家電の知識

教えて家電王!Vol.20 家族のくらしを豊かにする照明の上手な使い方とは?

さまざまな明るさや色味の光を調節できるシーリングライトや、手元に影が出ないデスクライト、+αの機能を備えた多機能照明など、昨今の照明器具の進化は目覚ましいものがあります。在宅時間が長くなっている今だからこそ、照明にこだわってみるいいチャンス。家族の生活をより充実したものにする照明について、家電王こと中村剛さんにうかがいました。

教えてくれる人

中村 剛(なかむら つよし)さん

中村 剛
(なかむら つよし)さん

東京電力エナジーパートナー株式会社 勤務
2002年に『TVチャンピオン』スーパー家電通選手権で優勝し、銀座にて体験型ショールーム「くらしのラボ」の開設と運営に従事。現在は“家電王”として動画マガジン『くらしのラボ』をFacebookとYouTubeで毎週配信しているほか、テレビや雑誌、新聞などの様々なメディアで暮らしに役立つ情報を発信している。無類のネコ好き!

照明選びには、「演色性」にも注目!

このコロナ禍に自宅で過ごす時間が増えたことにより、自宅の照明を見直したいと思う方が増えているようです。リモートワークに切り替わった人は日中の仕事を想定した明かりが必要ですし、一日の終わりには、仕事モードから切り替えて、温かみのある明かりでリラックスして過ごしたいことでしょう。コロナ禍に限らずお子さんには日々の宿題や読書に集中して取り組める環境が必要です。シチュエーションや使う場所に適した照明選びができると、格段に自宅での居心地がアップしますよ。

ところで、皆さんは照明を選ぶとき何を重視していますか? シーリングライトなら設置する部屋の広さ(適用畳数)や、どの程度明るくなるか(調光)、どのような色があるか(調色)、といったところでしょうか。
そこへぜひ加えていただきたいのが「演色性」です。演色性とは、照明で物体を照らすときに、太陽の光が当たったときの色をどの程度再現しているかを示す指標です。演色性が高い、つまり自然光により近い照明を使うと、図鑑や写真集などの色が鮮やかにイキイキと見えるようになるので、子ども部屋には最適。また、目への負担が軽くなるとも言われています。さらに、料理や洋服などの見え方も自然に近くなるので、リビングにもおすすめなんです。

太陽光LEDで目にやさしい!目線の先に影を作らないデスクライト「BALMUDA The Light」

学習や読書、細かい作業などには、デスクライトを併用しているご家庭が多いと思いますが、使い方や選び方によっては目が疲れてしまうこともあります。特に成長期のお子さんの目の負担は、可能なかぎり軽減してあげたいもの。
今回最初にご紹介するのは、子どもたちの目のことを徹底的に考えて作られたデスクライト、BALMUDA The Light(バルミューダ ザ・ライト)です。

BALMUDA The Lightは自然界の波長に近い太陽光LEDを搭載した、演色性の高いデスクライトです。手術灯で国内シェアNo.1の山田医療照明との共同開発によって誕生しました。
医療用LEDは太陽光に近い最高レベルの演色性を持ち合わせ、モノ本来の色や質感を照らし出すことができます。さらに、長時間術野を見続けるドクターの目を疲れさせないように、ブルーライトを抑えた光を実現しています。この「目にやさしい照明」の開発技術に、BALMUDAは着目したのです。

一般的なデスクライトは、頭より高い位置にヘッド部分を持ってきますよね。そのため頭の影が机に落ちてしまい、肝心の手元が暗くなってしまうのが悩みの種でした。
「無影灯」とも呼ばれる手術灯を参考にするBALMUDA The Lightは、ミラーで光を反射させて影を作らない独自の光拡散技術「フォワードビームテクノロジー」を山田医療照明と共同で開発しました。光源から約30cm前方の位置を中心に、離れた場所から広く照らしてくれるので、子どもが机いっぱいに教科書やノート、スケッチブックなどを広げても光がしっかり届きます。

