフスタイルの変化に対応しやすいのは、賃貸のメリットです。持ち家と比較して引っ越しやすいため、そのときに必要な広さの家を選び、常に最適な状態で暮らせます。
子どもが生まれ個室が必要な年齢になったら部屋数を確保できる3LDKを選び、夫婦2人の暮らしに戻ったら1LDKや2LDKなどコンパクトな賃貸住宅に引っ越してもよいでしょう。
共働きの間は通勤に便利な駅に近い物件、子育て中は駅から離れた落ち着いたエリア、子どもの進学に合わせて学校の近くへ、などと住むエリアを仕事や学校に合わせて変えることも可能です。
②修繕やメンテナンスの負担がない
賃貸住宅の所有者はオーナーです。そのため物件や物件に備え付けられている設備の修繕やメンテナンスが必要なときには、基本的にオーナーが費用を負担します。
例えば外壁塗装の塗り直しが必要になったときは、家賃とともに支払っている共益費や管理費からオーナーが業者へ支払います。日常的な使用でトイレに不具合が起こっても、修理費用はオーナー持ちです。
わざと壊した場合を除き、賃貸住宅の居住者が修繕やメンテナンスの費用を負担する必要はありません。
③初期費用が安い
初期費用を安く抑えやすいのもメリットといえます。一般的な賃貸の初期費用は「敷金1~2カ月」「礼金1~2カ月」「仲介手数料0.5~1カ月+税」「前家賃1カ月」の、家賃5カ月分程度です。
家賃120,000円の3LDKなら、600,000円ほど用意すれば借りられます。一方持ち家の初期費用は、物件購入価格の5~10%が目安です。35,000,000円の3LDKを購入するなら、1,750,000~3,500,000円程度かかります。
賃貸の主なデメリット
費用負担が少なく変化に対応しやすい賃貸住宅ですが、ずっと住み続けているとデメリットに感じる点も出てくるでしょう。代表的なデメリットを見ていきます。
①家賃を払い続けないといけない
ローンを全て支払えば月々の支払いがなくなる持ち家に対して、賃貸は住み続ける限り、家賃を払い続けなければいけません。定年退職し平均寿命まで生きると仮定しても、20年以上家賃や更新料の負担があります。
年金のみで家賃を払い続けるのは負担が大きいため、老後の家賃に備えた準備が必要です。
②リフォームができない
自由にリフォームできる持ち家に対して、賃貸ではリフォームはもちろん壁に釘を打つこともできません。借りたときと同じ状態(原状回復)にして返さなければいけない契約のため、自由度は低いのです。
一部にはオーナーの許可を得てDIYできる物件もあります。それでも間取りの変更といった大幅な変更はできないでしょう。
どういう人が持ち家・賃貸に向いている?
それぞれ異なるメリット・デメリットのある持ち家と賃貸は、自分に向いている方を選ぶことが大切です。それぞれの住宅に向いている人について解説します。
①持ち家に向くのはこんな人
広々とした住宅が多い持ち家は、子育て中の人に向いているでしょう。特に子どもが大きくなってきて個室を用意したいと考えている人や、不足している収納スペースを確保したいと考えている人にぴったりです。
十分な部屋数が確保できれば、夫婦の空間も持てます。犬や猫などペットを飼いたいという希望がある場合にも、制約の多い賃貸より持ち家がよいでしょう。
また自分の家を持ちたいと希望している人や、老後の家賃が心配という人も持ち家が適しています。定年退職までに完済すれば、その後の生活費の負担を減らせます。
②賃貸向きなのはこんな人
一方賃貸に向いているのは、ライフスタイルが変わる可能性がある人です。転勤が多い人や転職を考えている人などは、ライフスタイルが定まるまで賃貸の方が暮らしやすいでしょう。
特定の場所に落ち着くより、いろいろな場所に住んでみたいという人にも、引っ越ししやすい賃貸が向いています。また多額のローンを抱えることに不安を感じる人も、初期費用が小さい賃貸がぴったりです。
老後の家賃支払いに備え、計画的な貯蓄ができる人にも適しています。
家の選択はライフスタイルや経済面で判断を
家は持ち家でも賃貸でも、メリット・デメリットがあります。どちらが正解と単純に決められないため、自分に合う方を選びましょう。
資産になる点や、自分仕様にカスタマイズできる点を重視する人は、持ち家の購入が向いています。ただし引っ越しのハードルが高いことやメンテナンスの出費があること、将来的に負担になる可能性も考慮しましょう。
ライフスタイルが変わる可能性がある人は、引っ越しのしやすい賃貸向きです。ただし住み続ける限り家賃を支払わなければいけないため、老後の備えは持ち家より計画的に実行しなければいけません。
家族構成・ライフスタイル・収入面などを総合的に判断した上で、持ち家か賃貸か決定しましょう。
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