BALMUDA The Lightは、ヘッド部分のパネルを外すと、3カ所のLEDライトにそれぞれホタテ貝のような形状の反射板が付いているのがわかります。これが「フォワードビームテクノロジー」の要。このミラー構造によって、光が斜めに反射して離れた場所を広範囲に照らしてくれるんですよ。

従来のデスクライトのようにヘッド部を上に傾けてしまう人がいますが、BALMUDA The Lightはヘッド部を机と水平にして使うのが正しい使い方です。大きめの机の場合、ヘッド部は水平のままアームだけを前に倒すと、より広く照射することができます。
光の強さは6段階に調節できます。周囲と手元には5〜10倍の明るさの差があったほうが集中力アップにつながると考えられているので(※BALMUDA調べ)、環境や作業内容に合わせて調光できますよ。

BALMUDA The Lightはデザインにも遊び心がちりばめられています。光量調整はカリカリッと回すつまみ式で、これはあえて操作感を強調させたもの。光の強さを変えるたびにポロンと操作音が流れるのもBALMUDAらしいですね。やや大きめのベース部分は、ヘッド部分を支えるという実用性のためだけでなく、文具が収納できるツールボックスになっています。2019年にグッドデザイン賞とキッズデザイン賞をダブルで受賞しているのも納得です。
機能性や見た目はもちろんですが、こういったワクワク体験もBALMUDAの考えるデザイン。その物を通して得られる心地よい体験を親子で共有して、日々のコミュニケーションを豊かにしていきたいですね。

多彩なあかりでおうち時間を豊かにする。日立のLEDシーリングライト

日立のLEDシーリングライトは、暮らしのシーンや時間帯に合わせて、明るさと光の色を組み合わせたおすすめのあかりを提案してくれます。
1台で異なる2種類のあかりを選ぶことができる「リラックスのあかり」搭載タイプは、身支度を整える個室や勉強部屋、書斎などにおすすめ。気持ちのオン/オフの切り替えもスムーズにしてくれて、1日の生活リズムにメリハリをつけられます。
「スタイリングのあかり」はしっかり明るい白色光で、朝のメイクや洋服選びなどの身支度にぴったりです。また、明るさと光の色がオフィス照明に近いので、在宅ワークや子どもの勉強など、集中したい時間に気持ちをオンにしてくれます。

気持ちをオフにする「リラックスのあかり」は、くつろぎ感のある暖色系のあかり3種類から選ぶことができます。従来の電球色(2700K)のほかに、より深みのある2種類の暖色を加え、帰宅後や就寝前の気分に合わせてボタンひとつで切り替えることができます。寝る時間に合わせて少しずつ照明を落としていくと質のいい睡眠が得られますよ。

日立のLEDシーリングライトには、明るさだけでなく、光の成分をより均一になるようにすることで、質的にも自然の光に近づけたあかり「ラク見え」を搭載したタイプもあります。明るさと青緑色の光成分をプラスして、文字はハッキリ、写真は色鮮やかに見えるようになります。
人間の目は歳をとるにつれ色の識別性が低下して、特に青色が見づらくなるので、三世代で同居しているご家庭のリビングなどは、このタイプがおすすめです。

リモコンの「ラク見え」ボタンを押すと、全灯の1.2倍に明るさがアップするとともに、青緑色のLEDが点灯。年齢とともに必要になる明るさと、青緑色の光成分を補うことで、文字も色もはっきり見やすくなります。本や新聞などの細かい文字を読むときや、手芸をはじめとする細かい手作業、絵画や写真など色味を大切にする趣味の時間に使うといいですよ。

「ラク見え」搭載タイプには、くらしに合った明るさと光の色が好みに合わせて調節できる「あかりセレクト」も付いています。さわやかな白色光の「蛍光灯」、読書向きの「図書館」、温かみがあり食べ物の色を引き立てる「食卓」、やさしい光色と控えめな明るさの「電球」の4パターンはボタンひとつで切り替えが可能です。
おうち時間が長い人ほどシーンごとに意識的に照明を変えて、日々の生活にメリハリを付けてみてくださいね。

照明の域を超えた、多機能なLEDシーリングライトも選択肢に

スマート家電の普及に伴い、シーリングライトにもスピーカー内蔵型や、映像投影ができるプロジェクター一体型など、機能が多様化してきています。天井に設置することでコンセントの確保や煩わしい配線コードから解放され、室内がスッキリするのも大きな魅力です。何より家族が集まって、楽しく過ごす時間を演出するのにぴったり。シーリングライトを買い替える際は、こんな選択肢もあることを知っておくといいかもしれません。

心地よい光と音が降り注ぐ「パナソニック パルック LEDシーリングライト(サウンドシリーズ)」

パナソニックのLEDシーリングライトには、高品質スピーカーを搭載したサウンドシリーズがあります。スタンダード薄型タイプはコンパクトなサイズながら、パナソニックがこれまで培ってきたスピーカー設計技術で、低域から高域までバランスのとれた音質が楽しめます。

同梱のワイヤレス送信機をテレビにつなぐと、テレビの音声が内蔵のスピーカーから流れるようになります。さらにBluetooth®を搭載しているので、パソコンやスマホ、音楽再生対応のBluetooth®機器にも対応しています。
スピーカーは斜めに配置することで、今までは聴こえにくかった部屋の隅や距離の離れた場所でも音楽を楽しめるようになっています。私も実際に体験してみたところ部屋のどこにいても音に包まれる感じがして驚きましたよ。また、下向きにスピーカーを付けることで、音を空間全体へ広げるとともに、上階への音の配慮もされているんです。

リビングでの映画鑑賞やスポーツ観戦も、このシーリングライトがあれば臨場感たっぷりで映画館やスタジアムのようです。
サウンドシリーズは生活シーンに合わせたあかりの色が調整可能で、設定時間になると自動でシーンが切り替わる「おまかせモード」を搭載しています。夜になると温かみのある色に変わるので、シーリングライトとしての機能もこだわりたい人におすすめです。

楽しいコンテンツも盛りだくさん!照明一体型3in1プロジェクター「ポップイン アラジン 2」

スピーカーだけでなく、プロジェクターの機能も欲しい!という人にご紹介したいのは、画期的な照明一体型3in1プロジェクター、ポップイン アラジン 2。シーリングライトに高性能プロジェクターと高音質スピーカーを搭載した、まるで魔法のような製品です。インターネットに接続できるので、これ一台あれば豊富な動画サービスやテレビ番組を、大画面で楽しむことができます。

ポップイン アラジン 2の設置には家庭用の引掛シーリングがあれば、追加工事は不要。テレビやスピーカーの置き場に困らず、配線のわずらわしさからも解放されます。リモコンには音声認識機能もあるので、視聴したいコンテンツを声で呼び出すこともできます。
映像を投影する場所があれば、真っ白い壁でなくてもOK。梁やドア、クローゼットがあっても投影面にフィットするよう補正がかかります。壁との距離が短い4~5畳の部屋だって、問題なく使えますよ。

ポップイン アラジン 2には部屋の雰囲気を変えるインテリアコンテンツのほか、親子で楽しめて役に立つ「知育コンテンツ」、「おはよう/おやすみのタイマー機能」など、オリジナルコンテンツが充実しています。ポップイン アラジン 2は家族が集う空間づくりにも一役買ってくれるかもしれませんよ。

まとめ

照明の使い方ひとつで、家事や在宅ワーク、自宅学習、そして家族とのだんらんといったさまざまな生活シーンがより豊かに、充実したものになります。ちなみに今回紹介した照明はすべてLED照明。LED照明は省エネ性能が高く(発光効率が高く)、長寿命(約4万時間)であることから、内閣府は新成長戦略の中で「LED照明などの次世代照明の100%化」を目指すことを発表しており、2030年度にはすべての照明をLEDにする目標を立てています。まだ蛍光灯を使っているというご家庭は、おうちで過ごす時間が格段に増えた今、環境にやさしく、さらに進化したLED照明に変えてみませんか?

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